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Something Impressive(KYOKOⅢ)

中島みゆきLIVE&PV「歌姫 劇場版」(’12)

昨日、13日(土)~26日(金)プレミアム上映の中島みゆきさんのPV、ライブ映像集「歌姫 劇場版」を母と見てきました。

中島みゆきLIVE&PV「歌姫 劇場版」(’12)_a0116217_230458.jpgこの手の劇場ライブは、先日の山下達郎のも、結構迷いつつ見送り。その前にみゆきさんの「歌旅 劇場版」もあったのだけれど、その時のよりも今回の曲目の方が聞きたい感があったし、(チラシ→)

今回は、応募で当選してた鑑賞券が手元にあったこともあって、是非行きたい、とは思ってたけれど、ワーナーマイカル系の劇場用。

一番近く、というか、都内でも比較的近場は、東武東上線練馬駅からすぐの「ワーナーマイカル板橋」のみ、地下鉄~東武線2度乗り換えで、片道1時間強はかかったけれど、そこで鑑賞。

客席は中~高齢層で劇場後ろ半分中心に、だけれど、思ったよりもの埋まり具合。


みゆきさんライブは、私はシアターコクーンでの'95年「夜会 2/2」に行って以来。今回第1部PV編、第2部ライブ編7曲ずつ、第3部新規映像編のPV、ライブ2曲で、計16曲。

思えば歌声自体も久方だったけれど、+健在ぶり示す歌いっぷりの姿。音響効果もあって、やはり聞き馴染みの曲は特に、なかなかじんわり見応え、聞き応え感。

一番インパクト曲を挙げるなら、やはり2部ラストの「歌姫」。みゆき節から滲み出る、切々とした貫禄、哀愁、が圧巻。

       

次がやはり2部のライブで歌った「この世に二人だけ」。これも今改めて聞いて、やんわりした情念から、この人の味、懐、ある意味凄さ、というものが、ひしひし伝わってくる感触。

       

今回の第2部は、CDでも出てて、初のライブDVD化されてる'04年のロスでのスタジオ収録「LIve at Sony Pictures Studio」映像だったようで、You tubeに、この「歌姫」音源、「この世に・・」映像を見かけたのでアップ。

「歌姫」は’'82年のアルバム「寒水魚」、「この世に・・」はその翌年の「予感」の中の曲で、まだみゆきアルバムを出る度に聞いてた頃の曲、馴染み深さもあったけれど、何だかやはり真骨頂の一部、という感じ。


10/17追記:演奏曲目は、

★第1部ーPV編ー:おだやかな時代、見返り美人、黄砂に吹かれて、空と君のあいだに、囁く雨、愛だけを残せ、一期一会

★第2部ー中島みゆきライブ編ー:この空を飛べたら、地上の星、土用波、銀の龍の背に乗って、この世に二人だけ、夜行、歌姫

★第3部ー新規映像編ー:恩知らず(PV)、時代ーライブ2010~11


中島みゆきLIVE&PV「歌姫 劇場版」(’12)_a0116217_3292364.jpg母は、知ってた曲は「地上の星」「時代」、良かったのは、やはり「時代」、そして砂漠の風景PVの「黄砂に吹かれて」、だと。(←チケット)

私もPVで一番インパクトはこの「黄砂・・」。どこでのロケなのか?みゆきさんが馬に乗って砂漠を彷徨う広大スケール。

この曲は工藤静香に提供~ほぼ同時期セルフカバー、だったのだけれど、You tubeに工藤版しか見あたらないのがちょっと意外。

私はあとPVで印象的だったのは、聞き馴染み曲だった、というのもあるけれど、やはり広い草原にみゆきさん&子犬コラボの「空と君のあいだに」。ライブ編では、お登紀さんに提供~セルフカバーの「この空を飛べたら」。


PV1曲目の「おだやかな時代」から、外人達登場のもの、NYらしき背景とか、海外ロケっぽい映像も結構あったのも、ちょっと意外だったのだけれど、

2部のライブで、みゆきさんの歌以外の様子も織り交ざってて、LAの広いスタジオ入り、各ミュージシャンとのハグでの挨拶、打ち合わせ、曲の合間のやり取りなど、外人達の中でのラフな振る舞い、笑顔、というのも目新しい一面。

