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Something Impressive(KYOKOⅢ)

ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」

先月24日(金)の「ユーミンのSUPER WOMAN」は、ファッション雑誌編集者軍地彩弓(ぐんじさゆみ)と東京の流行発信地、として青山、高円寺、代官山を探索、録画で見ました。


冒頭、ユーミンは実家が呉服屋、というのもあって、幼少時からお洒落が大好き、これまでのCDやレコードジャケットビジュアル製作も、音楽と共にとても大切にしてきた、と言ってて、

いつものように歴代のアルバムジャケット数々の画像が流れ、確かにユーミンアルバムへの愛着は、中身の曲+洒落たジャケットもその一部としてシンクロしてるのも多数。

ユーミンはファッション雑誌から衣装、ビジュアルのアイディア、ヒントをもらうこともあるし、編集者という仕事にも憧れてて、’82年に雑誌を出版、

特集記事、ファッション、料理など一冊の雑誌を創るのは大変だったけど、とても楽しい作業だった、のような回顧。


その唯一のユーミン編集雑誌、「STYLE」の表紙(一番下↓)がチラッと映り、これは手元にあって、後で棚から取って久方に開いたら、まあバブル期の華やぎ+ユーミンテイストちらほらで、懐かしい。

対談相手が小林麻美、手塚理美、山本昌美、草笛光子などといった面々、ロートレック、フジタ、マチスなどのリトグラフがインテリアになってる松任谷家内部、ロンドン、パリでユーミン注目のファッションや小物、

ユーミン詩・詞+ファッション写真、手作り新聞風コラム、遊び心のコラージュ、細かいアクセサリー、美容、など改めてバラエティ。


一番印象的、といえば、ここに載ってた松木直也の「アランパーソン的生活術」というエッセイで、アラン・パーソンズ・プロジェクトを知ったのだった覚え。随分聞いてないけれど、

松木直也はこの記事の頃「コンパートメント」撮影中ロンドン~ベニスと同行してて、「やっぱりこれはロンドンの曲だよね」などとユーミン談話もある「アイ・イン・ザ・スカイ」なんて、特に懐かしい。



今パラパラめくってて、料理関連も外食、手作り共レシピも色々載ってて、当時は実際作ってみようとは思わなかったけれど、今改めてちょっとやってみたいと思うのは、松任谷麺のルーツ、という王風麺。

乗せる肉味噌が、鶏ひき肉、生姜、にんにく、甘味噌、砂糖、酒、塩、胡椒などとあって、身近な材料で出来そうな感じ。



軍地彩弓という人も私は初耳、ユーミンは彼女の手掛ける雑誌の世界に興味を持ってた、とのことで、まず青山の彼女のオフィスを訪ね、初対面。黒ぶちメガネで長身、気さくそうなムード。

’90年代からギャル雑誌のライターとして活躍、映ったその雑誌一つが「ViVi」で、たまたまかユーミンの「STYLE」も、その題字の下に小さく「別冊ViV」とあったのだけれど。

アイドル、女優の写真集なども手掛けてきたファッション仕掛け人、のようで、年代はユーミンより10才下のよう。

中学時代からファッションに興味を持って、地元の茨城から、親御さんの方針の懐深さもあって折々上京、ファッション雑誌の特集を元に、何処で何を買うか、とか知恵を絞ってて、それが、まんま今の仕事で、変わってない、のような話。

昨年から手掛けてる「VOGUE girl」の基本コンセプトは、日本の普通に買えるような洋服+ラグジュアリー(贅沢な)ブランド、なかなか雑誌界ってそういうのが出来なかったけれど、それがリ今のアリティーでは、と。

ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」_a0116217_0392232.jpgStreet+Modeの組み合わせ、それがインディーズデザイナー~高級ブランドまで幅広い人脈のある彼女ならではの紙面が出来上がってる、とユーミンのモノローグ。

