Something Impressive(KYOKOⅢ)


カテゴリ:映画全般( 12 )



’14年度ベスト3作品 /劇場・上映会作品

昨年度映画鑑賞は、一昨年の13本からまた減って結局9本、DVDや放映(の録画)はなしで、試写会での新作2本と、図書館上映会での7本。やはりケジメとしてベスト3として挙げておきたいと思います。


★1 思い出のマーニー(’14):米林監督作のジブリ新作、Wヒロインで、等身大少女と神秘的な少女の友情~愛情ものの少女コミックタッチ、映像や音楽トータルで好感度高かった作品。




★2 ザ・ビートルズ武道館コンサート(’66):初見だったビートルズ来日公演ドキュメンタリー、当時の熱狂ぶり、舞台裏の若かった4人の様子、仕草なども面白かった。




★3 子猫物語(’86):未見だった実写動物もの。どうやって撮ったのか?という猫の冒険の中のリアルな仕草、それなりのストーリーになっていて、+坂本龍一担当の音楽、大貫+坂本コラボのテーマ曲もあって、なかなかの掘り出し物。

 


★次点 さびしんぼう(’85):久々に見た大林尾道3部作の1つ。やはり富田靖子2役の両さびしんぼうのコミカルさ+哀愁、「別れの曲」、尾道の景色が融合の郷愁漂うスタンダード珠玉作。




★音楽賞 「子猫物語」テーマ曲:作詞大貫妙子、作曲坂本龍一の、意外な所で今にして知った大貫&坂本コラボ曲。昔の原田知世を思わす吉永敬子の楚々としたボーカルに、軽妙なメロディがフィット。




★景観賞 春を背負って(’14):高山を舞台に展開のシンプルな人間ドラマ、美しさと厳しさの立山連峰の雄大な背景も印象的。

  


★番外 たまたま昨晩、途中で放映に気付いたジョディ・フォスター主演の「コンタクト」('97)。割とインパクトあったSFものの一つ、久方に見て、吹き替え版ではあったけれど、科学、宇宙、宗教観も絡んだ壮大スケール+人間ドラマ感もあって、結構引き入られて最後まで。



たまにはやはりこういう鑑賞もリフレッシュ感、と改めて、で、今年もどうなるか?折あれば見ていきたいものです。

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by MIEKOMISSLIM | 2015-01-05 00:08 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)


「思い出のマーニー」秘密を探る イギリス秘境旅

10日(日)放映だった「思い出のマーニー」特番、一部オンタイムと録画で見ました。

桝太一アナウンサーと、ジブリ通らしいお笑いコンビオリエンタルラジオの中田敦彦がスタジオジブリを訪ね、米林監督、西村プロデューサーと「・・マーニー」について話したり、

「・・マーニー」に、どの役だったのか?声優で参加した石田蓮華が、「・・マーニー」原作の舞台、イギリスの村バーナムオーバリーを訪ね、観光したり、原作の著者ジョーン・G・ロビンソンの娘さんに会ったり、という内容。

1時間番組ではあったけれど、色々制作裏話、先日読んだ原作の舞台の実際の土地ルポ、「湿っ地屋敷」やサイロのルーツ建物外観など見られたり、なかなかの内容。


西村プロデューサーは、初めて知ったけれど36才、「かぐや姫の物語」で長編作初プロデュース、「・・マーニー」が2本目担当、という人で、41才の米林監督とほぼ同世代で、

この次世代の2人のタッグで、今までジブリになかった今回のWヒロイン、1人は等身大少女杏奈を軸にした作品創り、という路線に、という面もあったようで。


この作品のきっかけとして、米林監督が、笑いながらではあるけれど、前作「借りぐらしのアリエッティ」の時は、やはり同じフロアに陣取る宮崎駿監督の環視下での制作、というプレッシャーがあって、

大先輩の力を借りず、1から長編映画を創りたい、と鈴木プロデューサーに話した時、渡されたのが「・・マーニー」の原作、

でも当時「風立ちぬ」にアニメーターとして加わっていて、「・・マーニー」の脚本と同時進行、という忙しなさ、(宮崎監督が)なかなか抜けさせてくれないんですよ、と苦笑、笑いを誘ってたけれど、

実写の監督とは違って、プロとしてのアニメーター職人としての仕事もこなしながら、というのも大変そうではあるけれど、結局脚本完成に1年かかったそうで。


ストーリーで中田敦彦が指摘したのは、ミステリアスで伏線があって、というこれまでジブリ作品になかったタイプで、という点で、これはジブリ初の”謎解き”タイプだった、と。

そういえば「ゲド戦記」「ハウルの動く城」とか、背景はやや込み入ったものもあったけれど、謎解き、というのはこれが初だったかと。

で、その物語に合わせて、米林監督は舞台を神秘的な雰囲気のある北海道にすることを考えたけれど、それを惑わしたのが意外にも、今回は完全ノータッチ、と思ってた宮崎監督、だったそうで。

先日のNHK特番でも、宮崎監督自身もこの原作は気に入ってた、というエピソードがあったけれど、

今回も、引退したとはいえ、自分のこの作品のイラストを頻繁に米林監督の所へ持ってきて、それを危惧?した鈴木プロデューサーが開いた「宮崎監督の話を聞く会」で、宮崎監督がこの作品の舞台は瀬戸内である、などと自分の構想を披露、

それについて、米林監督は、何だか「崖の上のポニョ」のようでイメージ違うと思って、結局宮崎監督退席後、協議で舞台は北海道になった、と苦笑、というようなことがあったようで。

まあ確かに、この舞台は瀬戸内よりは北海道の方がフィット感、ではあるけれど、何だかそういう裏話からしても、まだまだ宮崎監督の意気健在、という感じ。


8/24追記:また中田敦彦が指摘のヒロイン像でも、1人はこれまでの理想少女的ジブリヒロインではなくて、人と打ち解けられない、という悩みを抱える現代的、都会的、等身大少女杏奈にしたことについて、西村プロデューサーが、自分の物語と思ってくれれば、と語り、

またもう一人のマーニーについても、これまでになかったお洒落な雰囲気の色気のある艶っぽい女性像で、宮崎アニメとは違うヒロインが生まれた、という指摘。

a0116217_2247963.jpg同じ白いネグリジェを着た外国人少女を描いた、「・・マーニー×種田陽平展」のポスター(→)のと、宮崎監督の描いたあどけない感じの少女の絵比較で、その違いありあり。

私はマーニーの絵では、髪の描き方が劇中のマーニーと違うけれど、この絵が一番気に入ってて、改めて、そういえば一見男性が描いた、とは思えないソフトな味。

鈴木プロデューサーも、(米林監督は)女性を描かせたら、宮さんより上手い、と評価してて、そのルーツは、やはり少女漫画好きで、りぼんっ子だった、と。

「りぼん」って、私も子供時代愛読、月刊だと「なかよし」などと並んで懐かしいけれど、愛好の男性、というのもいる、いたのだなあと、感心だけど、

そういう嗜好も、前の特番で思った、米林監督=岩井俊二監督や松本隆の少女感覚の持ち主、に繋がるのだろうと。

「りぼん」には金髪の女の子が出てくる話がいっぱいあった、と楽しそうに語る様子。マーニールーツはそういう所にもあったようで、やはりこれも、「・・マーニー」鑑賞後、昔の少女漫画のような、という感じがした一因かも。


また、中田敦彦が背景について、水彩画のような実写のような、という指摘で、やはり美術監督に種田氏を招いたことによって、部屋のドアと蝶番の隙間とか、椅子の高さとか、かなり細かい所まで描かれてたり、

米林監督は、凄く面倒くさい、と苦笑しながらも、今まで面倒臭意とか嫌だからやらなかったことをやることで、違うものが見えてくるんじゃないかな、と。

これまでのジブリ作品は、設定がないままスタート、設定は宮崎監督の頭の中にあって、絵コンテからそれを皆で読み取っていく、という作業だったのが、今回は共有できる細かい作業があった、という違い、

