Something Impressive(KYOKOⅢ)


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LIFE 井上陽水~40年を語る~<1>

今週4夜連続での井上陽水特番、TV出演自体、私は見かけたのは3年前の「僕らの音楽」以来、単発ライブ映像等はあったかもしれませんが、こういう特集、長いインタビュー番組も覚えありませんでした。昨夜分は前半録画し損ねましたが、1、2夜は一部オンタイム、一部録画で見ました。
                                         (C)(株)新潮社
a0116217_1215193.jpg1夜目の冒頭、様々な人がコメントを寄せていて、友人の沢木さんは、旅をしていて胸が痛くなるような感触を思い出す、と語っていて、後の放送でそれは、ドラマ版「深夜特急」('96~'98)の陽水テーマ曲「積み荷のない船」についてだった、と判ったのですが、改めて、あの旅を”積み荷のない船”、というのも、何だか言いえて妙、と。「深夜・・」文庫は各巻末に対談が載っていて、最後の6巻目の相手が陽水だったのでした。

小林聡美は、不気味でした、優しいんだか、怖いんだか、とのことでしたが、そういえば主演作「かもめ食堂」('05)テーマ曲が、「クレイジーラブ」だったのでした。陽水テーマ曲と言えば、「夢の中へ」が「放課後」('73)の、だったりしたのでしたが、やはり「ニューヨーク恋物語」('88)の「リバーサイドホテル」がいまだ鮮烈です。小田さんは、同級生みたいな気がして、1人じゃ寂しいし、あいつも頑張ってるから、という気持は強い、というような旨でした。

何冊か手元に陽水関連本もあったり、経歴も断片的に覚えありますが、デビュー40周年だそうで、改めて、という感もありました。福岡の炭鉱町田川での少年時代、石炭輸出の見返り的に、意外と文化的にも豊かな土地、週替りに西部劇上映もあって、父は歯科医で母はお洒落なモダンガール、洋画ばかり見ていてゲイリー・クーパーが好きだった、というような背景。

音楽のルーツは、美空ひばりや三橋美智也の歌謡曲、中学の頃ラジオを聴くようになって、「オンリー・ユー」、二ール・セダカ、コニー・フランシス等経て、やはり彗星のごとく登場、のビートルズのインパクトが大きかったようで、後年、山崎まさよしとスタジオで「Here There and Everywhere」を弾き語りで歌う映像があって、

この曲は、ラジオで知ったのだったか、エミルー・ハリス版が結構気に入って、その曲収録の「エリート・ホテル」('75)というアルバムも買ったりして、久方に、思いがけず陽水バージョンで聞いて、旋律が懐かしいものがありました。

a0116217_12192291.jpg8/29追記:昨日、先日「ぴあ」のはがきで応募しておいた、陽水40周年ツアーチケット2枚の当選通知が来たので、サンクスで決済してきました。先日のユーミンと同じ東京国際フォーラム、その時より10列後ろでしたがそこそこの所、奥さんの石川セリのは行ったことありましたが、陽水コンサートは初めてです。11月半ば、思えば英検直前だったりやや忙しない時期だったのでしたが、これを楽しみの1つにしたいと思います。

8/30追記:3浪の末歯科大進学を断念、高校の時に曲を作り初めていて、海老沢泰久著の「満月 空に満月」('95)等にもあったエピソードだったのでしたが、ラジオ局のディレクター野見山氏が、陽水が直接持ち込んだテープを聞いて、曲の新鮮さ、また何より、人の心に触れる何ともいいようのない哀愁の声、に感嘆、

「アンドレ・カンドレ」としてデビュー、でもこの時代の曲は私は馴染みなかったのですが、洋楽ファンも意識、音楽性の高さが売りだった、とのことで、学生運動が盛んな風潮には合わず、音楽界の1大イベントだった中津川フォークジャンボリーにも呼ばれず、という低迷期で、

当時の主流シンガーに故高田渡氏等の名もありましたが、本人は、アメリカのフォークソングやブルースが好きで音楽を始めた人達が多く、皆本物だと思った、自分はただビートルズが好きで、そういうものは知らなかったし、浮いていたと思う、レコード会社からもリストラされるかも、と言われた、等と苦笑しながら回顧、

小室等が、そもそもアンドレ・カンドレ、という名からして、自分が面白がる、その程度で受けるだろう、と人を見くびっていたし、小さくまとまっていた、等と語っていたり、当時のマネージャー川瀬氏は、反戦歌・メッセージソング主流の中、陽水のはラブソングが多かったりして、でもそれがポップな感じがした、と言ってたりしたのですが、そうしているうちに、よしだたくろうがブレイク。

(C)(株)文藝春秋
a0116217_12491646.jpg改めてアフロヘアの「井上陽水」として、仕切り直し、というか、見方によっては、自分の才能を当時の風潮に見事に合わせてみせた才、とも思えるのですが、この人にとっては、故郷や親への思いを吐露、というテイストの「人生が二度あれば」等、”直球”を投げ始めたら、たちまちブレイク、という流れだったのだった、と改めて。

私は「陽水ライブ もどり道」('73)が初めて買った陽水アルバム、訥々とした語り等も懐かしいですが、今回一部流れた「紙飛行機」「夏まつり」「たいくつ」等、ユーミン以前の子供時代の郷愁ルーツ、何というか”実のある豊穣な音楽”だった、などと改めて感じ入ったり。

シングル「心もよう」はB面「帰れない二人」だったのでしたが、「帰れない・・」をA面に、という声が多く、当時陽水を”売ろう”としていたプロデューサー多賀氏だけが、歌謡曲調の「心もよう」を押していた、というのは、やや意外なエピソード。

「帰れない・・」は、2夜目に、故忌野清志郎氏とステージで歌う映像もありましたが、当時の清志郎氏が、陽水は元々RCの前座で、可愛がっていたのに、あっという間に逆転されてしまった、三鷹のアパートで陽水がカレーを作ってくれたのが青春の思い出、等と笑いながら語っていて、「帰れない・・」は、そういう風に家を訪ねた時に「曲でも作ろうか」という話になって、

1番を陽水が作り、清志郎氏が自宅に帰ってから2番を作って電話で歌詞を伝え、陽水が「清ちゃん、いいねぇ」等と、スタジオに詰めて、ではなくそういうざっくばらんな交流の内に出来たのだった、「氷の世界」ジャケットで陽水が抱えてるギターは、清志郎氏が貸したものだった、等というのは今回知ったエピソードでした。

清志郎氏について、”上質な人間”というか、大体そういう人は寡黙で、口先で適当な事は言わない、余りリップサービスはなく、むしろ何か言った時はとキツい、人間として誠意があるという感じで、年下のようだったけれど、精神的には上にいた人、等と回顧してたのがちょっと印象的でした。

「心もよう」は、最初の奥さんへの思い絡みの曲、だったような覚えありますが、黒いインクや青い便箋、子供心に、今や携帯等で薄れた遠恋の切なさ、センチメンタル詰まった曲だった、と。でもこの曲では、スタッフからの詞の書き直し指示に抵抗なく応じた、とのことでしたが、

