2012年 08月 04日
ユーミンのSUPER WOMAN 「森本千絵と歩く霊峰」<2>
8/3追記:2週目も最初の方は、奥の院散策で、墓碑銘に織田信長、豊臣家、とか見かけたり、だけれど、ここは弘法大師の懐を示すような、宗派を問わず、の墓地で、
サイトで見かけた所だと、分骨も多いそうだけれど、他にも武田信玄、法然、松尾芭蕉、そして現代人だと鶴田浩二、など様々な人の墓碑がある場、だと。
番組で寺の人が、一番大きな供養塔、として指したのが、6メートル以上ある”江姫”の墓。森本千絵は昨年の大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」のポスター(→)などビジュアルデザインを担当、という縁も。
私はドラマは未見だったけれど、ヒロイン役上野樹里が長い髪を広げて飛んでいるようにも見えるポスターについて森本千絵が、水の上に浮かぶ、というか天と地を無くして重力をなくして、流されていく中の女性の強さ、空を見上げる強さ、
天から見て真っ直ぐ立ってこっちを見つめる女性を意識、剣を持って戦う立場でない時、何を戦わせながら生き抜いていったんだろう、というのを想像した、などとコメント。
自分が手掛けた作品について語っている様子に、おっとりした印象のこの人が、この旅で初めて垣間見せた内面の職人魂、という感じ。
そして参道脇に、この2人の旅での、曼荼羅と、もう1つの目当てだった、”景教”の石碑。
804年、空海は31才の時遣唐使として中国の長安に渡って、密教の修行を積んできた、というのはメジャーな歴史のエピソードだけれど、
ユーミンは、当時の長安はシルクロードの拠点として栄えた国際都市で、仏教、キリスト教、イスラム教などが共存、原始キリスト教も入っててそれはそれで賑わってたそうで、空海はそれに触れなかったわけがない、という感じで、持ち帰ったんじゃないかな、と。
空海の長安での足跡に詳しい、という霊宝館の館長のお坊さんの話で、空海は、長安の留学生会館、のような寺に滞在、そのすぐ近くに大秦寺、というキリスト教の寺院があって、そこにペルシャ人の景教師、景浄がいて、
その碑は、空海がやって来た15年程前に立ってて、空海は非常に歩き回ってるし、景浄さんにも会ってて、景教の碑を見ていると思う、空海とキリスト教との関係は、空海自身が書いたものがないし、何とも言えない、などの説明。
ユーミンが、長安に西域の人達は沢山いたのか?と聞いて、館長さんが、沢山いて、お寺の前が門前町で、飲み屋街があって、そこで働いていたのが青い目の人で、ものすごいカルチャーショックを受けたと思うし、
空海は確かにここで国際人になった、そういう日本人っていないんじゃないか、というような答え。
で、帰国して816年、高野山に真言密教の聖地を開いた、という史実、ユーミンは、高野山に入って、まず最初にインターナショナルな都市と感じた、と言うのを受けて、
館長さんは、非常に狭い空間だけれど、やっていること、空海が目指したのはインターナショナルなんですね、というようなやり取り。
そういう所から、2人がこの地で感じたインターナショナルさ、宗派問わずの奥の院の墓碑群、のような寛容さ、空海が長安で受けたカルチャーショック、メインの密教だけでなくそういう国際性がルーツ、のようで、
表向きのメジャーな仏教聖地高野山、の背後に、そういうエピソードもあった、という、ちょっとした歴史教養番組、のような趣もあったこの初回。
8/4追記:森本千絵は今回の旅について、(ユーミンの)見る物からの発想の転換に、一緒に物事を見ていくのが楽しかった、発言とは別の所で、一緒に旅してた気がする、
見るもの全てが懐かしくもあり、初めて見たものであって、私は結構点で、あ、あ、ってなるけれど、(ユーミンは)繋げていかれるじゃないですか、などと語って、
ユーミンは、昔に体験してよく判らなかった事が、今回そういうことだったのか、って判ったり、例えばイスラムの方で聞いた宮廷音楽みたいなものが、今回声明を聞いたことで、昔の体験が鮮やかに蘇ってきて判ったりとか、
今回見たことも、森本さんがいたからより自分の中で新鮮に入ってきたことが、一回沈殿しても、ずっと創ることを続けてれば、3年後か、5年後か、きっと何かを見た時に出てくるだろうな、と思った。
・・今の方が、肉体的にはきつくなったけれど、いったん集中に入ると、経験値、というか色んな引き出しがパアーと開いて、昔よりひだひだが多いみたい、などという語り。
ユーミンのかなりの記憶力の良さ、というのは、以前、一瞬忙しなくさっとすれ違っただけの人が、何年か後ユーミンに会った時、
瞬時に、いつどこどこでお会いしましたよね、と切り出された、ようなエピソードで、聞き覚えあって、様々なユーミン曲の中に、そういう細かい経験も息づいてるようだけれど、
今回も、色んな対象物を見ていて、頭の中で活発にそういうメカが働いてるんだろう、と思えるような節。色んな旅の中で、そういう部分も、ユーミンと共に、またそのガイドで、未知なものを学ぶ、というような所も併せて、今後も楽しみ。
また、今回の旅のパートナー森本千絵を通して直観、インスピレーション、そういう部分もエキスにしてたり、率直に評価してたり、
最後の方で、今みたいに可愛い森本さんでいて下さい、自分でも戒めてるけれど女に貫禄はいらない、損しちゃうし、作品で心に届けばいいんで、周りを威圧する必要はまったくないし、のようなエールとか、
カメラが回ってる、云々はそう意識ないような感じで、アーティスト女性同士、だけれど、特に余り張り合う、というより終始和やかなモード。
それは今回の森本千絵のキャラクターや、年代的にもユーミンが一回り上、というような要素もあるかもしれなしけれど、そういうまったり感も好感。そういう最初の旅でした。
関連サイト:ユーミンのSUPER WOMAN、ユーミンのSUPER WOMAN ~スペシャル・プロローグ~、ユーミンのSUPER WOMAN 「森本千絵と歩く霊峰」<1>、<2>、霊峰高野山
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<高野山奥の院の参道>