米林監督が、本来のアニメ業界では、美術設定があるのは普通だけれど、種田氏の場合はより凄くて、建物が建てられるだけの設計図があった、と、やはり例の「湿っ地屋敷」設計図に言及。

種田氏本人は、実写映画の時と同じように、何となく、じゃなく一応検証されている、模型、図面も作った、とのことで、中でも米林監督と西村プロデューサーが驚いたのは、屋敷の表面に凹凸ある”型ガラス”で、視界を遮るための曇りガラス状のもの、らしく、

杏奈がその後ろを通るシーンが流れ、やってみると凄く効果がある、屋敷自体が個性を持つ、この屋敷自体がキャラクターでなければいけないので、積極的に種田さんの意見を聞いて存在感を出した、とのこと。

種田氏も、描いて型ガラスを出す、というのは結構大変で、2種類の型ガラスがあって、透明度も模様も違う、要求した僕も悪いけれど、それを描けるというのが凄い!、とジブリスタッフの能力を認めてる姿勢。


正直、鑑賞時はそういう細かい所までチェックはしなかったけれど、これまでは、宮崎監督の頭の中にあった才覚のなせる独自の”図”が、

今回種田氏によって具体化された図→スタッフ作業、の流れだったようで、やはり新たなジブリ路線、とは思ったのだけれど。


a0116217_1420328.jpg8/26追記:で、一方石山蓮華のバーナム・オーバリー紀行。米林監督もイギリス(の原作(←(C)岩波書店)舞台地?)は未踏、湿地と空がどんな感じなのか気になる、とのことで。

ここはロンドンから電車で北方へ2時間、さらにそこから車で1時間だ、原作本の最後でも、かつて物語を愛読した日本人男性が、偶然何とか地元のバスからここを発見、感動、というエピソードがあったけれど、やはり交通便は良くなさそうな。


石山蓮華は、当地でまず「サイロ」のルーツ、原作の「風車」。200年前から立ってて、元は小麦を挽く作業場だったのが、今は民間人の休暇のためのコテージで20人ほどが生活できる住居、そう広くはない円形でこざっぱりした部屋だけれど、小ざっぱりした感じ。

劇中や原作でも、この塔からの風景、というのはなかったけれど、その屋上からの眺めが、広い田園風景、遠くに海が見えて、その手前に広がってるのが湿地で、

海岸線に沿って湿地が45キロ程続いてる、そうで、さすがに劇中よりもスケール大きな大自然。バーナムオーバリーの自体は人口311人のささやかな村らしいけれど、

やはりこの自然目当てに避暑客も来る土地ので、ジョーン・G・ロビンソン一家もそんな層だったようで。


石山蓮華はその湿地に近づき、やはり劇中と同じく、海と繋がってて満ち潮と引き潮の時で、風景が一変。自然保護区でもあって、多くの生物が暮らし、ボートで進むとアザラシの大群。

そして原作でアンナが、世話になってる奥さんに頼まれて取りに行ってた”あっけし草”は、実際この土地で夏の1か月間だけ手に入り、食用にされてて、見た目は菊名や水菜の葉の少ないもの、のようで、

石山蓮華が、水辺からそのままつまんで口にして、しょっぱい、触感がサクサクしてる、と感想。案内の地元の男性は、アスパラガスのような味がする、と。

その美味しい食べ方、というのが、近くのレストランで、焼いた魚(スズキ)のアクセントとして、ゆでたあっけし草を添えて、ガーリックソースで味付け、という料理になってて、石山蓮華は、魚の香ばしさとあっけし草の塩味と合って、美味しい!と。

これは日本では多分ない草なのだろうけれど、’67年の小説に書かれてた地元産の自然食材が、いまだにポピュラーに食べられてる、ということは、やはり自然保護区だけあって、開発、汚染は免れてるのだろうと。


9/1追記:その後、石山蓮華は今は亡きジョーン・G・ロビンソンの娘さんに会って、原作の舞台がこの地にしたことについて、

潮の満ち引きや鳥の鳥の声が特徴的で、自然豊かな湿地はアンナの内気な気持ちを表現するのにぴったりだったんだと思う、のような、というコメント。

劇中では鳥の鳴き声、というのはなかったけれど、潮の満ち引き、というのは確かに、所々でポイントになってた感じ。


また、その娘さんの船で、「湿っ地屋敷」のモデルとなった、赤いレンガ造り、青い窓枠の建物のある場所を案内、壁だけじゃなく、屋根も赤くて、前は人が住んでいたけれど、今は穀物倉庫、だそうで、

日本ではなさそうな色合い、劇中の「湿っ地屋敷」とも随分違うムード。種田氏はこの実際の屋敷の外観を知ってたのか?だけれど、やはり色合いなども、北海道の舞台に合わせてオーソドックスにアレンジした感じ。

娘さんの話では、母は湿地を横切ろうとした時に、金髪の女の子が窓際で髪をとかしてもらっているのを見て、それをきっかけに、「・・マーニー」を思いついた、とのことで、

劇中でもマーニーがばあやに髪をとかしてもらってるシーンがあったけれど、そういう原風景が、実際作者の経験にあったのだった、と。

石山蓮華は、イギリスに来て、作者と同じ景色が見られて、凄く嬉しいです、と感動。


ロンドンで、ジブリが「・・マーニー」上映、娘さんも見て、原作に似ている所とそうでない所があったけれど、キャラクターたちの感情は生き写しでした、母に見せたい、本当に素敵な作品でした、とコメント。

40年を経て、遠い日本でアニメ化された作品、やはり何というか、心ある素材が時と空間を超えて伝えられる、というのは価値あることだとしみじみ。


スタジオでは、中田敦彦と桝太一アナウンサーがが、新たな世代だから伝わること、として、「・・マーニー」では、大人たちも、杏奈の義母頼子も親としてまだ手探りだったり、北海道の夫婦も少し(気分が)若い、

そういう作品は、米林監督と西村プロデューサーの世代だけらはっきり描けたのかも、人生を達観してない、完成していない何かがあったかも、と述べて、

西村プロデューサーは、宮崎さん、高畑さんはおじいちゃんだからああいう作品を作ったけれど、ああいう人生を経てきて作れる作品で、僕らは背伸びしてもそこまで辿り着けると思ってない、

今自分達が大事だと思うものを丁寧に伝えていきたい、、という思いが強い、

米林監督は、かつて思春期だった人にも、凄く伝わってる所もある、そういう意味では、僕自身が思春期を思い出して作ったことがことが伝わったのかな、などとコメント。


ジブリ初の全編英語歌詞のテーマ曲、プリシラ・アーンが引っ込み思案だった学生時代を思い出しながら書いた歌詞が、杏奈の心情にぴったりだった、とのことで、

「So, I learned to be OK with  Just me, just me, just me・・」とソフトに歌い上げる、押しつけがましくない、この楚々とした清涼感ある曲もやはり、この作品の好感度の一つ、と改めて。




最後に、Wヒロインの声を担当した2人、高月彩良が米林監督の第一印象について、フワフワしたオーラを持ってて、森の妖精、という感じ、

有村架純が西村プロデューサーの第一印象について、目力が本当に凄くて、キッと見られると目をそらしたくなる感じ、と、述べて、それを受けてスタジオで、まとめると、妖精と目力、と笑いで締め。

そういう、このコンビでの、新たなジブリの息吹、も色々感じられて、私好みでもあった「・・マーニー」だけに、この放映後の制作部いったん解体、のニュースはとても残念、

鈴木プロデューサーの、宮崎後任は庵野英明監督、というような発言もあったようだけれど、そういう派手目路線とは別に、今回の少女漫画風ナイーブ路線を、今後何らかの形で是非繋げて欲しい、と願いたいです。