「氷の世界」('73)タイトル曲「氷の世界」では、意味不明だし直すように、と言われても、結局押し通し、親の言う事を突如聞かなくなった子供、と例えたりしてましたが、やはり1曲目「あかずの踏切り」~ラスト「おやすみ」まで、何かそういう、才のほとばしりる勢い+ナイーブな叙情性で突っ走り弾きつけられる、少し特異なアルバムだった、と。歌詞カードも自筆だったか、「の」の左部分が大きかったりする独特の文字を、当時真似たりしたのを思い出したり。

1夜目ラストのライブ「傘がない」は、風潮的に、学生運動の理想が崩れ行く時代の無力感、のような見方もされたけれど、本人は、そういう意識はなく、たまたまその時代にいて作っただけ、というような旨のことを語っていて、これは当時そう好み、好感、という訳ではなかった曲ですが、何だか今改めて聞いて、心情の表れ方、というのか、新鮮な感覚でした。


8/31追記:2,3夜目は、80年代の曲と、様々な人々との交流エピソードで、特に故阿佐田哲也(色川武大)氏との話が多く、陽水と共に同氏と交流あった、黒鉄ヒロシ、沢木さん、伊集院静、また「青空ふたり旅」対談あった五木寛之等も、阿佐田氏の陽水への影響、に触れてました。 
                                                                                                                                                
a0116217_18572979.jpg「氷の世界」で大ブレイク、多忙の渦でメンタル的混乱もありつつ走っていたのが、'77年大麻事件という形で破綻、番組では無論というか、一切触れてませんでしたが、富澤一誠が「俺の井上陽水」('83)で、当時陽水が貝のように口を閉ざしたのは、元々口で弁解するような男じゃないし、言葉の空しさ、を知っていて、「やってなぜ悪い」と開き直ってみても自分の存在証明にはならないし、いいアルバムを作っていくしかない、と思ったのだろう、等と書いていて、<(C)(株)旺文社→>  

思えば当時のネームバリュー、ミュージシャンという立場で、「マリファナが何故悪い」、と開き直る、という振る舞いも有り得て、ある部分容認される向きもあったかもしれないですが(薬物絡みの犯罪の可能性、的にはそういう容認は問題外でも)、あえてその件は、汚点は汚点として弁明なく封印、という所が、清志郎氏を評して言っていた、誠意、という部分、この人なりの著名人にしては奥ゆかしさという所かもしれない、と改めて思ったりしました。

そういう波乱のあった後、30代になって、麻雀を介して阿佐田氏に接触、同氏の突如眠気に襲われる病気もあって、傍らの寿司をおもむろに牌のように麻雀台に置いたり、というような、まことしやかな逸話も語ってましたが、実・虚の境目が判らない、独特のモード、というものに感応する所があったようで、私は同氏の著作は未読で名を知るだけですが、

沢木さんは、同氏が陽水に、若い内に成功、という事は、世間を知らないままに、という部分もあるかもしれないけれど、もう少し肯定的に捉えて、ヒット1本は打っているのだから、残りの人生が三振でも打率2割5分で、いいじゃないか、でも打席には立たなきゃダメだけれど、のような話をして、そういう感覚が、生きていく上で、陽水にある種の”緩さ”を与えてくれたんじゃないか、というように語っていたり、

伊集院静が、阿佐田氏と陽水に共通しているのは、西洋人にはない、日本人の、ものを創る、という事に対する「含羞(はじらい)」の感覚で、それは持って生まれたもの、等と語っていたのが、何処か印象的でした。その他、吉行淳之介等からも、大人の男の嗜み、的なものを感じ取ったり、

そういう、陽水の感性への包容力があった、とも言える無頼派作家陣からの影響、また、歌詞については、やはり意味が通じなくてもいいんじゃないか、と思えるようになった、とのことで、80年代のアダルトテイスト曲は、「ジェラシー」「リバーサイドホテル」「とまどうペリカン」等、改めて、脈絡的には意味不明の歌詞部分も多く、それでもメロディにのって、ドラマティックに展開しているような印象なのは、言葉の選び方の才、また聞かせてしまう歌唱力、というこの人独特の世界、と思いました。

若手ミュージシャンとの交流エピソードもあったのですが、今回流れた陽水曲カバーの中で一番インパクトあったのは、一青窈の「ジェラシー」、これは高橋真梨子の「ワインレッド・・」に次ぐハマり具合、と思いました。一青窈は陽水を「サングラスをかけた面白いおじさん」と言っていて、当初互いに近付きにくかったけれど、北海道のライブで共演して、食事の時カニをさばいてくれたりして、優しさを感じた、と。

平原綾香の「心もよう」は特に可も不可も、でしたが、陽水とはメル友で、意外というか絵文字が多い、と。それと持田香織の「いつのまにか少女は」。先日検索中カバーアルバム目次で見かけて、本人が選んだとしたらかなり渋い選曲、とは思って、これは「放課後」('73)の挿入曲でもあったのでしたが、初期の結構好きな曲(「いつのまにか少女は」)だし、何だかどうしても軽味になっていそうで、余りあえて持田カバーは聞きたくない、気したのでしたが、

以前番組で共演の時、持田香織はカバーするなら「少年時代」、と希望したのに対して、陽水が、「少年・・」もいいけれど、これがいいかもしれない、と勧めたのだった、という流れだったようで、その時の、陽水のギターの傍らで歌っている映像で聞いて、陽水直々の選曲、という意識もあってか、それなりにピュアな味わいが、とも思えました。


9/1追記:「いつのまにか・・」と言えばやはり「放課後」関連で「夢の中へ」を連想、前に「放課後」がDVD化、と聞いていたのを思い出し、近隣店に問い合わせてみましたが在庫はありませんでした。1夜目に、シングル「夢の中へ」がヒット、女性誌のチャートの2位に載ってる、と陽水が結構喜んでいた、と安田裕美が回顧してましたが、これもノスタルジーな陽水曲、シングルも買ったのだったかと。

「探すのをやめた時、見つかることもよくある話で」なんて、ポップをまとった核心、という感じで、これは斉藤由貴カバー等もあったのでした。この機に、テープ置き場で陽水のを見てみたら「招待状のないショー」「2色の独楽」「NEGATIVE」「9.5カラット」発見、「陽水ライブ もどり道」「氷の世界」等も録音はあったはずですが、見当たりません。久方に「招待状・・」をかけてみたり。

(C)(株)集英社
a0116217_1681818.jpg「9.5カラット」('84)でのセルフカバーの「飾りじゃないのよ涙は」については、前にエッセイ本「綺麗ごと」('85)や「月カド」特集等でも本人が同様なことを書いてましたが、中森明菜は「少女A」での素人っぽくない動き、振り付けが気に入って、気になっていた、とか、当時恋人だった石川セリが家に来た時、曲はすぐに出来るものだ、と威張りたかった、というか驚かせたくて、30分位で「ダンス・・」を創ってプレゼントした、等と回顧、「ワインレッド・・」に詞を提供した、玉置浩二と「夏の終わりのハーモニー」を歌うシーンもあって、これも曲:玉置、詞:陽水曲だった、と。

