2012年 09月 29日
ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く沖縄」<2>
9/29追記:そして洋子さんの案内で、久高島の先端にあるカベール岬(→この記事内の風景写真はトリップアドバイザー提供、右は島内の写真、似てるけれど当地かどうかは不明)へ。
キャプションで、アマミキヨが降り立ったとされる場所、とあって、開けた眺め、岩場下のエメラルドグリーンの水の透明度も抜群、2人は凄い、綺麗!と感嘆。
その海をバックに、久高島の旅の感想として、ユーミンは、幾多の女性がいたから私達もここにいるんだ、と、神代の昔から綿々と、女性達の営みが、ここに連れてきてくれました、と述べて、
軍地彩弓は、女性が神として存在する場所、というのが、最初は不思議な感覚だったけれど、すごく自然にとって自然な形のような、こういうシンプルな生活の中で、女性が神として生きていく、というのがすごく然なことのように思えて、
私もその女性を相手に仕事をしてるんだけれど、何か女性が一つ国を創っていく、みたいなイメージを思いました。
男性的な社会も必要だと思うけれど、これからこういう感性で、女性的な生き方、というのもが要なのかなと。力じゃなくて、とてもこう守られるような、ゆりかごにいるような、そういう優しさで、人を守れるんだな、と思いました、のようなコメント。
洋子さんが、そのお言葉を聞いて、本当に嬉しいです、そういう方々に出会ってね、何か娘のような感じ、してました。最初来る時は、どんなかな、という不安もありましたけど、そういう方々だったんだということをね・・と話した所で、
ユーミンが、都会の毒を撒き散らしに来てたんだ・・とおどけて笑いが起こり、洋子さんが、いや、どうやって話せばいいのかな、というのがちょっと思ってましたけど、
そういうこともなく、自然に話されたので、本当にお言葉を聞いて、嬉しいです、有難うございます、と明るい穏やかな笑顔で語り、ほのぼのとした交流。
そして港で別れの挨拶をしてて、ユーミンが洋子さんに、お名残惜しいけれど、離れても会える感じもします、洋子さんが、そうですね、また会いましょうね、
軍地彩弓が、何かこう別れる気がしません、お会いできるというか・・などと言いながら、ユーミンが洋子さんに歩み寄って両手をとり、ハグさせて、洋子さんが、はい、としばし抱き合って、
ユーミンが、忘れません、洋子さんが、はい、と答えて、有難うございました、と手を取り合い、2人に片手ずつを握られながら、洋子さんが、私もまたね、元気をもらったので頑張ります、と声をかけて、ここら辺からバックに「MODEL」が流れ出して、
2人が、有難うございます、いつの日かまたお目にかかれることを・・洋子さんが、頑張ってください、などと言いながら帰りの船に乗って、
港を離れながらも、洋子さんが、差し出した両手をひじから自分の方に動かして、また、いらっしゃい、と言いながらの見送り、2人が、行きまーす、と言いながら、ユーミンが両手を差し出すポーズ。
軍地彩弓は、両手を合わして拝むポーズ、ユーミンが、泣けちゃう、といいながら2人が両手を振りながらのラストシーン。
何だか印象に残った所を記録、と思いつつ、瀬戸内の回もそうだったけれど、録画を再度見ながら、いつしか実況中継のように、内容を追ってきて、まあ逆に言えば、全てが印象的。
思えば近年、私は実際の遠出の旅というのはしてないし、ユーミンや旅のパートナーの女性の感性を通して、色んな風景や出会う人の言葉、それに対する2人の思い、感想とか、自分も擬似旅をしてる、ような感じ。
ちょっと思ったのは、ユーミンが、洋子さんを通してヒデさんを感じた、ように語ったり、別れの時のハグなど名残おしさの表現、など、地元の老婦人に見せた愛着が、特に余りユーミン(の音楽)を知らない人が見たら、
人によっては鼻白んだり、というベタさもあるかもしれないけれど、何だか私は違和感なく自然にこの人らしさの一環、と思えたのは、
やはりその音楽がずっと好きだったり、大分前ラジオに投稿したリクエストハガキの、ちょっとした恋の悩み、に短かったけれど答えてくれたり、
若い頃は率直な、子供は嫌い、などの発言もあったりしたけれど、「クワタとユーミン」だったかか、ユーミン本で、ユーミンが東芝EMIIのロビーで掃除していた老人とのにこやかに5分程か話をしてて、「じゃあね」「頑張ってね」と声を掛け合って別れた、のようなエピソードなど、