関連サイト:「思い出のマーニー」秘密を探る イギリス秘境旅 紹介サイト
思い出のマーニー 公式サイト
関連記事:男鹿和男展ゲド戦記(’06)プロフェッショナル 宮崎駿スペシャル崖の上のポニョ(’08)プロフェッショナル 宮崎駿のすべて<1><2>スタジオジブリレイアウト展借りぐらしのアリエッティ(’10)借りぐらしのアリエッティ(’10)<2回目>The Borrowers(’52)/床下の小人たち(’52)野に出た小人たち(’76)ジブリ創作のヒミツ~宮崎駿と新人監督 葛藤の400日川をくだる小人たち(’76)借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展空をとぶ小人たち(’69)小人たちの新しい家(’82)小人の冒険シリーズと「借りぐらしのアリエッティ」コクリコ坂から(’11)風立ちぬ(’13)<1><2>ひこうき雲/荒井由実(’73) ミュージッククリップ放映思い出のマーニー(’14)思い出のマーニー×種田陽平展思い出のマーニー公開記念 米林宏昌原画展思い出のマーニー / ジョーン・G・ロビンソン (’67)アニメーションは七色の夢を見る 宮崎吾朗と米林宏昌


  




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by MIEKOMISSLIM | 2014-08-24 00:05 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)


アニメーションは七色の夢を見る 宮崎吾朗と米林宏昌

先週8日(金)放映の、NHKのジブリ米林監督と宮崎吾朗監督のルポ番組、一部オンタイム、一部録画で見ました。

やはり「思い出のマーニー」公開タイミングに合わせて、だと思うけれど、米林サイドの「・・マーニー」制作と、宮崎サイドのNHKBSの新TVアニメ「盗賊の娘ローニャ」制作の様子を並行して、の内容。


a0116217_024763.jpg「・・マーニー」は宮崎駿監督も前から原作が気に入ってたけれど、

余りに(少女の)”内面の問題”なので、映画化は無理、アニメには出来ないだろう、としていた作品だったそうで、それに臨んだ米林監督。(→チラシ)

宮崎・高畑両監督が参加しない最初のジブリ作品で、制作に取り掛かる前スタッフへの挨拶で、

宮崎監督が引退したから、こんな作品しか創れなかった、とは言われたくない、などと決意表明、激励してて、

この作品を選んだのは本人でなく、鈴木プロデューサーらが、多分米林監督の資質も考慮して、だったのだろうけれど、まあこういう過渡期だからこそ、実現した企画、とも改めて。


a0116217_082629.jpg米林監督が冒頭で、杏奈の描写の特徴として、目の下の黒い線を入れないことで、ちょっとした表情の変化が出れば、のように語ってたり。

やはり今回も、色々細かい所への工夫、こだわり、というのはいつものことなのだろうけれど、

やはり杏奈の微妙な心情表現、には苦心があったようで、初めて「湿っ地屋敷」を見た杏奈、のシーンで、わずかな時間の、髪や背景の草のなびきをどうするか、など映像を見て、スタッフと協議してたり、

心の内を余り表情に表さない異色ジブリヒロイン杏奈の微妙な心情を、ナレーションに乗せるのもやりたくないし、行動や表情の変化で表せれば、などと語ってて、

水や草などの自然描写での工夫と合わせて、確かに宮崎作品のダイナミック映像、とは一線を画す新たな路線、と改めて。

そういう繊細な方向を探っていける米林監督は、先日も原画展で、少女画が得意でルーツは少女漫画好き嗜好、というのもあったし、

「・・アリエッティ」では、アリエッティのちょっとした仕草などにそういう資質も垣間見えたりしつつど、基本的に宮崎駿監督脚本、というのもあって、そう繊細な少女の心情表現、という感覚はなかったけれど、
            

ちょっと風貌はもさっとしてるけれど、この人ってある種、岩井俊二監督や松本隆のような”女の子感覚回路”を自然と備えた男性クリエーターじゃないか、という感じが今回じわじわ。


a0116217_041730.jpgそれと、今回美術監督は種田陽平氏、実写畑の人がアニメの、というのは異例らしく、

多分「・・アリエッティ」の時の、美術館展示での小人ワールド立体化功績があっての今回の抜擢だろうけれど。(チラシ裏→)

これまでなかったリアルな背景創り、というのも特徴、先日の「・・マーニー×種田陽平展」(↑左、チラシ)でも、屋敷の模型や、実際に家が建てられそうな、という設計図もあったけれど、

部屋の細部にわたってのリアルさ追求のための細かい指示、

マーニーの部屋の模様のあるベッドの布団にマーニーが飛び乗る6秒程の映像のために1か月かかったり、とか、アニメーター達も本当に大変、時間が押してくるのも当然、というか。

私が作品を見た時感じた昔の”少女漫画”テイストも、ストーリー内容+そういう細かいこだわりの甲斐あっての映像美、もあったのかも。


8/16追記:先日鈴木プロデューサーから、一旦ジブリ制作部解体の発表、それは春頃にはスタッフに伝えてあった、と見かけ、

「・・マーニー」が宮崎作品並のヒットはないだろう、と見限ってか、この作品の評判がどうであれ、内部事情での決定か?不明、

一部に宮崎・高畑後継者が育ってないから、のような声もあるけれど、私は今回米林監督が創り上げた繊細少女コミック風路線が気に入って、この監督を一つの軸にジブリの新たな息吹が、と期待を持ったのに、正直とても残念。



一方の宮崎吾朗監督、ジブリを出て、父の庇護のない所でやってみることを勧めたのは鈴木プロデューサー、だそうで、これももしかして、今回の発表を見越しての勧め、だったのかどうか?だけれど、

ジブリの手描き作業とは全く違う、3DCG駆使で、よそのスタッフとの現場での、こちらも色々と苦心だったようで。

でも、そもそもが建築畑出身で、そんなにアニメーターとしての経験ない時に「ゲド戦記」デビュー、を果たしたように、初の3DCG作品制作中も、それなりに対応してスタッフを引っ張っていってるような様子は、さすがに才能、というか。


宮崎駿監督が、米林、吾朗両監督の個性を比較して、麻呂の方が官能性がある、「・・アリエッティ」で形にして、大したもんだ、

吾朗監督については、粘り強さには感心する、よくこんな無謀なこと(親父の通った所を通る)をやる、どれ程の困難を伴うかと思う、僕ならそこでは勝負しない、のようなコメント。

まあ確かに、同じ映画監督、しかもアニメ、偉大な父と同じ道、というのは、長嶋一茂とかカツノリとか、俳優でも2世は色々いるけれど、

こういうジャンルだと、出来た作品自体の個性、というのはあっても、興行収入などでははっきり比較されてしまうし、だけれど、今の所、そこそこの高評価できている、というのは、それなりの資質の証明、でもあって、神経も太い人なんだろうか、と。


米林監督は、アニメーターの頃から宮崎駿監督に直接ノウハウの指導を受けたけれど、吾朗氏は一度も父からアニメについて教えられたこともなく、「ゲド戦記」の時も、父は猛反対してた、というのもあってか一切ノータッチ、

でも、その背中を見て育った父への敬意、というのは番組中もちらほら見えて、この世界が子供達が生きるに値する、ということを表現したい、などというのは、いつかお父さんも言ってたことそのままだし、

路を歩きながら、(父は)拾って歩く天才、者に限らずアイデアとか、本の中や現実の自分の周り、本当に拾って歩くのが得意と思う、だからオリジナリティがある、

拾ったものだけど、他の人にはガラクタとか、そもそも目に入ってないものを拾い集めて、それがこうだって組み合わさった瞬間に作品性のある希代なものに変身する、などと分析、

この人が父についてこういう風に話すのは初めて聞いたけれど、やはり父(の創る作品)への憧れ、積み重ねてきた思い、というのは根強かったようで。


私は「ゲド戦記」の、手嶌葵の「テルーの歌」シーンは結構インパクト、

         

