2012年 05月 08日
イバラードへの旅 第15回 井上直久絵画展
この人の作品は、一昨年高校の英語の教科書に載ってるのを見かけたりはしたのだったけれど、5年前DVDで「イバラード時間」を見て、同じ頃Bunkamuraギャラリーの新作展に行って以来。
カード置き場に'01年「イバラードへ」カレンダーと、昨年同じ時期のやはり池袋東武での、第14回の案内カード。昨年はやはり3.11後、百貨店の上層階の画廊、とか行く気になれなかったのだけれど、
カードを改めて見直すと、井上氏の「・・本展の準備中に震災の知らせを聞き「共感、再生」へテーマを絞ることといたしました。
私の絵はもともと"幼い目の視点”"小さなものへの慈しみ”"共感への希求””大きな世界への祈り”をテーマにしているのですが、今回こそ、作品に心を込めて、それを語りたく思います。」というコメント。
やはり3.11で、ミュージシャン達が受けた衝撃、影響、というのも折々目にしたけれど、それだけでないこういう画家とか、色んなアーティストにも、ノータッチではいられない要素が、などと改めて。
入り口のカウンターで、案内状持参だとカード3枚セットがもらえ、何種類かあって、どうせなら気に入ったのを、と、係りの女性にことわって、各中身を見させてもらってた時、
黒い背広のメガネをかけた男性が「どうしたんですか?」とやってきて、女性が「カードを選んでられて・・」と答えたら、
その男性はカウウンター上にあった3種類をざっと指して「全部差し上げますよ」と朗らかに言ってくれて、私は「あ、宜しいんですか、有難うございます」と言って、計9枚もらってカウンターを離れたのだけれど、
展示初めの方に、井上氏の写真入り年表があってちらっと見て、しばらく絵を見ているうちに、ふとさっきの男性は、井上氏ご本人だったのでは、と。
案内状にあった作家来場時間を見たら、結構各日長時間、その日も11:00~18:00とあって、私が行ったのは昼過ぎだったし、
カウンターで接近時、まじまじ顔を見た訳ではないけれど、画廊の中央でずっと係りの男性と話してたその人の面差しが、年表の写真と重なる気も。
前回Bunkamuraの時も、ずっと外人と話してたのが本人じゃないか、と思ったのだったけれど、今回もそうだったとして、
あの機会に、「詩とメルヘン」や「MOE」のイラストや「耳をすませば」の劇中劇が好きで、「イバラード時間」DVDも見ました、とか話して、握手でもしてもらってたら、記念になったかもしれないけれど、
まあこういう画廊展の場で、1枚10万円~単位の作品を購入、という意図もなかったし、別によかったかとも。会場には絵本やグッズもあって、さすがにジブリでの馴染み、ネームバリューもあってか、私のように鑑賞に立ち寄った、感じの客が、こういう画廊展にしては結構多め。
今回一番インパクト作品は、奥の部屋にあった、大きな木の下のベンチに親子らしき人影、向こう側に海、ベンチの後ろに庭園らしき所への入り口、の縦長の「海望む木影」。
そう大判でなく、さり気ない作品だけれど、こういう場所にいたことがあるような、というデジャブ感、妙に懐かしい感触。これには成約済み、の印。
そして、見晴らしの開けたファンタジー庭園に向けて、子供が飛んで行く「春日の庭」。あと3枚の大判組作「スリードーターズ・ロック」。横に連なりある3枚の海辺の風景の中に女性が1人ずつ。
もらったカードの作品の中では、今回の案内カード裏の「瀧のある里」や、4層の海面+メルヘンな島の「多層海好天」」(↑カード(C)井上直久)。
また重複カードが2種類あって、一部年賀状など用にキープ、その内3枚あった「野原の会話」(↓カード)には、井上作品お馴染みの「めげゾウ」、
後で母に、のりちゃん(妹)もこの人の絵とか映像結構好きだったよ、と言ってそれを1枚渡して、他のカードも見せたら、幻想的な絵やな、などと。
大分前妹にもらったこのキーホルダー(↑)があったのだった、と思い出して、取り出してみて、先日、長く家と自転車の鍵に付けていた、トルコで買った魔よけの青いガラスオブジェを落として割ってしまったので、
代わりにこれにしようか、と一旦付けてみたけれど、ややかさばるし、普段持ってて余り威勢良くもなさそうなのでやめて、元の飾り棚に。
めげゾウは今回のカードの「小さなものが光る宵」(→)にも登場、久方に見たのだけれど、改めて、丸めた背中に漂う哀愁、何ともめげ具合が愛嬌、というか。
そういう所で、久方の井上展、イバラードのファンタジックワールドで、また一時心洗われました。
関連サイト:東武百貨店 イバラードへの旅 第15回 井上直久絵画展、井上直久のイバラードの世界/アートスペース提供
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<今回の案内カード裏面「瀧のある里」(C)INOUE Naohisa>