凄いエネルギーが詰まってて、それが楽しいんですよね、ファッションって、というユーミンに、軍地彩弓が、そのファッションの楽しさを伝えたいだけなので、

自分のエネルギーは前に出ちゃいけない、私の苦労は紙面では見えなくて、紙面の中は物凄く判り易い見え方でなきゃいけない、のような話に、ユーミンが、いやぁ偉いねぇ、さすがですよ本当に、とエール。


で、軍地彩弓の案内で、2人がまず向かったのが、高円寺!というのに、意外な驚き。彼女がStreetのシーンで一番注目してる場所、とのことで、

冒頭の歩いてる映像だと、にわかにどの辺なのか?判らず、目的地は商店街の一角にある「キタコレビル」。黄色いビルの外観が映っても、どうも見覚えなし。

9/22追記:ここはこじんまり見えるビルだけれど、5店舗が集まり、古着や廃品をリメイクした服など、若手デザイナーの斬新な発想のアイテムが並んでて、

昨年、レディー・ガガが来日の際、ここのデザイナーのレザーベストを着て登場、話題になったこともあった、とかで、世界中のファッション関係者がここに足を運んで商品を買い付けていく、のだと。

ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」_a0116217_23213847.jpg2人が店内で手に取ったり見てたのも、エスニックというか、1点ものの現代アートっぽい服もあり、タバコの吸殻オブジェ?のついたジャケット、などキワモノっぽさもあったり、

ユーミンがけけてたサングラスは、両端のゴールドの飾りが実はアイスの棒。何だかパーティグッズ、のようだけれど似合ってて、私がすると、高そうに見えない?身体に金がかかってるから(笑)などと、楽しんでて

ちょっとステージ衣装のような金ラメのジャケットも着て、軍地彩弓も、違和感がない、何でも着こなしますね、などと感心。


別棟の「GARTER」という店でも、軍事彩弓がユーミンに似合いそう、と手に取った薄い白のボディスーツのようなのは、ポイントのピラピラした黒光りする飾りがビデオテープ、とか。

やはりステージ衣装のような、太くて黒い羽毛のコートを着て、歌いたくなっちゃう、と「サン・トワ・マミー」の冒頭を口ずさんで、軍地彩弓が「真夏の出来事」が浮かんで、などとフィーバー。

ここの経営者は、クラブミュージックのDJ、ボーカリスト、キタコレにはジュエリーデザイナーとして参加してきた、というマドモアゼル・ユリアで、ブルーの髪+紫のパーティドレスの装い。この人も初見、だけれど、何だか無国籍っぽいイメージ。

彼女がユーミンにお勧めの服、と、出してきたのが、ちょっと鎧のような感じ、硬い材質のラメ入りジャケット。

私の中で(ユーミンは)カラフルなイメージがあったけれど、何だかキラキラしたものが似合うから、一番キラキラしてるのを選んだ、と。ユーミンは着てみて、凄い、お手持ちの何かが変わる、と感心したようで、これ買っちゃおう!と。

何だかそういうキワモノっぽいファッションも、ステージ衣装っぽくも見えたり、御歳58才にして自然に着こなしてしまうユーミンの懐深さ、というのも改めて。


軍地彩弓が、「キタコレ」ファッションについて、スーパーフラット、と言い方をしてて、ファッションヒエラルキー(階級制度)が存在せず、ウェア上で平等な世界になるから、ファッションも今まで誰々のもの、と言われてたのが全て人のもの、というイメージがあって、