でも全体の後味はやや微妙、「コクリコ坂」は、何だか”ジブリ後継者”っぽい安定感、+情感もあって良かった、と思ったけれど

本人は、自分は、この仕事出発時に、例えばアニメーターから始めた、とか、たたき上げてるわけじゃない、若いうちから積み上げて今がある、ということじゃない、

そうすると、自分の軸足をどこに置くのか、という問題もあって、今回ジブリを出て、この3DCGアニメで、自分の確かな軸足を作りたい、ということが背景にあったようで。

番組中、両監督とも、互いの動向、新作進行具合を気にしてる、ようなコメントもあったけれど、

吾朗氏にとっては、いくら駿氏の息子、という持って生まれた肩書はあっても、米林監督のような、ジブリたたき上げスタッフへの引け目、遠慮、というニュアンスも多少あるのか、

鈴木プロデューサーの勧めというのも含めてジブリ自体の節目、ということも大きかったのか、自分の資質も総合して、ということか、そのミックスか?。

資質としては、やはり米林監督の今回見せたナイーブ路線とは違う、ヒロイン少女の扱いについては、そう繊細、というより正当ジブリ的な、凛としてキビキビ正義感タイプ、なのかと思うのだけれど。


「・・ローニャ」自体は、ジブリで前から何度も作品化が検討されてて、「長靴下のピッピ」と同じアストリッド・リンドグレーン原作の企画を吾朗氏が持ち込んだ、という形のようで、10月スタート、テーマ曲を歌うのは再び手嶌葵らしく、

連続TVアニメって、長らく遠ざかってるけれど、これはやはりとりあえずちょっとチェックしてみたいと思う。


そういう所で、ジブリ後継者候補と言われてきた両監督の新作制作ルポ、ジブリ制作部解体ニュースもあって、ちょっと今後進路は?、だけれど、

記憶に新しい「・・マーニー」制作の裏舞台含め、2人のこれまでのプロセスや個性比較など、なかなか面白い内容でした。

関連サイト:アニメーションは七色の夢を見る 宮崎吾朗と米林宏昌思い出のマーニー 公式サイト盗賊の娘ローニャ サイト
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by MIEKOMISSLIM | 2014-08-14 23:59 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)


’13年度ベスト3作品 / 劇場・放映・上映会鑑賞

昨年度映画鑑賞は結局、新作4本と、放映や上映会での旧作13本の計17本。一昨年の35本からまた、その前年の18本並に半減、年明けてやや遅くなりましたけれど、やはりケジメとしてベスト3にして挙げておきたいと思います。


1 風立ちぬ(’13)<1><2>:久方の宮崎ジブリ作品+、一昨年度、その前年度1位の「虹色ほたる 永遠の夏休み」「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」同様ユーミン主題歌、しかもかの「ひこうき雲」、ということで、見る前から未知数の期待膨らんだ作品。

結果的に宮崎監督の長編ラスト作品、ということになり、自分のこだわりの飛行機テイスト満載+堀辰夫の「風立ちぬ」の純愛テイストを絡め、そしてやはり締めの「ひこうき雲」、この起用を機に、この曲が巷に流れている現象自体、感慨、という一つのイベントだった。
  
 


2 ジャックと天空の巨人(’13):試写会で見たファンタジーアドベンチャー、「ジャックと豆の木」を下敷きに、天空や地上でのダイナミックなCG映像、ユニーク強面の巨人達、ロマンスも適度に組み入れて、楽しめた作品。

 


3 バグダッド・カフェ(’87):随分久方に、図書館上映会の機に見たこの作品、粗筋は覚えあったけれどストーリーの詳細で、そうだったのか、という箇所も折々、でもやはりテーマ曲「コーリング・ユー」と、乾いたアメリカ砂漠地、織りなす人間模様の何とも言えないフィット感が絶妙、と改めて、というノスタルジー作品。

  


主演女優賞:ナオミ・ワッツ(インポッシブル(’12)) / 主演男優賞:アルバート・フィニー(オリエント急行殺人事件(’74)) / 子役賞:モルガナ・ディヴィス(パパの木(’10))/

テーマ曲賞<新作>:ひこうき雲 / 荒井由実(風立ちぬ(’13)) /

        
    

テーマ曲賞<旧作>:コーリング・ユー / ジュベッタ・スティール(「バグダッド・カフェ」(’87)
         
        


昨年は、最大注目だった「風立ちぬ」は試写会で見られたし、やはりあえて正規に入場料を払ってでも、という作品はなく、そういうモードにもならず。

一昨年より鑑賞が減ったのは、一つは近隣の図書館上映会が午後にある土曜が、夕方以降に定期の仕事が入ったので、時間的に不可能ではないのだけれど、気分的に忙しなくて、たまたま空いた時以外はやや気になる作品ではあってもパスしてきたのと、

新作同様、あえてDVDレンタルで見たい、という作品もなく、そういう心境でもなかった、ということ。思えば今年になって以降も、鑑賞ゼロ。昨年末放映あった「おおかみこどもの雪と雨」は録画で昨年中に見ていたのだけれど、どうも何だか感想をまじまじ、という気になれず保留のまま。

かといって、やはり琴線に触れるような新旧作品は機会ある限り見てみたい、という気持ちはあって、今年もそれなりに出来る限り、という所です。

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by MIEKOMISSLIM | 2014-02-04 22:40 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)


「インポッシブル」マリア・ベロン来日 「心の復興を考える」トークイベント

昨日、新宿のパークハイアット東京で、先日試写会で見た「インポッシブル」のモデルの一家の母、スペイン女性、マリア・ベロンを招いてのトークイベント、招待メールが来ていて、都合も合ったので、行ってきました。


a0116217_492937.jpg前日にチェックしたら、ここは新宿西口から徒歩13分、とのことで、エルタワー前からの送迎バスで行くことに。

9人乗りという小型バスがちゃんと来て、女性3人組、男性1人と共に乗り込んで、ビル群を通って5分位でパークハイアットへ。

39階の会場、ヴェネシアンルーム前の受付けで、メール印刷した紙を見せたら、映画のパンフらしき冊子をくれて、

挟んであったのは、試写会での平和な灯籠揚げ風景とは違う種類の、内容の核を表すようなチラシ。(→)


また、パンフの裏表紙(↓(C)プレシディオ)に、劇中の一場面、夜避難先で老女(ジェラルディン・チャップリン)が、一家の次男トマス(サミュエル・ジョスリン)に星のことを語るシーン、と気付いて、

a0116217_11750.jpgやはり、特に意味のないシーンをこういう風に使う、というのも考えにくいし、

あのシーンって、老女の、今ここに見える星が、実際あるのか、もう存在しないけれど光だけが届いているのか、知るのは「インポッシブル」という科白があって、ちょっとしたミソだったのだった、と改めて。

ゆったりしたフロアの椅子でパンフやチラシを見てたら、15分前に会場に案内され、ステージでは、中央で映画の映像、席は前2列がマスコミ用、後2列が一般用、4~50席位。

この招待は20名、とあったのだけれど、割とこじんまりしたイベントのようで。


座席も最初まばらだったけれど、開始の頃にはほぼ埋まってて、参加者4人が紹介され、入場。ベロンさんは、黒髪、黒いカーディガンを羽織った中年女性、地味ではあるけれど、知的な印象も。

参加者は彼女の他、進行役を兼ねての、ジャーナリスト大谷昭宏氏、大学教授で元宮城県知事の浅野史郎氏、日本赤十字社の槙島敏治氏。この中で、TVで薄っすら姿、名に覚えあったのは、大谷氏。



災害後の複雑な心境、3年経って、初めてラジオでその経験を語り、この映画に携わった彼女の思い、

スマトラ沖地震をリアルに題材にしたこの作品の、日本での公開、ということに関連して、東日本大震災の被災者の心のケア、ということの難しさ、問題、この作品に見られる価値、など1時間弱のセッション。