ライブの中でも”情念曲”「この世に・・」のメロディーを外人ミュージシャン達が演奏、特にサビの所の「二人だけこの世に残し・・」なんて、割と重い日本語歌詞を、大柄な外人シンガー達がそのままハモって、インターナショナルみゆき節、というのも、何だか不思議な感じ。


                                      (C)あいらんど
中島みゆきLIVE&PV「歌姫 劇場版」(’12)_a0116217_22524558.jpg日本人スタッフとも終始気さくな表情、だったけれど、私は思えばこの人の動く姿、というのはTVでもどうも覚えなく、前述の「夜会 2/2」(→パンフ)以来。

歌ってない普段の佇まい、というのも、大分前の「オールナイトニッポン」での弾けたDJ、位。私は、痩せ気味、というイメージがあったのだけれど、今回後で母が、割と体格いい人やな、と言ってて、

ジーンズ+白いシャツ姿、+ユーミン的という訳ではないかもしれないけれど、自身結構煌びやかなドレスをまとって歌うシーンもあったPVなどで、スタイルのいい人だったんだ、と今にして思ったり、

海外映像・外人セッションも相まって、スケール感的印象、が広がった所も。


10/18追記:「夜会 2/2」パンフの他、手元にあるみゆきさん関連の単行本、文庫は、デビューアルバム「私の声が聞こえますか」~「寒水魚」の歌詞集文庫「愛が好きです」('82)、

小説、という謳い文句だけれどノンフィクションルポのような「泣かないで・女歌」('88)の2冊。

(C)(株)新潮社
中島みゆきLIVE&PV「歌姫 劇場版」(’12)_a0116217_23341349.jpg















                                  (C)(株)角川書店
中島みゆきLIVE&PV「歌姫 劇場版」(’12)_a0116217_2374686.jpgそして、それとは別にちょっと特別な1冊、'92年11月号の「月刊カドカワ」。この号はみゆきさん総力特集で、その記念で募集していた中島曲題材の「中島みゆきショート・ストーリー大賞」で、

ご本人に最優秀作品に選ばれたのが、何と亡き妹の「遍路」。確かに本の虫で、文章や詩をちょくちょく書いてて、私のユーミン熱、に対してみゆきさんファン。

高校の文化祭で、友人とギター弾き語りで「ほうせんか」を歌った、ということもあった、とかふと思い出したり。

詩も「詩とメルヘン」に載ったりしたこともあったけれど、当時はこの受賞をかなり喜んでて、確か5万円だったかの賞金ももらって、

これが、世間に認められた最高潮。そして’02年に他界。私はせめてもの追悼に、この時のみゆきさんの選評、本人の受賞コメント、そしてその2P分の青年と異国の老婆の物語のコピーを友人、知人に配ったり、

その翌年、当時のAOL掲示板にその内容を投稿、何人かが好意的なコメントを下さって、その記録は保存してて、今回も、開かない場合もあるようだけれど、関連記事にリンク。

この折に改めて、みゆきさんと本人のコメントを挙げておくと、

<選評>  中島みゆき  
私は文芸評論の専門家ではないので、たくさんの応募作品のどれにも、優劣を問うという視点で読ませて頂くことはしませんでした。その結果「遍路」を選んだのは、この作品の言葉がたいへんテンポ感という点で整理されていて、音楽を聴くような起伏の美しさが感じられ、私にとってはたいへん読み易かったこと、**範子さんの、他人という観念における視線の暖かさや、スタンスの力強さに魅力と尊敬を感じたから、に他なりません。

<受賞の言葉>  **範子
最優秀作品に選んでいただき、編集部の方から連絡があったのですが、嘘じゃないかと思いました。本当に嬉しかったです。「遍路」を題材にしたのは、中島さんのファンになるきっかけの曲だったから。歌から女の人の人生が伝わってきたので、その後どうなったかを想像して書いてみました。中島さんに読んでもらえた、それだけでも嬉しいです。


みゆきさんについては、私自身は具体的な思い出といったら、大学時代に少しボーカルレッスンを受けてた頃、唯一の発表会で選んで歌ったのが「Feel LIke Making Love」と、

何故かその時ユーミン曲でなく、みゆき曲「あなたが海を見ているうちに」だった、とか、特に’80年代前半頃までのアルバムや、その後幾つかの曲への馴染み、あとは妹と前述の「夜会」に行ったり、幾つか出演映画をDVDで見たり、位だけれど、

