2012年 12月 29日
クリスマスの約束
今回は浦安の舞浜アンフィシアターでの収録、大メドレー形式はなく、小田さんソロでの歌も割とあり、気心知れた常連ゲスト達と、ゲストの曲以外のも色んな曲を歌いリラックスアットホームモードで、という感じ。
ゲスト陣は、常連陣はスキマスイッチ(常田新太郎・大橋卓也)、根本要(STARDUST REVUE)、水野良樹(いきものががり)、JUJU、松たか子、そして新登場の絢香。
演奏曲は、
やさしい雨/小田和正
キラキラ/小田和正
東京の空/小田和正
花の名(BUMP OF CHICKEN)/小田和正
風が吹いている(いきものがかり)/小田和正、根本要、スキマスイッチ、水野良樹
らいおんハート(SMAP)/小田和正、根本要、スキマスイッチ、水野良樹
夏祭り(JITTERIN'JINN/Whiteberry)/小田和正、JUJU、松たか子
夏に恋する女たち(大貫妙子)/小田和正、JUJU、松たか子
エイリアンズ(キリンジ)/小田和正、JUJU、松たか子
ツヨク想う(絢香)/絢香、小田和正
たしかなこと/小田和正、絢香
夕陽を追いかけて(チューリップ)/小田和正
明日/小田和正
その日が来るまで/小田和正
Over the Rainbow(ジュディ・ガーランド)/小田和正、JUJU、松たか子
君のこと/小田和正
今回、男性陣での「らいおんハート」や女性陣との「夏祭り」もやや意表を突かれたけれど、一番サプライズ、といえば女性陣との2曲目、大貫妙子曲「夏に恋する女たち」。
曲自体随分久方だけれど、松、JUJUボイスでの大貫曲、というのも初。小田さんはコーラス担当、2人に任せた感だったけれど、後で思えば小田さんがリードボーカル版この曲、というのも聞いてみたかった気が。
これは紹介であったようにドラマ主題歌でもあった、というのは忘れてて、田村正和主演ドラマだったのだったけれど、見たかどうかも今一記憶になし。
これはアルバム「SIGNIFE」、手元のCDではライブ版「Shooting Star in the blue sky」にも入ってるのだけれど、ヨーロピアンなおっとり楚々とした大貫曲に、一時異次元感覚、心洗われる感じ。
この機会に、謎のままだった仏語歌詞の部分の意味って?と探ってみたけれど、歌詞サイトで出てるLove-toi et viens avec moiをエキサイト翻訳にかけたら、「あなたを巻き、私とともに来ます」。
どうも意味不明、「Shooting Star・・」歌詞カードでは最初が「Lave-toi・・」になってて、これだと「あなたを洗い、・・」で、今回のTVに出た歌詞だと「Leve-toi・・」で、これは「あなたを育てて、・・」で、歌詞の流れで海の魚達の様子、だと思うけれど、どれも決め手が今一?。
eの上の綴り字記号を入力してないのも関連?かもしれないけれど、ちょっとまた折りあれば、まずどれが正しいのか探ってみて、という所。
これを聞いた時はこれ今回一番インパクトか、と思ってたけれど、やはり挙げるとしたら、絢香とのコラボで歌った小田さん曲「たしかなこと」が一番。
聞き馴染みの曲、ではあったけれど、真摯な絢香ボーカルとのコラボ、というのもあってか、改めて心ある名曲感、が沸いてきて、しみじみ。You tube には小田・大橋卓也版。
その他印象的だったのは、やはりJUJU、松たか子との「夏祭り」と「エイリアンズ」。
「夏祭り」は、勢いあった女子中学生バンドWhiteberry版で浮かぶけれど、元々はJITTERIN'JINN(ジッタリン・ジン)というバンドの曲だったのだった、と。小田さんは、この曲を聞いた時、素直でいい曲だと思った、とのことで、懐かしかった曲。
キリンジの「エイリアンズ」は、私は初耳。キリンジ自体は、ユーミンの「曇り空」カバーで知ってたのだけれど、この「エイリアンズ」は、夜の情景、気だるくミステリアスモードで私も割と好み。
小田さんは、この曲にハマって、初めて聞いた時、よく通る埼玉の景色に似てる、と思って、後で、キリンジは埼玉出身、と判って、思わずほくそえんだ、と笑いをとって、
自分の知ってる景色が歌になったりすると、何かちょっと嬉しかった、などという話。JUJUもこの曲をライブでカバー、松たか子も気に入ってる、という複線もあっての選曲かもしれないけれど、
