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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!

by MIEKOMISSLIM

推手(’91)

今日近くの成田図書館の映画会で、米国・台湾合作「推手」上映、都合も合ったので、鑑賞。

a0116217_22254567.jpg図書館の上映会は、一昨年著作権の関係で休止、と聞いて以来久方、<←チラシ>

サイトでこの図書館で、昨日邦画「夏の庭」、今日この作品の映画会、と見かけて、昨日は行けなかったけれど、

丁度阿佐谷界隈に用もあったし、この図書館自体久方に訪問。いつもの会場の部屋には、結局観客は中~高年の4人。


これは「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督のデビュー作、「推手(すいしゅ)」は太極拳の技の一つらしく、

物語は、太極拳の師の老中国人が、NYで息子夫妻と孫一家と同居、1か月が経ったけれど色々問題あって、というヒューマンドラマ。


a0116217_2285718.jpg始まる前、例によって部屋の前方にあった関連書籍の中から、「マイ・ファースト・ムービー」という本の、アン・リー監督の所を読んでいて、<(C)フィルムアート社→>

表題は「東洋と西洋の間に立つ、私の内面の平衡感覚を表現したい」で、

この監督って、「ブロークバック・・」を見た限りでは、普通にアメリカ人、としか思ってなかったけど、

台湾生まれ、米国育ちの人だったのだった、と今にして、で、この「推手」が脚本コンテストで一等になって、陽の目を見るまでの、アメリカでの色々変遷、苦労のエピソード。

途中で上映時間になったので、せっかくだから、アン・リー欄は読もうかと、帰りにカウンターで借りてきて、映画関連本は随分久方。

まあここで取り上げられている16人のうち、知ってたのは他に、コーエン兄弟、ケン・ローチ位、特に気になる顔ぶれはなし。


作品自体は、まあ高齢で異国に渡った老人、朱(ラン・シャン)、異国人である生粋のアメリカ人、義理の娘マーサ(デブ・スナイダ―)との、にわかには埋めにくいカルチャー&世代ギャップ、



板挟みになる息子アレックス(ワン・ボーチャオ)の気遣い、孫のジェレミー(ハーン・リー)とのぼのぼのとした時間もありつつ、

太極拳の師という一芸を持ちながらも、というか、そういう一芸があるからこそもあって、かと思われるプライド。



同郷の同世代の未亡人女性陳(ワン・ライ)に魅かれつつ、相手にも同様のプライド、背景があって、すんなりとはいかない接近、選んだ孤独な道、など、

人種のるつぼNYならでは、という背景でもあるけれど、それぞれの程よい距離を模索していく、何だか今見るからこそ妙にしみじみドラマ、という感じ。


1/21追記:印象的だったのは、まあそう広い方ではないアメリカの家の構造上なのか?1Fのドアがない続きのフロア、手前で太極拳や書道にいそしむ朱老人、

向こう側で、PCの前でキーボードを打ちつつ文筆活動に励むマーサ、という精神性VS合理性、東洋の伝統VS西洋の現代性、とも取れるような対比、とか、

朱が道に迷って戻らない夜、彼を探し回り、マーサに日頃のジレンマを爆発させて台所で暴れるアレックス、

でもついに朱を老人ホームに送り込む決心をしたけれど、体調を崩した朱にそれを告げられず、彼と陳を接近させることによっての大団円を図ったり、

アメリカのコンピューター界で仕事し、アメリカ人を妻に持つ中国人、アレックスが、東洋の、親を深く思う精神と息子としての立場、

西洋の合理性と朱との生活に苛立つ妻の夫としての立場、の狭間で揺れる様、というのも、

ちょっと(元プロ野球選手新庄+イ・ビョンホン)÷2、のようなムード、風貌のワン・ボーチャオが醸し出していた感じ。


また、朱が太極拳の講師をしている時、陳の料理教室と兼ね合いのフロアで、一突きで大男をずっと後ろまでのけぞらせたり、

一番の見せ場、というか、終盤、レストランで皿洗い作業が遅い朱を追い出そうとする店主が仕向けた男達が、5,6人かかっても、太極拳で鍛えた朱をその場から動かせない、ある種スーパー老人!のようなシーン。



こういう一芸がなければ、朱は、息子夫妻宅で、老人としての分相応の扱いに甘んじて、マーサとの摩擦も少ないだろうけれど、それではドラマにならない、

太極拳をモチーフに、やはり気骨ある東洋人、中国老人としての主人公、にして、彼が西洋での暮らし、違う文化での息子宅での身の置き場、葛藤、

また同世代の似たような境遇、プライド、ジレンマを持つの女性陳との距離が、互いに好意を持ちつつもそれぞれの状況、心境もあって、

性急でなく、一歩一歩自然に近づいていく様が、シルバーロマンス的にもなかなか渋い、と思わせられる、思ったよりさり気なく色々見所あった、アン・リーデビュー作、でした。

関連サイト:Amazon 「推手」成田図書館
関連記事:ブロークバック・マウンテン(’05)



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by MIEKOMISSLIM | 2017-01-22 22:18 | 洋画 | Trackback | Comments(0)
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