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by MIEKOMISSLIM

キリマンジャロの雪(’52)

昨日、近くの成田図書館での映画会で、「キリマンジャロの雪」上映、津郷も合ったので見てきました。


これは原作ヘミングウェイの短編、監督は「慕情」のヘンリー・キング、主演グレゴリー・ペック、主人公の作家と、彼にまつわる3人の女性との、まあラブ・アドベンチャー人間ドラマ、というのか。


a0116217_353979.jpgここでの映画会も久方、例によって上映室の前方に、作品関連の本展示。

その中のこの原作が入ってる文庫の最後の解説をめくったら、この本の翻訳者高見浩氏による文で、タイトルが「キー・ウェストのヘミングウェイ」、キー・ウエスト時代のことが描いてあって、

私は前にアメリカ旅途中でキー・ウェスト、ヘミングウェイ記念館も行ってたこともあって、ちょっと興味そそられ、読んでると、この「キリマンジャロの雪」はそのキー・ウェスト時代に書かれて、

この頃、ヘミングウェイは実際妻とアフリカ旅行していて、それがこの作品のベースになってた、などのエピソード。<↑(C)(株)新潮社>

帰りにこの本は借りてきて、まあ短編でもあるし、少なくとも「キリマンジャロの雪」の方はこの機会に読んでみようかと。

ヘミングウェイ、というのも、子供時代に「老人と海」は読んだ覚えあって、手元に何か文庫があるとは思うのだけれど、ちょっと記憶曖昧、とにかく随分と久方。


映画の方は2時間近く、短編を膨らましているようで。グレゴリー・ペックはイコール「ローマの休日」の新聞記者役、だったけれど、これは「ローマ・・」の前年の作品だったようで、風貌はそのイメージのまま、だけれど、

ヘップバーンよりは女っぷり漂う大人の女優、妻のヘレン役スーザン・ヘイワード、一番核となる、苦い思い出の恋人シンシア役エヴァ・ガードナー、一時の恋の戯れの相手、という感だったリズ役ヒルデガード・ネフらを相手にしても、なかなかの渋み。


3/17追記:後半でちょっと後悔、引っ掛かっているのは、回顧シーンの後ハリーがヘレンから、なぜアフリカに戻ってきたのか?聞かれ、

原作では冒頭に挙げられていて、劇中では、ハリーの叔父(レオ・G・キャロル)からの書面にあった、キリマンジャロの山頂の近くにある豹の屍について、何のためにそんな高い所まで豹がやってきたのだろうか?という謎かけに、

豹の謎が解けたから、と答えて、どうもその後の辺り、短時間だったと思うけれど、関連ないことが頭に浮かんで集中力が途絶え、気付けば、・・(足が)壊疽にさえならなければね、のような科白。

そこら辺、何だか物語のミソ、とも思えて残念。後で原作本でその辺りと思われる部分を探してみたけれど、そのような会話は見当たらず、You tubeの全編英語盤でその辺りを聞いてみたけれど、どうもよく聞き取れず。

想像するには、・・”自分もその豹のように、あてどなくただ頂上目指していって、そこで死んでいたのだろう”・・のようなニュアンスの科白だったのではないかと思うのだけれど、機会があれば確かめてみたい部分。


3/19追記:印象的だったのはやはり核となる、ハリーとシンシアの恋模様、出会った頃の、ハリーが差し出すマッチに2人同時にタバコを向けるシーンとか、大人の恋ムード漂い、

でも、作家稼業の性(さが)で、パリ~アフリカへと好奇心のままに行動、家庭に落ち着く気配のないハリーについていってたシンシアが、妊娠に悩み、彼には言い出せず、悲しい道を選んで、

彼への不信からスペインの店で突然姿を消し、その後スペイン内戦、という混乱の場での再会、和解、でもシンシアの死、という流れ。

原作にも確かにシンシアらしき女性は登場するものの、名前すらなく、パリでの恋の相手で、別れてしまい、その後ハリーが書いた手紙への返事が届く、などのエピソードは劇中でもあったけれど、

ドラマティックな再会、などははく、彼女のエピソードについてはかなり膨らませていたようだけれど、このシンシアの、安定した家庭を臨めそうにもない相手であるハリーへの恋心、揺れる女心の切なさも脳裏に残る。


このシンシアとの別れ~再会の隙間に出会った、ハイソな彫刻家リズという女性も、特に原作には見当たらず、束の間のアバンチュールの相手、という感じだし、

妻のヘレンとの出会いも、ハリーが街で、シンシアに似た後姿に、声をかけた相手、になってて、シンシアの死後絶望に打ちひしがれていた時に偶然再会、彼女に救いを求めた、という設定、

やはりシンシアとの関係を軸とした、ハリーを巡るラブストーリー仕立てにアレンジしたようで、舞台もパリ~アフリカ~リビエラ~スペイン、

パリの街並み、アフリカでの動物狩りや、リビエラの海、スペインでの闘牛、フラメンコ、緊迫した戦場など、様々な風物バックに作家と美女達の恋模様が味わえて、

最後もやはり原作とは違って、ヘレンの献身も実っての希望の持てる結末、そこら辺肯定的人間ドラマにしたエンタメ的演出、というか。



原作をざっと読んだ感触では、兵役場面も多くてもっと荒んだ風味、本来の核、的にはヘミングウェイ自身も多かれ少なかれ投影されていたのであろう、作家としての自分の人生への複雑な心境、

それが、重病で死もちらつく男の、我が身を振り返っての、悲観と苛立ちの入り混じったような、妻への言葉で表されていて、キリマンジャロの頂上まで行って染んだ豹、というキーワードと重なったり、という所で、やや重っ苦しいような読後感。


そういう所で、これまで余り具体的に目にしたことはなかった、「キーウェスト時代のヘミングウェイ」のエピソード、というのも思いがけず原作の解説で知ることが出来たり、

映画自体、硬派作品だろうという想像よりは、結構様々な華やかさもあって、「ローマの休日」以外のグレゴリー・ペックの魅力、というのも味わえ、

人生のほろ苦さも漂い、それなりに見応え感のある、前述のように”ラブ・アドベンチャー人間ドラマ”を見た、という今回でした。

関連サイト:Amazon 「キリマンジャロの雪」成田図書館 映画会象のロケット 「キリマンジャロの雪」
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by MIEKOMISSLIM | 2015-03-15 04:02 | 洋画 | Trackback(1) | Comments(0)
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