今回登場はなかったですが、「9.5カラット」には、唯一の陽水・ユーミン共作曲「TRANSIT」があって、これはユーミンが歌った訳ではなかったし、と「月カド」を見直したら、忘れてたのかもしれませんたが小林麻美への提供曲だったのでした。

陽水の曲に、後でユーミンが詞をつけたようで、コメントで、それはすごく難しいけれど、彼女の詞を見ると、やっぱり立派だなぁって思ったね、ちゃんと詞になってるっていうか、等と書いてたのでした。陽水とユーミンの接点と言えば、浮かぶのは、この曲と、やはり、以前「SONGS 石川セリ」で触れてた、この夫婦出会いになった林良雄パックインミュージック、陽水・拓郎・ユーミン・セリ共演で、事件での破綻後の作家陣との交流とは別に、この時の石川セリとの遭遇、というのも後で思えば節目に、等と思い出しました。


9/2追記:3夜目は広い縁側のセットで、リリー・フランキーと話しながら、映像交えて、の進行で、この回最初の20分程録画し損ねたのですが、陽水のTV好き、というのは聞き覚えあって、「てなもんや三度笠」等思い出の番組が流れていて、藤田まことの「当たり前田のクラッカー」の決まり文句等、笑いながら回想していたり。

世の中で一番尊い仕事は、人を笑わせることだし、自分の曲を聞いて、しみじみ感動される、というより笑ってくれた方が嬉しい、等と語り、思わず、というのか、スタッフの「本当ですか?」という声が入ってましたが、とんねるずの番組に、アフロヘアかつらで出演、「傘がない」の冒頭を歌って、「暗い!」と石橋貴明に頭を叩かれていたり、というような、大御所的には似合わない出演シーンは、やや意外。

影響受けた映画という話題では、幼い頃親に連れられて行った映画館での、ヒッチコックや小津作品「秋刀魚の味」('62)を挙げていて、「ダイヤルMを廻せ」のシーンが流れ、ヒッチコックは完成度高く好きな監督で、「秋刀魚・・」は、劇中父親達が娘の嫁入り談義をしているのが、子供の頃は意味不明だったけれど、やはり自身2人娘の父となって、という部分もあってか、後年見ると、素晴らしいねぇ、と。

また、伊丹作品「お葬式」('84)に郵便配達人役で出演していた、というのは、どうもその配達シーンが流れても、劇中具体的には思い出せませんでした。昨年「ぐるりのこと。」で評価されたリリー・フランキーに、カメラの前で、はいスタート、と演技が出来る、というのはどういうことか?心構えを教えてほしい位で、自分だとどんな短い科白でも、不自然になる、等と苦笑して、それは謙遜か結構本音なのか判りませんが、アンドレ・カンドレ時代に1本出演以外では、その「お葬式」でのチョイ役が、唯一俳優として出演作、だったのでした。

陽水は、伊丹十三監督は、伊丹万作監督の息子として注目していて、そのデビュー作で、タイトルからして興味持って、自ら出演希望したそうですが、そう言えば小田さんも、伊丹作品には心酔、というのが昨年の「クリスマスの約束」エピソードであったのでした。

また、「少年時代」が、原作漫画版の藤子不二雄Aの依頼あって、同名映画篠田正浩監督の「少年時代」('90)テーマ曲として創った曲だった、というのは初耳で、ややスランプ期、ストレートな題材に苦心して、4週間家に帰らずスタジオに篭って創った、とのことでしたが、

この曲は、ユーミンの「春よ来い」のように、何と言うか、王道的名曲すぎ、という感で、そう引っ掛かっていた訳ではなかったのですが、今回、2人の少年の、列車での別れのシーンのバックに流れているのを聞いて、改めて、この曲の持つ、力、瑞々しさが香り立つようでした。

                                    (C)(株)角川書店
a0116217_22445725.jpg陽水の夏の曲、というと「Summer」が好きですが、ギターを抱えて歌っていたセンチメンタルな「夏まつり」等からは、「少年時代」は、歌詞に「夏まつり」は出てきても、ある種安定した大人の懐、という風に曲調も変化、と思ったり。番組中、スガシカオが歌うシーンもありました。

3夜目ラストに歌っていた「海へ来なさい」も、聞いたのは久方、元々割と癖なく穏やかテイスト曲、という印象でしたが、マイベスト陽水曲、初期の、寂寥感傷漂う「冷たい部屋の世界地図」等思えば、同じ海舞台にしても、今聞いて、開けた包容力、のような感触しました。

関連サイト:http://www.nhk.or.jp/songs/life-inoue/http://www.bounce.com/news/daily/
関連記事:僕らの音楽(ゲスト井上陽水)かもめ食堂(’05)SONGS 一青窈受け入れて/一青窈SONGS 秋川雅史・平原綾香カンパニュラの恋/ノクターン(’08)タビうた 岩崎宏美・平原綾香Music Lovers ELTSONGS ELTSONGS 忌野清志郎「タカダワタル的」('03)「タカダワタル的ゼロ」('08)SONGS 石川セリ徹子の部屋 石川セリクリスマスの約束(’08)帰れない2人(’73)SONGS 中森明菜<2>旅する力 深夜特急ノート(’08)LIFE 井上陽水~40年を語る~<2>

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                      <’90年5月、NYにて>

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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-27 00:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)


夏の大九州展

一昨日、合間に昨日まで新宿伊勢丹で開催の「夏の大九州展」に母と行って、イートインで長崎名物「トルコライス」、鹿児島の氷菓「白熊」を食べてきました。

a0116217_1152043.jpg福岡のわんたん麺とどちらにしようか少し迷った末、こちらにして、九州最古の喫茶店、という「ツル茶ん」という店でしたが、私はピラフ+和牛ビーフステーキ+スパゲティ+サラダの「テキトルコ」(↓)、母はスタンダードなピラフ+ポークカツ+ナポリタン+サラダの「トルコライス」(→)、空腹でもあったし、普通に美味しく食べました。

母は昔九州旅行で長崎にも寄ったらしいですが、これは初めて、と。以前何かのレシピで見て、ひき肉・ピーマン・玉ねぎをカレー粉・とんかつソースで炒めた具を、ご飯にかけるのをたまに作って、それが確かトルコカレーという名でしたが、これはトルコライスをちょっと検索したら見かけた、神戸風トルコライスの系統のようでした。色々名前の由来説はあるようですが、どちらも直接トルコ料理とは無関係、いかにも、という日本発洋食でした。

a0116217_11535713.jpg店内で坂本竜馬の大きなポスターが目に付いて、店や長崎の案内と一緒にそのチラシ版もテーブルにあったのですが、「亀山社中記念館」再オープン、の案内で、「亀山・・」は長崎で竜馬が作った海運・武器斡旋の結社で、この前身が、武田鉄矢のトリオ名の元の「海援隊」だったのでした。店の案内冊子に、来期の大河ドラマ「竜馬伝」の応援メニュー「Ryomaトルコ」も載ってたりしました。


a0116217_12132845.jpg「白熊」は、たまに、コンビニでカップ入りのを買って食べたりしますが、本物はカキ氷状で、母とこういう物産展に来た時の恒例デザートのソフトクリームもあったのですが、どうせなら、この名物を、と。母はパスでしたが、このイートインが一番盛況、待ち時間20分位、スタンダードの小サイズにして、やはり見た目が、白い氷に色々フルーツが埋まっていて涼しげで、通常のカキ氷よりちょっと洒落てる感じ、味は淡いミルク風味でした。