5/19追記:大方のトーク内容は、このサイトで見かけた通り。

シネマトピックスオンライン 映画インポッシブル」マリア・ベロン来日’心の復興”を考えるトークイベント<1><2>


5/20追記:ベロンさんは流暢な英語、それを通訳の人が訳して、発言で印象的だったのは、映画創りに参加することで、リハビリにになった、

撮影中、収まってたPTSDの症状も出て、出産のようで、辛くもあったけれど、生まれた子供を見て嬉しい、のような話。

また、大災害から、何のために生き残ったんだろう、なぜ自分達一家が生き残ったのだろう、と、罪悪感に塞いでいた時、三男サイモンに、そんな答えのない、バカな質問しないで、と言われ、考えても意味がない、と吹っ切れてきて、

どうでもいいことに時間を費やすのはやめて、この先、自分の思いを伝えていくことが重要、という心境になれた、というようなコメント。


5/21追記:参加者の内、浅野氏は元宮城県知事、という肩書きではあるけれど、被災地関連、というより近年白血病を患い、それを克服、という体験が、大災害を生き延びたベロンさんとの共通点、

また被災地の復興、という方向と重なる、という趣旨でのトーク。病後の免疫の関係で、震災後の宮城には行ってない、とのことで。病気によって、得たものも多く、ミッションをもらったと思う、などのコメント。

この人は馴染みなかったけれど、豪放タイプの政治家だったような感じ。


槙島氏は、元外科医、3.11震災後の心のケアコーディネーターをしてきた、という、やはり浅野氏よりナイーブ、というか柔らかな物腰、

この人のトークで印象的だtったのは、震災の被災者の問題で、家族の結びつき、家族のためにも生き残る、家族を探す、という気持ちが力にもなるけれど、

家族が亡くなってしまった場合、自分だけが生き残った罪悪感、また、取り残されてしまった、裏切られた、というような心境になってしまうことも問題、のようなコメント。

また、阪神・淡路大震災との違いは、その時の行方不明者は2人、今回の大震災では2300人、とのことで、そこら辺、詳しく突っ込んでいた訳ではないけれど、

家族の誰かが津波に巻き込まれ行方不明のままの多数の被災者の方々、というのも、死亡が確認された場合とは違う意味で、気持ちの整理がつきにくいだろう、と改めて。

司会役の大谷氏がバランスを取ってはいたけれど、正直、そういう、この人が語る被災者のやや繊細な心の問題の現状と、

近年の大波乱を潜り抜けたベロンさん、浅野氏の人生前進ニュアンス、とはやや次元が違う、というか、噛み合ってなかった、という感じも。


ベロンさんは、このイベントの明後日仙台に行く予定、らしかったけれど、そういう、やはりいまだ色んな形で爪跡が残る被災地で、この人、また「インポッシブル」はどう受けとめられるのだろう、と改めて。

彼女がトーク後の質疑応答の時、マスコミの女性からの質問を受けて、被災者の方で、この作品を見ている途中席を立ったとしても、それはそれで正しいこと、のようなことを言ってたけれど、

この人の今回仙台での活動内容、反応は知らないけれど、少なくとも、実際、津波で劇中のような瀕死体験をした人ならでは、日本の被災地現場でも、”痛みを知る発信者”として、何か真摯に言える言葉はあるだろう、と思ったり、

映画に関しても、同じ大災害の現実に基付いて、真正面からリアルに創られた災害シーン、その中の、いつ死んでも不思議なかったある一家5人の人間の命からがらの記録、という価値はあるとは思うけれど、

やはり被災地での受け取られ方は、津波自体への衝撃、恐怖の度合い、心の復興のスピード、方法も違うし、「インポッシブル」感想記事に書いたように、元からスルーしたり、実際見て何かを得たり、拒絶反応起こしたり、人それぞれ、だろうと。


最後の質疑応答では、挙手したマスコミ側2人からの質問、その間、この場で私がベロンさんに聞いてみたいこと、として、

「劇中、母としての息子さん達への必死の思い、とはまた別に、ご自分がとても苦しい重症の状態にもかかわらず、他の子供を助けたり、

長男に病院で、人に役立つことをするよう指示、というような、理屈を超えたヒューマニズムが印象深かったのですけれど、

それは、ご自身の職業、医者としての使命感、もあっての行動だったのでしょうか?」というような内容が、めまぐるしく頭を駆け巡ったけれど、結局、大谷氏の合図があって、その2人分で終了、写真撮影に。


帰り、再び送迎バスで新宿駅まで、西新宿のビル群を通ってて、ここら辺も、まあ津波は来ないにしても、いつ直下型大地震とか、来てもおかしくないらしいし、

こういう堂々たる高層ビル群が無残に崩壊するような災害、も起こりうるんだろうか、とか、やはり、いつ何が起こるか判らない、日々コツコツとでも、なるべく悔いないように過ごすべき、とも改めて、というイベントでした。

関連サイト:シネマトピックスオンライン 映画インポッシブル」マリア・ベロン来日’心の復興”を考えるトークイベント<1><2>映画「インポッシブル」 公式サイト
関連記事:インポッシブル(’12)


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by MIEKOMISSLIM | 2013-05-18 03:48 | 映画全般 | Trackback(1) | Comments(0)


2012年 第86回 キネマ旬報ベスト・テン 第1位映画鑑賞会と表彰式

昨日、銀座ブロッサム・中央会館で、昨年度のキネマ旬報ベスト・テンの、文化・日本・外国映画のそれぞれ1位作品の上映+各賞の表彰式、招待券が来ていて都合も合ったので、通しで見てきました。

10:30~ほぼ19:30の長丁場、1日3本、というのは、劇場、DVD・ビデオ、録画でもちょっと覚えなく。どの程度の込み具合?と思ったけれど、結構常時、満席状態。


スケジュールは、合間に2、30分ずつ休憩取りながら、以下の順番で進行。

★文化映画ベスト・テン第1位作品賞「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」上映

★外国語映画ベスト・テン第1位「ニーチェの馬」上映

★日本映画ベスト・テン第1位「かぞくのくに」上映

★表彰式

  ムービープラス・アワード2012 ベスト作品賞 邦画部門 「のぼうの城」

  日本映画作品賞「かぞくのくに」
  外国語映画作品賞「ニーチェの馬」
  文化映画作品賞「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」
  監督賞 周防正行
  外国映画監督賞 マーティン・スコセッシ
  脈本賞/読者選出日本映画監督賞 内田けんじ
  主演女優賞/助演女優賞 安藤サクラ
  主演男優賞 森本未來
  助演男優賞 小日向文世
  新人女優賞 橋本愛
  新人男優賞 三浦貫大
  読者選出外国映画監督賞 ベン・アレック
  キネマ旬報読者賞 大高宏雄


上映の3作品については、今後、個別の記事で。

最後の表彰式は、18:00からで、締めのイベント、司会はフジテレビの笠井信輔アナウンサー。

「ニーチェの馬」の監督、スコセッシ、ベン・アレック監督は来場せず、配給元の人などが代理で出席、その他は、1位作品の監督初め、本人が登場。私は皆、生(ナマ)で、というのは初めての面々。

「かぞくのくに」のヤン・ヨンヒ監督は女性、というのもやや意外だったけれど、自身在日コリアン2世で、実体験を元に自ら脚本も手掛けた作品、安藤サクラが演じたヒロインが、同監督自身に当たるのだった、と。

「ニッポンの嘘・・」の長谷川三郎監督は、もっさりした感じの人で、福島菊次郎氏自身の、この映画を見た感想は?と聞かれて、特に何も言わなかった、後で本人に聞いたら、

作品中の写真で表現してるので、何も言うべきでない、と思った、(写真の主要モデルの一人、原爆被爆者の)中村さんのことなどを思い出して、感に入ってしまった、と語ってた、のようなコメント。


周防監督は、イメージ通り飄々とした物腰、受賞対象だった「終の信託」について、自分の妻(草刈民代)が出演している作品と、他の作品の違いは?と聞かれ、やや苦笑しながら、この作品を手掛けること自体が重かったので、特に意識はなかった、

