Something Impressive(KYOKOⅢ)


あなたがいたから私がいた ユーミン×帝劇Vol.2

昨日、楽しみにしてた帝劇でのユーミン曲+演劇「あなたがいたから私がいた」公演に行ってきました。

一昨年の「8月31日~最後の夏休み~」に続く2弾目、今回は、やはり純愛テイストだけれど、ヒロインの記憶を辿って戦時中~現代へと、時空を行きつ戻りつしながら進む物語。

トータル的には、やはりユーミン曲のクオリティ・ユーミンの気概+何でもござれ、という正隆氏の気概、で、やったもの勝ちのカオスの世界、というか、今回も、ちょっと珍しいものを味わえた、という感慨。


物語に沿って、ユーミンが歌ったのは、

第1幕 Invisible Strings / A HAPPY NEW YEAR / Midnight Scarecrow / 悲しいほどお天気 / ハルジョオン・ヒメジョオン / 月夜のロケット花火 / ダンデライオン~遅咲きのタンポポ

第2幕 霧の中の影 / 残されたもの / 守ってあげたい / 経る時 / Forgiveness / 春よ、来い

カーテンコール 卒業写真


正直前半は、前回のように、舞台は舞台でそれなりのドラマ性で進行する中、馴染みのユーミン曲だからこそ、かもしれないけれど、う~ん、ここでこの曲・・?という多少なりともの違和感、

確かに、花火のシーンで「月夜の・・」、少女達が絵を描いてるシーンで「悲しいほど・・」など、歌詞と情景は重なるのだけれど、

何分設定が戦時中、その合間のささやかな若者の憩い、という場面+、現代の都会が背景の「月夜・・」や、いわば優雅な元美大生の郷愁曲、というのが、今一しっくりきにくく。

ただ、前回での慣れもあってか、こういう風に、こういうシーンで、このユーミン曲を持ってくるか・・という、何というか、ダイナミックな大胆さの味わい、というのも今回新たな感触。

そうしていくうちに、物語の流れとユーミン曲バランスが、程よく自然に合体!と思えたのが、ヒロイン園子(比嘉愛未)と幼馴染み栄一(渡部豪太)が、葛藤の末互いの気持ちを確かめ合えたシーン+「ダンデライオン・・」の所。




ここで第1幕終了で、25分休憩。正直、前回も結局買ったのだったけれど、今回も、コンサートだと必ず買ってきたプログラムだけれど、鑑賞してからの感触で決めよう、とは思ってたのだけれど、

この第1幕ラストのユーミン「ダンデライオン・・」熱唱に、押されて、という訳ではないのだけれど、やはり入手しておこう、と決定、この休憩中売店で購入。


10/28追記:今回もやはり中~高年層で満席状態、私は1F中程通路の最前列だったけれど、私のすぐ隣の女性の方は、「ダンデライオン・・」直後、「やっぱりユーミン凄い、いいわね~」などと感嘆してたのだったけれど、

席に戻ったら、その隣の60代位?の女性が連れの女性と、家のことなどと交えて、ユーミン談してて、聞こえてきたのは、あの歳であのスタイルで、出てやってるっていうのが、本当に根性座ってると思う、

やれって言われても出来ないわよね~、色々言われても、判る人だけ判ればいいっていう感じかもね~、などということで、

一瞬、以前どうにも意味不明なヒロインの行動で終わる映画の試写会のQ&Aで、その監督のコアファンらしき男性が、「判る人にだけ判ればいい」のようなことを言ってて、ますます?のままで、何だか不快だったことを思い出して、

先日ユーミンについて、歌声劣化、のような記事を見かけてたけれど、ユーミンも、一部にしても「判る人に判れば・・」と言われる日がきたのか・・と、内心ちょっと苦笑い。

でもそういう情報に、私はユーミン生ステージは「8月31日・・」以来、その時は取り立てて歌声劣化感というのはなかったけれど、今回実際どうなんだろう?と思いつつの開演、

それはやはり、往年のパフォーマンスを思えば、特に高音はやはり苦し気、年齢なりに声自体のハリも低下、かもしれないけれど、

ステージが進んでいくうちに、やはりこういう+演劇、というイレギュラーな場でも、独特ボイスで堂々歌っている、その”存在”=ユーミンステージ、という感覚は相変わらず、で、

現場で思ったのは、こうして見に来てる大半、とは言わないけれど、少なくとも過半数(以上)の観客は、そういうユーミン歌唱云々は暗黙の想定内、度外視、というファン層ではないか、ということで、