元祖白熊、のメニューがあって、それは氷の中に具が埋まってて、表面はチェリー、レーズン等だけで、もしかしてそれが熊の顔にも見えそうだから、この名前なのかもと思ったら、やはり売り場にあった小さなパンフに書いてあって、名前の由来はそういうことだったのでした。

その後、私は赤鶏のとり天、母は海鮮おにぎりを買って帰って、やや駆け足でしたがまあ満足、リフレッシュでした。

8/26追記:今日ローソンで、「南国白くまくん」というカップを見かけ、これは初めてで、「白熊」流れで、買ってきて食べました。みぞれ氷にバニラアイスの熊の顔が埋まってるタイプ。製造元を見ると、先日の本家「天文館むじゃき」ではなく、カップ型を出してる「セイカ食品」という会社のようで、白熊、が鹿児島氷菓の一般名になっていて、商標登録の問題はないのかもしれませんが、子供受けもしそうで、やはり見た目涼しげでした。

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関連サイト:http://www.open21.to/ajisaiki/turu/http://www.mujyaki.co.jp/http://www.seikafoods.jp/
関連記事:竜馬と妻とその夫と愛人(’02)ー追悼・市川準監督ータビうた 岩崎宏美・平原綾香

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                    <色々な白熊メニュー>
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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-25 00:00 | グルメ | Trackback | Comments(0)


SONGS 中森明菜<2>

先週の「SONGS」中森明菜後半、歌ったのは引き続きカバー曲で「異邦人」「なごり雪」「恋の予感」「恋」。NHKステージでは前回白、今回黒スーツのシックなファッションでした。

海外レコーディングは、日常を離れて曲の世界に入るため、とか、コンサートでもファンの反応を気にするとキリがなく、自分が楽しんではいられないし出来ればやりたくない、でも後でファンが喜ぶ姿だけが張り合い、プレッシャーにかなり弱い、等と話すのを聞いていて、やはり適度に楽しむ、というのも苦手で、余り器用な人ではなさそうな、と改めて感じたり。

1曲目「異邦人」、楽しみにしていた曲で、聞いてみて、やはり曲自体懐かしかったですが、オリジナル久保田早紀版(「異邦人」)のイメージが濃く、中森版は予想よりは感慨ありませんでした。久保田早紀は、何枚かアルバム買ったり録音したりして、当時珍しいエキゾチックな哀愁+透明感ボイスが気に入ってましたが、ヒットとしてはこの1曲シンガー、ゆえに、思ったよりその残像濃かった、かもしれません。

2ヶ月程前、このexblogで使用可能ブログパーツリストの中のソニー「オトフレーム」で、久保田早紀版を見つけ、山下達郎、吉田美奈子曲と共に右欄に貼っていたのですが、最近どうも再生せず、問い合わせたら、返答メールでは、試してみたら普通に再生する、との事だったり、他の方が聞く分には支障なさそうなので、そのままにしてます。

私のPCに問題ありそうで、幾つか解決方法を示してくれたのですが、どうも改善せず、時期的にSkype導入が関係ある気もしますが、一応再度問い合わせ予定です。(もしこのブログパーツで聞こうとして、不具合あれば、宜しければ一報下さい。)

どちらかと言えば、意外と、聞く前にはややミスマッチに思えた、次の「なごり雪」の方が、素直に明菜ボーカルが入ってきて、好印象でした。この曲は、昨年「みゅーじん」で伊勢・太田・大野ユニット「なごみーず」が歌ってたのを聞いて以来。元はやはりイルカ版で馴染みで、伊勢版「なごり雪」と言えば、「22才の別れ」と共に大林作品の大分3部作進行中、とのことだったのですが、

未見の最新作「その日のまえに」('08)は、伊勢正三の娘さんが映画デビューで出てたりしてるようでも、どうもロケ地も大分ではなく、その3作目、という訳ではなさそうで、やはり流れだと伊勢作品の映画化、という話も見かけて、そうだとしたら、ラストがどの曲モチーフ作品かは、やはり少し気になります。

前2作は曲自体からはやや離れて、大林味+叙情フォーク、という期待とはやや違った後味だったのですが、マイベスト伊勢作品「ほおずえをつく女」とかなら、可能性少ないかもしれませんが、どういう大林作品になるのだろうか、と思ったり。

「恋の予感」は、最初聞いた後には、同じ陽水・安全地帯曲だと、春頃の高橋真梨子の「ワインレッドの心」のハマり具合の方が貫録勝ち、という印象だったのですが、少し引っ掛かって再度聞いてみると、じんわり沁みてくるものがあって、前回の「ベルベット・イースター」等は、今でなく、若い頃に歌って欲しかった、と思ったのですが、この「恋の・・」は、これはこれで、今の彼女ならでは滲み出る大人の味わい、と思い直しました。「サザン・ウインド」が玉置浩二提供曲だったのでした。

ラストの「恋」も同様ですが、これは久方に聞いて、元の松山千春曲(「恋」)自体、こういうややザラついた切なさある詞だったのだった、と改めて、でもありました。陽水曲だと、中森版「帰れない2人」とか、それと前回「悪女」を聞いたのですが、中島みゆき作品なら「アザミ嬢のララバイ」「夜風の中から」「タクシードライバー」そして「歌姫」等聞いてみたいものです。

また「歌姫」シリーズ前に、竹内まりや曲「OH NO,OH YES!」がアルバムにあった、と思ったのですが、これはカバーでなく、その後すぐ竹内まりやがアルバム「REQUEST」('87)の中でセルフカバー、だったのでした。これはこのアルバム中一番耳に残った曲で、その頃ユーミンもラジオ番組に彼女がゲストで来た時、一番好きな竹内曲、と言ってましたが、明菜版を知ったのはその後だったのでした。

合間にデビュー時からの映像も流れ、白いワンピースでの初々しい「スローモーション」から「セカンド・ラブ」「ミ・アモーレ」「DESIRE」等数々ヒット曲も懐かしいですが、やはりキョンキョン等とはまた別路線で、自己プロデュース色が、自然と滲み出てたアイドルだった、と改めて。

(C)(株)ほんの木
a0116217_15144023.jpg今回流れませんでしたが、ヒット曲路線では「TANGO NOIR」等も印象的だったのでした。やはりマッチとの苦い経緯や、家族との金銭トラブルの際、本当の内幕など知る由もありませんが、お金だけがあって1人どんな美味しいものを食べいい思いをしても、一体何になるのだろうか、等と語ってた事とか、反射的に浮かび、

