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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!

by MIEKOMISSLIM

夜のとばりの物語(’10)

気になっていた作品のDVD鑑賞、3作目でフランスのアニメ「夜のとばりの物語」を見ました。

これは「プリンス&プリンセス」「アズールとアスマール」など結構好感だったミッシェル・オスロ監督作で、「プリンス・・」のような、影絵の6話のオムニバス作品、

世界の様々なエスニックな場所を舞台にした「狼男」「ティ・ジャンと瓜ふたつ姫」「運命の都と選ばれし者」「タムタム少年」「嘘をつけなかった若者」「鹿になった娘と建築家の息子」。


a0116217_2445982.jpgまず最初やはり字幕版で見たのだけれど、夜電気を消した部屋で見たせいか、どうも鮮やかな色彩部分が目に眩しくて、字幕が見にくく、折に手で画面を一部隠して見たり。

劇場で同じ影絵の「プリンス・・」を見た時にはそんな感覚の覚えはなく、画面サイズによるのかもしれないけれど。<
<(C)ウォルト・ディズニー・ジャパン→>

で、再度日本語吹き替え版で見た時には、机のスタンドライトを点けてやや明るくしたのと、字幕なしだったので、確かに見易くなって、改めて、やはり黒のシルエットとコントラストの様々な色彩の鮮やかさにしみじみ感慨。


現代の都会の一角で、影絵制作会社?の男性2人と女性1人が、各短編のアイデアを出しながら企画→即実演、という構成だけれど、

一番インパクトは、5話目のチベット舞台の「嘘をつかなかった少年」。先日の大地震被害で今大変なチベット舞台だけれど、赤が効いた、エキゾチックで細かな文様の曼荼羅の装飾などが、映像的に一際鮮やか。

ただこの「嘘を・・」は、お話的には一番気に入らず。決して嘘をつかない、という評判の若者を巡って、王と隣国の王が領土の賭けをして、隣国の王が自分の美しい娘を若者の元へ送り込み、

娘は病気のふりをして、唯一の助かる方法は若者が王から預かり、話も出来る大切な仲間である馬の心臓を食べることだ、と迫り、娘に一目ぼれしていた若者は、その葛藤に苦しんで、

それを知った馬が自ら薬草を食べて死に、断腸の思いで若者が心臓を差し出した時には娘は去り、後で陰謀に気付くのだけれど、王達の前で、騙された自分の愚かさのせいで馬が死んだ、と、やはり嘘はつかず、

自分の卑しさと彼の高潔さを認めるその娘を、やはり愛している、と許して結ばれる、という内容で、まあそもそも、唯一の治癒方法が馬の心臓?というのを、何を根拠に?と、疑いもせず真に受けるというのも変すぎで、

一旦は卑劣な娘、と侮りつつも、親しい馬を殺させるという状況に平気で仕向けた娘をあっさり許してハッピーエンド?というのも、まあお伽噺、ではあるけれど今一解せず。

特典映像のインタビューで、オスロ監督はこの話について、

>善人の私には考え付かない物語で、いかにも憎むべき王女、私が思いつかない話だからこそ興味をひかれる、とのことで、

元にしたチベットの話ほど耐え難い結末ではない、悪ではなく善が死に、厳しい話だけれど、一つの勝利も語られ、それは嘘をつかない若者の勝利であり、

もう一つ大切なのは許すことで、その術を知ってるから呪いを解くことができ、その技術は車の運転のように役立つ<

などと語ってて、どうもこのルーツのチベットの話はもっとシビアで、それを多少なりともソフトに脚色したようではあるのだけれど。

苦しむ若者のため自ら死を選ぶ”善”の馬メロンギは、フランス語版ではオスロ監督自身が吹き込んだバージョンをそのまま使用したそうで、日本語吹き替え役が西島秀俊。


お話的に好きだったのは最初の「狼男」で、騎士の青年が、自分の花嫁候補の姉妹の内、誤解で獄中の自分を救ってくれたと思った姉の方を選んで婚約するけれど、

姉は実は彼を愛してはおらず、月夜の晩に狼に変身する、と秘密を打ち明け目の前で狼にの変身した彼を毛嫌い、

彼が姉を選び傷心の妹は、その狼に熊から襲われたところを助けられ、その青年とは知らずに、獄中の彼を救ったのは自分だと打ち明け、青年は真実を知って、

姉が井戸に捨てた、人間に戻るための首輪も妹が拾ってきて、無事人間に戻った彼は、姉と決別、姉の方も、狼になる男なんて、と嫌悪するけれど、

妹はそれでも彼を愛する、と宣言して、こちらの方は、まあ勧善懲悪のまともなハッピーエンド。この話も、劇中、狼になってた青年が妹を背に乗せて歩く月夜の森、湖など映像もなかなか綺麗。


その他、面白かったのは「タムタム少年」。アフリカの村で、太鼓大好き少年タムタムが、その太鼓好きを周囲の大人達から疎んじられていたけれど、

魔法の太鼓を持つ達人らしき老人から手ほどきを受け、彼が太鼓を叩けば周囲の人々が踊り出す、という域になって、

瀕死の王を蘇らしたり、村に攻めてきた相手軍を躍らして追っ払ったり、英雄になる、という、彼の太鼓で人々が踊り出す様など、コミカルで小気味いいコンパクトさ。


その他「ティ・ジャンと・・」では冒頭のカリブの島の色彩豊かな自然の明るさ、「運命の都・・」では、実際神への生贄の風習が盛んだったらしいアステカがモデルらしいけれど、

巨竜のような守り神を殺して娘を救い、いわば洗脳されている民衆に、労働と祭りの必要を説いた青年の怖れ知らずの勇気、

最後の「鹿になった・・」では、凶暴な魔術師の婚約者から、恋人を救い出したものの、詞かにされていまった彼女を元に戻すため、青年が相談役の男と訪れる、柔らかいブルー色調の森、光が飛び交うあでやかな”愛撫の妖精”の宮殿、

また実は鹿でなく、カラスにされていて、気付いてもらえず彼らに付いていってた娘が、娘を救うための旅を決意した青年に撫でられてめでたく元の姿に戻ったり、というハッピーエンドで締め、なのも後味良く。


そういう所で、久方の独特のオセロ影絵アニメ、とにかくシンプルな黒のシルエット造形+際立つ色彩の美しさの映像美堪能、

特典映像でオスロ監督が語ってた中で、(この作品を)見た後で、見る前より寛大で気楽になれればいい、というのもちょっと印象的で、何だかその言葉によって味わいが増したような、という気もするこの作品でした。

関連サイト:夜のとばりの物語 公式サイトAmazon 「夜のとばりの物語」
関連記事:プリンス&プリンセス(’99)(’04)キリクと魔女2(’05)アズールとアスマール(’06)

マナに抱かれて(’03)トニー滝谷(’04)カナリア(’04)さよならみどりちゃん(’04)メゾン・ド・ヒミコ(’05)好きだ、(’05)神童(’06)春、バーニーズで(’06)風立ちぬ(’13)<1>


  
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by MIEKOMISSLIM | 2015-05-27 02:45 | 洋画 | Trackback | Comments(0)
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