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Something Impressive(KYOKOⅢ)

’10年度ベスト5作品/DVD・ビデオ・放映・上映会鑑賞<1>

昨年は、映画新作劇場鑑賞が9本、DVD・ビデオ・放映・上映会でが18本。昨年並みで、やはりAOL期のペースからは激減ですが、色々総合したらマイペースでこんな所かと。

近年気忙しさや心境の変化等もあって、劇場で見ておきたい、と強く思う作品も少なくなりましたが、かえって家で、DVDや録画を、何日かのスパンで見たものの方が、記憶に刻まれてたり、思う所も多かったり、という面も。

また諸事情で、作品自体の感触判定不能なものもありました。

やはりケジメとして、新作はベスト5にして、旧作は見た順に、印象深かった5作品を挙げておこうと思います。


★新作

ハナミズキ:一青窈名曲+土井作品、で注目でしたが、市井の”飛べない”カップルの右往左往の青春ぶり、また、奇跡の舞台として、一昨年度マイベスト1「アンを探して」のPE島に近い、カナダの街も印象スポット。 

             


借りぐらしのアリエッティ2回目):大作感はなかったジブリ新作ですが、小さいミクロ世界を豊かに描いた珠玉作、という後味、付随的に種田陽平展示会や、原作、原書も味わいました。
 
              


BANDAGE:DVD鑑賞でしたが、小林武史+岩井俊二色ミックスで、結構インパクト残った作品。演奏曲もテイスト的にフィット。ミュージシャン監督作では、小田和正作品「いつかどこかで」に変わってマイベストに。
               
               


時をかける少女:やはり原田知世+ユーミン曲の大林作品オマージュとして、見ておきたかった作品。オープニングのいきものがかり版「時をかける少女」で、早くも感慨。

               


RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の話:錦織作品+ユーミンテーマ曲、で注目作。突っ込み所あっても、珠玉作「白い船」大人版、という感触もあった作品。締めのユーミン曲もじんわり。

               


1/8・9追記:
★DVD・ビデオ・放映・上映会

ハルフウェイ(’09日本):岩井俊二・小林武史プロデュース作、という興味だったのですが、清々しい川岸の映像、主演カップル2人の息遣いがそのままほとばしるような、何気ない青春の一コマ。

              


別れの曲(’34フランス/ドイツ):春に上映あったショパン伝記作。ショパンと恋人との悲恋物語でしたが、改めて「別れの曲」の旋律の美しさ、また大林監督を映画に駆り立てた、という「さびしんぼう」ルーツ作品、としても感慨。
                
               


E.YAZAWA ROCK(’09日本):矢沢永吉の日常、回顧、コンサートの様子等を追って、ミクロネシアの南の島でラフに語る姿、ステージのダイナミックさ等、被写体の持つパワーや魅力散りばめられたドキュメンタリー。
                 
              


コトバのない冬(’08日本):高岡早紀主演+北海道舞台で気になってた作品。「KYOKO」以来、見た中では久方に高岡早紀の透明感ある魅力が素直に感じられ、一時の青年との触れ合いの記憶を失くすヒロイン、「思い出せないことで、何が不自由なのか判らない」、というのも切ない物語。 

                


櫻の園~さくらのその~(’08日本):印象深かった「櫻の園」('90)の中原監督によるセルフリメイク。’90年版とはややテイスト違いましたが、ある時期の少女達の間の息遣い、計算のない好意等、独特な優美さの青春もの、という感触再び。

                 


主演女優賞:高岡早紀(コトバのない冬)、主演男優賞:矢沢永吉(E.YAZAWA ROCK)、助演女優賞:寺島咲(櫻の園~さくらのその~)、助演男優賞:ポッド(声:三浦友和、借りぐらしのアリエッティ)、歌唱賞:杏(BANDAGE)、芸術賞:夏時間の庭(’08)、イベント賞:河瀬直美トークイベント、外国語映画賞:そして、私たちは愛に帰る(’07)

こうして昨年の映画総まとめをした事で、気持的に一区切りついたし、英検まであと2週間で、準備進行具合もあって、新記事は試験後にしようかと思います。TB、コメント等のご返信はします。

この記事については、昨年振り返って、また、上記、上記外作品について追記していくかもしれません。


1/10追記:改めて鑑賞作品名を見直すと、洋画の英語版4本、その他言語2本、後21本は邦画。こういうペースになって、やはり邦画好み、音楽、美術絡みが注目ジャンル、と改めて。

また、今回上記10作品中、原作(ノベライズ版)とセット鑑賞の「借りぐらし・・」、「時をかける・・」、「ハルフウェイ」は映画→原作でしたが、その他セットだった「西の魔女が死んだ」(’08)「人の砂漠」(’10)「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~(’09)は、それぞれ原作を読んでいて→映画化への興味、の流れで、