スキャンダルを逆手に取っていった松田聖子のような芸能界でのタフさ、とは対照的、かもしれませんが、色々あっても、そういう心の軋みを魅力に昇華出来る歌の世界でもあるし、マイペースで生き長らえていってほしい、等と思った2回シリーズでした。 

関連サイト:http://www.nhk.or.jp/songs/archive/090819.html
関連記事:あの歌がきこえる「22才の別れ」22才の別れ Lycoris葉見ず花見ず物語(’07)SONGS 玉置浩二みゅーじん 伊勢・太田・大野SONGS 中森明菜<1>

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                 <’96年5月、イスタンブールにて>

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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-23 00:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)


探検ロマン世界遺産 ユーミン×アンダルシア 

休み中に、3月末録画したままで気になっていたこの番組を見ました。ユーミン絡みが続きますが、この番組最終回スペシャル、ユーミンのスペイン、とモロッコ紀行。フラメンコ発祥地のセビリア~モロッコ北部テトゥアン~グラナダと巡る旅でした。

スペインは、この年(55才)にならなければ来ちゃダメだと思っていた、そうですが、ユーミンとスペインと言えば、バルセロナを舞台にしてた哀愁漂う「地中海の感傷」を思い出します。
                                     (C)(株)扶桑社
a0116217_0211056.jpgまた、モロッコと言うと、「The Collar of the Dove~モロッコの夢~」('85)という、モロッコでユーミンが遭遇する物語、という構成の写真集を買ってたのでした。映画では、リスニングで追っている途中の「カサブランカ」もモロッコですが、やはり「モロッコ」('30)のマレーネ・ディートリッヒが砂漠を裸足で歩いていくラストシーンが強烈でしたが、この写真集でもターバン姿のユーミンが、現地人と砂漠をさ迷い歩くショットが何枚かあったのでした。

またアフリカでは、手元に同じ頃のパリダカ紀行写真集「SOUTH OF THE BOADER」('87)もあったのでした。 「アフリカに行きたい」「ホライズンを追いかけて」等も、郷愁です。

最初セビリアで、本場フラメンコライブの女性の踊りの迫力に感動、ユーミンは「血のにおい」を感じ、そのルーツ、として、このアンダルシア地方の歴史を辿ってたのですが、

a0116217_1257316.jpgセビリア大聖堂は、バチカンのサンピエトロ(←)、ロンドンのセントポールと共に、世界3大大聖堂の1つだそうで、聖書の各シーンが彫刻され、黄金に塗られてる、カトリック最大規模、という祭壇奥のついたては、まさにキリスト教色かなり濃厚な圧巻さでしたが、実はこの聖堂が、元はイスラムのモスクだったり、

その傍の、キリスト教徒が建てたアルカサルという王宮も、イスラム美術ずくしで、アラベスク模様等に感心しながら、何故?と疑問を抱くユーミンに、キリスト教徒はイスラム美術のファンだった、という専門家の解説、中世のキリスト教とイスラム教の対立・混じり合い、という背景だったのでした。

711年にイスラム教徒がやってきて征服、でも1492年にレコンキスタ(再征服)として、キリスト教徒にイスラム、ユダヤ教徒が追放され、対岸のモロッコ北部テトゥアンに渡り、そこに移り住んだ人々がアンダルシアへの郷愁で、扉に当地のシンボルの飾りを付けたり、家の内部をイスラム様式にしていたり、という想いの名残や、当時のアンダルス音楽も受け継がれていたり、

その音楽を追って、ユーミンもジブラルタル海峡を渡っていき、地元の楽団の演奏を聞いて、それは、ひざの上に立てて弾くバイオリン状や、マンドリンのような弦楽器、タンバリン等+浪々とした歌、でしたが、演奏の後礼を言って、地球の果てまで懐かしいような、とても不思議な切ない感じがしました、等と目を潤ませる場面も。

8/21追記:再びアンダルシアに戻って、グラナダで、アルハンブラ宮殿を訪れたり、イスラム教徒と入れ替わるように、西インドからやってきていた、放浪・芸能の民ヒターノ(ロマ)の人々と交流する様子。アルハンブラ宮殿は、ギター曲「アルハンブラ宮殿の思い出」で知る名で、今まで実物は余り覚えなく、14世紀に建てられて、イスラム王朝の繁栄ぶりを現す宮殿だった、と改めて、でしたが、意外とこじんまりした所でした。 
                                      (C)中央公論新社
a0116217_0272524.jpgヒターノ、というのは聞き覚えが、と思ったら、好きな漫画家竹宮恵子の「変奏曲」シリーズの中の、「アンダルシア恋歌」で、天才音楽家の主人公ウォルフの、別々に育った妹アンリエットがグラナダ出身、ウィーンで兄と暮らすことになった当初パーティで、ヒターノに習った、とフラメンコを披露、というシーンがあったのでしたが、実際この民族がやってきたのが、フラメンコ誕生のキー、だったのでした。

先日取り出した「深夜特急」文庫6でのスペインの辺りも見直してみると、沢木さんはアンダルシアは通らず、マドリードにしばらくいたようでしたが、その蚤の市でガルシア・ロルカの本を探していて、「アンダルシア・・」でも、アンリエットがグラナダ育ち、と聞いて、反抗の詩人ガルシア・ロルカの生誕地!と、言ってた客がいたり、という共通点があったのでした。

バーのヒターノの主人の洞窟を掘った住居では、ユーミンは、東京でこれに似せた場所はあっても、本物、で粋だ、と感心。家族が増える度に、掘り進んだ、という住居は結構奥広く、白壁にエスニックな家具や飾り、トルコで見学したカッパドキアの住居、が重なりました。ここの主人は、よそへ行く気はさらさらない、と満足気。

ユーミンは最後に、グラナダの生きる伝説、と呼ばれるフラメンコの70才の巨匠宅のパーティに参加、一族もほとんどプロ、という一家のそういうホームパーティは、伝統が受け継がれていく大事な機会、だそうですが、食卓で独特のリズムのギターに合わせて、歌われる流浪の歌、自然に体が動いて、というダンス。やはり生活に自然に溶け込んでいる感じで、

それはこのヒターノ民が、放浪や迫害、厳しい時代を経て、この地に住み着いた、という背景と背中合わせの、心の発散、的な産物、とも思いますが、そういうもの+キリスト教とイスラム教の融合・対立と絡んで、リオの土地の人々が生んだ穏やかなボサノバ、等とはまた異質、ユーミンが最初「血のにおい」と言った、フラメンコの濃さ、という感触でした。

ユーミンは、音楽は人そのもので、嘘がつけないし、まさに本物、と思った、色々マスキングしているものを取り払った時、自分には、これ程の強いものがあるのだろうか、と語り、おそらく傍らのスタッフの、でも由実さんは東京で音楽を作るしかないわけですよね?という声に、

そう、それは、幸福でもあり、不幸でもあることで、物質的な豊かさや、華やかな流行の流れの中で、見失い易い所にいると思う。今自分の原風景、というものに、思いをはせている、等とコメント。ヒターノ一家のパーティーで、新たなピアノフラメンコ、を披露していた巨匠の息子が、今はインターネット時代で世界中と繋がっているし、フラメンコは今後も色んなものと混ざりあいながら進化していく、と言ってたのですが、

