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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!

by MIEKOMISSLIM

龍三と七人の子分たち(’15)

先日31日(火)、先週の「エイプリルフールズ」に続いて同じ神保町の一ツ橋ホールで今月25日公開の「龍三と七人の子分たち」試写会、「いい加減な・・・」ブログのいい加減人(Yamato)さんに誘っていただいて見てきました。


a0116217_0273366.jpg北野武監督新作で、北野作品といえば私は「監督・ばんざい!」以来、今回のも近年のヤクザものの一環かと思ってたら、もろハードボイルドというより、コミカル任侠もの、というか、

たけし本人は刑事役で出ていて、中心は元ヤクザの老人たちグループ、演じるのも、主演の龍三役藤竜也はじめ、平均年齢72才、というベテラン陣。おまけに音楽担当も、まあ60代だけれどベテラン鈴木慶一。<→チラシ>

彼らが、今時のオレオレ詐欺などで悪事を働くチンピラ集団「京浜連合」を征伐すべく、再び龍三を親分とする「一龍会」を結成して、一旗揚げようとするのだけれど、

何分、拳銃を持つ手もブルブル震えるご老体集団、その笑いを誘う奮闘ぶり、今時の感覚と彼らの任侠メンタルとのギャップ、折に混じるそれなりの人情っぽさ、とか、

たけし流?ブラックユーモアも交じってたけれど、正直ちょっと意味不明?だった「TAKESHIS'」「監督・ばんざい!」などより流れ的にわかりやすく、面白かった、という感じ。


a0116217_255510.jpg4/7日追記:概して京浜連合の今のチンピラ達は、昔のヤクザ老人達に敬意を払ってる風はなく、特に強気な幹部達は、はなから見下してるのだけれど、

下っ端メンバーが単独で老人達に一杯食わせようとする時、オレオレ詐欺を信じた龍三の、息子の不始末に筋を通すため指を詰めようとそうとするパフォーマンスや、老人たちの拠点で入れ墨群を目の当たりにして、<←チラシ裏>

何か理屈抜きの圧力を感じて、思わずひるんで逃げ出すシーンとか、あっさり一筋縄ではいかない微妙な力関係の空気なども、たけし目線、なのか、ちょっとリアルな気もして可笑しかったり。


一番インパクトシーン、といえば、やはり終盤の、老人達がバスジャック、京浜連合の連中の車を追って、狭い商店街の店先をなぎ倒しながらの暴走チェイス、だけれど、

滑稽さ的には、龍三がキャバクラママ(萬田久子)の部屋で京浜連合幹部達とニアミス、ママの下着をまとって脱出、ゲイバー界隈で同業者と思われてゲイ達に絡まれて、のくだりで、

藤竜也は私は「村の写真集」での父役以来だったのだけれど、まあひたすら渋イメージだった「愛のコリーダ」俳優も、こういうシーンまでやるように・・とちょっと苦笑。

その兄弟分の若頭のマサ役の近藤正臣も、昔は2枚目イメージ、随分歳もとった、とは思ったけれど、こういうコミカルさ、というのもやや意外。

そうイメージギャップなかったのは、馴染みあった中では、はばかりのモキチ役の中尾彬、だけれど、終盤彼の身に起こる急展開、扱われ方は結構ブラックユーモアな、というきわどさ。


a0116217_224137.jpg4/8追記:こういう老人躍動ものって、前に「死に花」というのがあった、とは浮かんで、そこそこ面白かった覚え、でもどうも詳細薄れてて、ちょっと検索したら、

犬童監督作品で、老人ホームのおじいちゃん集団が銀行強盗をやろうとする、みたいな話だったのだったけれど、これはまあそのやさぐれ北野版、というか。<↑チラシ中>


今回も、老人ホームからやってきたカミソリのタカ(吉澤健)というキャラクターもいたけれど、そもそもが元ヤクザ老人達、

龍三は家で、息子夫婦に一目置かれるどころか、入れ墨露出などを露骨に疎んじられ、「義理も人情もありゃしねえ」と肩身の狭い日々、

そういう鬱憤晴らしか、若頭のマサと共に飲食店で勝手な賭けをして、客に難癖つけたり、スケール小さいコミカルタッチの不良翁ぶり、

それでもまんまとオレオレ詐欺に引っ掛かりそうになり、息子を救おうとしたり、京浜連合の徳永(下條アトム)のマネをして恐喝しようとした主婦の話にほだされて、逆に金を渡したり、情に弱い一面、

また終盤、決死の京浜連合殴り込みの前、息子に電話しても、余りまともに相手にされないけれど、孫息子がおじいちゃんを恋しがる、のようなことがチラッと垣間見えたり、そこら辺、たまに散りばめられた人情スパイス、というのか。


まあ大人しく余生を過ごす、というには、くすぶる部分もある彼らが再結集したことで、チンピラ集団に宣戦布告、ひと肌挙げて、という意気の盛り上がり~ひと騒動、

折々早撃ちのマック(品川徹)が怪しい手元ながら放つ銃弾など、で、威嚇はするけれど、老いた身で、体力的にもメンタル的にもそうスマートにも行かず、ハチャメチャぶりが笑える見もの、だったけれど、

たけし自身は刑事役で、彼らを大目に見たりたしなめたり警告したり、という脇役、というのも、これの前の未見の「アウトレイジ」2作ではやはり主演だったようだけれど、

今回は役者ビートたけしとしては、中心キャスト高齢ベテラン陣に、もろに絡んだり仕切ったり、というより、彼らに主な所はまかせて、締める所は締める、という傍観的な位置を選んだのかも、とか思ったり。


そういう所で、私は久方の北野作品、やはり一応任侠もの、ではあったけれど、予想以上に笑いもあって、なかなかの怪作を楽しんだ、という後味でした。

関連サイト:龍三と七人の子分たち 公式サイト象のロケット 「龍三と七人の子分たち」
関連記事:TAKESHIS’(’05)監督・ばんざい!(’07)あなたへ(’12)村の写真館(’04)カナリア(’04)大停電の夜に(’05)ユメ十夜(’07)(「市川崑物語」スレッドの10)、愛の流刑地(’07)人の砂漠(’10)山桜(’08)、,蝉しぐれ(’05)THE 有頂天ホテル(’06)県庁の星(’06)日本沈没(’06)それでもボクはやってない(’07)犬と私の10の約束(’08)クライマーズ・ハイ(’08)HERO(’07)時をかける少女(’10)犬神家の一族(’06)(「市川崑物語」スレッドの9)


  
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by MIEKOMISSLIM | 2015-04-04 23:56 | 邦画 | Trackback(12) | Comments(2)
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先日は、御付き合いくださり有り難うございました。

ご老体の方々が、ちょっと的外れながら、ご本人たちがいたってまじめに問題に対処してるところがおかしかったですね。
Commented by MIEKOMISSLIM at 2015-04-05 23:16
いい加減人(Yamato)さん、改めて先日も楽しかったです。これも荒筋からして笑えそうでしたけれど、老人達のそれぞれ個性とか、暴走ぶりがズッコケになったり、ブラックユーモア+人情絡めて、なかなか快(怪)作だったですね。