やはり続編含む5編と、その内2編の原書を読んだ「借りぐらし・・」の「小人の冒険シリーズ」が、近年で一番ボリューム感。その後の小人一家の動向、展開含めて、趣も増したのでしたが、「時をかける・・」鑑賞の期に筒井康隆の原作を読み直してみたのも、こういう展開だったのだった、と思う所もあって、印象的。


1/12追記:そういう所で、映画化作品自体とは別に、昨年読んだ原作のベスト3で挙げると、

1 小人の冒険シリーズ/メアリー・ノートン
  The Borrowers(’52)/床下の小人たち(’69)野に出た小人たち(’76)川をくだる小人たち(’76)空をとぶ小人たち(’69)小人たちの新しい家(’90)小人の冒険シリーズと「借りぐらしのアリエッティ」The Complete Borrowers('82)

(C)(株)岩波書店・PUFFIN BOOKS
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2 時をかける少女(’76)/筒井康隆
                (C)(株)角川書店  
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3 人の砂漠(’77)/沢木耕太郎
  人の砂漠(’77)映画化
                   (C)(株)新潮社
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で、「人の砂漠」も、春先に作品を見た折に、今回映像化された4編等一部読み返したのですが、対象に対する自らの直接行動と観察眼での、沢木目線で斬った社会の様々な側面描写に、そう古さも感じられず、

最近も折に新聞で、餓死状態で発見、というような老いての孤独死記事を目にする度に、やはり「あばあさんが死んだ」が重なったり。

そして「小人の冒険シリーズ」は、改めて思えば、ファンタジー世界でありながら、登場するのが、魔力や特殊能力を持つわけでない、”市井の”小人達、というのがミソの1つだったかと。

人間と同じような、家族愛、親子間の価値観の違い、親戚付き合いでの人情や摩擦、競争心、恋心、というような人生模様+小人ゆえの、その視点からの豊かさや美しさ、自然界や人間界でのサバイバル冒険、という趣で、児童小説とはいえ、大人でも味わえそうな、という懐も。

1/14追記:そして、映画化との関係で思えば、「小人の・・」は、前に「小人たちの冒険シリーズと「借りぐらしのアリエッティ」」記事でも触れたのですが、「借りぐらし・・」続編が出来るなら、やはり大作的展開でなく、今回のように原作テイストに沿って、「空をとぶ・・」筋で、というのを見たい所で、

「時をかける・・」も、今回のように、リメイク、というより続々編的な作品も出来そうですが、これに関しては、余り異色作、というより、オリジナルの内容と繋がり感じられるものが望ましいです。

「人の砂漠」は、今回のは、若い学生製作ゆえか、原作の沢木目線への敬意は結構感じられたのですが、やはりプロ監督なら、どう斬ったのだろう、と。また今後もしこういう企画あったら、沢木視点から心無く逸脱したものは、見たい、とも思えないのですが、どの沢木作品を誰がどう斬るのだろう、と。

私は沢木役大沢たかおでドラマ化だった「劇的空間 深夜特急」('96~'98)が、スクリーンで見られたら、感慨あるだろうに、という所。


昨年の初鑑賞作品は、ジブリ同様、ピクサーアニメ新作、とのことで注目だった「カールじいさんと空飛ぶ家」(’09)だったのでしたが、

監督単位で気になって、という所では、まず冬に岩井監督絡みで、「市川崑物語」(’06)以来の本人作、オムニバス「ニューヨーク、アイラブユー」(’09)での短編。その後DVDで、プロデュース作の「ハルフウェイ」と「BANDAGE」。

そして春先トークイベントに行った折もあって、DVDでの河瀬監督の「七夜待」(’08)。ファティ・アキンの「そして、私たちは愛に帰る」。またユーミンや一青窈の音楽興味ミックスでもありましたが、錦織作品「RAILWAYS・・」、土井作品「ハナミズキ」。

旧作では、未見だった、図書館上映会での大林作品「北京的西瓜」(’88)、放映あった宮崎監督長編デビュー作「ルパン三世 カリオストロの城」(’79)。これらは、これまで知る監督作風的に、好感、感覚的にフィット部分あって追ってきていて、インパクトの残り方は様々でしたが、やはりどれも個人的に”はずれ”というのはなし。


1/16追記:昨年母と見に行ったのは4本、「カールじいさん・・」、エキブロの母娘限定試写会だった「ローラーガールズ・ダイアリー」(’09)、「借りぐらし・・」「ハナミズキ」。やや記憶薄れてるようですが「ハナミズキ」が一番良かったと。

