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Something Impressive(KYOKOⅢ)

音楽のチカラ「青春の言葉 風街の歌 作詞家 松本隆の40年」

先日26日(水)夜「音楽のチカラ」で松本隆の特集があって、一部オンタイム一部録画で見ました。TV出演というのはこれまで覚えありませんでしたが、なかなかノスタルジー曲も盛り沢山。今60才、やはり昨年の陽水のように、40年を語る、という構成、そういう年齢になってたのでした。

”盟友”ユーミンとのトークも折々挟まれ、初めて会ったのが、ユーミン18才のまだデビュー前の頃、「はっぴいえんど」の事務所ビルで、大きな帽子を被った彼女をイタリアの女優みたいだと思った、とか、80年代に、彼から「ライバルに曲を書かない?」と直々電話で聖子曲の作曲にユーミンを誘って、渋々呉田軽穂名でなら、と承諾、とか初耳エピソードも。

何故私を誘ったのか?というユーミンに、当時の歌謡曲の女の子は少し時代遅れな感じで、男の理想だけれど、しとやかだけど芯が強い、という新たな女の子像を描きたくて、それにはユーミンの才能が必要だった、等とコメント。

このコンビでの初の聖子曲が「赤いスイートピー」で、今年綾瀬はるかがカバー(「赤いスイートピー」)、この人が歌、というのは初耳でしたが、少し鼻にかかったサラリとした声。最近このコンビで「赤い・・」の続編的な「マーガレット」という曲提供も、と。ヒット具合は?ですが、やはり時をかけて青春シーンに絡んでくる、このコンビの息の長さも圧巻。

「はっぴいえんど」長髪の細野晴臣の姿等もありましたが、このグループを好きになったのは、ユーミン関連で知って、解散してからで、アルバム「風街ろまん」('71)の確か歌詞カードの路面電車のイラストも含め、子供心に、架空だけれど何処かにありそうな桃源郷のような街、のロマン。
                                    (C)(株)新潮社
音楽のチカラ「青春の言葉 風街の歌 作詞家 松本隆の40年」 _a0116217_19594681.jpg松本著作は「風街詩人」('86)、表紙は取れてしまいましたが「風のくわるてっと」('85)文庫が手元に。それらにもあったと思うのですが、今こうして本人の口から聞いて、都市の音楽、また、いい子のロック、知的なロックがあってもいいんじゃないか、という文学青年ならでは、という意識。~です、~ます調歌詞とか、まったり日本語ロック、という新しさだったのでした。

マイベストは「夏なんです」「朝」「風をあつめて」が横一線。「風を・・」が「ロスト・イン・トランスレーション」('03)で使われて、あの作品のまったり感とフィット、ラストで実際流れた時には感慨ありました。本人が監督した唯一の映画「微熱少年」('87)は、大分前ビデオで見たのでしたが、詳細記憶薄れてます。

松本隆の生まれた青山ルーツ、ではあっても、特定というのでなく、”風街”という響き、そういう場所、という感覚は、何と言うか心の風穴になったり、「夏なんです」「風をあつめて」はいまだに、私の何曲かのメンタル的テンポ調整曲の一角です。

5/30追記:はっぴいえんど解散後、子供が生まれた事もあって、商業作詞家に、という節もあったようですが、最初の歌謡曲はアグネス・チャンの「ポケットいっぱいの秘密」だったのでした。当時音楽仲間から、歌謡曲なんかに、という逆風もあったようですが「木綿のハンカチーフ」ヒットでブレイク、

やはり”阿久悠”のように、”松本隆”は、個人、というより、ほぼヒットメーカー固有名詞、のような感覚ですが、提供曲シングル売上げ通算5千万枚は、阿久悠氏に続く歴代2位だと。ユーミンは、そういう風に、この人がアイドル曲に足を踏み入れたから、自分も、オファーが来た時入っていけた、本人は、先陣を切るのは大変だった、と苦笑してたり。

ピアノ弾き語りの原田真二、も郷愁ですが、彼の魅力に、少年の痛み、のようなものを表したいと思い、その集大成がマッチだった、と。また、充電期間を経てKinki Kidsに「硝子の少年」を書いて返り咲き、この2人との対談もありましたが、TVで彼らを見て、繊細だけどしたたかそうな、という部分を感じて「硝子・・」が浮かんだらしいですが、一連の提供曲は山下達郎とのコンビだったのでした。

様々な作曲陣とタッグ組んでますが、はっぴいえんど仲間大瀧詠一や細野晴臣とは、その後もコンビで、「A Long Vacation」等大瀧アルバムの他にも、森進一「冬のリヴィエラ」、薬師丸ひろ子「探偵物語」は松本・大滝コンビ曲だったのだった、と。

松本・鈴木茂も「ソバカスの少女」「砂の女」とか珠玉曲、鈴木茂は、昨年不祥事聞いて残念でしたが、先日のGW中にあった渋谷の野外コンサート出演者として名を見かけ、復帰の兆し、かと。思えば4人中、ボーカルしてないのは松本隆のみ。

マイベスト松本提供アイドル曲は、今回触れられてませんでしたが、やはり小室哲哉との中森明菜「愛撫」。これはマイベスト明菜曲、また小室曲でもありますが、今思っても、聖子曲等とは違って、まさに生粋に当時の彼女のための曲、誰がカバーしたとしても、本家の味には及ばない気が。

マイベスト松本・ユーミン曲は、聖子曲も粒揃いですが、あえて挙げれば薬師丸ひろ子の「Woman”Wの悲劇”より」。番外で石川セリ「ひとり芝居」。「Woman・・」は本人主演の「Wの悲劇」('84)の絡みもありましたが、唱歌のようなボーカル+松本詞の叙情性+ユーミンバラードが絶妙ミックス。

これはユーミンセルフカバー(「Woman”Wの悲劇”より」)もあったのでしたが、どうもこれは薬師丸版の透明感の方に軍配が。今回、その詞について、「行かないで そばにいて おとなしくしてるから」というような所は、究極の思い、等薬師丸談もありましたが、松本隆は彼女について、人間の裏側、心の動きが歌える人、とコメント。今すっかり中堅女優格ですが、久方の、シンガー資質も彷彿、の歌声でした。

6/1追記:ナレーターは斉藤由貴でしたが、「卒業」を歌う映像、これは松本・筒美京平コンビだったのでした。

今回改めて思ったのは、はっぴいえんどルーツ大瀧詠一、細野晴臣も、自分の活動の傍ら作曲で結構歌謡曲、アイドル曲に進出していた、という事。大瀧詠一は先日「SONGS 鈴木雅之」の時も、シャネルズとの関わりとか、やや意外な気もしたのでした。 

上記の他にも、コンビ作で、イモ欽トリオの「ハイスクール・ララバイ」なんて曲や、聖子曲の「ピンクのモーツァルト」が松本・細野、「ロックン・ルージュ」が松本・大瀧曲だったり、「風の谷のナウシカ」('84)の安田成美イメージソングが松本・細野曲だったのだった、とか、改めて。

少女目線を持つ不思議男性アーティストの1人、と思ってましたが、少年・少女の感性に入り込んで歌謡界を席巻、でもルーツはまったり日本語ロックで、風街詩人、という名は、のどかさあっていい響き、というノスタルジー松本隆番組でした。

関連サイト:音楽のチカラ「青春の言葉 風街の歌 作詞家松本隆の40年」
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            (C)(株)新潮社

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by MIEKOMISSLIM | 2010-05-29 00:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)