紅白のトリでの「春よ、来い」の時も思ったけれど、”劣化”評をするのは、そもそも作曲家志望で、歌は、歌唱力で勝負、という土俵にはいないユーミンの、レコードやCDと生歌との違いを知らない?無頓着?さか、

長年に渡ってユーミンが放ち続けてきた”真髄”を把握しないままに、歌声の質だけを取り上げケチをつける、乏しい感性のなせる的外れさ、ではないか、という感じ。


a0116217_19185564.jpg10/29追記:で、後半は、老人ホームから姿を消す、老後の園子(藤真利子)の孤独、精神的な彷徨、のシーンに、

多分コンサートでも聞いたことがなかった「残されたもの」が、その荒涼とした心象風景のようで、これまた絶妙フィット。(→パンフカバー一部)

今回「紅雀」から、「ハルジョオン・・」とこの曲の2曲、「ハルジョオン・・」は藤真利子が一番好きなユーミン曲、と言ってて、その考慮もあったのか?だけれど、

第1幕の、若い園子、栄一、春子(福田沙紀)の幼馴染み3人の分裂の悲哀シーンでの「ハルジョオン・・」よりも、ここでの「残されたもの」の方が、結構しっくり、で、私はこれが「8月31日・・」も合わせて、劇中シーン&ユーミン曲の一番印象的ブレンド。

ユーミン曲の持つ華やかさよりも、哀愁、がややシリアスなシーンに似合って、かえってこういう路線での劇とのコラボ、というのも一つの有り方かも、とも。


次の、春子が、訪ねてきた園子に、複雑な心情ながら手を差し伸べようとする和解シーンでの「守ってあげたい」は、やや微妙・・だったけれど、

後で聞いたパンフ付録のユーミン解説CDで、創った時は女性の男性への気持ちを表したけれど、女性同士、友達同士にも当てはまる、と改めて気付かされた、と言ってて、

そう思って聞いたら、特に劇中での園子と春子曲、という訳でなくても、今にして、このスタンダード曲にちょっと新たな広がりを感じたり。

そして終盤、園子の最期を見送る「経る時」も、ここで、だったらやはりこの曲・・それか「水の影」、が来てほしかったような。

そして「Forgiveness」、出演者総登場、円形の廻る舞台の端に皆が並んでポーズをとり、中央でユーミンが「春よ、来い」、カーテンコールでユーミンがほとんどソロで「卒業写真」、で締め。


10/30追記:今回ちょっと不覚だったのは、どうも馴染み薄で、曲名も出てこなかったのが3曲、冒頭の「Invisible Strings」、第2幕冒頭の「霧の中の影」、終盤の「Forgiveness」で、

後で確かめたら、「Invisible・・」「霧の中の影」は「VIVA! 6×7」、「Forgiveness」は「A GIRL IN SUMMER」に入ってて、勿論手元に録音、CDはあるのだけれど手薄だった辺り。

愛着的にはやはり’90年代位までのの比ではないけれど、折にこういう近年のも流して馴染んでおこうと。


a0116217_545458.jpg今回劇の冒頭、教会で、誰かの葬儀で牧師が話してるシーンから始まって、

客席に背を向けて座っていた参列者の一人がユーミン、そこから立ち上がって「Invisible・・」を歌い出して、という演出。(←パンフカバー一部)

基本的に、今回もユーミンの衣装は白黒メインのシンプルタッチ、あくまで舞台回し役で黒子的だった、というのは前回と同じだけれど、

前回は、ユーミンが看護婦姿で歌い踊る、というのはあったけれど、今回の冒頭のように、劇の一場面の登場人物から出現、というようなパターンはなかったし、今回も、そういう登場の仕方はこの部分だけだったと思うけれど、

ユーミンに役柄として科白まであったとしたら、はたして?とは思うけれど、この冒頭のような形がもっとあってもいいのでは、と思ったり。


あと、インパクトだったのは、前回もだけれど、何だかクサいジョーク、折に一瞬え?という下ネタまじりもあったりの、ギャグっぽいやり取り。

客席からも笑い漏れてて、正隆氏は、こういうのをあえて、やるなら半端でなく思いっきりベタに、という意図かもしれないけれど、今回も、主に老人ホームの老婦人妙子役の入絵加奈子中心に、折に展開、

