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Something Impressive(KYOKOⅢ)

から騒ぎ(’93)

昨日、近くの高円寺図書館映画会でシェイクスピア原作ものの「から騒ぎ」上映、津郷も合ったので見てきました。


ここでの映画会も行くのが久方だったけれど、フロアの張り紙、そして上映の部屋に入る前に渡された紙、スタッフの人の説明があって、著作権の関係で、今回を最後に上映会終了、とのことで、

何だか今月は他の周辺の成田、阿佐ヶ谷図書館でも映画会の予定が全くなく、不思議に思ってたら、他の杉並区図書館でも同様のようで。

何でも、これまでは「図書館での無料上映には著作権者の挙承を必要としない」考えの元に行ってきたけれど、日本図書館協会等の関係団体や作品制作会社に問い合わせ実施した所、他の地区の図書館の状況を見ても、終了せざるをえなくなった、とか。

まあ最近の作品上映はないけれど、未見の結構渋い作品、掘り出し物などが、TV画面より大サイズで無料で見られるし、このイベントを知って以来食指が動く作品で行ける時には楽しんできたので、残念。

まあ違法ダウンロードとか問題のご時世で、制作側から何らかのクレームが?というのかもしれないけれど、わざわざ図書館側からお伺いをかける?必要もなかった気がするのだけれど。

説明したスタッフの女性は、費用面で難しいかもしれないですけれど、とは言ってたけれど、紙面には、今後、上映可能な作品の取り揃えおよび上映会の再会に取り組んでまいりますので、しばらくお待ちください、とはあったのだけれど、

嫌が上でも徴収される区民税とか都民税とか、ある部分こういう所にいかして欲しい、是非再開を願いたい、という所。


まあそういう思わぬ知らせもあった後、上映開始。このシェイクスピア話は、題名は覚えあるような、という程度でほぼ未知だったけれど、

イタリアのトスカーナ舞台のケネス・ブラナー監督作で、ブラナーのシェイクスピアものといえば「ハムレット」以来。

この原題は「Much Ado About Nothing」、adoってピンとこなかったけれど「くだらない・不必要な)騒ぎ」の意味で、まさにこのタイトルがフレーズで「から騒ぎ」だと。

若いクローディオ(ロバート・ショーン・レナード)とヒーロー(ケイト・ベッキンセイル)、顔を合わせれば喧嘩ばかりのベネディック(ブラナー)とベアトリス(エマ・トンプソン)の2カップルを中心にしたラブコメディ、

陰湿な悪玉ドン・ジョン(キアヌ・リーブス)の策略で、結婚式直前に悲劇的に仲を裂かれてしまうレナード&ベッキンセイルカップルの動向がドラマの主軸。


4/20追記:ベッキンセイルは、「アビエイター」でレオ様演じるハワード・ヒューズの恋の相手エヴァ・ガードナー役だったのだったのだけれど、若い頃の清楚な気品漂い、

ややお坊ちゃま風美男子のレナードと、絵に描いたような若い恋人同士、なのだけれど、彼らが罠にひっかかってしまうシーンがどうも?腑に落ちず。

ドン・ジョンの一味の男がヒーローの家の窓際で恋人の小間使いマーガレット(イメルダ・スタウントン)と情事、それをクローディオや、彼らの仲を取り持ったドン・ペドロ(デンゼル・ワシントン)にわざと見せ、

マーガレットをヒーローと思わせ、ふしだらな浮気女にしたてあげる、というくだりだけれど、

その時、男ははっきり、何度かヒーロー!と名を呼びながら、で、当の相手のマーガレットは、他の女性、しかも使える家の娘の名を呼びながら事に及ぶ相手?に、何故そもそもその場で違和感を感じ醒めてしまわなかったのか?

      

また、まあ夢中でその名前違いには気付かなかった、としても、翌日、結婚式が破綻した事の成り行きに、周囲の誤解、また策略めいたものに気付くはず?というようなこと。

      


いわれない汚名を着せられ、婚礼のその場で恋人から手酷い侮辱を受けたヒーローの痛手は深く、あやうく「ロミオとジュリエット」的な悲劇にもなりそうな、という流れで、

夜の暗がりで遠目で見ただけで、まさか、という明日挙式を挙げる純朴な恋人の不実?を現場に乗り込んで確かめようともせず、あっさり信じ込んでしまって傷つき、

可愛さ余って難さ百倍、相手に冷酷な仕打ちをする若者クローディオ、というのも、余りに短絡すぎな?、だけれど、まあ元はシェイクスピア劇、芝居がかった成り行き、と思えばそういうテイストかと。


結果的に悪事はばれて誤解は解け、ヒーローの父レオナート(リチャード・ブライアート)の慈悲の粋な計らいもあって大団円、なのだけれど、

後味的にインパクト残ったのは、ベネディック&ベアトリスのカップルの方。純粋に魅かれあう若いカップルと対照的に、序盤、常にああ言えばこういい返す、という口喧嘩シーンばかりの2人、

でも周囲の計らいで、実は互いを意識していたことが判明、各自一人でいる時の切実な恋心のモノローグ、も大仰で可笑しく、彼らなりにハッピーエンドに向かうのだけれど、

全編通してしゃべり倒し、という感じのブラナー&トンプソンの軽妙な掛け合いが面白く、この2人って当時実生活で夫婦、この作品の2年後に分かれたのだった、と後で知ったけれど、さすがにあうんの息の合い方、というか。


そういう所で、2組の対照的なカップル、彼らを成就させようと芝居をうったり、見守る周囲の人々、キアヌ・リーブスの悪玉も絡んで、のどかなイタリアの田園風景バックに、なかなか面白く味わった作品でした。

関連サイト:Amazon「から騒ぎ」高円寺図書館 映画会象のロケット 「から騒ぎ」
関連記事:魔笛(’06)イルマーレ(’06)アビエイター(’04)カーズ(’06)


Tracked from 象のロケット at 2015-04-22 14:54
タイトル : から騒ぎ
イタリア、トスカーナ地方の町メッシーナ。 アラゴンの大公ドン・ペドロー一行が、この町の知事レオナートを訪ねてやって来る…。 二組の若い男女のカップルの恋の顛末を描くシェイクスピア戯曲の映画化。... more
by MIEKOMISSLIM | 2015-04-19 01:35 | 洋画 | Trackback(1) | Comments(0)