(妻に対して)ダメだししにくかったか?に対しては、そういうことはないし、終わってからも、通常に家庭生活を営んでいる、のようなコメントで、会場に緩い笑いが広がったり。


内田監督作は、私は「運命じゃない人」を前に見ていただけ、詳細やや薄れてるけど、ちょっと入り組んだ構成が面白かった覚え、同監督の挨拶で、先の周防監督談から、

「周防監督でも、映画監督として(表彰の文中の)何が優秀なのか判らない、ということで、自分も判らなくてもいいいんだ、と安心しました」のようなコメントで、笑い。

監督の自分から脚本家の自分の褒めたい所は?と聞かれ、ベタな設定を押し通す所、逆に脚本家として監督の自分のいい所は?については、キャストに恵まれてる、のような答え。


主演&助演女優賞W受賞の安藤サクラ、この人って、奥田瑛二の娘だったのだけれど、天然、天真爛漫キャラ振りまいてて、

途中夫の話になって、ノロケ的に、まだ結婚して1年経ってないので、などと言ってたけれど、相手は柄本佑だったのだった、と。何だか、知らない間に、色んな2世俳優が現れてるものだ、とも改めて。

新人女優賞の橋本愛も、なかなかの天然ぶり。私はこの人は初耳だったけれど、仕事で接触ある女子高生言うには、今、結構色々出てる、そうで、

先週ちょっとチラシ裏の、この表彰式の受賞者メンバーを見せたら、一番興味あるのはナマ橋本愛、のようで。


小日向文世も、イメージにそう違わないソフトな物腰、挨拶で、これが自分の映画賞初受賞だ、という話に、場内からちょっとどよめき、確かに、長いキャリアのどこかで助演男優賞、とかあってもおかしくなかったような。

なのでとても嬉しい、ということだったけれど、2位は誰だったのか?、本人が、今回1票差での受賞だった、というのにも、会場に笑い。


三浦貫大は、自分でも、もう28才で、新人賞受賞者らしいフレッシュさがなくて申し訳ないです、などと挨拶で言ってたけれど、デビュー作「RAILWAYS・・」は’10年公開、この新人賞って、特にその年デビュー俳優、でなくてもOKなんだ、と。

「RAILWAYS・・」の時は、後で三浦友和&百恵夫妻の息子、と知って、そう言えば、特に百恵似面差し+若い友和風な硬派っぽさも、とちょっと感慨、だったものだけれど、

まあ「あなたへ」で見かけた時もちょっと思ったように、今回のナマ姿、でも、余りそう両親の遺伝子の風情、というより、一俳優、という感じ。

でもやはり、両親のこの受賞に対しての反応は?、など聞かれてて、2人ともメールで祝福、だったらしく、自分の出演作については、特に何も言われず、見てるのか見てないのか判らない、などという返答。


主演男優賞の森本未來は、九州の舞台を終えて飛行機~タクシーで移動中、後回しになってて、途中、笠井アナも折に、先程渋滞のため高速道路を降りたらしい、とか、この人のタクシーの移動情報を伝え、

この人の受賞対象作品の「苦役列車」、ならぬ「苦役タクシー」のようで、などと笑いを取ってたり、森山さんを待つため、ゆっくり進行、の指示があったので、受賞挨拶はたっぷりで行きましょう、のようなことを言って、

次の番だった安藤サクラが顕著な困り顔、「安藤さん、そんな顔しないで!」となだめる、などというシーンもあったけれど、とうとうラスト1人の大高宏雄の番。

大高氏が、笠井アナに「森山さんが来るまで引っ張りましょうか?」のような伺いをして、同アナが、大丈夫です、のような仕草、会場に笑い、の後、キネマ旬報の意義、のようなことも含め、やや長めのコメント、

そして大高氏の後、間に合って到着した森本未來が登場。この人も、名は聞き覚えあっても初見、グレーのスーツと、一人だけ同色の帽子、姿で、長身の飄々とした風貌。


で、一連のイベント終了。見た3本は、まあ事前にそうは思っていたけれど、どれも気軽に楽しめる、という内容ではなかったけれど、とりあえず「キネマ旬報」的ベスト3本、を見終えられて、

表彰式も、実際見た作品で絡んでたのは、当日上映の3本、三浦貫大の受賞対象作の1つ「あなたへ」だけだけれど、やはり「キネマ旬報」的、旬の面々、

まあスコセッシ監督登場、などは、ハナから期待してなくて、邦画界の馴染みの周防監督、小日向文世、三浦貫大、少しだけ馴染みの内田監督、などのナマ姿、談話も楽しめたし、満足のイベントでした。

関連サイト:キネマ旬報ベスト・テン
関連記事:それでもボクはやってない(’07)草刈民代・久石譲ETV特集 今村昌平に捧ぐニューヨーク・ストーリー(’89)ノー・ディレクション・ホーム(’05)恋の門(’04)ALWAYS 三丁目の夕日(’05)UDON(’06)ミラクルバナナ(’06)虹の女神(’06)7月24日通りのクリスマス(’06)HERO(’07)ALWAYS 続・三丁目の夕日(’07)ハッピーフライト(’08)ハッピーフライト(’08)RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の物語(’10)あなたへ(’12)
<スレッドファイルリンク(ここでは「ALWAYS 三丁目の夕日」「虹の女神」)は開かない場合があるようです。>

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                      <チラシ>

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by MIEKOMISSLIM | 2013-02-11 22:02 | 映画全般 | Trackback | Comments(4)


大島渚監督の訃報

先週大島渚監督の訃報、先日からTVのニュースやワイドショーで、折々葬儀の様子を目にしました。

大島作品には、私は特に、という馴染みもなく、同監督自身についても、TV討論会での論客ぶり、右半身マヒや言語障害に見舞われて、というのはたまに目にしていても、特に思い入れもなく、

追悼、というまでの気持ちにはなれないけれど、今回の報道で少し思う所あったり、近年見てちょっと印象的だった作品が浮かんだりしたので、訃報記事に。

                


「戦場のメリークリスマス」「愛のコリーダ」など、大分前に見たのだけれど、「戦場・・」は、テーマ曲は耳馴染み、でも作品内容の記憶薄れてて、「愛の・・」も薄っすらハードコアシーンが延々、という感触のみ。

最新で見たのは、同監督が手掛けてたTVドキュメンタリー「氷の中の青春」('62)「忘れられた皇軍」('63)。

3年前、近くのホールでのドキュメンタリー・フェスティバルの河瀬直美監督が出演の時、見に行って、内容は河瀬監督が選んだ、この大島2作品の上映+トークショー。

特に、2本目の「忘れられた皇軍」は、日本兵として戦って身体に傷を負った在日韓国人達が補償を求める姿を追った、モノクロのドキュメンタリー。

終盤の、彼らの宴会がヤラセだったらしいことについては、”ドキュメンタリー”自体について思う所もあったりしたのだけれど、

日韓の摩擦を題材にした作品としては、フィクション、ノンフィクション含め、対象の肌身感、など見た中で最もインパクト、この作品の影響もあって、その後裁判、という社会を動かした実際的な影響も目にしたり。

河瀬監督は、「この作品のプロデューサー牛山(純一)氏のような存在がなく、自分単独で、だと、こういう作品を作り発表することで、この方々への一部責任を負い、今後も共に生きる、という覚悟がなければ、私にはこういうものは作れない」、などと語ってたのだったけれど、

時代柄もあってか、ああいうザラッとストレートに対象の主張、感情に肉薄したドキュメンタリーって、ある種の純愛もの同様、今や製作不可能かも、とも思うし、

マイベスト、という訳ではないけれど、やはりこれが一番、記憶にも新しく、インパクト残ってる大島作品かと。



そして今回の訃報報道で、まず目に付いたのは、弔辞を読む坂本龍一。同監督に「戦メリ」に俳優として抜擢され、音楽担当を申し入れたら二つ返事でそれも任された、という所から、自身飛躍のきっかけになった、などと感謝。