このショートストーリーの件は、何だかさえない私の家族が、大々的に著名人に認めて褒めてもらった、という出来事で、本人にとっても最高級思い出の一つだったと思うし、やはりそういう意味で、目に見えない恩義、というのか、

特に近年熱心に曲を聴いてる、訳ではなく、私はやはりユーミン派、なのだけれど、この人は、他のミュージシャンとは異質な存在で、呼び捨てには出来ない。

そして、思えば妹はこの受賞後10年後に他界、今年、またその丁度10年目。今回、数多くもなかった当選者数の中、私の応募が当たった事もあって、この「歌姫 劇場版」を母と見に行った、というのも、何だかちょっと不思議な巡り合わせ、という感覚も。


ちょっとこの「カドカワ」中島特集を見直してたら、冒頭の「スピリチュアル・メッセージ 女の在り方」という本人の文中、「・・ユーミンですか? ユーミンにはダンナがいる。そこがねぇ、あの人の歌と私の歌の大きな違いなんですよ(笑)。

ひとりで踏ん張ってても、ゴマメのハギシリに聞こえる場合もあってね(笑)。情けないっていえば情けないけど、それもまたねぇ。見てて面白いでしょう?

たぶん、もし私にダンナがいたとして、松任谷さんちのダンナみたいに組んだとすると、ああいうカップリングの仕方はできないと思う。仕事のパターンとして。あそこまで立ち入らせることができないと思う、私は(笑)。

アレンジの都合で歌詞を書き直せって言われるようなことがあったらとしたら、「何言ってんのよ!」って、そこでフェロモンが止まっちゃうから、私の場合は(笑)。

そういう付き従う妻的なカップリングの仕事は出来ないと思う。」のような部分があって、ユーミン&正隆氏カップルの絆、というのも結構尊い、と思うのだけれど、

この当時の発言も、ちょっと苦笑、でもみゆきさんらしい、というか。これから20年、この人も結局、いまだ一人で踏ん張ってるんだ、と。


また、一条ゆかり女史との対談で、「・・中島:みんな、ここまで書いたら嫌われる、と思って書かないだろう、というのはある。いいもん、私、今さら嫌われたってっていうかね(笑) 

一条:だから、失礼なんだけどかえって笑えちゃうの。偉いーって思っちゃう。いつも思ってる人だったら、情けなくて書けないだろうし、本当にそうだったら見せない部分でしょう?

中島:そこで止めとくのがいい女なんだろうな、やっぱり。・・・行くとこまで行っちゃうからもの書きになっちゃうわけだけれど(笑)。そこで止めとかないと、ロマンは現実の人にとって砕けるのかな。

一条:でも、ああいう女って結構いるでしょ。・・世の中の女の人ってすごいなーって思ったことある。普通の女の人がいちばん怖いって。・・執念の差、だと思ったな。

中島:そこまでおやりになるんなら、どうぞ持っていってください、私も忙しいしって?(笑)」のようなやり取りも、今改めて見返して、エスカレート麻痺感覚系の女メカ、を突いた味わい、というか、趣、というか。  


まあそういう側面もあったりして、劇場での、久し振りのみゆき節。出来れば、初期の3枚のアルバム「私の声が聞こえますか」「みんな去ってしまった」「あ・り・が・と・う」(「遍路」も収録)からの曲、

「あなたが海を・・」「B.G.M」「テキーラを飲みほして」「タクシー ドライバー」「浅い眠り」「宙船」なども聞きたかったけれど、

インターナショナルな味付けでのPVや外人セッションとか、やや目新しかったみゆきさん(曲)印象、懐かしい馴染み曲の、今改めて、の心のひだを突く味わい、貫禄、圧巻さ、とか、満足の鑑賞でした。

関連サイト:中島みゆきLIVE&PV「歌姫 劇場版」公式サイトgoo 「中島みゆき 「歌姫 劇場版」」Amazon 「中島みゆきライブ!」
関連記事:遍路サヨナラCOLOR(’04)ガラスの使徒(つかい)(’06)間宮兄弟(’06)2/2(’05)SONGS 工藤静香(’07)SONGS 工藤静香(’08)宙船(’06)SONGS 加藤登紀子金環食
<スレッドファイルリンク(ここでは「遍路」)は開かない場合あるようです。>


    
by MIEKOMISSLIM | 2012-10-16 23:03 | 音楽・邦画 | Trackback | Comments(0)