ここはそういうことをインスパイアーさせられるし、こういう所から日本のメディアや雑誌を経由しないで、海外のネットとかでポーンと紹介されて、

中国、台湾、香港とかこういうカジュアルが大好きで、とか、今こういう若いデザイナーを「恐るべき子どもたち」と思ってる、とか。

高円寺には、結構漫画家やミュージシャンの卵が多い、というのは聞いてるけれど、そういうファッション関連の若いパワー、という種もあったのだった、と今にして。


私自身は正直、余りファッション自体には縁も興味も薄い、というか、着る物、持ち物に必要以上にお金をかけたいとも思わない、思えないし、

色や材質など、自分が着心地良ければOK、身の回り品も機能を果たせばOK、そういうものでの、自己表現、自己主張、という意識もほとんどなし。

高円寺に20数年住んでて、確かに古着屋は多くて、近所の店を折に覗いたり、結構何気なくエスニックな外国もの雑貨の店とかも多い街、というのは初期から思ってて、

大分前アジア雑貨店で買った、3種類のインドのエスニック柄の簡易ワンピースなどは着易く、肌触りもあっさりで、今年の夏も割とよく着たりして重宝、たけれど、

「キタコレ」一角は全く知らず、この街がこういう風にファッション界で、注目を集めてた、というのも初耳。


軍地彩弓が、Street+Modeの話の時、今全身プラダ、などというのは難しい、と言ってて、確かにバブル期も終わって、不景気、大震災、というような時勢で、何だか今の日本で、ブランドオンリーファッション、というのは鼻白みそうな。

だからこそ、そういう時代の反映もあって、こういうオリジナル、チープ(でも洒落た)なファッションシーンも近年脚光を浴びてるのだろうか、と、そういう面では高円寺らしいような、とは思うのだけれど。

坂本龍一&矢野顕子夫妻は以前高円寺に住んでて、前に矢野顕子が商店街を懐かしんで散策、という番組はあって、矢野顕子と高円寺、というのはそう違和感なくフィット、

でも、ユーミンと高円寺って、何だかミスマッチ感、はあったけれど、前回のモネとの思わぬドッキング、のように、今回も意外なドッキング。それもまた「キタコレ」ファッションを着こなしてしまうユーミンの個性、という懐を見た、感じ。


「キタコレ」は後でちょっと検索したら、高円寺北の住所も判って、意外と近く。冒頭2人が歩いてたのも、ああ、あの通りだった、と判明。

またその冒頭の映像で、雨模様の中、お洒落な2人のこういう番組にして、さしてるのが普通の透明のビニール傘?というのもちょっと引っかかってたのだけれど、後で思えば、撮影の光の具合とかの関係かも?とか。

まあ今にして、「キタコレ」ファッションに刺激を受ける、というのも、私は有り得難そうだけれど、今度近隣まで行ったら、せっかくだから覗いてみようか、という所。


ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」_a0116217_2144541.jpgそして、次に2人が向かったのが代官山、軍地彩弓がModeの世界で注目してるというデザイナー、廣川玉枝のスタジオへ。

この人も初耳、日本のハイファッションで今最も注目を集めてるデザイナーの一人、らしく、素材作りからのこだわりもあって、バラの花が集まったようなボリューム感ある赤いスカート、とか、

日本の機(はた)屋さんが5年かけて機械を開発してやっと織れるようになった、という、天女の羽衣、と呼ばれる髪より細い糸で織った薄紫や藍色のスカート、なども印象的。

その元の素材は、「キタコレ」風、ではないけれど、昔TVの後ろに使われてたフィルター、それを衣類に改良、というのも意外、

まあこれも完成品は優雅なバレエ衣装、とかステージ衣裳風、だけれど、ああいうのを身につけたら、何だか身が軽くなる気がするような。ユーミンは、素材も日進月歩だから、それにデザインが触発されることもありますよね、と感心。


ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」_a0116217_21687.jpg廣川玉枝は、ダ・ヴィンチの「ほつれ髪の女」という絵からインスピレーションを受けて、今年それをテーマにしたコレクションを創った、そうで、

モナリザなどもだけれど、ダ・ヴィンチの描く女性像の強さと優しさが一緒にあるようなイメージを創りたいと思って、ヘアスタイルも、ダ・ヴィンチが水流を研究したり、自然から発想するデザインを結構使ってて、

