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Something Impressive(KYOKOⅢ)

マグリット展

先日3日(日)、国立新美術館でルーヴル展に続いて、母と2Fでのマグリット展へ移動しました。


マグリット展_a0116217_2284458.jpg13年ぶりの本格的回顧展で、世界各国から5章に分けて約130点の展示。

マグリット作品、私は昨年秋のチューリヒ美術館展にあった「9月16日」以来で、これまでの馴染み作品もちらほら、だけれど、

これまで覚えないモノクロ写真作品なども。<→チラシ>

こちらは待ち時間もなく、会場内そこそこに観客はいたけれど、ルーブル展程程には混雑もなし。全般に割とゆったり鑑賞。



今回一番インパクト、というと、「第2章 シュルレアリズム」にあった多分初見の「不穏な天気」(カード↓)。青空に浮かぶ椅子、チューバ、トルソー=巨大な雲?なシュールな空間、で、今回カードを買ったのはこれのみ。

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また、「第5層 回帰」での「白紙委任状」(チラシより↓)は馴染み作品なのだけれど、やはり見る度何かしらインパクト、目を奪われたり。

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それと、これも多分初見の「シェヘラザード」(チラシより↓)。不条理ワールドの中の、見覚えあるパール細工?の中の女性の目と唇、がスパイス。

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その他、やはり馴染みの昼夜共存「光の帝国Ⅱ」(手元のカード↓左)、恒例パターンの胞子の男性シルエットシリーズの多分初見の「上流階級」(チラシより↓右)。

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母は、やはりマグリットはちょっと苦手なようだけれど、一番印象的、といえば今回ポスター(一番下)↓やチラシ裏に使われてる「空の鳥」のようで、全般に、色々トリックが不思議だけれど綺麗、とい感じ。


また今回、タッチ的に印象的だったのは「第4章 戦時と戦後」の「禁じられた世界」。ソファーに横たわる人魚姫の上半身の裸体の描き方が、まさにルノワールタッチ。

この第2次大戦へのアンチテーゼ、印象派っぽい明るい画風の「ルノワールの時代」のものは、以前のマグリット展でも人物や花の絵があったのだったけれど、

こういう風に、まさにルノワール風の裸体作品まであったとは、と、ちょっと引っ掛かった作品。

久方に見た、第5章での「レディ・メイドの花束」でのボッティチェリのプリマヴェーラ(春の女神)の再現など、デザイン的な処理だけでなく、色々多彩で器用な画家、とも改めて。

それと、会場出口にあった読売新聞特別面で、日本の漫画へ影響、と小見出しがあって、マグリット没後2年の’69年に、週刊少年マガジンが15ページのカラー特集したり、

’70年に「白紙委任状」風表紙にしてたり、藤子不二雄氏もマグリットのファンで、巨岩が宙に浮かぶ絵にヒントを得て「マグリットの岩」という短編を発表したりしていた、とかどその影響の幅広さ、というエピソードも。


そういう所で、ルーヴル展に続いて、こちらのマグリット展もモダンでシュールな味わい、一時リフレッシュ感、でした。

公式サイト:マグリット展 公式サイト
関連記事:画家と庭師とカンパーニュ(’07)アントワープ王立美術館コレクション展中間テスト対策終了(’10、2学期)YUMING FOREVER by LESLIE KEE<1>チューリヒ美術館展

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           <会場のポスター>

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Commented by desire_san at 2015-06-21 12:10
こんにちは。
いつも知性あふれるブログを興味を持って読ませていただいています。「白紙委任状」は一見美しい絵ですが、なぜこのような題名がつけてあるかという眼て見ると、インパクトがありますね。「シェヘラザード」についての見解、全く同感ですね。いろいろ機知に富んでいるところがおもしろいですね。

私のマグリットの芸術について感じたところを書いてみました。呼んで見て頂きご意見やご感想などコメントいただければ幸いです
Commented by MIEKOMISSLIM at 2015-06-22 19:29
desire_san さん、コメントとトラックバック有難うございます。今回のマグリット展をご覧になったのですね。

あの絵に「白紙委任状」、というのも、なかなか粋なタイトルですね。後日そちらの記事を拝見してから、コメント欄に伺いたいと思います。
by MIEKOMISSLIM | 2015-05-05 22:50 | 芸術 | Trackback(4) | Comments(2)