(C)(株)CBSソニー出版
a0116217_23102738.jpgラストには、「そしてもう一度夢見るだろう」から、タンゴ調の「Bueno Adios」が流れる中、石畳をそぞろ歩くユーミン。やはり今まで自分が聞いた音楽や、読んだ本、そういうものや、色んな融合の中に飛び込んでも、自分らしいフィルターで音楽を作っていきたい、という語り。

ヒターノの家族の中に、理屈抜きに流れるフラメンコ、という生まれながらの芸能、という濃さ、そういう絆は羨ましい気もしたのですが、現代の日本に生まれて暮らす中で、思春期~傍らにユーミンという存在、詩情+バイタリティ満ちた音楽があった、というのは、ある意味幸せ、とも改めて、という番組でした。

関連サイト:http://blog.television.co.jp/entertainment/entnews/2009/02/2009
関連記事:TRANSIT2009チケットMusic Lovers・SONGS 松任谷由実<1><2>そしてもう一度夢見るだろう/松任谷由実(’09)・No Reason~オトコゴコロ~/高橋真梨子(’09)TRANSIT2009コンサート

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                    <’96年5月、トルコにて>
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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-20 00:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)


サマーウォーズ(’09)

一昨日新宿バルト9で見てきました。「時をかける少女」('06)の細田守監督作品+テーマ曲が山下達郎、という興味のあったアニメ作品。劇場に着いた時次の回は満席、その次も残席わずかで、前から2列目の席にしましたが、久方の劇場満員での鑑賞でした。

「時を・・」はやはりユーミンテーマ曲も健気に歌ってた原田知世の瑞々しさ、オリジナル大林作品(「時をかける少女」('83))への愛着で、という感でDVDでと放映の折に見たのでしたが、現代っ子風躍動感あるヒロイン像にアレンジ、意外と新鮮な魅力もあったのでした。

今回サイバー界を描くめくるめく鮮やかCGに加え、日常世界での舞台の長野の田舎の、手描きののどかな風景はジブリ風味で、クレジットの中に男鹿和雄の名も見かけました。

8/16追記:劇場でのアニメ作品は、思えば私は昨年末の「WALL・E/ウォーリー」、その前はやはり夏だった「崖の上のポニョ」にさかのぼるのですが、自然・日常の素朴な描写や、終盤少女がカリスマ感を持って大活躍、のジブリ風味+今時のサイバー・ゲーム・バーチャルなスピード感覚を加えた、という感触。

冒頭から展開する、サイバー界OZの幾何学的カラフルな映像は、何かに似てる、と思ったら、カンディンスキーの絵、でした。

今回声優陣で、主人公健二の神木君は、最新見かけたのは昨年連ドラ「風のガーデン」での岳役でしたが、劇場では「Little DJ 小さな恋の物語」('07)以来、声優では「千と千尋・・」「ハウル・・」にも出ていたのでした。普段及び腰で女の子慣れしてなくても、数学という一芸持って、折に鼻血を出しながらの奮闘等、ややソフトボイスで、等身大にこなしてた気しました。

ヒロイン夏季(桜庭ななみ)の曾祖母、栄役の冨司純子は、先日見てみた「天地人」にも出てたのでしたが、映画では昨年DVDでの「明日への遺言」('08)以来、アニメ声優は、これが初体験らしく、今回90才という高齢役でしたが、政界まで繋がりあり大家族を締める気骨ある所は、さすがに声のトーンに滲み出てたと思います。

その他、格闘ゲーム王者・サイバー熟練少年佳主馬役は、見ている間は女優声とは思いませんでしたが、後でパンフで見たら谷村美月、劇場ではデビュー作「カナリア」('05)以来、「時を・・」にもヒロイン真琴の後輩役で出てたのでした。

内容については、CGと手描き、のように、サイバー界VSのどかな田舎、無数のアバターの人々VS武士の末裔の一家、降ってわいた人類の危機VS1人の老女の死、個々に活動するサイバー界VS一緒にご飯を食べたりもする現実社会、人工知能モンスターVS花札、大型画面パソコンVSクーラーもない大屋敷、等というように、最新技術VS伝統・変わらない生活、の対比のような感じが、割と印象に残って、

視覚的にも見せる、人情味絡めたアドベンチャー的娯楽作品、ではありますが、改めて、人間社会の中のインターネット、というものについて、一見絵空事のようなネット世界が、実際の現実生活、個人、それぞれの心に投げかける影響、とか、実体験も絡んで、なかなか一言では言いにくいですが、何かと思う所もありました。

8/17追記:サイバーテロを起こした人工知能ラブマシーンに自分のアバターを奪われた、仮アバター姿の健二が「インターネットの中だからと言って、何をしてもいいのか!?」と憤ったり、ラブマシーンに自分のアバターキングカズマを打ちのめされた佳主馬が、PCの前で打ちひしがれ、畳に涙をこぼす姿。その姿への母達の戸惑う様子。やはり、スクリーン上の出来事は当事者でないと判らない痛みも、と印象に残った部分でした。

パンフでは、この作品は、アメリカが想定演習も行った、実際のサイバーテロの脅威からヒントを得たとのことですが、そういう、ライフラインを麻痺させる確信犯的なテロ行為、だけでなく、サイバー界では、個々の人間自体が、本能のままにやりたい放題の怪物、他人の存在など自己満足のためにだけあって、平気でアバター・アカウントを奪い取る、このラブマシーンのような存在、になりかねない無法地帯、とも改めて。実際そういう系統のエキセントリックさ、に辟易した事も少なくありません。

劇中の仮想世界OZには、一応クジラのような2頭の守り神がいて、でも夏季とラブマシーンの花札対決の時に、夏季にエールを送った、位の働きでしたが、その名が「ジョンとヨーコ」というのも、さもありなんでしたが、OZ、という名も、やはりまず「オズの魔法使い」を連想したのですが、

ある記事で、ドロシーが、意図してでなくたまたま嵐で運ばれた家が落ちて、東の魔女を倒して感謝されたように、健二も、たまたま数字の暗号を解いた、という事で、OZ界の混乱の犯人にされたり、英雄になったり、非日常の世界に関わっていくようになった、という共通点が、等という指摘を見かけ、そういえば、ですが、名を借りただけでなく作り手の何らかの「オズ・・」へのオマージュ、もあったのかもしれない、と。

でも当初送られてきた暗号の健二の解読は、最後の1文字が間違っていて不完全だった、ということでしたが、それでも何故、一瞬でも身元も割れ犯人扱いされたのか?やや不可思議でした。

陣内家で、本来注目を集める、栄の曾孫の1人がピッチャーで奮闘の高校野球の地区予選、その試合の様子がTVで淡々と流れ続け、その前で母だけは応援し続けてましたが、そういう日常の様子と同時進行していくサイバーテロ征伐、その結末、人工衛星「あらわし」の末期だけは、サイバー界=現実が直接繋がって、まさに絵空事ではなかった、という瞬間。