そこにいる時は完全にその世界の住人になれる、とか、天才である前に、いつも一人の立派な人格者、また夫の正隆氏に対して女性としての健気さ、人としての忠誠心を持つ人、のような見方に、感覚的に納得、があるからだと思う。
9/30追記:この久高島は、Wikipediaを覗いたら、産業として、「漁業では、主にモズク、海ぶどう等があるが、イラブー(エラブウミヘビ)を燻製にし、煮込んだイラブー汁はこの島の名物である。
また農業では、ノニが有名で、ぷっかかー茶と呼ばれるその葉を用いたお茶が特産品となっている。」とあって、登場した洋子さんも、普段は農業をしてるのか、
何だかまあ、そう威圧感がある訳でない、市井の「おば(あ)ちゃん」なんだけれど、伝統を率直に守って暮らしてる、ちょっとさり気なく浮世離れしたような風情も。
この人は元々、軍地彩弓はもとよりユーミンも知ってたのか?だけれど、何というか、この土地で地味でも誠実に、伝統を尊びながら生きてきた、という、1本筋の通った風情が漂って、そう言葉多くはなかったけれど、
都会で躍動するユーミンや軍地彩弓の濃さ、に押されない静かなオーラ、包容力を持ってた感じ。ユーミンもそういう包容力に、ヒデさん、がオーバーラップしたんじゃないかと思うのだけれど。
この島が観光開発はほとんどされてない、というのも、彼女のようなカミンチュ、女性達の存在、もキーかと思うけれど、
最後のカミンチュらしい彼女達の世代がいなくなったら、この”神の島”にも、開発の手が伸びていくんだろうか、
それともカミンチュはいなくなっても、数は少なくてもしっかり後世に、そういう伝統、精神が受け継がれていくのだろうか、とかふと思ったり。
日本本土では、相撲の土俵とか、伝統的にいわゆる女子禁制、の場所があるのに対して、この島では、同じ日本、と言っても、男子シャットアウトの女性だけの儀式、祭り、の伝統、というのもユニーク、と思ったのだけれど、
Wikipediaで、ここでは以前に風葬の習慣があったけれど、「1966年のイザイホーの際に取材に来た芸術家の岡本太郎は祭りの最中に男子禁制のクボー御嶽に入り、
風葬の地に入って墓を写真にとるばかりか、棺を開けてふたを破って死者の写真まで撮り、撮影した死者の写真を中央公論に掲載した。
これを見た死者の遺族には精神に異常をきたした人もいる。以後、久高島では風葬は行われなくなったとのことである(『葬と供養』 五来重 著 東方出版 (1992/04))。 」とあって、
この通りのことが実際あったのだったら、岡本太郎の破廉恥さに絶句。男性芸術家のした事、だから輪をかけて、というか。
この人の沖縄の美術研究の一環、の行動らしいけれど、刑事上の犯罪、じゃないとしても、何だか”死体を表現するため平然と殺人を犯す芸術家”などと紙一重、な印象で、
人間としてのモラルを踏みにじってまでしなければ表現出来ない”芸術(研究)”に、何の価値があるのか?私は全く不明。何だか幼い頃見た大阪万博でのこの人の「太陽の塔」が、今にして、だけれど、妙にグロテスクなイメージになったり。
そういう事件を目にしてしまって、やや不快感、も残ったり、
今この界隈のもっと西方で、尖閣諸島を巡る問題も起こってるのだけれど、そういうことが妙に世知辛く思えるような、穏やかな神の島、への旅。
今回もなかなか、そういう伝説の島、女性伝統の島+ユーミン感性、今回は案内人、でなく、森本千絵との時のような、旅の道連れ、的だった軍地彩弓とのコンビ、2人に故人を偲ばせる、沖縄の懐、というか神秘性、
素朴で芯のある洋子さんとの接触、斎場御嶽、クボー御嶽の自然の佇まいや、癒し空間としての神秘性、知念岬公園の伸びやかな空間や、久高島周辺の海の美しさ、など様々な見所。
やはり、割とじっくり追ってみて、結構一時脱日常、というか私にとってはリフレッシュ効果。瀬戸内の島とはまた違う、沖縄の持つディープさ、もあったけれど、
この海の風景、からも、瀬戸内旅で思ったように、またユーミンの、海をテーマ、題材にした、ナイーブ名曲が生まれたらいいのに、とも思えた今回でした。
関連サイト:ユーミンのSUPER WOMAN、ユーミンのSUPER WIMAN 「軍地彩弓と歩く沖縄」、久高島ーWikipedia
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<スレッドファイルリンク(ここでは「ニライカナイからの手紙」)は開かない場合あるようです。>
知念岬公園