2013年 05月 04日
イバラードの旅 第16回 井上直久絵画展
昨年同様この時期、この画廊での新作展示会。やはり案内ハガキが来てて、今週の自分の休み中に、と、久方の池袋に。新作50点、井上作品が使われてる書籍など展示。
昨年同様、案内ハガキ提示で、ポストカードセットを差し上げます、とあったので、受付で見せたら、女性が電話に追われながら渡してくれて、今回は2枚セット、昨年もらった中にもあった、「野原の会話」と「天文館の宵」。
展示は、今回もやはり井上ワールド漂う独特の作品群、特に目に留まったのは、奥のスペースにあった「借景庭園Ⅲ」(→カード (C)井上直久)、
これって昨年もらったカードの中にあったのと同じ?と思って、後で家の手元のを確かめたら、やはりタイトルも同じ。
そしてやはり奥にあった、初めて見た井上作品の静物画、「ゼリーのある静物」。
青い植木鉢、細長いものさし状のもの、流線型の直方体の上に棒で支えた枕のようなものが載ってるもの、円筒形の物体、などの、ブルーがかった静物画で、
作者名がなければ、まず井上作品、とは気付かない作風だけれど、あっさりした清涼感あって、これはこれで好感。
一番気に入ったのは、奥へのスペースから出たすぐ横にあった、「星愛でる宵」という作品で、長方形の上部、真ん中に半円が盛りあがった珍しい絵の形、
その盛り上がった所は、絵の中央の家の屋根で、屋根の上空、周りに色々天体、家の両脇が水際、少し離れて両側に、その家の離れのようなこじんまりした建物、焚き火を囲んでいるらしき人々の姿、など。
これが、今回一番ちょっとひと時入り込んでみたい感じNo1、のファンタジックワールド。この絵は、売約済み、の印。
その他、昨年目を引かれた、小島が幾つかの海面で区切られてる構成パターンの、「雲渡る多層海」。
井上作品が表紙に使われてる国語の教科書、取り上げられてる美術の教科書、イバラードの仏語版漫画など、井上作品をベースにジブリの短編作、として創られたらしい「星をかった日」という作品の紹介本も置いてあって、
その冒頭に宮崎駿監督の、”やさしいだけでは生きていけない、やさしくなければ生きていく資格がない レイモンド・チャンドラー作品より” という引用文。
ハガキに、ライブペインティングで作品製作の過程も見られる、とあって、私が着いたのは用事を済ませて2時頃、作家来場してるはずの時間で、
画廊に入ってすぐ中央の辺りに、ピンクや紫系での何人か人がいるような絵が描きかけ、パレットもおいてあって、井上氏は席を外してるようで、2回り位絵を見てきた後も、戻っておらず。
近くにいた係りの女性に、その絵の写真を撮ってもいいか聞いてみたけれど、ちょっと困った顔で、店内での撮影自体禁止されてるし、私からいい、とは言えないんです、のような答え。
帰りに気づいた、入り口の脇にあった、今回は、花や緑、光や風、水や空をイバラードの目で見つめなおし、想いを一筆一筆に込め表現しました、のような趣旨の言葉。
そういう所で、ご本人のライブペインティングは見られず残念でしたけれど、今回も、束の間イバラード時間堪能、のイベントでした。
関連サイト:東武百貨店 イバラードの旅 第16回 井上直久絵画展
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<今回の案内カード「デュエット」 (C)INOUE NAOHISA>