人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

Something Impressive(KYOKOⅢ)

SONGS 小泉今日子

これもやや時が経ちましたけれど、10月27日放映の「SONGS」小泉今日子の回を、録画で見ました。

この番組では’09年以来。原宿~渋谷を歩きながら、またスタジオでアイドル時代を回顧+当時の数々のステージ映像、

歌ったのは、ヒット曲メドレーで、The Stardust Memory ~ヤマトナデシコ七変化~素敵なラブリーボーイ~半分少女~私の16才~艶姿ナミダ娘~渚のはいから人魚、新アルバムから「100%」。


まず、15才の時「スター誕生」で、ピンクのワンピース姿で石野眞子の「彼が初恋」という曲を歌う姿。顔立ちは、目の感じが特に、何だか後年とは違う印象。

そこから、正統清純アイドル路線~斬新アイドル路線への変化ぶり。前に「Mラバ」出演時の記事で、マイベスト小泉曲は「夜明けのMEW」「木枯らしに抱かれて」「Fade Out」が横一列、と書いてて、

今回その中で、「夜明け・・」「木枯らしに・・」を紅白でユニーク衣装で歌う映像がちょっとだけ流れたけれど、やはり耳に残ったのはこの2曲。

        

「木枯らし・・」がアルフィー曲というのはインプットだったけれど、「夜明け・・」って、作詞秋元康+作曲筒美京平曲だったのだった、と改めて。

そしてこの曲って昔から、何処かユーミンの「パジャマにレインコート」と浮かぶ情景、空気感がダブる、と思ってて、もしかしてリリースも同じような頃だったのでは?と、今回見てみたら、

「夜明け・・」も「パジャマ・・」の入った「ALARM a la mode」も、何と同じ'86年。まあ偶然、とは思うけれど、ちょっと感慨。

                                  (C)(株)マガジンハウス
SONGS 小泉今日子_a0116217_2343497.jpg12/20追記:手元に吉見佑子が彼女を撮ったモノクロ写真+傍らにキョンキョン本人の短文の「人生らしいね」('88)という本。

吉見佑子って顔は浮かばないけれど音楽評論家・作詞家・歌手・声優とかの人で、あとがきらしい文を読み返したら、出会ったばかりの彼女について、

「若く、美少女で、どこか紳士的(ジェントル)だったが決して、淑女(レディ)ではなく、その瞳の奥は十分に野生の香りがした。」

とか、19才だった彼女に、怒って本音でコンサートへの苦言を呈して、2人で話し合ったり、というような交流のもあった後、この「週間平凡」の企画で彼女の写真を撮ってた頃、

「小泉今日子は21世紀の果実(アイドル)である。彼女に記憶や思い出は似合わない。「なまもの」だからだ。生鮮食品に近い。」

のような部分が、キョンキョンというアイドル、また後年、女優業に幅を広めた資質、のような所を突いてるような感じ。

今回の、メドレーを若々しく歌う姿にも、離婚歴などの傷心過去は漂わない、そういう「なまもの」っぽい躍動感。今、何だか、陰影ある役柄もこなしてきた女優業、よりは、やはりシンガーとしてのこの人の方が好感、と思うのだけれど。


当時のアイドル業、について、この人って、松田聖子のような、歌手になりたい、という自らの熱意は特になく、友達がしてるように、話のネタに、オーディションを受けに行ったら、合格して、人生が変わった、とか、

初期の頃についてだと思うけれど、楽しいとか演じるとかいうより、自分に与えられた職業、のような意識が強く、一生懸命やってた、

自分の意志、考えで動きたかったので、それを判ってもらいたくて、きちんと仕事をして、きちんと大人と向き合いたい、と思ってた、などという回顧。


そういう生真面目なアイドル、そこから、いきなり自分でショートカットにしてイメチェン、奇抜な衣装、とか独自の展開を見せて飛躍、だったのだけれど、

当時”アイドル”に意味を調べたら”偶像”と出て、悪い意味でも使われる気もしたけれど、もう少し”アイドル”という言葉の意味自体をもう少し深いものに出来たらいいな、と思って働いてたような気がする、

'80~90年代って、それまであるものを壊す、という思想があって、ロック、パンク魂がまだ通用したような時代で、それを意識、無意識的にも楽しんでた気がする、のようなコメント。


この人って特に繊細な表現力ある歌唱力、という訳でなく、そう声量豊か、でもない声質の中のある種の甘さと哀愁、それ自体の陰影+嫌味ないルックス、明るいキャライメージ、のブレンドが魅力、

同期デビューアイドルなら、やはり正直、私はシンガーとしては中森明菜の方が断然インパクトだし、愛着曲も多数。

でもこの人は、子供時代、父の会社が倒産、という混乱はあったらしいけれど、特にハングリー精神、という訳でなく、入ってしまった芸能界で、

次第にそういう自分の魅力を自ら把握して、エンジョイしてきた、というある種生真面目でもあり、思い切りいい開き直りパワー、というか。


また、後輩達について、(アイドルというのは)大変な仕事だけれど、その時代時代に、必要な誰かがいなくちゃいけない、そういう席で、十代の子達が、生まれて初めて誰かを格好いい、とか、可愛い、とか、

擬似的にだけれど、人を好きになる、という気持ちを覚える、そして応援する、それがあるってことは、凄い世の中が健全である、という気がして、

誰かがそこに座らなきゃいけない、座ってる間は、心や身体をコントロールするのが凄く大変なことだけれど、そこに座ったことのある私から言わせてもらえれば、

その時間が、後で、笑えるようになるし、財産になるので、頑張ってる姿を見ると、応援したくなるし、自分も元気づけられる時もある、などと、後輩アイドルへのエール。


私も仕事柄10代の子達と接して、まあ人にもよるけれど、そういうアイドル、芸能人、その歌を聞いたりドラマを見たり、コンサートに行ったり、雑誌や写真を見たりなどなど、

割く時間、気持ちの割合が結構多い場合もあったり、それって、場合によっては何だか、と思ったりもするのだけれど、そういう気持ち自体は基本的に打算、損得勘定なく純粋で、

思えば私自身も、ユーミン初め、そういう対象への結構な傾倒、もありつつ、ある意味人生の潤いにしながらやってきたんだし、非行、犯罪に走ったり、妙に無機的な価値観にハマる、よりはまあ余程健全、かと改めて。


この人の文章って、上記の「人生らしいね」の若い頃の短文しか読んだことがないけれど、近年文章も書いたりしてるらしく、そういう関係もあってか、

今までの出演者の中では、自分の過去であるアイドル時代、またアイドル、というものを、他人への影響も含めて、意外に割と客観的に振り返ったり分析してて、ちょっと面白い、というか趣もあった、という感じ。


そういう所で、往年のユニークコスチューム含め、様々な小泉ヒット曲、さすがに年は取ってきたけれど、現在のマイペースっぽい佇まい、語り、など味わいの今回でした。

関連サイト:SONGS 第237回 小泉今日子
関連記事:空中庭園(’05)雪に願うこと(’06)涙そうそう(’06)ユメ十夜(’07)(「市川崑物語」スレッドの10)、平山みき/小泉今日子SONGS 小泉今日子/Kiroro


by MIEKOMISSLIM | 2012-12-20 00:20 | 音楽 | Trackback | Comments(0)