Something Impressive(KYOKOⅢ)


没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになった

昨日、国立新美術館で開催中のゴッホ展に母と行ってきました。ゴッホは、最近だとオルセー展やヴィンタトゥール展で見かけ、個人展では、’93~’97年現損保ジャパン東郷青児美術館での「ゴッホとその時代」シリーズ展以来でした。今回6章に分けて、油彩、版画、素描等68点と、関連画家の作品55点も合わせての展示。

a0116217_2355715.jpg今回特に気になったのは、会場に「アルルの寝室」(ポスター↓)の舞台が再現されている、という事で、

実際、この絵の向い側スペースに、青い扉や壁、黄色いシーツに赤い布団のベッド、水差しや壁にかかったタオル、絵等、再現されていて、かなり凝った作り、という訳ではなかったですが、ちょっと感慨。実際台形の部屋だったのだった、と。

傍らに、その部屋のあった「黄色い家」の間取り、階段を上がって部屋へと2階に進んでいく、立体図CGもあったり、ゴッホ立体体験、という趣でした。


この目玉の他、ゴッホ以外の画家作品も思ったより多く、特に4章「パリのモダニズム」で、ゴッホが影響受けた印象派陣としてモネ、シスレー、ピサロ、スーラ、シニャック等、1,2点ずつですが、見られたりしたのも良かったり。モネは、紺碧の海と岩場の「ポール・ドモワの洞窟」と「ヴェトゥイユ」。

その他、ゴッホ以外の画家作品で目に留まったのは、この4章では、馴染みない名でしたが、ゴッホが高く評価、というアンリ・ファンタン・ラトゥールの「静物(プリムラ、梨、ザクロ)」や、アーネスト・クオストの淡い赤と白の花の「タチアオイの咲く庭」、

1章「伝統ーファン・ゴッホに対する最初期の影響」のクールベの海の絵、2章「若き芸術家の誕生」で、ゴッホの唯一の師、というアントン・モーヴの「フリース郊外」、5章「真のモダンアーティストの誕生ーアルル」で、歌川広重らの浮世絵等。


a0116217_22302710.jpgほとんど独学、でも色々な作風や画家の影響も受けながら”ゴッホ”へ、という紹介の趣旨だったかと思いますが、1章最初に「秋のポプラ並木」と「曇り空の下の積み藁」が並んでいて、6年の間に、オーソドックスな筆遣いから、”ゴッホ”的独特の細かいタッチへの変遷ぶりが一目瞭然。

本人の作品で印象的だったのは、4章で、馴染みあった「セーヌの河岸」(カード一番上↑)の解説で、左上にある雲が、本人の指紋で、ゴッホ作品には、運ぶ時についた指紋もあるけれど、これは、意図的につけたのだった、と。これは一時期壁にポスターを貼ってたのでした。あとこの章では、「ヒバリの飛び立つ麦畑」(カード↑)、「マルメロ、レモン、梨、葡萄」(カード左↓)。

ゴッホの麦畑というと、ちょっと「夢」('90)を思い出したりしたのですが、「ヒバリ・・」は淡い色調、シンプルな構図で、やや異色ゴッホ作品、という気も。また、ゴッホの静物画、というのは、今までの手元のカードで見たら、35枚中3枚だけだったのですが、

a0116217_13225327.jpga0116217_13284661.jpg









この「マルメロ・・」は黄、黄土色基調で、額もそういう色合い。解説だと、自ら額装したもので、唯一オリジナルとして残っているもの、らしく、これや、5章での、薄いレモン色や緑基調の「タマネギの皿のある静物」(カード右↑)等は、淡いゴッホ流静物画、とちょっと珍しさも感じたり。

5章では、やはりいつもながらアルル時代の絵は、色鮮やかさの真骨頂、という感じですが、「アルルの寝室」初め「サン=マリ=ド=ラ=メールの風景」(カード↓)、「緑の葡萄畑」、共同生活することになった「ゴーギャンの椅子」等。

崩壊した共同生活ですが、椅子の絵から、彼との暮らしを受け入れる気持や、ゴーギャン風に薄塗りした、という「ある男の肖像」とか、影響の跡も見られたり。

11/16追記:最後の6章「さらなる探求と様式の展開ーサン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ」では、「サン=レミの療養院の庭」と、馴染みの目を射る黄+青の「アイリス」。

a0116217_1410816.jpg後でカードを買ったのは、上記の「ヒバリ・・」「マルメロ・・」「タマネギ・・」「サン=レミ・・」、そしてすでに手元にあったのですが「サント=マリ・・」。母は「灰色のフェルト帽の自画像」「アルルの部屋」「サン=レミ・・」を買ってました。他の画家のはなく、残念。

館内何処かで平井堅のゴッホ展テーマ曲「太陽」が少し流れてて、余りこういう展示会テーマ曲、というのは覚えありませんでしたが、You tubeで通して聞いてみたら、ゴッホの生涯を歌にした、という内容だったのでした。

帰りに第42回日展の洋画・日本画・彫刻の所をざっと見てきて、彫刻コーナーで、大きな手のひらか花弁にも見える青いベールの中で、白い体の女性が眠る「ニーベルングの指環 ブリュンヒルデの眠り」(渡辺洋子)という作品にちょっと目を引かれて、カード売り場にあったので入手。

今回、馴染み+やや目新しかった作品もあって、アルルの部屋の立体化、”ゴッホ”ルーツ構成で、影響受けた様々な画家の作品も見られたりで、満足でした。

関連サイト:没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになった
関連記事:クリーブランド美術館展オルセー美術館展SONGS 平井堅ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たちオルセー美術館展 「ポスト印象派」ザ・コレクション・ヴィンタトゥール

a0116217_20552731.jpg

                  <美術館入り口のポスター>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-11-15 00:00 | 芸術 | Trackback(5) | Comments(0)
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