2016年 08月 11日
超高速!参勤交代 リターンズ(’16)
これは、未見だけれど’14年作品の続編、
江戸時代、磐城国の弱小藩、湯長谷藩が、腹黒い老中の陰謀で、超短期間での「参勤」を命じられたものの見事達成、というのが前作で、
その後日、今度は、国元での一揆で城を乗っ取られる一大事に、再び超高速での「交代」~城での攻防、というこの作品。<↑チラシ>
参勤交代って、高校の日本史教科書を見てみても、そういう説明はないけれど、国元→江戸の行きが「参勤」、江戸→国元の帰りが「交代」だったのだった、と今にして。
舞台挨拶で、深キョンが、どういう映画かというと、参勤と交代の物語、という単純な説明ですむ、のようなことを言っていて、今回の交代編を見ても、その通りなのだけれど、
バラエティに富む藩の一行の面々、邪魔されながらも先を急ぐためのコミカルな駆け引き、カリスマ感はないけれど、藩主内藤政斡醇(佐々木蔵之介)の人情味VS悪玉老中松平信祝(陣内智則)のコントラスト、
ダイナミックな殺陣、戦闘シーン、花を添える、内藤の妻になったお咲(深田恭子)の風情、市井の民衆達の奮闘ぶりとか、なかなかのエンタメ時代劇、という後味。
会場に着いたのが、開演20分前で、やや急いで9Fの劇場入口に行ったら、1Fで座席券との交換が必要、とのことで、また下へ行って、窓口で手続きしようとしたら、
残り座席は、舞台挨拶は立ち見+作品鑑賞は一番前の席、か、舞台挨拶も作品も座って見られる2F後ろの席しかない、とのことで、やや迷って2Fの方に。
その番号の席は、何と2Fの一番後ろで、まあ中央寄りだし、舞台まで凄く遠い、というわけではないけれど、
私の視力では、舞台挨拶の俳優、監督の顔はぼんやりとしか見えないだろう、という距離で、ちょっと後悔。
登場したのは、本木監督と総勢12名の俳優陣、司会者が、前作を見た人は?と客席に呼びかけたら、やはりほとんど前作を見た人が多いようで。
まあ陣内智則、西村雅彦、「花子とアン」の父親役だったのが記憶に新しい伊藤剛志、柄本時生、リメイク「時かけ」の中尾明慶、あでやかな着物姿の深キョン、などメジャー俳優も色々だけれど、
私は一番感慨、といえば、「紙屋悦子の青春」の原田知世の舞台挨拶の時のような感覚で、歳はとってるといえぞ、ナマ富田靖子、だったかも。
富田靖子はこの続編で初参加だったようで、一番端にいて、コメントでもそう目立っていた訳ではないけれど、
「アイコ16歳」「さびしんぼう」「BU・SU」「南京の基督」とかの珠玉作の名残で、その佇まい、表情とか、もう少し近くで確かめたかった、とちょっと残念。
男性陣は、作品柄、2作目ということもあってか、結構和気藹々、終始ラフで賑やかなムードで、いじられキャラっぽいのは、多分最年少らしい知念侑季で、
私は初耳だったけれど、Hey! Say! JUMPというグループメンバーのようで、彼の紹介、話す時だけは、客席から女性のキャーッという歓声で、劇中、弓の名手役で、アップにもたえる、草食系のなかなかのイケメン。
あと、異色出演者は、前作からの柄本時生演じる増田の相棒の小猿役、菊千代。
世話役の女性に見守られながら、ひょうきんな存在感で笑いを誘っていて、劇中ではそう目立って笑いを誘う、という訳でもなかったけれど、何か人慣れした猿として、自然に溶け込んでいた、という感じ。
終演後、ロビーで、菊千代の撮影会、みたいなイベントがあって人盛り、皆携帯で撮影してて、近くで見る菊千代は、小柄だけれど、その無邪気な仕草に可愛い~!という声もあがってて、
私はデジカメを持っていかなくて残念だったけれど、傍らのスタッフが配ってた名刺?<↑>をもらったり。
8/14追記:劇中、インパクトシーンといえば、彼らの「交代」を阻止しようとする宿場での検閲の目を逃れるため、
シンプルなからくりで大行列に見せかけたり、”死ぬしかない”の言葉通りの奇策のコミカルさ。<↑チラシ内部>
また7人と1匹VS1000人、規模的には絶体絶命の城での攻防、藩の面々の刀、弓さばきもさることながら、女性陣や農民の奮闘、目くらまし作戦のダイナミックさ、
内藤のしみじみ人間味にじむ信祝への語りかけ、それによる信祝のバックにつく叔父の松平輝貞(石橋蓮司)や尾張柳生の武士達への心理的効果、とか、まあ勧善懲悪ベースの後味良さ、など。
俳優では、見る前は余り気にしていなかった、主演の佐々木蔵之介。<←チラシと共に配られた新聞>
この人って正直、これという際立った押し的な特徴のない、堅実な脇役スタンス、というイメージだったけれど、
こういう弱小藩の、豪快さというよりナイーブ感、でも筋を通そうとする誠実さ+さりげなく人情味の殿様役、というのにハマってて、なかなかの渋さ、と再認識、という感じ。
そういう所で、ほどよく人情味織り交ぜての、コミカル時代劇を楽しんだ、という今回でした。
関連サイト:超高速!参勤交代 リターンズ 公式サイト、Amazon 「超高速!参勤交代」、象のロケット「超高速!参勤交代 リターンズ」
関連記事:犬と私の10の約束(’05)、サマータイムマシン・ブルース(’05)、県庁の星(’06)、間宮兄弟(’06)、UDON(’06)、アジアンタムブルー(’06)、虹の女神(’06)、愛の流刑地(’07)、憑神(’07)、ぼくたちと駐在さんの700日戦争(’08)、あしたの私のつくり方(’07)、テニスの王子様(’06)、時をかける少女(’10)、ノルウェイの森(’10)、東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~(’07)、犬神家の一族(’06)(「市川崑物語」スレッドの9)、天使(’06)、スローなブギにしてくれ(’81)、どら平太(’00)、理由(’04)、苺の破片(’05)、四日間の奇蹟(’05)、春の雪(’05)、ゲルマニウムの夜(’05)、さくらん(’07)、HERO(’07)、明日への遺言(’08)、私は貝になりたい(’08)、RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(’11)、BU・SU(’87)、kitchen~キッチン~(’97)、ロード88出会い路、四国へ(’04)、
見事江戸への参勤を成し遂げた湯長谷藩だったが、参勤交代とは、〈参勤〉だけでなく、藩に帰る〈交代〉まで終えてこそ完結するもの。 つまり、まだ参勤交代は終わっていなかった! 故郷への道中、湯長谷で一揆が起きたとの知らせが入る。 2日以内に一揆を収めなければ、藩のお取り潰しは免れない。 行きの倍速で帰ったものの、すでに城は乗っ取られた後だった…! 時代劇第2弾。... more
『超高速!参勤交代』で超高速で江戸に赴くまで描かれましたが、参勤交代って帰りも有るんですよねぇ(笑)。と言う事で、今回は、帰りの話?? って言うか、もはや既に、参勤交代とは無関係でね?前作『超高速!参勤交代』では、しっかりと参勤交代を(超高速で)する様子...... more
『超高速!参勤交代 リターンズ』を渋谷シネパレスで見ました。 (1)前作の『超高速!参勤交代』を見て面白かったので、この続編も見てみようと映画館に行ってきました。 本作(注1)の冒頭の時点は亨保20年(1735年)。場所は千住大橋。 家老・相馬(西村雅彦)...... more