2015年 09月 30日
モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで
何だかこの所、ずっとそういう心のゆとりがなかったけれど、母とは無料で入れるこれ+新宿に寄って物産展で、久方にちょっと息抜き。美術展は6月のユトリロ展以来。
パリのマルモッタン・モネ美術館から、8分野に分けてモネの10代~晩年の作品約90点の展示。
今回一番インパクトは、改めてどう、ということもないスタンダードだけれど、ポスターにも使われていた、1903年作の「睡蓮」。
華の散らばり方、水面に移る樹木の像とのバランス、淡い色彩など、いつになくバランスがとれた「モネ睡蓮」という感じ、一時心洗われる思い。
カードは実物より青が濃く、今一その淡い色感が出てなくて見送り。
そして、やはり今回目玉の「印象、日の出」。(↓カード)これは今回18日までの展示。
今回21位年ぶりに東京で展示、らしく、私はその時だったかどうか?とにかく初見、ということはなく、これも今更改めてどうこう、ということもない超スタンダードだけれど、
目新しかったのは、作品の向い側のコーナーで、マルモッタン美術館がアメリカの天文学者と共に調査したらしい、この絵が描かれた場所や描いた方向、日時が示されていたこと。
場所は当時の写真や地図と絵を照合して、水際にあるホテルから、だったようで、時間は画面背後の風景、煙のたなびき方や水門が開いているという状況や、当時の気象分析で、1872年11月13日7時35分頃の可能性が高いそうで。
まあ空想画ではなく、確かに風景画、ではあるけれど、このある意味象徴的な茫洋とした絵から、そんなことまで遡って探れるとは、ちょっと驚き。
その他、後でカードを買ったのは、私は「「トゥルーヴィルの海岸にて」(↓)と、
「テュィルリー公園」(↓)。
母は、「印象、日の出」、「睡蓮」と「オランダのチューリップ畑」(↓)。
モネ以外の画家作品で、モネが影響受けたり与えたりしたブーダン、ドラクロワ、ピサロやシニャックのや、同胞ルノワールによるモネ像などもあったり、
多分初見だと思うけれど、モネの作風からはやや意外な、10代の頃のカリカチュア(風刺画)シリーズなどもあったり、
モネの使ってたキャンバスや筆と共に、右が黄色、左が不透明グラスの特注らしきメガネの展示があって、
それは晩年白内障を患ってて、右目からは視界が青っぽく見えたので、その矯正用、らしいけれど、何だか光を失いつつあっても最期まで描き続けたモネの苦心、苦労が偲ばれるような一品。
そういう所で、定番ではあるけれど、それなりにバラエティあって満足のモネ展でした。
関連サイト:モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで 特設サイト
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<会場前に貼ってあったチラシ>
クロード・モネClaude Monet クロード・モネ(1840-1926)は、生前に成功した画家で、晩年のものを中心に多くの作品を最期まで手元に残しました。これらは息子のミシェルが相続しミシェルの遺志でマルモッタン美術館に遺贈されました。その数およそ150点。モネが晩年に何度も取り組んだ「睡蓮」や「日本の橋」から、10代後半で描いたカリカチュア(風刺画)も含まれ、画家本人によるプライベート・コレクションです。この作品群を譲り受け、マルモッタン美術館は、「マルモッタン・モネ美術館」の名称となりました。... more
私もマルモッタン・モネ美術館所蔵品のモネ展を見てきましたので、興味深く読ませていただきました。
今回は若き日のモネから、晩年の作品までモネの絵画の全体像が見られて良かったと思いました。晩年のモネは前衛画家的な一面があり、アメリカの抽象表現主義絵画に共通するものがあることを身を持って体験することができました。
私もブログでモネ展を印象派画家モネと前衛画家モネの両方の観点で整理してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただける感謝致します。
マルモッタン美術館展に行かれたのですね。今回「印象、日の出」の分析、愛用の特性眼鏡など、創作の背後をを掘り下げた企画も興味深かったです。
少し先になるかもしれませんけれど、後日そちらの記事を拝見してからコメント欄に伺いたいと思います。