小田さんは、僕はシュール、というのは余り得意じゃないけれど、この曲は結構シュール、でもとても好きですね、と。カバーしてただけあって、JUJUボイスにも、また小田さんボイスにも結構フィットしてた感じ。
これって何かの曲にムード、情景が重なるような、と思ってて、後で浮かんだのがユーミンの「影になって」。
「エイリアンズ」も、ユーミンが「SUPER WOMAN」の中村うさぎとの時だったかに言ってた、曲を創る時に情景を強く”念写”、というような要素もあったのでは、と思わせられる曲。
また、絢香との1曲目、彼女の「ツヨク思う」は、小田さんが言ってたようにニュースで流れてて聞き覚えあったのだけれど、日テレ「NEWS ZERO」デーマ曲、だったと。
この人って、歌は上手い近年躍進シンガーの一人と思いつつ、特に思い入れなかったのだけれど、今回改めて「ツヨク・・」のフルバージョンを聞いて、
ちょっと英語歌詞の箇所が、「Your future leads you here」でなく「・・there」なのでは?と思ったりはしたのだけれど、
メロディアスで歌詞も真摯ないい曲、と思ったし、それを歌いこなす歌唱力もやはりなかなか。この人の私生活、病気の時水嶋ヒロから献身愛を受けて結婚、二人三脚というスタンスが滲み出るようなラブソング、とも取れるし、
次の「たしかなこと」と共に、小田さんとの真摯なラブソングコラボが、思ったよりなかなか良かった。
後は、最後から2曲目、再びJUJU、松たか子登場で共に歌った「Over The Rainbow」。
小田さんは、歌詞の一部、どんな夢もかなう場所、鳥が虹を飛んで行けるなら私だって飛んでいけるに違いない、を語った後、この曲を、みんなの幸せを祈って歌いたいと思います、とコメント。
この曲はこの春、「SONGS」で長谷川きよしバージョンでも聞いたのだったけれど、年の末、この番組で歌われるこの曲、というのもちょっと感慨。
「みんなの幸せを祈って・・」この曲、というのは、途中、明治生命CMで東北の幾つかの駅の前に立った小田さん、「あの日が戻ってきますように」というフレーズもあったり、やはり1年10ヶ月は経ったけれど、3.11災害支援、という心情があったようで。
ステージで、震災の時、歌なんて歌っても何の力にもならないんじゃないか、聞きたい人なんか誰もいないんじゃないか、と思った時もあったけれど、
時間が経つにつれて、歌に出来ることがあるかもしれない、伝わる気持ちがあるかもしれない、と思い始めて、ツアーをやることがあるとしたら、この曲を1曲目にやろうと思った、と歌った「明日へ」、
今年に入ってようやく、延期になっていた東北のツアーに行って、その時に書いた、という穏やかな「その日が来るまで」など、女性へ向けたラブソング、ではありながら=人生励ましソングになる小田曲の懐深さ、という感じ。
そしてやはりしみじみラブソング「君のこと」で締め。観客席では、男性もいたけれど、やはり女性が多そうで、やはりハンカチを目頭にあてる姿もちらほら。
今回は近年のに比べ、シンガーソングライター小田さん自身のパフォーマンスが多く、小田さんワンマンショー+気のおけないゲスト陣とのコラボ、という感じ。
私はこの番組を見始めたのは'06年から、その前には、ゲストもいなかったり少なかったり、小田さんの歌メイン、の構成の年もあったようで、こういう形でも全くOKで、個人的には+オフコース時代曲ももう少しあれば、だけれど、
今回も、誰のどんな曲が飛び出すのか、という楽しみもあったし、衰えの見えない朗々小田ボイスで自曲以外の様々なカバー版、というのも今回特に「エイリアンズ」が聞き応え。
最後の今回振り返っての小田さんのコメントで、ここ1,2年記憶力が低下してきて、覚える自信がなかなかなく、それがストレスとの戦い、また、レパートリーのこととか、これで本当にいいんだろうか、という不安との戦い、
これで理屈は通ってるんだろうか、そういう不安との戦いで、途中から(理屈が)通ったな、と、「明日」の拍手がとても長かったので凄く良かった、
今年の、これで良かったんだ、と思うものを作り上げていくしか考えられないよね、などと、ちょっと完璧主義っぽい生真面目さも垣間見えたけれど、
やはりこの時期、恒例イベントとして、何かしら心情的にほっこりしたものが残る、この小田さんショーは楽しみ、と思えた今回でした。
関連サイト:クリスマスの約束 2012 TBSテレビ
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