人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

Something Impressive(KYOKOⅢ)

ブレッド&バター presents-DRAMA&LIVE-「あの頃のまま」(’08)

先日レンタルサイトで、キーワード荒井由実や松任谷由実で検索してて出てきたDVDの一つ、DRAMA&LIVE「あの頃のまま」を見ました。

’08年5月13日~18日銀座の博品館劇場での舞台、ユーミン提供のブレバタ曲「あの頃のまま」をモチーフにしたライブと演劇のミックス公演のDVD化で、こういう催しがあったこと自体今にして初耳でちょっと驚き。


ブレッド&バター presents-DRAMA&LIVE-「あの頃のまま」(’08)_a0116217_0312068.jpgブレバタは、近年余り名は聞かないけれど、結録アルバム録音も手元にある馴染みの好きなデュオだったし、「あの頃のまま」も好み曲、

2人もステージで「あの頃のまま」その他の曲を披露、とのことで、これは見ることに決定。<(C)DefSTAR RECORDS>


小池竹見という人が脚本・演出、主演は「あの頃のまま」の歌詞の、”他愛ない夢なんてとっくに切り捨てた”ネクタイ姿の男コウタ役が寺泉憲、”夢を捨てきれない”男タダミチが井上純一、

それぞれの青年時代を、この公演の年に活動中止したらしい、兄弟デュオ平川地一丁目の兄、林隆一郎と弟直次郎、一旦彼らとカフェを開く夢を持つマドンナ的女性マリエ役が藤澤志帆など。

構成は、物語がすすみながら、折々にシーンにフィットした曲をブレバタが歌ったり、ユーミンの帝劇のラフなブレバタ版、という感じもあるけれど、

違うのは、ブレバタが自曲だけでなく「春夏秋冬」や洋楽カバー曲も歌ったり、平川地一丁目や他の出演者も、舞台のカフェでの劇中歌としてなど、何曲か歌ったり、

ユーミン帝劇は、割と歌は歌、芝居は芝居コーナー、という風だったけれど、こちらは歌の間にも出演者たちの動きがあったり、

また常にステージの後方にブレバタとバックミュージシャン達がいてスタンバイ状態、ブレバタの2人もたまに劇に参加したり、まあ舞台が音楽カフェ、という設定もあるけれど、歌と劇のミックス具合がより自然、という感じ。

「あの頃のまま」自体、何か普遍的な人生観の切り口、サビの「For yourself For yourself そらさないでおくれ その瞳を 人は自分を生きてゆくのだから」

「For myself For myself 幸せの形にとらわれずに 人は自分を生きてゆくのだから」という部分が、ユーミン作品の中でも特に、他人への懐ある眼差し、のような感触がして印象的、引っ掛かりあるスタンダード曲なのだけれど、

友情・三角関係風にやや縺れた恋愛を絡めて、こういう風な物語に成りえるものだな、と改めて感慨。

また、さすがにやはり歳は取った、という風貌ではあるけれど、柔らかなファニーボイス健在のブレバタの2人の歌声、楽曲がフィットして、思ったより見応え+聞き応え。


曲リストは、

1.あの頃のまま (ブレッド&バター)
2.海岸へおいでよ (ブレッド&バター)
3.春夏秋冬 (ブレッド&バター)
4.Route 66 (寺泉 憲)
5.The Sound Of Silence (平川地一丁目)
6.渚に行こう (平川地一丁目/藤澤志帆)
7.Happier Than The Morning Sun (ブレッド&バター)
8.マリエ (ブレッド&バター)
9.Summer Breeze (ブレッド&バター)
10.The Loco-Motion (ブレッド&バター)
11.Pink Shadow (ブレッド&バター)
12.The Sound Of Silence (ブレッド&バター)
13.マリエ (ブレッド&バター)
14.あの頃のまま (平川地一丁目)
15.あの頃のまま (ブレッド&バター/平川地一丁目)
16.桜の隠す別れ道 (平川地一丁目/ブレッド&バター)
17.湘南ガール (ブレッド&バター/平川地一丁目)
18.特別な気持ちで (「あの頃のまま」オールスターズ)


