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Something Impressive(KYOKOⅢ)

ホワイト・クリスマス(’54)

昨日、近くの成田図書館の映画会で「ホワイト・クリスマス」上映、都合も合ったので見てきました。

ビング・クロスビーとダニー・ケイが主演のミュージカル作品。軍隊時代の友人コンビ、ウォレス(クロスビー)とディヴィス(ダニー・ケイ)が、戦後ショービジネス界の芸人として人気者になって、

たまたま立ち寄ったリゾート地ホテルの経営者が、元隊長ウェイヴァリー(ディーン・ジャガー)、と判って、そのホテルの雪不足のあおりでの経営難を救うため、ショー企画などで活躍、

彼らと、芸人のへインズ姉妹(ローズマリー・クルーニー、ヴェラ・ヘレン)との恋模様も絡んで、まあ物語自体も大団円、なかなかハートウォーミングな後味。


「スイング・ホテル」('42)という作品のリメイクで、その中でビング・クロスビーが歌ってたスタンダード「ホワイト・クリスマス」をタイトルにして、聞き馴染みはこの曲位だったけれど、

その他の曲も全て「ホワイト・・」の作詞・作曲者、アーヴィング・バーリンの曲だった、と。

ダニー・ケイは、昨年やはりこの図書館での「ダニー・ケイの天国と地獄」を見てて、やはり今回も芸達者ぶり、だったけれど、

ビング・クロスビーって、=「ホワイト・・」の曲などで有名なシンガー、でも映画にも出てて俳優業もしてた、とは今にして知って、名は知ってても、思えば風貌もまじまじ見たのは今回初、かも。

甘い歌声+この公開時には51才、ダニーよりは10才年上だったのだけれど、彼に比べてやや哀愁帯びたルックス。

       


そして、へインズ姉妹の妹ジュディ役のヴェラ・エレンは、「踊る大紐育」で、ジーン・ケリーのマドンナ役の”ミス地下鉄”、また「ダニー・ケイの天国と地獄」でもダニー・ケイの恋人役の女優だった、と。

今回一番インパクトシーン、といえば、浮かぶのは、ダニー・ケイと彼女が、クラブのダンスフロアー~屋外へと繰り広げた軽やかなダンスシーン。

      


この2人は、互いに好意は持ちつつそう真剣な恋愛モード、という訳ではなかったけれど、ウォレスと姉の方のべティは、堅物同士、でもあった分、接近も真剣、

ウォレスのショー計画関連電話の一部を盗み聞きしたホテルの家政婦エマの、不完全な情報で、べティは彼らの計画は私欲のため、と誤解したりもして、

一旦は彼の元を去ったり、それなりに波風はあるけれど、そういう潔癖さ~純粋な気持ちが実るような形で、ハッピーエンド。


べティ役のローズマリー・クルーニーは多分初見、ジョージ・クルーニーの叔母で、元々シンガー、女優業もしてた、そうで、

鷹揚なエマ役のメアリー・ウィックスは、この時中年期だったけれど、晩年に「天使にラブソングを・・」「〃2」に出てて、尼僧の一人、聖歌隊の元リーダー(ラザニス)役だったのだった、と。


まあストーリー的には、このウォレスとべティの恋模様が見所の一つ、それと、ウォレスとデイヴィスの、元隊長ウェイヴァリーへのスタンス、というのも、

軍隊時代、厳しく冷酷なだけの隊長、でなく人間味もあったからこそ、敬意のこもった忠誠心、というのが染み付いてて、巷で再会した時も、その窮地を救おう、という気持ちが自然と沸いて、

TVを通して呼びかけた他の元仲間達も、クリスマスに彼の元へやってきて、というのもちょっとヒューマンドラマ風。

まあ、アメリカが戦勝国だったからこその、こういう明るい戦後風景、コミカルな劇中歌にもあった、軍隊生活への素朴なノスタルジー、というのもあってか、特に深み、という訳ではないけれど、

同じ時間を割いて見るなら、妙に屈折した人間模様、よりは、お話的には、こういうシンプルで善意的な方が好ましい、と近年特に思ったり。

これはマイケル・カーティス監督作、この人の作品で見てたのは「カサブランカ」「夜も昼も」、「カサブランカ」の、と思えば、作風の広さ、とも、そういえばハンフリー・ボガードの渋さが、今回のクロスビーの風貌とちょっと重なったり。


そういう所で、やはりビング・クロスビー&ダニー・ケイの大御所コンビ、ヴェラ・エレン&ローズマリー・クルーニーの女優陣、が全編通して繰り広げる歌、ダンスの芸達者ぶり、というミュージカル味わい、

+彼ら4人の恋模様、男同士のラフな絆、元上官の窮地を救おうと、大勢が結集のホテルでのショー、男達の温かい再会風景、ラストに降った雪、まさにホワイト・クリスマスの賑やかさ、など、前述のように、ハートウォーミングな後味でした。

関連サイト:Amazon 「ホワイト・クリスマス」成田図書館 映画会象のロケット 「ホワイト・クリスマス」
関連記事:夜も昼も(’46)カサブランカ(’42)/オズの魔法使(’39)踊る大紐育(’49)ダニー・ケイの天国と地獄(’45)天使にラブソングを・・・(’92)


      
Tracked from 象のロケット at 2012-12-10 08:31
タイトル : ホワイト・クリスマス
戦友のボブとフィルの芸人コンビ。 昔の上官が経営するホテルが破産の危機にあると知って、景気快復のためのショーを企画するが…。 クリスマス・ミュージカル。... more
by MIEKOMISSLIM | 2012-12-09 00:24 | 洋画 | Trackback(1) | Comments(0)