2009年 03月 14日
銀の街から(’09、3月)
実話ベース、との事ですが、この荒筋を見かけた時、実際の息子でない、と証明するのに血液・DNA鑑定等の方法もあるだろうに?とは思ったのですけれど、この記事で、20年代の出来事、と改めて知って、その頃ならまだそういう科学的な方法がなくても自然、と。
沢木さんは、イーストウッドが、体に染み込んだプロフェッショナリズムで、この作品でも、「次はどうなるのか?」という観客の思いを一時もそらさず物語を織っていこうとして、結果、単なる愛情物、告発物、猟奇物でもなく、でも同時にその全てであるようなものとして存在する事になった、
また、この作品を支えたもう一つの力が、母役のアンジェリーナ・ジョリーの、哀しみ、疑い、怒り、絶望、希望等の眼差し、を現す大きな瞳である、旨書いていて、彼女とイーストウッドというのは、どうも余り接点ない気がしましたが、彼女はイーストウッド作品に出るのが夢だった、という記事も見かけ、これが初コンビ作なのでした。
イーストウッド作品は、近年「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」('06)の2部作、その前「ミリオンダラー・ベイビー」('04)を劇場で見て、どれも当時他の方のスレッド投稿で、感想は残っていないのですが、「ミリオンダラー・・」の保存あった部分の自分の投稿を見直すと、
イーストウッドがこの脚本に興味引かれたのは、それがボクシング物語でなく、(自分の演じたトレーナーが)娘との疎遠な関係に苦しみ、必死でボクサーとして名をあげようとする若い女性の中に、娘の姿を見出す一人の人間のラブストーリーである、という点、だったのだったり、
人種差別、安楽死テーマも折りいれ”素の”アメリカ・人間を描こうとしたような、また2部作でも、戦争の渦中の”素の”アメリカ・日本兵を描こうとしたような、という感触で、今回もそういう、当時の警察の理不尽な権力での弾圧、その混乱に否応なく巻き込まれてしまった母の、千々に乱れる心情、を丹念に追った渋味作品という気もします。
イーストウッドと沢木さん、というのは何処かテイスト的に通じる部分もある感ありますが、沢木さんの新作「旅する力 深夜特急ノート」は少しずつ進めていて今50ページ位まで、自分の幼少~少年期の旅への足掛かり逸話等は、やはりまあルーツとして面白いです。水曜「SONGS ゴスペラーズ」録画。
関連サイト:http://www.changeling.jp/
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%85%E3%81%99%E3%82%
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英検対策:「オズ・・」の前にチェックを進めていた、ドロシーとかかしにブリキ男が合流、の所まで、やはり見ただけ。先日久方に「英語でしゃべらナイト」を見ていて、ショーン・レノンがゲスト、rhythmのスペルをミスしたり。「Smoke and Mirrors」という曲を歌い、それはマジシャン小道具なので、実体のないものの意味のイディオム、等とコメント。辞書には見当たらず。
<’96年春、イーストウッドが前に2年程市長をしていたカーメルの海岸にて。初監督作「恐怖のメロディ」('71)の舞台でもあり、ロバータ・フラックの「愛は面影の中に」をバックにイーストウッドと恋人役の散歩シーン等もあったのでした>