舞台の長野の淡い手描き風、大屋敷、縁側、すだれ、賑やかな大家族、食卓、朝顔の花々、朝もや、とか懐かしい風景バックに、健二と夏季というカップルが、お伽噺のようなCGサイバーアドベンチャーに関わっていく、今時の空気+郷愁の人肌感ミックスで、上手く作ってる、とは思ったし、ビジュアル的や人々の団結の盛り上がりで、単純に楽しめもしましたが、サイバー界と現実生活、の事は、また何かの折に関わりもあるかもしれませんが、やはりやや複雑な後味もありました。

あと注目だった山下達郎テーマ曲は、エンドロールに流れたワルツの「僕らの夏の夢」で、作風にあってなくはないという感でしたが、歌い上げるタイプの曲で、もう少しポップな曲調でも良かった気しました。映画での達郎曲、と言えば近年聞いたのは、「天使」('06)で「パレード」が流れたり、「恋愛寫眞」('03)での「2000トンの雨」には、何だか感慨もありました。今回既成曲だったら、「夏への扉」でも良かったと思いましたが、スクリーンで体感の、久し振りの夏の山下達郎、でもありました。

関連サイト:http://s-wars.jp/index.htmlhttp://www.paoon.com/film/gskdlcllev.html
関連記事:「カナリア」('05)天使('06)恋愛寫眞(’03)「Little DJ 小さな恋の物語」('07)時をかける少女(’06)時をかける少女(’97)男鹿和雄展明日への遺言(’08)風のガーデン(’08)~最終話ナツユキカズラトップランナー 細田守

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                <’01年9月、ディズニーシーにて>

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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-15 00:00 | 邦画 | Trackback(30) | Comments(0)


SONGS 中森明菜<1>

昨夜の「SONGS」は中森明菜の2週シリーズ初回で、歌ったのは「悪女」「ダンスはうまく踊れない」「I LOVE YOU」、そして「ベルベット・イースター」。何処か特定はしてませんでしたが、海外でのレコーディングスタジオでの様子、「I LOVE YOU」はそのスタジオで歌ったバージョンでした。

見かけたのも久し振り、この番組では高橋真梨子の時も「紗」「紗Ⅱ」がカバーの先駆け、と言われてましたが、今回も中森「歌姫」シリーズはカバーブーム先駆け、と紹介あり、何だか才能ありつつ女性としては不器用で幸薄い人、というイメージなのですが、こういう風に生き長らえている、と、少し感慨も。

マイベストは吉田美奈子提供曲「APRIL STARS」と、松本隆・小室作品「愛撫」が双肩、何枚かアルバム録音、何の拍子にだったのか、1冊NYで撮影の写真集「CROSS MY PALM」('87)も手元にありますが、カバーアルバムはチェックした事なく、井上陽水、ユーミン曲カバー等も、初耳でした。

陽水は、思えば「飾りじゃないのよ涙は」提供者、という縁もあったのでしたが、「ダンスは・・」の他「リバーサイドホテル」「恋の予感」「心もよう」「傘がない」等歌ってたのでした。陽水と言えば、11月の40周年コンサートに、ぴあのはがきで応募しておきました。また先日の矢沢永吉の「チャイナタウン」カバーもあったりも。

そしてユーミンとこの人、というのは、ユーミンが明菜全盛期頃、ある種アーティストとして尊敬、等と言っていた覚えはありましたが、ほぼノーマークで、今回、本人も少女時代から全ユーミンアルバム持っていて曲に馴染んでいた、とか、すでに「歌姫」('94)1枚目で「魔法の鏡」、先月末リリースの「フォークソング2~昭和哀翔歌~」で「ベルベット・・」カバーがあったのだった、と。

今回「ベルベット・イースター」を聞いて、率直な所、ユーミン本人が今、というのとはまた別テイストで、何だか今のこの人が歌うには、ややトウが立ってしまった、という気しました。リリカルな叙情ムードは合ってると思うので、どうせならもう少し若い頃聞きたかったし、

この曲をこう歌うなら「雨の街を」「花紀行」「人魚になりたい」、等の繊細な少女明菜版も有りだったかも、と。「雨の街を」は不動のマイベストユーミン曲で、誰かがカバーしたとして、余り聞きたくはない、と思ってたのですが、今回の「ベルベット・・」を聞いて、そう思ったりしました。
                                     (C)(株)角川書店
a0116217_13513651.jpgカバーに当たっては、曲はすでに自分の中に馴染んで入っているので、オリジナルの方の物まねにならないように、余り聞かないようにしている、等と言ってましたが、同期だった尾崎豊の「I LOVE・・」は、スタジオで、この曲は、涙が出てきてダメ、きつい、等と苦戦しつつで、言葉と言葉の間にすごく彼らしさが出ていて、歌っているとそれが溢れてきて、抑えるのに目一杯、等とコメントも。

「I LOVE・・」は3年前「クリスマスの約束」で小田さんが歌ってたり、尾崎カバーと言えば昨年の「うた魂♪」での薬師丸ひろ子の「OH MY LITTLE GIRL」以来でしたが、やはり忘れかけた頃にふと耳にする、歌い継がれてる尾崎豊、と、改めて。整理していたら、「月カド」尾崎特集の時、沢木さんとの対談、もあったのでした。

最近俳優活動も見かけませんが、昨年DVDで見た「旅の贈りもの 0:00時発」('06)のテーマ曲が「いい日旅立ち」中森版だったのでした。直接関係ないですが、その故原田昌樹監督の遺作になった、裁判員制度の広報作品「審理」が、裁判員役でヒロインに起用していた酒井法子の一件でDVD使用中止、というのも何だか皮肉で残念とは思いました。

来週の予告で、好きだった久保田早紀の「異邦人」が少し流れ、エキゾチックな哀愁が中森ボイスにフィットな気もして、これも楽しみです。

(C)(株)ほんの木
a0116217_11886.jpg8/14追記:「雨の街を」は、某ベテラン女優のカバーがあった気もして、ちょっと検索してみましたがそれは見当たらず、You tube畠山美由紀版を発見、この人の「TYPHOON」カバーは好きですが、「雨の・・」は1フレーズだけで止めました。松本孝弘カバーもあるようですが、やはりあえて聞きたくはないです。

椎名林檎の時のように、今の中森ユーミンカバーで聞いてみたいのを挙げてみると、「雨のステイション」「さみしさのゆくえ」「ハルジョオン・ヒメジョオン」「かんらん車」「りんごの匂いと風の国」「忘れないでね」「NIGHT WALKER」「TYPHOON」「BABYLON」「届かないセレナーデ」「Misty China Town」辺りで、やはりバラード系が多いです。

関連サイト:http://www.nhk.or.jp/songs/archive/090812.html
関連記事:クリスマスの約束(’06)BEGIN、夏川りみ、渡辺美里等「うた魂♪」旅の贈りもの 0:00時発(’06)

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              <’07年3月、特別展 花 FLOWERにて>

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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-13 00:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)


