2013年 05月 06日
奇跡のクラークコレクションールノワールとフランス絵画の傑作ー
まず最初に鑑賞の「クラコレ」から、後2つについては、後に別枠で。この三菱1号美術館は、私は3年前「マネとモダンパリ」展以来、
今回のは、アメリカマサセッチュー州のクラーク美術館所蔵品から、ルノワールが多い印象派作品中心の展示、とのことで、気になっていて、この休みの間に行っておくことに。
着いたのが12時過ぎ頃で、30分の待ち時間。館内もそこそこの混み具合、だったけれど、この美術館の造りが幾つも続く小~中部屋に分散して展示、のせいか、人気作品にもそう極端な人盛り、ということもなく、割と見易い感じ。
22点のルノワール作品初め、日本初出品59点を含むフランス絵画73点の展示、モネ、マネ、シスレー、ベルト・モリゾ、ピサロ、ブーダンなど好みの画家の作品も多く、
コローやミレー~ドガ、ボナール、ロートレックなどもあって、近年の中でもなかなか充実感。
5/8追記:一応折にテーマごとの簡潔な掲示板はあって、出品目録では、画家ごとに並んでいるけれど、順路に沿って見物していくと、あちこちにルノワールのがあったり、
何だかアメリカのこじんまりした私設美術館、のような雰囲気、通路から見える中庭、とか、ここはやはり大ホール系の美術館とは一味違う趣、今回の作品群にも似合ってた感じ。
今回一番インパクト作品、を挙げるなら、ルノワールの「ヴェネツィア、総督宮」(→カード)。
ヴェべチア独特の情緒漂わす建物やゴンドラ、その手前の、色んな光の具合を湛えるブルーがかった運河の水面が、何とも清々しさ。
ルノワールのヴェネチア作品、というと、手元のカードでは同じ18881年に描かれた「ヴェべツィアの大運河(カナル・グランテ)があったのだけれど、今回の「・・総督宮」の方が、かなり好感。
5/9追記:そして、他にインパクトだったルノワール作品は「シャクヤク」。(←カード)
赤~白混じりピンクの花の一つ一つの量感が、画面から飛び出してきそうなタッチ。
ルノワールの静物画、というのは余り覚えなく、手元のカードでは、緑色の花瓶に白いバラ、赤いスイートピー?など何種類かの花が飾られてるオランジュリー美術館展での「花」、いちごとティーカップの「Strawberries」のみ。
それぞれ1901年、1905年、結構晩年の作品、特にいちごのは、落ち着いた品があって惹かれるものがあったのだけれど、
今回のこの「シャクヤク」は1880年製作、この2つより若い中年期に描いた、というほとばしりの勢い、というのが感じられるような1品。
また、ルノワール静物画では他に「皿のリンゴ」「タマネギ」もあって、その柔らかなタッチ、色彩、ルノワールにかかるとタマネギもこういう優雅さ、というか。
人物画では、3年前「ルノワール伝統と革新」展の目玉作品、印象的だった「うちわを持つ少女」があって、やはり目を引かれる華やかさ。
母はこのカード(→)を買ってて、それって前にも来てたけど、覚えない?と聞いたけれど、記憶おぼろげな様子。
それと、楚々としたブルーと白のドレス姿の「テレーズ・ベラール」も見覚え、と思ったら、やはり後で見たら手元にカードがあって、これも「・・伝統と革新」の時に来てたのだった、と。
今回私は人物画でカードを買ったのは、目玉ポスターやチラシに使われてる目玉の「劇場の桟敷席(音楽会にて)」。(←カード)
ゆったり構える黒いドレスの女性と、傍らの長い髪の白いドレスの少女、2人の中間にある赤い花束のコントラストが優雅な空間。
解説パネルで、元は右上に男性がの顔が描かれてのいたけれど、茶色く塗りつぶされた、とのことで、そういえばスペース的には確かにそこにもう1人いても、というゆとり、
それは多分ルノワール自身によって、の変更だったのだろうけれど、先日のラファエロの「大公の聖母」の後に黒く塗りつぶされた背景、ではないけれど、
やはりそこにもう1人、しかも男性、というよりはこの変更後の現状の方が、2人の女性の柔らかな雰囲気が生きて、色彩的にもずっとスッキリしてる、という感じ。
5/11追記:その他、カードを買ったのは、茫洋としたヨーロピアンな風景+白い橋を映す水面のバランスが好感の「シャトゥーの橋」。(カード→)
これは初見かと思ってたら、すでに手元のカード中にあって、いつかのルノワール展で入手してたのだけれど、
今回まとまって、のクラーク展、でも単品ではちらほらこれまでもこの美術館から来日してたのだった、と改めて。
ルノワール以外で印象的だったのは、モネの「エトルタの断崖」、馴染みのモネ題材だけれど、日光が当った岩の白い上部がハイライトになって、鮮明な印象。
マネの「花瓶のモスローズ」、ピサロの「道、雨の効果」「ポントワーズ付近のオワーズ川」、シスレーの「籠のリンゴとブドウ」、ベルト・モリゾの「ダリア」、
また、馴染みない画家の作品で、アルフレッド・ステヴァンスの「侯爵夫人(青いドレス)」。小品だけれど、画面の大部分を占める夫人の青いドレスの、ビロードなのか?
その光沢が鮮やかで、こういう風に、ドレス(衣服)が主人公的インパクトな作品、というのも余り覚えなく。
母は、「うちわを持つ少女」の他は、シスレーの「ハンプトン・コートのテムズ川」のカード(←)のカードを買ってて、この展示会は風景画も多く、見応えあった、とまあ満足だった様子。
そういう所で、国立、都立系以外の美術館は久方、でも、雰囲気が割と好みのこの三菱1号館で、メジャーな印象派画家作品をまとめて鑑賞、味わえて、出向いただけの価値あった、という展示会でした。
関連サイト:奇跡のクラークコレクションールノワールとフランス絵画の傑作ー 三菱1号館美術館
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