一番インパクト、といえばやはりメイン曲、久方に聞く「あの頃のまま」。



また、このテンポアップした平川地一丁目バージョンもあって、元々カバーしてたようで、だけれど、これはやはり本家版の方が、しみじみ味わい深いものが。




次は、懐かしいブレバタ曲、平川地一丁目と藤澤志帆が歌った「渚へ行こう」。You tubeにはブレバタ版見当たらず、この時の劇中バージョンが。




それと、やはり懐かしいブレバタ曲「Pnk Shadow」。




また、歌詞の「サイモン&ガーファンクル 久しぶりに聞く」に忠実に、ブレバタ版と平川地一丁目版で歌った「The Sound of Silence」。

2人の青年時代の設定は’60年後半~70年代初頭のようで、2人とマリエとの会話で映画「卒業」の話も出てたり。先日「靴職人と魔法のミシン」に出てたダスティン・ホフマンもまだ若かった。




あと、アンコール演奏最後、ブレバタ中心で全員登場で合唱、日本語歌詞混りのスティービー・ワンダーの「特別な気持ちで」(「I Just Called To Say I Love You」)。

まあブレバタ曲ではないけれど、これがユーミン帝劇での「卒業写真」のような、出演者達皆含めて、アットホーム&ハートウォーミングな、公演の締め、という感じ。





とにかく久方に姿を見たブレバタの2人は、正直風貌は今や、一見そこらにいそうな高齢者ムード、佇まいもざっくばらんで、弟のニ弓氏など、どうも誰かに似てる、と思ってて、

近所の、たまに挨拶する母のアパートにいる大家さんの弟さんに間違えそうな、だけれど、いざギターを抱えて歌いだすと、2人共さすがに「ブレッド&バター」の美声。

平川地一丁目は、今回初耳、ルックスがイケメン風なのは兄でそのボーカル、2人のハーモニーも結構聞かせるものが。とは思ったけれど、今は活動してないようで。

その他どの出演者も、歌は達者、ダンスで見せたり、だったけれど、出演者名のなかでちょっと気になったのは「葛城ゆき」で、考えられるのは、カフェブレッド&バターのママ役の女性、だけれど、

この人って、あの「ボヘミアン」などの「葛城ユキ」と同一人物?!なのか、別人なのか?その風貌、少し聞いた歌声ではどうも判別つかず。


あとバックミュージシャン達は、ブレバタのように劇に直に参加、ということはなかったれど、ギター鈴木茂、ドラムス林立夫など、さり気なく豪華メンバー。ラストの「特別な・・」では、特別ゲストなのか?正やんの姿も。

こういうバックでの、ブレバタライブに、+「あの頃のまま」劇がついたステージ、と思っても、それなりに見応えだったと思うけれど、

劇自体も、やや現実と過去、ブレッド&バターカフェと3人が夢見たカフェ「セシリア」が混在のカオス状態?ではあったけれど、時空を超えたピュアな友情・愛情エキスで、終わってみれば、それなりに良かった、という感じ。

ユーミン帝劇でも、こういう、1曲をモチーフにして、劇中展開に応じて他曲も、というのも有りかも、で、いざどの1曲?というと、難しいかもしれないけれど。

でも、こちらは解散してしまってるけれど、バンバン復活で、この「いちご白書をもう一度」版、とか、中~高齢層には特にノスタルジー的アピールはあるんじゃないかと思ったり。


そういう所で、思ったよりもブレバタ健在ぶりでの音楽、演劇ファクター、そのミックス具合、やや切ないけれど「あの頃のまま」の持つ懐、というのも改めて、という作品でした。

関連サイト:Amazon DRAMA&LIVE あの頃のまま」
関連記事:サヨナラCOLOR(’04)音楽のチカラ「青春の言葉 風街の歌 作詞家 松本隆の40年」 松任谷由実 デビュー40周年 はてない夢の旅MASTER TAPE~荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る~<1><2>追悼・大瀧詠一~朝 / はっぴいえんど(’70)名盤ドキュメント はっぴいえんど「風街ろまん」('71)~“日本語ロックの金字塔”はどう生まれたのか?~

by MIEKOMISSLIM | 2015-06-07 00:59 | 音楽・演劇 | Trackback | Comments(0)