2011年 04月 09日
僕らの音楽 松任谷由実・薬師丸ひろ子・おすぎ
丁度一ヶ月前、地震の前、「SONGS」で薬師丸版のこの曲を久方に聞いて、あの時も、何だかくさぐさしたものから、一時心洗われるような思いでしたが、今回、再びこの顔合わせで、というのもなかなかの感慨。
ユーミンが、もうスタジオで会ってから四半世紀経ってて、ひろ子ちゃん、と呼ぶのも変だけど、「やっくん」と呼んだりしていて、そんな風に呼ぶ人いないですね、等と当時の友好ぶり。歌った後、熱いものがこみ上げてきた、と語り、
薬師丸ひろ子も、今日ユーミンと一緒にこの曲を歌って、改めてこの曲の旋律の切なさとかが体の中に溢れてきた、等とコメント。
ユーミンは白と黒のボディフィットのドレス、薬師丸ひろ子はほんわりした白いワンピース姿。向かい合ってのコラボで、薬師丸側が主に主旋律を歌い、ユーミンがメインだったのは、2番のごく一部だけ。
この曲は、何度か触れたのですが、ユーミン版あっても、私はこれは絶妙の薬師丸ハマり曲、と思ってるのですが、ユーミンのこういうサポート的なコラボぶり、というのも思えば余り覚えなく、薬師丸側への敬意、のような感覚も。
4/10追記:こういう、ユーミン提供曲シンガーとのコラボ、他に実現したら、と思うのは、まず浮かぶのは麗美との「霧雨でみえない」や「ノーサイド」。そして、小林麻美との「雨音はショパンの調べ」。どちらも今はシンガー活動はしてなさそうで、可能性薄いですが。
男性シンガーだと、稲垣潤一との「オーシャン・ブルー」。そしてユーミン版はあるコンサートラストで感涙ものの弾き語り、を一度聞いただけで、正式セルフカバーはないですが、バンバンとの「いちご白書をもう一度」も、きっと何かしら、感慨だろうと。
4/11追記:そして、メインのおすぎとの対談。今回の、ではなく新聞企画で羽田空港で2人が対談中、3.11の地震が起こって、机の下に身を隠したりして中断、ユーミンは終始落ち着いてて、後で「この対談は一生忘れられませんね」と2人で話したそうで、今回の収録はその前か後だったか、やはり不明ですが、
先日から、ユーミン出演番組ゲストが、ミッツ、マツコ、そしておすぎ、とゲイ芸能人続き。途中で、映画評論家には、何故ジェンダーを越えた”ユニ(ゲイ)”の人が多いのか?という、ユーミンの率直な問い。私は、それは気付いた事はなかったですが、
おすぎは、たまたま映画評論をする人の中で、感性を自分でもて余してる人がいて、それは映画を見ることで、自分では考えられない人生を幾つも手に入れられて、違う自分を演じられるのか、という事を見つめると、男にも女にも愛されたい、という風になっても、普通じゃないかと思うんだけど、というような答え。
そこら辺については、私は人それぞれかと思うし、近年、そして3.11地震で輪をかけるように、そもそも日常の中の映画って、作る側や評する側の実際の生身の経験、感覚や意識、というのも何だか、と思う節もあるのでが、
本置き場におすぎとピーコの「この映画を見なきゃダメ!!」('05)という本発見。特にこの人の映画評を気に留めた事はないのですが、これはいつか古本屋でたまたま、2人の雑談形式が目に付いて買ったのだったと。<(C)(株)明昌堂→>
でも何だか、ミュージシャン同士という共通項もあったですが、思えば先日の「オールナイト・・」でのマッキー、槙原敬之も含めて、ユーミン(曲)~ゲイ感性、に通じるナイーブさ、という感覚も改めて。
映画についても、ユーミンが「ブレードランナー」「ゴッドファーザー」に触れたり、おすぎが、離れ小島に1本持っていくとしたら「風と共に去りぬ」で、アトランタで多くの負傷兵が横たわるシーンは、戦時中でエキストラが足りず半分位人形、その数を数えたりする興もある、等の話が最後に出たり。
ニューアルバム「Road Show」は、架空の映画タイトルの並べたようなコンセプト、というのは目にしてたのですが、ユーミンが、おすぎの、映画での違う人生と言うのを受けて、今回映画をテーマにしたのは、そういう、何通りもの人生を味わえる、という所が肝、と語って、おすぎが、昔、荒井由実時代に帰ったみたい、と。
そして赤いノースリーブワンピースで「ひとつの恋が終わるとき」、だったのですが、駅に向かって雨の中車を走らす、別れを決意したカップルの、男性側からの心模様、という一コマ。「Road Show」収録中初耳の3曲目ですが、これが今の所一番印象的。
確かに映画やドラマの1シーン、のようでもありますが、ふと「たぶんあなたはむかえに来ない」が浮かんできて、あれは、駅に向かう帰りの列車の中、雨も降り出したことだし、多分相手は姿を見せないだろう、という淡いあきらめの消極的失恋、のどかに洒落たメロディにのせて、リリカルさ漂う別れの風景、だったですが、
この「ひとつの恋が・・」は、やはり駅に向かって、ですが、あえて別れを意識して自ら車を走らせ、サビでの「強くなる もっと強くなれば 忘れずにいられる」「・・なくさずにいられる」と歌いつつ、辛くても踏み出す意志的な恋の終り、という感じ。
少女ユーミンの淡い心象風景、「MISSLIM」曲、「たぶん・・」から、時を経て、特にアンサーソング、という訳じゃないと思いますが、熟年ユーミンによる苦さもある大人の駅での別れの風景曲、という気もして、
先日の震災支援音楽特番「上を向いて歩こう」での、「一人一人が、もっと強くなりたいですね・・」という言葉も重なるのですが、やはり今、こういう時勢の時に聞いて、何だか「ダンスのように抱き寄せたい」等とはまた違った感慨も、という1曲。
その他対談で印象的だったのは、理想の余生の過ごし方、という話で、おすぎは、70才を過ぎたら、ピーコと鉄輪という湯治温泉で、小さなゲイバーをして宿賃を払いながら過ごしたい、というビジョンで、
ユーミンは、70までは、欲を言えば75まで、SFが生身で出来るシンガーソングライターでいたい、そういうのはM・ジャクソンしかいなかったと思う、という抱負。SF、というのはやはりサイエンスフィクション、のSFなら、ステージパフォーマンスについてかと思うのですが、多少その質は変わっても、
これから日本も、私の身近な生活もどうなっていくのか不透明、でも改めて、人の心を汲み取れる筋の通ったクリエイター、として、出来るだけ長く健在でいて欲しいです。
今、午後6時前、先程強い余震、ちょっと長かったし、3.11のように一時机の下に屈みましたが、棚から本等落ちたのは今月になって2度目。TVを点けたら、またヘルメット姿のキャスター達。今日で丁度1ヶ月目、でも、終息はまだ先、でしょうか。
関連サイト:僕らの音楽 松任谷由実×おすぎ、松任谷正隆 on Twitter
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