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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!

by MIEKOMISSLIM

画家と庭師とカンパーニュ(’07)

先日「夏時間の庭」をエキブロのライフログ登録しようとして検索したら、この作品も一緒に出て、これも気になりつつ未見だったのでDVDで少しずつ、一昨日見終わりました。

こちらもフランスの画家の家、その庭がメイン舞台で、伸びやかな緑や花々、庭師が作っていく家庭菜園の野菜の実や、周囲の田園風景の自然等、まさに絵になる背景でした。

主人公の画家は、色んなジャンルの絵を描くようで、家で描いていたのはやや抽象的な風景画で、部屋に見かけたもので色合い等割と好みなのも。会話で出てきた画家名はジェローム、ボナール、マグリット等、特に印象派には関係なかったですが、やはり「夏時間・・」のように、バックの緑の風景は、どこをとってもまるで印象派絵画のような、という味わい。

中年期の画家(ダニエル・オートゥイユ)と庭師(ジャン・ピエール=ダルッサン)との友情物語で、ダニエル・オートゥイユは私は「ぼくの大切なともだち」('06)以来、やはりタイプの違う男同士の友情ものだったのでしたが、

今回も、人生にやや疲れ気味、それなりの懐も都合のいい身勝手さもありながら、地道な人生を歩んできた庭師にフィットするジャン・ピエールとの、渋味な温かみ、という役所。

ジャン・ベッケル監督がアンリ・クエコという画家の小説「私の庭師との対話」を映画化、との事で、見ていたベッケル作品は「ピエロの赤い鼻」('03)でしたが、戦場の窮地でふと投げかけられた”ピエロ”の無償の好意、やはり地味であってもじんわり余韻、という覚えでした。

「カンパーニュ」は「田舎、地方」の意味らしいですが、主演の2人は互いを「キャンバス」、「ジャルダン」(庭)と呼び合っていて、どうも本名の覚えはなく、作品サイトでも役柄の名の情報は見かけず。劇中は、2人の日常的な会話が多いのですが、

2人の関係ルーツも、ただ中学校のクラスメート、あるいたずらの共犯者だった、という以外、互いのキャラクターが偲ばれるエピソードは一切なく、折に共通の友人・知人の話は出ても、幼馴染み的交流があった、という訳ではなさそうで、そういう所とか、あえてある種お伽噺風な、という感も。


9/17追記:前半、主に庭を通して、2人のラフな友好の日々ですが、芸術家肌の画家の個性に押されていない、庭師の平凡・地道、という個性。

折に、互いの頭を占める事情や志向を、相手が軽んじてるような対応への苛立ちを見せる事はあっても、特に挑発的だったり丁々発止のやり取り、という訳ではないですが、なかなかの味わい。

国鉄職員、2人の娘の父としてやってきながらその範疇で生活を楽しんで、庭師夫婦のニースでの、やはり地味な恒例のバカンスのまったりした様子や、ニースは未踏の画家が、それに興味を持つ様子、等も、エスプリ効いていたエピソード、と。

また共通の知人パン屋の「ポワロ」が亡くなり、その発音で「剛毛」という仏語があって、そういう絡みの、2人が童心に返ったようなコミカルシーンもあって、口髭、は別の語のようですが、今にして名探偵ポワロはベルギー人ですが、その名は、あの髭の風貌ルーツ?と。

庭師のアルジェリア出身の妻役、ヒアム・アッバスはイスラエル人で、エキゾチックな風貌、見た中ではイスラエル舞台だった「フリーゾーン」('05)や、「ミュンヘン」('05)にも出てたのでした。

後半、庭師が突然病魔に襲われる事で、彼への思いやりから、画家自身の内面に変化が起こり、こじれていた妻(ファニー・コタンソン)との関係も修復の兆し、そしてクライマックスへ、というのは常套的かもしれませんが、

やはり、アイテムになる思いの形が、美しい川での鯉釣り、だったり、庭師に頼まれ、画家が彼の好きだったものを描いた、黄色い長靴、野菜、魚、身に着けていれば役に立つ、と忠告された紐とナイフ、等の、この画家にしては素朴な絵の数々、庭師が育て上げた家庭菜園等、視覚的にもナイーブで印象的。

9/18追記:舞台はほとんど画家の家(の庭)ですが、画家が妻に会いに、また庭師を友人の医者の所へ連れて行く折に、パリにも行って、ルーヴル美術館を訪れ、庭師に肖像画の蔭影を指摘したり、庭師が馴染みのドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」を眺めたり、ほんの少しでしたが、私は「ダ・ヴィンチ・コード」以来見かけたルーヴル舞台でした。

そういう所で、人情味、エスプリ、アートの味わい、美しいのどかな風景等ミックスで、結構充足感残った作品でした。

関連サイト:amazon「画家と庭師とカンパーニュ」http://www.paoon.com/film/bfljloiga.html
関連記事:フリーゾーン(’05)(53)、ミュンヘン(’05)(3)、ダ・ヴィンチ・コード(’06)八日目(’96)ピエロの赤い鼻(’03)そして、デブノーの森へ(’04)ぼくの大切なともだち(’06)
(スレッドファイルリンク(ここでは「フリーゾーン」~「ダ・ヴィンチ・コード」)は開かない場合あるようです)

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          <ルノワール「アルジャントゥイユの庭で製作するモネ」カード>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-09-16 00:00 | 洋画 | Trackback(4) | Comments(0)
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