2011年 08月 21日
SACHET / 門あさ美(’80)
当時メディアへの露出もなく、ライブもせず、のシンガーソングライター。今思えば須藤薫をもう少しメロウにしたような声質+フェミニンな曲調+美貌、で、実態はベールの向こう、という人でしたが、手元で見つかったのは「HOT LIPS」を入れて3枚のアルバム。
「SACHET」(サシェイ)は今にして、辞書で引いたら「匂い袋」の意味。今久方に聞いてみて、やはりバブル期らしいラブソングが並んでたのですが、何と言うか、おっとり世知辛くなささ、が心地よく、結構甘酸っぱい粒揃い曲、色褪せた、という感じはせず。
このアルバムで特に好きだったのは、3、4曲目の「予期せぬ出来事」~「ハート半分」と、すぐにイントロが入って、途切れず続く2曲の流れ。
「ハート・・」も、明快なドライブ曲、ちょっと「Cobalt Hour」と重なるような情景の広がりも良かったですが、マイベストはバラード「予期せぬ出来事」。
やはり特に直結の思い出、というのはないですが、何ともリリカルで切ない別れの曲、久方に聞いて、ある時期の気持とか風景が、じんわりと掘り起こされるような。
やはり今はもう、色んな意味で、創られない類の曲、じゃないかと思えるのですが、この2曲は、歌詞カード見たら、編曲鈴木茂だったのだった、と。
このアルバム曲は作詞・曲ほとんどは門あさ美本人ですが、鈴木編曲は、もう1曲「DO DO」。そして「LONELY LONELY」が、正隆氏編曲。
シングルでは、「月下美人」などヒットしたのでしたが、好きだったのは「SEASON」。You tubeに、この曲のライブ映像があって、”動いてる門あさ美”は、多分今にして、初見。
近年も、ベスト版などはリリースされてるようですが、どうも活動はしてないようで、近況の情報も見かけませんが、やはり通り過ぎた時間の中の、心洗われる歌声、懐かしい1人、という所でした。
関連サイト:Amazon 「Sachet / 門あさ美」、TEICHIKU ENTERTAINMENT 門あさ美
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