式場でも、出棺の時「戦メリ」の曲が流れてて、そう言えば、同監督のオファーがなければ、あの超スタンダード曲自体も生まれなかったのだった、と。

         


そして、参列していたビートたけしがインタビューで、やはり同監督が「戦メリ」に自分を出してくれたお陰で、その後、映画界へ進出のきっかけになった、ような内容の感謝の意を述べ、

俳優として全く未知数だった2人を大抜擢、結果として音楽、映画で、世界の坂本や北野、のルーツ的な存在だった、というのも改めて。



また、今回の報道で、一番印象的だったのは、妻、小山明子の喪主としての、悲しみの中にあって凛とした物腰。

そして、同監督が17年前脳出血で倒れて以来、女優業から引いて、自身介護うつ病に見舞われたりしながらも、介護についての講演、執筆業などしながらずっと闘病生活を支えてたのだった、という経緯。

正直、近年ネット上で垣間見知った映画関係者の、色んな意味で不快、悪寒極まりない公然の不倫沙汰、での先入観もあって、

この大島監督の場合も、「愛のコリーダ」のような作品を扱ってきたイメージも加わって、反射的に、幾ら世界的に著名、社会に問題提起、

2人の息子がいて、などといっても、その実際、一個人としての人となり、価値観、家庭生活、というのも裏側は?と穿ってしまう感覚も。

まあ晩年長期間、健康な状態ではなく、病身となってしまって、身内のケアが必要、という事情もあったかもしれないけれど、

喪主として、という究極の夫の最期の時、「仕事も、家庭人としても夫としても尊敬できた。だからここまで私も頑張ってこれた」などという言葉が、全く波風がなかった、訳でもないかもしれないけれど、

夫婦間の絆というか、同監督の人間性、というのが一部滲み出てるような気がして、ちょっと感慨、という報道でした。

★Twitterは原因不明の「アカウントの凍結」状態で、休止中です。

関連サイト:大島渚さん死去 MSN産経ニュース闘うドキュメンタリー時評 座・高円寺 ドキュメンタリー・フェスティバル<前編> 映画芸術
関連記事:氷の中の青春(’62)・忘れられた皇軍(’63)/河瀬直美トークイベント沙羅双樹(’03)(「KYOKO&イランはじめエスニック映画」スレッドの36)、殯(もがり)の森(’07)七夜待(’08)プレミアム10 YMOからHASへ坂本龍一×役所広司~世界が求める日本のカタチ~SONGS 坂本龍一ETV特集 細野晴臣 音楽の軌跡~ミュージシャンが向き合った「3.11」~SONGS 槇原敬之TAKESHIS'(’05)監督ばんざい(’07)あなたへ(’12)
<スレッドファイルリンク(ここでは「沙羅双樹」)は開かない場合あるようです。>



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by MIEKOMISSLIM | 2013-01-23 23:16 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)


'12年度ベスト5作品 / 劇場・DVD・放映・上映会鑑賞

昨年度映画鑑賞は、新作9本、DVD・TV放映・上映会での旧作26本で合計35本。一昨年の各2本、16本の合計18本よりは倍増、やはりケジメとして新旧織り交ぜですけれど、印象深かったベスト5作品を挙げておきたいと思います。

1、虹色ほたる 永遠の夏休み(’12):ユーミン主題歌という興味で、昨年唯一試写会以外で見た新作。ラフなタッチのどこか懐かしさ漂う絵柄のノスタルジックな世界も思ったより好感、挿入歌ユーミン曲「水の影」もサプライズの感動。




2、中島みゆき LIVE&PV 「歌姫 劇場版」:貫禄の歌唱力のみゆきさんワールドをスクリーン+劇場音響で体感、懐かしいみゆき節曲熱唱もあり、外人ミュージシャンとのセッション、海外での撮影PVなど多彩さも。




3、’時をかける少女(’83)<1><2>:図書館上映会で、久し振りに鑑賞。やはり”あの頃の原田知世”ならではの、ナチュラルに清楚なヒロイン像、彼女がか細い透明ボイスで歌うユーミン曲、ストーリーのてらいない切なさ、正隆氏の音楽などミックスの、色褪せない青春もの金字塔作品、と改めて。




4、ひみつのアッコちゃん(’12):懐かしのアッコちゃんの実写映画化、アニメ世界の「テクマクマヤコン・・」ノスタルジー+綾瀬はるかの中身小学生~OLとして大人世界での奮闘ぶりもハマって、意外と面白かった、怪作。




5、ヘルプ~心がつなぐストーリー(’11):'60年代のアメリカ、当然のようにまかり通っていた黒人蔑視、コミカルさも交えての黒人メイド達の奮闘、白人グループの中で浮きながらも擁護側に廻る若き女性の奮闘ぶりが、意外とじんわり感動的。




次点、僕達急行 A列車で行こう(’12):故森田芳光監督の遺作として、松ケン&瑛太コンビのまったりモード、全編に電車愛ほとばしる、ほのぼの感残った作品。




★主演男優賞:高倉健(あなたへ(’12))、主演女優賞:綾瀬はるか(「ひみつのアッコちゃん」(’12))、動物賞:まさお君((LOVE まさお君が行く!(’12))、歌唱賞:中島みゆき(「中島みゆき LIVE&PV「歌姫 劇場版」)・仲手川裕介(SPANK PAGE)<コユキの歌唱シーン>(BECK(’10))、コスチューム賞:GSワンダーランド(’08)、芸術賞:トスカーナの贋作(’10)

今年はどうなるか?ですけれど、基本的に何らかの心の糧となるような、色んな意味で豊かな作品を出来るだけ見る機会を持てたら、と思います。


関連記事:’05年度ベスト10作品’06年度ベスト10作品’07年度ベスト3作品’08年度ベスト10作品’06年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’07年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’08年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’09年度ベスト5作品/DVD・ビデオ・放映鑑賞’10年度ベスト5作品/DVD・ビデオ・放映・上映会鑑賞<1><2>’11年度ベスト3作品/劇場・DVD・上映会鑑賞
(スレッドファイルリンク(ここでは「’05年度ベスト10作品」「’06年度・・」「’07年度ベスト3作品」「’08年度ベスト10作品」)は開かない場合あるようです。)

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by MIEKOMISSLIM | 2013-01-11 01:25 | 映画全般 | Trackback(2) | Comments(0)


淀川長治 世界クラシック名画を語る(’96)

一昨日、阿佐谷図書館の映画会で、淀川長治さんのクラシック映画紹介のビデオ上映、都合も合ったので見てきました。

生前TV東京の番組「淀川長治の部屋」の、映画上陸100年記念特別企画で、クラシック映画45作品を紹介したコーナーのビデオ化、最後にチャップリンとの思い出話もあって、59分の作品。どうもDVD化はされてないようで。

’98年に亡くなって13年、だったのだったけれど、久方に聞く、独特のまくしたてる語り口。紹介作品は’20~'50年代のもの中心、サイレントのも割とあって、ほとんどがモノクロ、カラーは「野ばら」と「イワン雷帝」位。

この中で、私が確かに見た覚えあったのは「モロッコ」「第3の男」「禁じられた遊び」「道」。

「禁じられた・・」では、幼い少年、少女の姿が郷愁、だったけれど、少女が少年を動かす様が、あんなに幼くして男を操る女の性質を見たようで驚いた、のようなコメントで、この作品のそういう切口は初めて、で、ちょっと意外。

これらの作品は、どれも見たのは結構前、折あればもう一度見直して見たい気が。「道」などは、以前より今の方が断然、じんわり苦味感じそうではあるけれど。


「キング・コング」「オペラ座の怪人」などは、近年リメイクを見たけれど、当時のオリジナルの素朴さや、ある種薄気味悪さ。

「ウィンダミア夫人の扇」は、タイトルは変わってたけれど、近年スカーレット・ヨハンソン絡みの何か関連作があった、と思ってたら、そのオスカー・ワイルドの同名原作の「理想の女(ひと)」だった、と後で判明、

