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Something Impressive(KYOKOⅢ)

メリークリスマスを君に(’89)

昨日、近くの成田図書館の映画会で「メリークリスマスを君に」上映、久方に映画会に都合も合ったので見てきました。

これはTV映画、未公開でビデオだけは出てて、一応邦題も付いてるけれど、日本語情報は見当たらず、You tubeにも短い予告、ラストの主にエンドロールのみ。

メリークリスマスを君に(’89)_a0116217_11522114.jpgアーサー・アラン・シーデルマン監督作、エディ・マーフィが製作総指揮で、エディ・マーフィ本人は出てないけれど「星の王子ニューヨークへ行く」の頃の作品のようで。((C)(株)パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン→)

そういう割とマイナー作、主演の少年レジー役のトレント・キャメロンも他に出演作TVで2本、その養父になるサックス奏者トニー役マイケル・ウェーレンもTV作出演中心だったようだけれど、

後で懐かしい名、レイ・パーカーJrや、サミー・デイビスJrが出てた、と知って、レイ・パーカーJrは特に単独で歌う場面はなく多分バンドメンバーの中のあの男性、とは思うけれど、何枚か録音あるけれど、動く姿って多分初見、

サミー・デイビスJrは歌を聞いたことはあるかもしれないけれど、名は知る程度、写真を見て、バンドの中の最高齢者らしき、渋い物腰だった人物と判って、これが最後の映画出演作だった、と。



メリークリスマスを君に(’89)_a0116217_1153285.jpgお話的には、シカゴでせっかく養子縁組で温かな家族関係になっていた孤児レジーと夫婦、でもその試験期間中に、母リネット(ヴァネッサ・ウイリアムズ)が交通事故死、

安定した収入のあった母の死で、不安的なミュージシャン生活の父トニーは養父として不適格、と、ソーシャルワーカーのクレイトン(エスター・ローレ)から引き離されてしまい、

レジーは他の家庭に廻され辛い日々を過ごし、憤るトニーが何とか安定した職に就こうと、ミュージシャンの道を諦めかけながら、元の保険会社勤務したりするけれど、クレイトンの反対で上手くいかず。

でも自らも孤児だった頑ななクレイトンも、家出を繰り返し教会でトニーとの再会を祈るレジーの姿に、心を溶かし、丁度クリスマスの折にハッピーエンド。(←(C) Eddie Murphy Productions)


まあ特にひねりのない愛情もの。序盤の幸せそうな状況から、何かが起こるのだろうと思ってたら、母の悲劇、その母が固い仕事に就いてたことが、この養子縁組を成立させていて、

残された父のその日暮らし的なミュージシャン業では、養子生育に問題あり、というのも父が一家の大黒柱、的な感覚からは、何だかちょっと皮肉な、とは思った展開。

厳しい新養父母、他の養子の少年達とも気が合わず、いずらくなったレジーが家出、雪の積もる極寒のシカゴの街でペットのハムスターを連れて右往左往、

ハムスターのためになけなしの所持金で焼き栗や手袋を買ったり、デパートのサンタ(ジミー・カービル)を生粋のサンタと信じて頼りにする様子など、ちょっとしみじみ。


また野太い声量のボーカルアリッサ役デラ・リーズは、初耳だったけれど、教会の合唱団出身、サミー・デービスJrなどのショー番組にも出たことがあったシンガーらしく、
       
        

彼女が、リネットの葬儀で教会で「アメイジンググレイス」を歌い上げるシーン、彼女初めバンド仲間達が、クレイトンの所に押しかけて、トニーとレジーの関係を認めるよう談判するくだりなど人情味。

それと、少年、養父、バンドメンバー、クレイトンやこの縁組担当で彼らの心情に寄り添う女性(シシリー・タイソン)らは皆黒人、

このシシリーは、「ヘルプ~心がつなぐストーリー」で、白人宅にいて少女時代のヒロインに愛情を注ぎつつも追い出されてしまった黒人メイド役、だったのだけれど、

この「メリークリスマス・・」では、特に「ヘルプ・・」のような黒人VS白人の構図はなく、少年と、白人の母や終盤さりげない活躍をするデパートのサンタの男性らとの間にも、偏見のない愛情の交換。


唯一悪者役の黒人女性クレイトンは、孤児の身からエージェントの重鎮のソーシャルワーカーになってることからも、その人生で経てきたシビア苦労も偲ばれ、

自らの経験で、堅実な後ろ盾のない家庭に孤児を任せられない、いくら愛情があっても、それだけでは不安定、という実感あっての、相手の足元(経済力)をシビアに見る、私情は挟まない頑なな姿勢、ではあったけれど、

結局終盤、レジーを案じて探しに行った教会で彼を発見、レジーとトニーの絆の深さを痛感、恨まれてもいいはずの自分に対するレジーの思いやりすら漂わすピュアさに、

自身は得られなかったのかもしれない他人同士での深い絆を、彼らなら築けるのだろうと、自ずから心を溶かしていき、ハッピーエンドのお膳立て、というのも、まあ流れ的に、妙にひねったものよりは、後味が良かった。


そういう所で、どうもそう知名度ない作品のようだけれど、洒脱な黒人バンドジャズ演奏シーン、レイ・パーカーJrやサミー・デービスJrら意外なミュージシャンの姿もあったり、

クリスマス絡みで、孤児とサックス奏者との間に生まれた無償の絆、サンタではなかったけれど、世間の人情からの救いの手、贈り物、的なちょっとしたヒューマン+ファミリードラマの味わいでした。

関連サイト:Amazon 「メリークリスマスを君に」成田図書館 映画会
関連記事:星の王子ニューヨークへ行く(’88)ドリームガールズ(’06)ヘルプ~心がつなぐストーリー~(’11)(スレッドファイル(ここでは「ドリームガールズ」)は開かない時があるようです。)



by MIEKOMISSLIM | 2013-12-15 11:53 | 洋画 | Trackback | Comments(0)