2016年 09月 14日
ポンピドゥーセンター傑作展
6月からだったのだけれど、涼しくなってきたし、
母の特典で無料だし、丁度新宿の物産展とのセットになるので決行。<↑チラシ表>
いつも地下鉄出口から行くのだけれど、Suikaの残金がなくなってきて、カードでのチャージがJRでしか出来ない、とのことで、JRの方を通って、久方にその駅前から上野公園に入ったら、
「夏のおもてなしガーデントライアル」というイベント中らしく、西洋美術館の前辺りまで通路中央にオブジェっぽい花壇。母は綺麗やなあ、カメラを持って来たら良かった、と。
会場は、混んでいるという程でもないけれどそこそこの賑わいで、ピカソ、マティス、ローランサン、シャガールなど有名どころから、
余り知らせれてない芸術家の絵画、彫刻、写真や映像などの展示だけれど、
今回ユニークなのは、1906~77年の、’45年だけ除いて毎年1年刻みでその年に制作の1作品の展示方式で、’06年のデュフィ作品から始まって、計71作品。
各作品と共に、作品、作者紹介だけでなく、割とスペースを割いての芸術家の写真+その一言つき。
’45年コーナーだけは、たまたま作品がなかったのか?第2次大戦終了の節目の年だからか、ピアフの「バラ色の人生」が流れてるだけ。
チラシによると「展示室内でつながるアートのタイムラインは、フランス近現代美術のさまざまな局面を浮かび上がらせてゆきます」とのことで、<←チラシ中>
とにかく’45年以外の毎年の制作作品を、マイナー芸術家のも含めてだけれど出展してみせる、ポンピドゥーの規模、懐にも感心。
前衛抽象っぽいものはやはり終盤、という以外は、そんなに顕著に20世紀序盤と後半の作品の違いって?だけれど、
まああえてそういう作品を選んでいるのかもしれないけれど、戦争のアートへの影響とか、新たな建築物が題材になったり、
社会の進歩や変化に連動していくアート制作の様子が判ったり、素人にもそれなりに興味を持たす工夫、っていうか、なかなかユニークな構成。
今回あえて一番インパクト作品、と言えば、久方のマリー・ローランサン、’40年の「イル=ド=フランス」(↓カード)。
何だかここだけ他作品コーナーと雰囲気が違うような、4人の少女?女性?のソフトタッチ、フェミニン世界。「ローランサン知ってるよね?」とか母と話してたら、
傍にいた年配の婦人が私達ににこやかに、黒柳さんがローランサンを好きで「徹子の部屋」で壁に飾っていたんですよ、
今は(だったか、その後、だったか?)自分の絵を飾ってますけれど、と話しかけて、あ、そうなんですか~、と。
その後母が、さっきの人がローランサンの絵を持ってるって?と聞いてきたので、そうじゃなくて、と上の話をしたら、やっぱり耳が聞こえにくくて困る、と苦笑。
このカードは持っているような気もするけれど?と思ったけれど、後で見たら在庫の7枚の中にはなし。
他のと似たような作風だし、未見かどうか?も定かではないけれど、もしかして今回初見かも。
その他後でカードを買ったのは、初耳の画家だけれど’26年のロベール・ドローネの「エッフェル塔」(↓)
’37年のカンディンスキーの「30」(↓)、
’50年の、サガン文庫表紙画家ビュフェの「室内」(↓)
その他目に留まったのは、やはり’17年のシャガール「ワイングラスを掲げる二人の肖像」、
’46年の初耳画家アンリ・ヴァランシ「ピンクの交響曲」、これはうねるリボンのようで、紹介文では「描くことで共鳴を表現できる」と言われれば、というような。
’53年のフェルナン・レジェの、活字に一部着色、の「自由」、’60年のアルマンの、ブラックユーモア、皮肉と言うか、実物らしきガスマスクを詰め込んだ「ホーム・スイート・ホーム」、
’72年のオーレリー・クレームの、黒地の正方形の中央に赤い長方形が一つ、の抽象画「白い騎士」、別にこれ自体何かインパクト、という訳ではないのだけれど、
その紹介文中の「(この絵が)偶数、奇数という概念を表している」というのに、これはこの画家が言ってるのか、美術評論家が言ってるのか?だけれど、
正方形=奇数、長方形=偶数の象徴なのか、何か、はぁ・・というか、面白い(見方)というか、一応ちょっとメモっておこうか、と引っ掛かった、という部分。
最後の’77年は、レンゾ・ピアノとリチャード・ドジャーズの「パリ、ポンピドゥセンターのスタディ模型」で、ポンピドゥの外観、周辺の模型で締めていて、<チラシ裏↑>
脇の’70年レイモン・アンス「ジョルジュ・ポンピドゥーの建物のために」の映像と共に、この外観って初めて見たけれど、正面の長い透明のエレベーターが結構印象的。
母が買っていたのは、ポスターやチラシで使われているピカソの「ミューズ」と、ローランサンの。
売り場を出た所に、台帳と記念スタンプがあったので、押してゲット。いつになくこういう風なコーナーを思えば、時系列に1作品1作家紹介構成といい、
まあ中学生以上かとは思うけれど、子供向けアピール、という意向も割とあったのかも?と今にして。
そういう所で、ポンピドゥー展は遡れば9年前、国立新美術館が出来た頃のに行って以来だったけれど、なかなか見応え+趣あるイベントでした。
関連サイト:ポンピドゥセンター傑作展 サイト
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<ポスター>