当時の感想を見直しても、どうも内容記憶薄れてるし、このオリジナルものも折あらば、とも。


未見のもので、折あれば見てみたい、と思ったのは、やはりミュージカル・音楽ジャンルの「ジャズ・シンガー」「会議は踊る」「42番街」「野ばら」、「会議は踊る」は「ルージュの伝言」でユーミンとお母さんの談話中出てきてたり。

チャップリン作品の「チャップリンの番頭」「「チャップリンの移民」「キッド」「黄金狂時代」、ラブロマンスジャンルでは「ある夜の出来事」「終着駅」、

文芸ドラマジャンルの「制服の処女」「若草物語」」など。また銀幕の美男・美女ジャンルで、ディーとリッヒの「嘆きの天使」。

あと淀川さんが、チャップリンの「黄金狂時代」と共に、2つの好きな作品、として挙げてた「戦艦ポチョムキン」も、群集、様々なものが階段を駆け下りるシーンなどダイナミック、ちょっと興味。

その他ちょっと印象に残ったのは、「チート」に出てた今回唯一登場の日本人、早川雪州が、初代銀幕の美男、と紹介され、次がルドルフ・ヴァレンチノだった、とか。

早川雪州は、確かにニヒル、でもそう特にインパクト、という訳ではないけれど、何かで見た覚え、と思ってたらもう少し後年「戦場にかける橋」に出てたのを放映で見てたのだった、と。


そして、密度的にはこれらの映画紹介に匹敵、さらに上かも、というのが淀川さんのチャップリン話。チャップリンへの心酔ぶりが伺われる情熱的な語り口。

ポーレットとの新婚旅行で極秘に来日の際、それを知った淀川さんが、仕事を抜け出して神戸港に会いに行き、ユナイテッドという会社で、彼の映画の宣伝をしてる旨必死にアピール、5分間だけ会わしてもらうことになったけれど、

当人を前に、数々のチャップリン作品を熱く語り、40分の会談に。ポーレットが港で真珠を買うのに付き合い、本物か?ときかれ、明らかに偽物と知ってながら、日本人として本当のことは言えず、

「真珠のミキモトによると、舐めてみて冷たかったら、いい真珠らしい」と答えて、嬉しそうに買い物するポーレットの気持も傷つけずことなきを得て、チャップリンに感謝された、のようなエピソード。

その13年後、「ライムライト」撮影中のチャップリンに会いに行って、自分のことを覚えてくれてて、貧しいスタジオで「Time is great answer」の科白を5度撮リ直す姿に感激、暗黙の儀礼として写真はとらず、

それを感謝してくれて、伝記にサイン+my friendと書いてくれた、のようなエピソードをエネルギッシュに語る様子は、本当に熱狂的1ファン老人、のようで、チャップリンの映画に人生を教えられた、とか救われた、という身に染みたものが滲み出てた感じ。

                               (C)(株)にっかつビデオ
a0116217_0245330.jpgそういう、ちょっとレアもののビデオ上映鑑賞だったけれど、淀川さんと言えば、私はAOL時代映画スレッドに初めて投稿した「KYOKO」スレッドに、この人の「KYOKO」評「淀川長治の銀幕旅行 「「KYOKO」アメリカン・スタイルの巧み」をリンク。

「KYOKO」は私にとって、このヒロインと似たルート旅をしてたり、この作品を思う心境とか、好きな作品、というのとはある種別格的な作品。いまだに、あえて省く気にもならずブログ名に入れ続けてるのだけれど、

この作品での高岡早紀の躍動感、価値、日本の若い女性ヒロインのアメリカロードムービーとして、とか、映画関係者からは、村上龍作品へのある種のやっかみもあってか、余り真っ当に評価されてない感覚。

でも淀川さんの、柔らかな感性での温かいレビューを目にして、何だか嬉しかった覚え。これは今思えば亡くなる2年前、このビデオ製作と同じ頃だったのだった、と。

そういう事も脳裏を巡った、今回の鑑賞でした。

関連サイト:Amazon 「淀川長治 世界クラシック名画を語る」阿佐谷図書館 映画会
関連記事:理想の女(’04)戦場にかける橋(’54)KYOKO(’05)モダンタイムス(’36)チャールズ・チャップリンETV特集 チャップリンの秘書は日本人だった靖国 YASUKUNI上映禁止街の灯(’31)
<スレッドファイルリンク(ここでは「理想の女(ひと)」)は開かない場合あるようです。>


      
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by MIEKOMISSLIM | 2012-06-04 00:07 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)


’11年度ベスト3作品/劇場・DVD・上映会鑑賞

昨年の映画鑑賞は、結局新作2作、DVD・上映会での鑑賞16作。一昨年の各9作、18作よりさらに減りましたけれど、震災後の自粛、心境の変化、英検対策での多忙などトータルすれば、正直、18作品見ていたのだった、とも。

やはり年頭、ケジメとして、今回は全て総合でベスト3にして、印象深かったものを挙げておこうかと思います。

1 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(’11):前作に引き続き、ユーミン主題歌、という興味もあって、年末の締めに鑑賞。三浦&余演じる夫婦間の、紆余曲折ありながら、心情を丁寧に追った誠実さに、心洗われた思い。




2 ソラニン(’10):DVD鑑賞。ラスト、宮崎あおいの、こなれてはないけれど素朴なボーカルが、音楽は素人ヒロイン、その目一杯のパフォーマンス、という気持が伝わってきたようでインパクト。




3 友だちのうちはどこ?(’87):図書館上映会で見たキアロスタミ作品。前にビデオで見て以来、久し振りでしたけど、改めて、友だちのノートを家に返しに行く、というシンプルな筋だけで、こういう作品が出来ていた、と少し感慨。




次点:その日のまえに(’08):DVDで見た大林作品。映像的にどうも今一、という所はありましたけど、生死を包み込んだ大らかなファンタジーは、やはり大林作品パワー。



★主演男優賞:三浦友和「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」、主演女優賞と歌唱賞:宮崎あおい「ソラニン」、助演男優賞:アハマッド・アハマッドプール「友だちのうちはどこ?」(ノートの持ち主の泣き虫の少年)、助演女優賞:ヴェラ=エレン「踊る大紐育」('49)(ミス地下鉄)、動物賞:街中に溢れた豚の大群「豚と軍艦」('61)、紀行賞:素晴らしい風船旅行('60)

三浦友和は昨年、「借りぐらしのアリエッティ」ポッドの声で助演男優賞に引き続き登場。「RAILWAYS・・」の感想でも触れましたが、この人も歳を取った、とは思いつつ、実生活での誠実さも渋く滲み出るような、一つ一つの表情が印象的。


引き続き、やはりまだエンタメは自粛モード、新作も当面これ、と言って興味引かれるものもなく、生活の中でのバランスなど、今年の鑑賞はどうなるか?不明。まあ新・旧作共、食指の動くものがあればその折々に、という所。

昨年は図書館上映での鑑賞も多かったですが、図書館上映室は1、2F、地震想定しても、気分的にまだ気楽だし無料だし、未見のもので、渋い作品があったりするし、今年も折あれば利用しようかと。それなりに、いい作品を楽しんで、糧にしたりリフレッシュしたいと思います。

関連記事:’05年度ベスト10作品’06年度ベスト10作品’07年度ベスト3作品’08年度ベスト10作品’06年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’07年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’08年度DVD・ビデオ・放映鑑賞’09年度ベスト5作品/DVD・ビデオ・放映鑑賞’10年度ベスト5作品/DVD・ビデオ・放映・上映会鑑賞<1><2>
(スレッドファイルリンク(ここでは「’05年度ベスト10作品」「’06年度・・」「’07年度ベスト3作品」「’08年度ベスト10作品」)は開かない場合あるようです。)

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by MIEKOMISSLIM | 2012-01-10 16:51 | 映画全般 | Trackback(1) | Comments(0)

    

’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!
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