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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!

by MIEKOMISSLIM

カテゴリ:本・洋画( 1 )

「マリリン 7日間の恋」記事で触れてたように、先月日本語版が新潮文庫で出てた、コリン・クラークの原作本の1冊を、先日読み終わりました。

翻訳は務台(むだい)夏子さんで、巻末に昨年のものらしい、サイモン・カーティス監督の序文と、脚本担当だったエイドリアン・ホッジスへのインタビュー付き。

作品+原作セット鑑賞は、思えば「借りぐらしのアリエッティ」以来。文章自体は読みやすく、内容も劇中内容に沿っての進行で、まああえて知らない方が良かった、という部分もありましたけれど、プラスα、として色々面白かった所も、という後味。


まず読んでみて良かった、と思えた一番の部分は、書かれてる限りでは、2人の間にはセクシャルな関係はなさそうだった、少なくとも、2人は淡い関係だったという趣旨で書かれてた、という事。

水辺でのキスシーンは本でも劇中の通り、だったけれど、マリリンの様子が不穏で騒ぎになった夜、窓から部屋へ忍び込んだコリン、そのヤマ場、というか、2人がベッドにいるシーンで、劇中では暗転、次のシーンでは翌朝になっていて成り行きがやや?曖昧、

私は正直、この2人の間に、その夜含め、全く何事もなかった、という事が有得るだろうか?と思ってたのだけれど、本の内容では、彼女が提案した”スプーン”、横たわったコリンの背中にマリリンの身体がぴたりと重なり、スプーンみたいでしょ!と彼女が言うような体制で、一夜を過ごした、と。

その他にもそれらしき記述はなく、むしろ劇中でよりも、2人の間で、演劇論、マリリンの女優としての方向性、また夫アーサー・ミラーとの関係に至るまで、公私に渡って、真剣な話し合い、コリンのアドバイス、のような部分が多く、

確かに1女性、大スター、としてマリリンに惹かれてはいるのだけれど、短い期間ではあっても、プラトニックで打算のないメンタル的相談相手としてのコリンという人物、としてのイメージが強い感じ。


a0116217_0131749.jpg思えば、彼の役割はオリヴィエの助手として「王子と踊り子」撮影を円滑に進めることで、そういう役割にマリリン(への情)が絡んできた、という所で、

新人という立場、周囲の監視、注目度的にも、いくら魅惑的、奔放な相手だからと言って、人妻でもあるスーパースターの彼女と一線を越える、という余裕というか、そういうモードではなかった、というのもある種当然かも、とも。

また、もし実際全く淡い関係だけでなく、彼があえてそういう件には蓋をしてこの本を書いたのだった、としても、それはそれで、ある種の節操、筋を通す、という感じがして好感。

2人が息抜きに出かけた時、劇中ではなかったと思うけれど、軽食堂でサンドイッチにかぶりつき、マグカップからコーヒーを飲んでる彼女が、まるで女学生みたいに見えて、彼女に同情を覚えた、というような所があって、ちょっと印象的、

もしかして彼女が”マリリン・モンロー”になってなかったら、美人で繊細なノーマ・ジーンという市井の一女性として、こういうタイプの男性と、平穏な幸せ、という人生も有得たのかも、と改めて思えるような。

このコリンという人が、彼女の没後40年近く経ってから、また自分の他界する2年前にしたためたこの本が、スーパースター、でなく一女性として彼女と時を共有した、というスタンスで、男気、というか、”暴露本”というニュアンスでなく、大スターとの回顧本、としてある種の”品”があった、とも。


一方、読んで知らなくてもよかった、と思えたのは、7日間の終焉部分。劇中では、マリリンのアーサーの子懐妊判明、が2人の夢の様な一時の終り、という覚えだったのだけれど、本ではそれが実は流産だった、と。

私の見落とし、聞き落としかもしれないけれど、そういうニュアンスは劇中覚えなく、彼女の懐妊がある意味自然な終焉の一幕、と思ってて、そういう部分は原作をソフトに脚色してたのかもしれないけれど、やや感触が変わって、

一旦同行しながら、新婚の彼女を不安定なまま残して去ったアーサー・ミラーも問題かもしれないけれど、妊娠を意識してながらああいう風に、冷たい水場で若者と戯れたりして、

そういう無防備さも一因で、女性としての悲劇を生んだのだったら、自業自得的、ややシニカルで、一時の心の慰みのあげくそういう結果になってしまったというのも悲哀、だけれど、ちょっとこの恋物語に汚点、というかケチがついてしまった、という気がして、

そういうのは、あえて知らない方が良かった、と、そういう面ではこの原作を読んだことを少し後悔。まあコリンは、そういう事実を踏まえてあえて2人の間の精神、純愛面を強調した、という訳でもないと思うのだけれど。


そういう面もありましたけれど、劇中よりも結構エキセントリック、マリリンを巡って関係者達が右往左往する「王子と踊り子」現場の様子なども含めて、プラスαとして、なかなか興味深い一冊、という所でした。

関連サイト:Amazon「マリリン・モンロー 7日間の恋」「マリリン 7日間の恋」公式サイト
関連記事:マリリン 7日間の恋(’11)

               (C)(株)新潮社
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by MIEKOMISSLIM | 2012-03-27 23:05 | 本・洋画 | Trackback | Comments(0)