Something Impressive(KYOKOⅢ)


印象派を超えて 点描の画家たち

昨日、国立新美術館で開催中の点描の作品を中心にした展示会、そして同館で今日までの「アメリカン・ポップ・アート」展に母と行ってきました。

元々は、上野でのターナー展とミケランジェロ展、そしてこちらも寄れれば、と思ってたのが、雨だったので上野は見送り、今回は便のいいこの美術展の2つに。

まず点描特集のに行って、これはオランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵作品が中心、国内美術館作品も含めて、スーラやシニャック、

その影響を受けたゴッホ、ゴーギャン、ヴラマンクなど初め、ベルギーとオランダの点描作品など、新・後期印象派展でも、ちょっと珍しい”点描”にフォーカスした美術展、5章に分けて93点の展示。


a0116217_2020458.jpg第1章「印象派の筆触」では、国内美術館から、モネ、シスレー、ピサロ作品が並んで、馴染みの印象派でスタート。

最初のモネの「藁ぶきの家」は、覚えある、と思ってたらやはり手元にカード(→)、所蔵がISETANとあるけれど、今は上原近代美術館に移ってるようで。


今回、一番気に入ったのは、第4章「ベルギーとオランダの分割主義」にあった、オランダのヤン・トーロップの「海」。

細かい点描で、画面上部の水平線~波打ち際を描いた作品だけれど、波の幅ごとに微妙に変化する、青や緑のグラデーションが綺麗で、

この作品横の解説に、色が喚起する感情を考慮している、などとあったけれど、スーラやシニャックとはちょっと違った柔らかなインパクト。

a0116217_21191467.jpg売店にこのカードはなく残念、代わりにトーロップ作品「秋」〈←カード)を入手。

これも、そう言われれば道の、ピンクや赤紫の使い方がそういう”感情の喚起”という感じ。

オランダは象徴主義が主流で、ベルギーほど分割主義は浸透しなかった、そうだけれど、この画家のは他にも、畑をバックに1列になって急ぐ一家らしき3人位だったか「ストライキの後」という作品や、

農夫が女性を誘惑しようとしてるシーンの「<夕暮れの光>あるいは<誘惑>」のような絵もあって、後のの解説には、光と色のl効果より物語性的内容を重視、とあって、そういうよりナイーブな点描、として今回新たにちょっと引っかかった画家の一人。


そういう意味では、好み、というより、少し物珍しさで印象的だったのは、第2章「スーラとシニャックー分割主義の誕生と展開」コーナーにあった、フランスのマクシミリアン・リュスという画家。

「パリ、モンマルトルからの眺め」など、一見街並みを描いた点描画、なのだけれど、この人は労働者階級出身、結構政治に関わりあった”社会派”、

画面に描かれた工場や煙突、そこからの煙などがそういうニュアンス、だそうで、ダイレクトに労働者の現場を描いた作品「鋳鉄工場」も。

スーラやシニャックと同年代、一緒に組織を創ったり、ピサロの友人でもあったそうだけれど、単なる風景画でなく、そういう自らの思想的背景を入れた点描画、というのもあったのだったと。


a0116217_2214064.jpg今回スーラは5点、シニャック7点あって、どれも多分初見、やはり絵自体の好み的には、2人のはソツなく好感、

後でカードを買ったのは、シニャックの「コリウール 鐘楼作品164」(→カード)。母が買ってたのは、チラシにも使われてたスーラの「ポール=アン=ベッサンの日曜日」(一番下↓)。

今回特にシニャックは、後年の作品ほど点のタッチも大きい?と思ってたら、後で参加した本展担当研究員の方の解説会で、点描の画家は画面の大きさに合わせてせて点描のタッチの大きさも変える、という話も。


a0116217_22301934.jpgそれと第3章「ゴッホと分割主義」で、やはりゴッホも一旦スーラやシニャックの点描画に興味持って、自分の作品に取り入れはしたけれど、

結局忍耐のいるこの画風は性に合わず、彼らに賛同、という訳ではなかった、というのもさもありなん、というか。

カードを買ったのは、分割主義が結構出てる、という「レストランの内部」(↑カード)。テーブルクロスの白と、バックの点描の壁とのコントラストが視覚的にインパクト。


a0116217_22323424.jpg母はチラシにも使われてる「種まく人」(カード→)を買っていて、この作品って、他バージョンもあるけれど、

今回、そう言えば手前から奥にいくにつれて、大~小タッチの点描とも言える、と改めて。


その他、目に留まったのは、ベルギーとオランダの章にあったヨハン・トルン・ブリッカー「十字架の傍らで(チューリップの聖母)」のステンドグラス風、とか、

最後の第5章「モンドリアンー究極の帰結」の、モンドリアンの青、ピンク、黄土の四角形からなる抽象画「色彩のコンポジションB」。この画家は余り馴染みなかったけれど、オランダ人、

その「色彩・・」は一見、カンディンスキーのようなリズミカルな抽象画イメージ、今回の他作品を見ても、点描との関係?だけれど、解説会で、この画家もやはりスーラ達の影響を受けた時期があったそうで、

この画家なりの点描傾倒を経てこういう作風になった、という趣旨で最後のコーナー、というような紹介。


鑑賞後、前述の丁度2時から45分程の3Fでの解説会に参加出来て、改めて、「分割主義」は光を表現するための方法、点描の画家達が意識、ゴッホも毛糸玉で研究してた、という基礎の補色関係、とか、

ピサロが印象派展の兄貴分的役割で、最後の第8回にスーラとシニャックを誘ったのもピサロだった、とか、彼らの出展に反発して出展しなかった画家もいた、とか、

a0116217_2328301.jpgその時出展された、最初の点描の衝撃大作、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」〈←Wikipediaより)の波紋のエピソード。

この作品って、いまだ何かの折に見る度に、仄かに蘇るノスタルジー、初めて美術の教科書で見た時の何ともメルヘンチックなロマン感覚。

これはシカゴ美術館所蔵とのことで、オランジェリー美術館のモネの睡蓮連作のように、来日は不可能そうな大作、

今まで唯一実物を見る機会があったとしたら、大分前のアメリカ旅でシカゴに少し行った時に、美術館にも足を延ばしておいたら、だったけれど、

そう言えば今回、スーラの5点中2点が黒のコンテ・クレヨン画で、一つは「若い女(「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のための習作」)、腰から大きく膨らんだスカートの女性のシルエットで、

もう一つの「マフをはめた婦人」も、「グランド・・」の人物習作だったのか?ちょっと定かじゃないけれど、どちらもシンプルだけれど柔らかなライン、思えば多分初めて見た点描以外のスーラ作品。

その他解説では、スーラの「ポール=アン・・」の部分的拡大図での解説、今回の出展作や画家について、など色々と聞けて、

母も、折にメモを取ってたけれど、割とこの解説は判りやすい方だった、そうで、このイベントも鑑賞プラスアルファで良かった。

当初予定の上野の2展+こちらへ、だったら、この解説会参加は無理だったろうし、後の「アメリカン・・」と合わせて夕刻までいて、時間的にも今回この2展でやはり正解だった、と改めて。


そういう所で、馴染みの印象派モネ、シスレー、ピサロ作品+目玉のスーラ、シニャック、ゴッホらに加えて、思ったより色々なタイプの点描作品も味わえて、なかなか充実感のこの展示会でした。

関連サイト:「印象派を超えて 点描の画家たち」公式サイト
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a0116217_043681.jpg

                        <チラシ表>

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by MIEKOMISSLIM | 2013-10-21 23:59 | 芸術 | Trackback | Comments(0)
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