2012年 02月 03日
SONGS 山本潤子
最盛期の声艶ではないかもしれないけれど、思えばこの人も、先週の由紀さおりのように、グローバルに評価されてもおかしくない日本人シンガーの1人かも、とかしみじみ。
(C)(株)ゼスト
今回「翼を・・」以外はユーミン曲で、特に「海を見ていた午後」が一番インパクト。本人が、今回初めて、と「ドルフィン」を訪問、窓際の席で、お決まりのソーダ水、それをかざして、私もかつて最初に行った時してみたように「貨物船が通る」実践をしてたり、
紙ナプキンに「忘れないで」と書いて、インクの滲み具合を試してたり、さすがにそれは私はしなかった、と。「それまでの歌謡曲にあるようなのじゃなくて、ソーダ水や紙ナプキンがどうのこうの、という女の子らしい歌詞は、余りなかった気がする」などと、回顧。
今までTVでも、この店がチラッと取り上げられてた覚えはあるけれど、実際訪問ルポ、というのは初めてで、しかも今回「海を・・」をカバーした同世代シンガーがその風景を実地体験、曲への思いを語ったり、というのが、ちょっと感慨。
ハイファイセット版のこの曲は、手元の録音アルバム「Hi Fi Set Sings Yuming」「ハイファイ・ブレンド」の中に入ってて、ユーミン版よりはやや速いテンポ、
でも今回のソロは、オリジナルに近いバラード的で、サビの所とか、ユーミン版の感性の震え、のような感覚はないですが、しっとり安定した清涼ボイスでの山本版「海の・・」の魅力、というのも改めて。
2/4追記:今回回顧映像で、そもそも歌い始めたルーツは、ピーター・ポール&マリーで、そのコピーバンドを作ってて、「赤い鳥」がライト・ミュージック・コンテストで優勝、プロへ、という流れで、同じコンテストに、小田、財津さんも出てて、その頃からの同世代仲間だったのだった、と改めて。
2人共山本潤子について、稀有なボーカリストで、日本にもこういう歌を歌う人がいたんだ、とか、無表情で歌うんだけど、底からぐっとくる熱いもの、歌の上手さで説得される、とか賞賛。
そのコンテストで、音楽活動を止めて就職するつもりだったオフコースが、「赤い鳥」に刺激されて、こんな中途半端に音楽を止めていいんだろうか、と思い直すことになったのだった、というエピソードとか初耳。
財津さんも、「赤い鳥」のステージは全てが完璧だった、と回顧、この頃から、単に同世代、というだけでなく2人が一目置く存在だった、と改めて。
(C)(株)東芝EMI
「翼をください」は超スタンダードだけれど、元々「竹田の子守唄」のB面だったのでしたが、私はやはり「赤い鳥」時代のインパクト曲は「竹田の・・」。この人の美しいフルートのような伸びの高音、を知ったルーツは、多分この曲。
そして、「あの日にかえりたい」での「ダーバダバ・・」のクールなバックコーラスや、ハイファイセットとしては、アルバム「Fashionable Lover」('76)で馴染みに。「Fashionable・・」は今手元に録音がないけれど、今思えば、この頃にして驚きの、都会的魅力の洒脱な名盤の1つ、
ユーミン曲「朝陽の中で微笑んで」や、正隆氏も歌ってる「月にてらされて」、正隆氏&大貫妙子の「荒涼」、軽妙な「ジュ・マンニュイ」など、本当に粒揃い。
でも山本潤子マイベストを挙げるなら、その前のシングル「スカイレストラン」B面の、「土曜の夜は羽田に来るの」。これは、詞はユーミン、曲は村井邦彦だったのでしたが、村井氏は今回番組中、「赤い鳥」を見出したプロデューサーとして名が出て、映像も少し。思えば名は聞いてもこの人の姿、というのは、初かも。
山本潤子の歌うユーミン曲は、「冷たい雨」は先にバンバンが「いちご白書をもう一度」B面で出してたのをカバー、というの以外は、ほぼユーミン版カバー、と思ってたら、「卒業写真」「朝陽の中で微笑んで」などは、そもそもハイファイセットへの提供曲で、後にユーミンセルフカバーだった、というのも今にして。
比べてどう、というものではないですが、薬師丸ひろ子の「Woman~Wの悲劇」や麗美の「霧雨で見えない」などのように、ユーミン版より提供シンガー版の方が好み、というのは、山本版では特にないけれど、
歌ってない曲で、山本版があったら、もしかしたらユーミン版を上回るか同等かも、と思えるのは、荒井時代曲だと「旅立つ秋」、松任谷時代曲だと「ダイアモンドの街角」「雨に消えたジョガー」「地中海の感傷」「かんらん車」「消灯飛行」など。
2/5追記:今までのユーミン曲山本版は、全て荒井曲かと思ってたら、Wikipediaを覗いている内に松任谷曲で「霧雨で見えない」「緑の町に舞い降りて」があったのだった、と判って、You tubeいに「霧雨・・」発見。
やはりこの曲は儚げな透明感ある麗美版がベスト、と思うけれど、今にしての大人っぽい山本版「霧雨・・」にもちょっと感慨。その関連動画で「観覧車」というのも見かけ、ユーミンの「かんらん車」山本版もあったのかと思ったら、これは別曲。<追記終り>
この人とユーミン、というのは、ずっと月と太陽、のようなイメージだったけれど、今回、山本側からユーミン(曲)にエールを送る、間接コラボ、の趣も。
やはり、しみじみいぶし銀的な歌唱力、山本版「海を見ていた午後」には特に、曲自体の持つロマンや魅力も一時蘇ったり、で、決まり文句的に、心洗われる思い、ノスタルジックな感慨、という所でした。
関連サイト:SONGS 第206回 山本潤子、カフェラウンジ&レストラン ドルフィン サイト、Amazon 「ファッショナブル・ラヴァー」
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山本潤子はほんとうに声がきれいで、歌が上手てすばらしい歌手ですね。
私も何枚か、CDを持っています。
誰の歌でも雰囲気を持って歌うえるのがすてきです。
私は六本木ヒルズの森アーツギャラリーで開催されている「歌川国芳展」に行ってきました。「歌川国芳」の芸術についてレブューを書いてみました。ぜひ読んでみてください。
どんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけると嬉しいです。
山本潤子のCDお持ちなんですね。今回、その変わらない魅力、特に私のエキサイトIDにも入れている、荒井由実アルバム「MISSLIM」からのカバーの「海を見ていた午後」の舞台訪問ルポと、しっとり山本版、などには改めて感慨、の番組でした。
そちらの歌川国芳の記事も拝見しました。後程コメント欄に伺います。