2012年 11月 16日
追悼・佐藤博~山下達郎曲
その時も触れたように、今にして、本当に多岐に渡っての音楽活動ぶりだった人、と知ってちょっと驚き。ピアニストとしてもかなり評価高く、ピアノ、キーボードで様々な曲、山下達郎曲などにも折々参加してたようで、
山下達郎は、自らDJのFM TOKYO日曜のラジオ番組「サンデー・ソングブック」で、先週、今週と佐藤氏追悼特集をして、
私は先週分が終ってからそれを知って、この番組は聞いたことがなかったですけれど、今週分は録音してチェック。かかったのは、
2012年11月4日プレイリスト「佐藤博 追悼プログラム Part 1」
1. LOVE SPACE / 山下達郎 "スペイシー" '77
2. 元気を出して / 竹内まりや "リクエスト" '87
3. あまく危険な香り / 山下達郎 '82
4. MONDAY BLUE / 山下達郎 "GO AHEAD!" '78
5. RAINY DAY / 山下達郎 "RIDE ON TIME" '80
6. 明日のない恋 / 竹内まりや "デニム" '07('89)
2012年11月11日プレイリスト「佐藤博 追悼プログラム Part 2」
1. SAY GOODBYE / 佐藤博 "アウェイクニング" '82
2. POM POM 蒸気 / 細野晴臣 "泰安洋行" '76
3. 福生ストラット / 大瀧詠一 "ナイアガラ・ムーン" '75
4. BAD JUNKY BLUES / 佐藤博 "タイム" '77
5. クロール / 佐藤博 "オール・オブ・ミー" '95
6. LADY BLUE / 山下達郎 "ポケット・ミュージック" '86
7. FUTARI / 山下達郎 "フォー・ユー" '82
8. AMAZING II / 佐藤博 "アメイジング II" '06
思えばこれまで直接ブログで取り上げる機会もなかったけれど、山下達郎はユーミン、阿川泰子に次いで私の手元の録音テープの多いミュージシャン。
元はといえば、この人も荒井由実時代のユーミン曲バックコーラスで知ったのだったけれど、特に'70年代後半~80年代初旬のものは、その頃の空気感とセットで、DNA的に染み付いてる曲も多いし、
近年では、「サマーウォーズ」テーマ曲を劇場で聞いたり、昨年英検直前、SUGAR BABE時代の「SONGS」CDにメンタル的に助けられた、ということも。この夏公開だったライブ劇場版も、見に行こうか結構迷った末見送りで残念。
今回本人が取り上げた佐藤氏参加の山下曲、またWikipediaなどで見て、他の曲でも、これもあれも佐藤博絡みだったのか、というのがちらほら。その中から5曲選んで、再度追悼しておこうと思います。
ベストは、と思えばやはり「RAINY DAY」。
「RAINY DAY」「雲の・・」は吉田版もあって、それには佐藤博は弾いてないようだけれど、セットで懐かしい。山下版は硬派リリカル、吉田版はダイナミックリリカル、というか。
山下談では、佐藤博は、本番で色んなことを考えてやってくれる重宝な人、彼に限らず'70年代のスタジオミュージックは、譜面の先を行く、というか、譜面に書かれてないことを皆で考えて、
それが互いにコラボレーションになって、化学反応を起こして、4,5人分の演奏が10,20人分に増え広がる、そういういい時代を生きられた、とのことで、
改めて、そういうノリが、こういうこの頃の山下曲、また「レインボー・シー・ライン」のような斬新吉田曲や、初期の吉田、大貫妙子アルバム、SUGAR BABE「SONGS」などでも、それぞれ独特の洒脱な味を滲み出させてたような、とも。
佐藤博が参加の細野晴臣、大瀧詠一曲もかかって、軽快、闊達な演奏振り。山下達郎は、彼のピアノについて、ブルースベーシックで、特にブギ、ラグタイムに長けていて、特にニューオリンズものは白眉、とのことで。
ラグタイム、というのはWikipediaでは、
>ラグタイム (ragtime) は、1897年(記載ある最初の楽譜の出版年)から1918年(第一次大戦前後)[1]にかけて集中的に、アメリカを中心としつつ世界的に流行した、音楽ジャンルである。
19世紀後半頃から、アフロ・アメリカン(黒人)のミュージシャンが、主にピアノ演奏を中心に自らのルーツ音楽を基本とするシンコペーションを多用した(右手の)メロディーと、マーチに起因する(左手の)伴奏を癒合させた独特の演奏スタイルを編み出してゆき、
これが従来のクラシック音楽のリズムとは違う「遅い・ずれた」リズムと思われたことから「ragged-time」略して「ragtime」と呼ばれるようになった、といわれている。<だと。
また、彼は自分のソロ作品はマルチプレーヤー的に、多重録音で一人で創る傾向、無類の新しいもの好き、デジタルドラム、コンピューター、シンセの新しいのなどが出ると飛びつき、好奇心旺盛で、永遠の少年、のような紹介。
かつて細野晴臣に、YMO参加を誘われたこともあった、という程の技量あった人、というのも改めて。
先週分では、「元気をだして」でも弾いてたのだった、竹内まりや曲もかかったようで、アルバム「REQUEST」にも参加してたそうだけれど、マイベスト竹内曲の「OH NO, OH YES!」とかも佐藤博絡みだったのかも。
山下達郎は、追悼特集が4週分位すぐ出来そうな程曲があって、吉田美奈子さんの曲がかけられなかったのも残念、と言ってたけれど、You tubeでも追々探ってみて、だけれど、吉田、大貫曲で追悼、なども出来ればとも。
佐藤博本人の作品でも、17枚のアルバムを出してて多くの曲があり、山下達郎が、自分の好きな曲、として4曲かけたのだけれど、一番インパクト、というか気に入ったのは叙情ラブバラードの「クロール」。
彼らしいAORのアレンジ、という紹介だったけれど、この曲が入ってる「オール・オブ・ミー」というアルバムはちょっと聞いてみたい気が。
この人の声って、改めて聞いて、角松敏生のややくぐもったような、というか、耳当りはいいけれど、シンガーとしての際立つ個性、ではなかったのかもしれないけれど、この曲には何だかフィット感。
また今週分の冒頭かかった「SAY GOODBYE」、珍しく、山下達郎がギターで呼ばれて参加したそうで、
この「アウェイクニング」というアルバムは、新しいもの好きの佐藤氏が、ビンドラムス?ディンドラムス?というドラムマシーンを全編に使って仕上げた、とのことで、
テンポあるデジタル感+抜けのいいメロディ+英語歌詞で、ちょっと面白く耳に残った曲。
そういう所で、先週分を聞き逃したのは残念だけれど、山下達郎本人のナビゲートで、多才、マルチミュージシャンだった佐藤氏~往年の愛着あった山下曲、が結びついた特集。
新たな佐藤博(参加)曲も聞けて、追悼特集を通して今にして広がった、というのもやや皮肉ですけれど、充実感の番組でした。
関連サイト:山下達郎 OFFICIAL WEB SITE サンデー・ソングブック
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