若い頃美空ひばり映画に行った位で、元々人生や好み的にもそう映画と接触なく過ごしてきた人で、上京してきてから、気晴らしに、とも思ってたまに誘って一緒に行くようになったのですが、

特に高年になって自身の人生色々あったりして、妙にきつく辛い思いをするシーン、物語、荒んだ気持になる作品はあえてお金と時間を使って見たくない、というのは、無理ないかもしれません。そういう趣向もあって、最近一緒に行くのも展覧会の方が多め。

誘うにしても、柔和なものを選んでるつもりですが、一昨年はCMを見て良さそう、と言ってたので見に行った「HACHI 約束の犬」(’09)がやはり一番良かったと言ってて、「ハナミズキ」は、北海道やNYの景色が綺麗で、ラストの締まりも良かった、日本らしい作品だった、等という所でした。


1/18・19追記:一昨年度のベスト作品記事で、私自身の鑑賞を振り返ってみれば、特に原作絡みで、というのは直接はなかったのでしたが、やはり「アンを探して」、「サガンー悲しみよこんにちは」(’08)等は、根本的に、アンシリーズや一連のサガン小説への愛着、ノスタルジーあってこそ見に行ったり、感慨も、という所。<(C)(株)新潮社↓>

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鑑賞時に劇場で買った「サガン 疾走する生」が、4分の1位までで読みかけのままだった、と。

これらの作品を見て、子供時代のアン物語へのピュアな感動体験や、思春期~20代頃読んだサガン小説に漂う、無垢な洒脱さ、というのか、アンニュイな優しさへの心酔感とかが、具体的に蘇った、という訳ではなかったですが、ある時期の、そういう脳裏に美しく残る残像を拾いに行った、という感じ。

サガンについては、色々伝説的な逸話の断片は記憶にあったのですが、それが、テステューによる”動くサガン”による映像化、で、今にしておさらい、という所。

事故の治療での使用が原因での薬物中毒とか、汚点的部分も改めて、で、サガン文学を全く知らない観客がこの作品だけで持ってしまうネガティブなサガン像、というのも、何だか虚しく無意味な、とは思ったのですが、

劇中、自分の小説の評価に対するかなりナイーブな部分、実際的人としての脆弱さ、というようなイメージに重なる所もあって、2度の結婚生活においても、破綻の原因として、最初は夫の若い女性との、2度目は夫の男性との浮気、という所も改めて、だったり、

今にして知った、本人の同性愛志向、という部分を含めても、カミング・アウトはしなかった事や、奔放なイメージとは裏腹な、恋愛、愛情部分での真摯さ、ある種の節操、というのはそこはかとなく感じられて、

サガンを読んだ頃が、今のような情報化時代だったとしても、サガンなら、そういうIT系ツールは使わず、様々な思いは著書での表現に込めていた気はするのですが、もし一般人とは違う価値観での実態やエキセントリックさが、自身の言葉でまさに実況中継的に吐き出され、伝わってきたりしてたら、

やはり小説自体率直に味わえたか、というと、本人の知己でも取り巻きでも有り得ない、一読者としては難しそう。でも、この伝記作品で、以前読んだ彼女の小説への私的評価に影響、という事はありませんでした。


関連記事:’05年度ベスト10作品’06年度ベスト10作品’07年度ベスト3作品’08年度ベスト10作品’06年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’07年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’08年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’09年度ベスト5作品/DVD・ビデオ・放映鑑賞’10年度ベスト5作品/DVD・ビデオ・放映・上映会鑑賞<2>
(スレッドファイルリンク(ここでは「’05年度ベスト10作品」「’06年度・・」「’07年度ベスト3作品」「’08年度ベスト10作品」)は開かない場合あるようです。)

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                    <’11年1月、後楽園にて>                             

                                                                                                                                                                      
               
Tracked from 京の昼寝〜♪ at 2011-02-02 17:26
タイトル : 2010年ベストシネマ15(邦画編)
2010年ベストシネマ15(邦画編)   またまた今年もまとめるのが遅くなってしまいました・・・。 昨年は年間95本(洋画40本、邦画55本)の映画を劇場で鑑賞しました〜 一昨年が87本でしたから、少し伸びましたが100本達成とまではいきませんでした もっとも2010年は無理して観ないようにしてたのも事実で、でもあちこちで歩いていた割には観れた方です。 邦画を観る本数が増えてしまいましたが、逆に興味をそそる洋画が少なかったように感じました。 今年の邦画は時代劇調が多かったように思います。 ここには老...... more
by MIEKOMISSLIM | 2011-01-07 00:00 | 映画全般 | Trackback(1) | Comments(0)