前回もこの人中心にはそういうギャグがあって、正直ちょっと微妙~な感触、今回は、慣れもあるのかもしれないけれど、何だかこれも正隆氏演出の味の一部かも、という感じ。

また、ユーミンが解説CDで、この入絵加奈子の老婦人のコミカルさがあって、ヒロイン園子の孤独が引き立つ、のようなことを言ってたけれど、後で思えばそう言われれば、ということも。


11/2追記:ストーリー的には、戦争、という不可避の状況を折り入れての、3人の心の微妙な動き、運命のアヤを辿って、一見園子と栄一の純愛もの、実は園子と春子の女同士の友愛物語だった、というのも少し意外。

それにしても春子の園子への嫉妬~羨望~愛着の感情の振子が大きく、園子もそれに振り回され、栄一を勝ち取った形での気遣いもあって、距離を置き、

栄一の死後息子を抱えてどうにも身に振り方窮地になって訪ねていく、という展開に、複雑な心境ながら彼女なりに園子を受け入れる春子、後半正直、う~ん、ここで春子が園子を「守ってあげたい」・・にしては、ややエキセントリックな、という感も。

でも、そこら辺のバランスをフラットに戻していたのが、晩年の園子を演じた藤真利子で、記憶が定まらず、会えない息子の面影を追う孤独、というのが、醸し出され、

様々な経緯があった春子への郷愁、教会で、春子の死を知って、彼女が密かに描いていた自分が踊る絵を受け取り、自分も彼女に愛されていた、と、湧きあがる愛着、

実はそばにいた息子への認識もできて、穏やかな最期、という自然な流れに導いていた、という感じ。


お話的に、やや引っ掛かったのは、終盤、石黒賢演じる老人施設の医師が、実は園子の息子、ということが判明、のシーンで、秘められた母子の絆、的な要の所。

彼が何年か前園子に会いにきたのだけれど、息子でなく医師としか認知されなかった、のような経緯を話してて、だから彼女に医師として振る舞ってきた、にしても、他の患者やスタッフも自然と医師として彼に接していて、とっさに、ちょっと無理があるのでは?・・という思い。

そこら辺は、そのほろ苦い再会後、元々彼にそういう施設の医師の資格があったのか、必要な資格を取って、その施設に医師として雇ってもらっていた、という美談、なのかもしれないのだけれど。

それと、見た直後は特に思わなかったけれど、少し後になって、戦後の時代、息子を春子に預けたまま、自身記憶障害を持ち、進駐軍でダンサーをする、寄るすべない身の園子が、どうして晩年、介護付きの老人施設に入居できたのか?思えばちょっと不可思議。

まあそういう風な、前回の、元カノにお金の工面を平気で頼む?ヒロインの恋人、程ではないけれど、少し引っ掛かりはしたのだけれど、トータル的に、今回の方が、時代背景なども絡んで、深みあったドラマ、という感じ。


a0116217_017713.jpg今回、主な舞台の背景の一つが教会。(パンフカバー一部→)

チラシで、ユーミンがパイプオルガンを弾いてて、「陰りゆく部屋」などもあるのかも?と思って、それはなかったけれど、立教女学院のチャペルなど、ユーミンとも縁ある場。

パンフに、少し制作に携わった、という牧師の方の、聖書を引き合いにしてのコメントもあったけれど、

ストーリーにもそういう、許し、救い、愛、などのコンセプトが込められていたようで、そういう意味でも、ユーミン色が出ていた舞台かも、と。


今回のパンフのカバーが、ステンドグラスをモチーフにしたような、色鮮やかなファイル、3枚の絵は、一つが多分男性と、踊っている女性、絵を描いている女性、の今回の主要な3人モチーフのような絵、

一つが幼子を抱く母の絵、もう一つが羽を広げてオルガンを弾く女性?天女?の絵で、実際公演を見るまでは、やや購入をためらったパンフ、ではあったけれど、じわじわとこのファイルも気に入って、入手した甲斐あった、としみじみ。


そういう所で、ユーミン×帝劇第2弾、感想は前述のように、

>ユーミン曲のクオリティ・ユーミンの気概+何でもござれ、という正隆氏の気概、で、やったもの勝ちのカオスの世界、というか、今回も、ちょっと珍しいものを味わえた、という感慨、

につきるのですが、なかなか見応えの舞台、今後のこのシリーズ”進化”も、楽しみの一つではあります。

関連サイト:あなたがいたから私がいた 帝国劇場サイト
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a0116217_22221656.jpg

                   <チラシ>

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by MIEKOMISSLIM | 2014-10-27 23:10 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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