自分も自然から触発されるデザインが好きなので、そういう所から発想を得た、というような説明と共に、その元のデザイン画、髪型のイメージ画を紹介。

細身の女性のデザイン画には、そう言えば、中学の初めの頃位までだったか、私もスケッチブックに、少女漫画風の女の子+フリルつきとか近未来風とか色んな服を考えて、描いてた頃ってあった、と思い出したり。

デザイナーって、こういう絵画からの発想というのもあるんだ、と思ってたら、次に具見せたのが、彼女が好きなユーミン曲から発想した、というデザイン画3枚で、ちょっと驚き。


「やさしさに包まれたなら」は、黒のノースリーブ、スカート部はチューリップラインの細身のワンピース。ユーミンは、それを見て、おぉ意外、まず色が黒、というのが、という反応、

廣川玉枝は、何となくこういう、ちょっとシックでシャープなイメージがあって、と言ったら、ユーミンが、シャープなメリー・ポピンズのような感じもあります(笑)と。

「春よ、来い」はやはりノースリーブ、腰に黒のベルト、裾がふわっと広がるオレンジのワンピース。ユーミンがどんな素材で?と聞いたら、薄い素材でたくさんギャザーがあって、黒と赤と薄い金みたいなものを使ったらすごい素敵じゃないかと、とコメント。

そして一番好きな、という「雨の街を」は、一番斬新、黄色と紫の民族衣装っぽいワンピース。ユーミンが、これも意外ですけれど、判るような気がします、と。

また私の、新しい曲の感じ方を、ああ、そう聞こえるのか、と戻してもらった気がする。自分でも判らないんだもの、どう聞こえてるか。受け取った人それぞれの受け取り方は無限にあるんで。すごい個性的でした、

ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」_a0116217_21422955.jpgいや、ちょっとダ・ヴィンチには比べられるべくもないけれど、コレクションの一つの柱とかににいつの日かなれたら、凄く名誉なことだと思います、などと感慨深げ。

前にユーミン曲を元にしたイラストレーターの作品展、という企画があって、図録を見たら'02年、「136人のイラストレーターが描く松任谷由実の136曲」、それもまた、妥当なイメージのものもあれば、この曲からこの絵?というのもあったり、だったけれど、

今回の廣川作品も、「春よ、来い」などは割とイメージにフィットだけれど、「やさしさ・・」「雨の・・」など、「やさしさ・・」からシャープさ、とか、「雨の・・」からややエスニック風とか黄色、というのはやはり感覚的に意外。

全くそういうファッション性などなく、割と曲のまんまの風景、だったけれど、私も中学生の頃やはりマイベスト曲「雨の街を」や、「瞳を閉じて」などの、確か色鉛筆だったかでのイメージ画、をせっせと描いて、ファンクラブに送ったりしたのとかもふと思い出したり。

でもこういうデザイナーならではの感性での、ユーミン曲コレクション、なんて面白そうで、ユーミンもフル躍動だった'80年代などのバブル期に、企画あっても不思議じゃなかった気も。


そういう所で、軍地彩弓との前半、東京でのStreetとModeのそれぞれのファッション現場探索、未知だった地元高円寺の、世界が注目の名所?だった「キタコレ」、それとユーミンのドッキング、

代官山での、廣川コレクションの優美な断片、デザイナーが描いたユーミン曲イメージ画とか、やはりなかなか面白かった今回。

後半は趣を変えて沖縄、だけれど、色んな意味で、近年になく私にとっては”濃くて触れ幅多い”この番組、と改めて、でした。

関連サイト:ユーミンのSUPER WOMANユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」商店街から世界へ!「キタコレビル」nippon.com
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ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」_a0116217_22361753.jpg

by MIEKOMISSLIM | 2012-09-21 23:29 | 音楽・ファッション・本 | Trackback | Comments(0)