夏期講習前半終了

今日から6日間仕事休み、ちょっと一息です。夏期講習も一応前半戦終了、浪人生と小6の受験生は、基礎の補充とか含め、それなりに段階追ってやってきたつもりですが、色々トータルして、手応え的には6割位、という所です。

やはり夏期分で一番進んだ、と言えば私立中1男子の数学、1学期分野はほぼ問題なさそうなので、次の「方程式」予習を中心に進めてます。とにかく一言で言って、相変わらず律儀で真面目、親御さんも、受験もソツなくこなしたこの兄と、のんびり型の小6弟を、つい比べがちのようですが、興味の持ち方とか、結構別タイプ、と。

講習以前の、やや問題、という中1女の子は、平常もクラブ練習、試合やら等で滞りつつ、来てはいますが、学校の夏休みの宿題をボツボツやってる状況。先日池袋で、仲間由紀恵はそう好きじゃないけど「ごくせん」を見てきて、その近くにかなり大きなプリクラセンターがあった、等と言ってました。昨年夏期は、受験生はこの生徒だけ、2科目型だったし、改めて、割と緩やかモードだったのでした。

浪人生は、先月末からの短い英文解釈・文法応用練習等、丁寧にやってはくるのですが、前からの持病の蕁麻疹や不眠等、とも付き合いながら、ですがどうも家での英・国・日本史時間配分が器用に仕切りにくいようで、志望レベルを思えば、何分全体にもう少し量・質ピッチあがらないと、という所です。

この休み中、少し振り替え分の予定はありますが、溜まった雑事と、少し、気分転換リフレッシュもしたいと思ってます。

関連記事:期末テスト対策終了・夏期講習夏期講習

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           <高1生からクラブの合宿先の長野土産、りんごクッキー>
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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-12 00:00 | 仕事 | Trackback | Comments(0)


旅する力 深夜特急ノート/沢木耕太郎(’08)

この冬買って、少しずつ読んできた沢木新刊、昨日ようやく読み終わりました。幼少時からの、沢木氏なりの個人的な「旅」へのステップ、大学卒業時からのルポライターとしての活動、そしてやはりあの「深夜特急」旅直結の、また後日談の様々なエピソード等、なかなか興味深かったです。
                                      (C)(株)新潮社                            a0116217_1311481.jpg「深夜・・」旅は、ラストは目標地ロンドン到着、でもやや含みを持たせた終わり方でしたが、実はアムステルダムに寄ってしばらく滞在、パリ経由で格安航空券で帰国、その際オルリー空港で藤圭子に遭遇、等というような本当の結末も、今にして、ですが知りました。

朝日新聞の沢木映画コラム「銀の街から」は、最近チェックしてませんでしたが、著作は昨年春頃読んだ「「愛」という名を口にできなかった二人のために」('07)以来、この折に、と、すぐ取り出せる本棚を見てみると、文庫は「深夜・・」1、5,6巻初め10冊、単行本は「オリンピア ナチスの森で」('98)等ありましたが、「深夜・・」は確か文庫で6巻とも手元にあったはずで、他作品共、そのうち奥の方にあるのも確かめておこうかと。

大沢たかお主演でのドラマ「劇的紀行 深夜特急」('96~98)や、「深夜・・」をヒントにした「進め!電波少年」での猿岩石のユーラシアヒッチハイク旅にも触れていて、私はどちらも見ていて、3回シリーズ録画したドラマには、ポルトガル最西端岬等、感慨シーンもあったり、前に「猿岩石裏日記」('96)という本も買ってたりしたのでしたが、沢木さんの両番組への率直な思い・感想というのも初めてで、ちょっと面白かったりしました。

8/9追記:ドラマについては、ドキュメンタリー+フィクションのなかなか面白いものになった、初めて会った大沢たかおは、線が細くひ弱そうだったが、3部作が進む内に明らかに変化していく様子に驚き、最終ロケ地ロンドンで会った時は、別人のように逞しくなっていた、仕事としての旅を、自分自身の旅、と捉え直していったらしい、等と評価してますが、この番組の大沢たかおは、精悍で良かった、とインパクト残ってます。

                                       (C)(株)日本テレビ放送網
a0116217_1426647.jpgその同時期の”ライバル”になった、猿岩石については、沢木さんは、騙されたような形で旅立った2人が、必死で旅するうちに、やはり変化していって、それが視聴者の心を動かしたようだ、危険地帯でのヒッチハイク代わりに飛行機使用の「キセル」問題にも、旅番組で危険を冒す必要もない、と寛容だったようですが、

ドーバー海峡で、船賃を払って車に乗せる人がいるはずはない、無一文の彼らを出入国管理官が入国させるはずがない、これは明らかな「ヤラセ」で、もし彼らが本当に旅する中で変わっていたら、違った決断をしただろうけれど、そうせず「ヤラセ」に乗じた彼らは、多分あっという間に消えるだろうと思ったし、予想通り、彼らのブームはすぐに消えた、等と、辛口で斬ってました。

あの番組は、現代っ子的な何気ないお笑い畑の2人が、沢木ルートをヒッチハイク旅、異国での色々な出来事に出会いながら、という所で、通常の旅ドラマ・番組より面白い所も、という感じで見てました。続く別コンビでの南北アメリカや、アフリカ、足こぎ白鳥ボートでの、似た企画、には飽きもきたのでしたが。どうも引退したようですが、真中瞳も、どのコースか覚えてませんが、チューヤンとコンビでのこの旅で出たのでした。

問題のドーバー海峡では、なかなかヒッチハイクも滞ってた、ような覚えある気して、日記本では、有吉弘行が、ヒッチハイク+フェリー代も出してもらわなきゃいけないし、今までで一番つらい状況だった、等と語ってますが、ヒッチハイクに成功したのに、もう1回撮影するよっていうのがあった、と苦笑していたり。実際ヒッチハイクはしていたとしても、その再撮影、等というのも、どうも不可解、でももう13年前の事の真相は不明ですが、いわば自分の旅のパロディを、沢木さんはそう見てたのだった、と今更ですが、知ったり。
(C)(株)新潮社
a0116217_13123912.jpg沢木さんの一人旅ルーツはそもそも、小学3,4年生頃に、友人が家族と出かける、と聞いた「マツザカヤ」がどうも気になって、電車に乗って大森駅から御徒町の「松坂屋」まで出かけた、という出来事で、その後、中学時代の伊豆大島、高校時代の東北周遊、大学の休みには全国各地へ、と幅が広がった、と。

そういう旅のステップ、というか、私も子供時代、家からそう離れた所でなくても、初めて入り込んだ路地とかの、子供心に異次元な冒険感覚を思い出したり、確か珠算大会で行った本州最南端串本、観光した潮岬や大島の灯台からの広大な海の眺め、が頭から離れず、小学校高学年頃だったのか、親には黙って日帰りで列車に乗り込んで潮岬まで1人で出かけた、様な事や、中学時代クラブの友人と、那智の滝、串本~大島に出かけた、旅の事を思い出したり。

それは女友達との旅だったし、何故親には内緒にしたのか、よく覚えてませんが、何か子供時代の一人旅同様、憧れからの非日常な行動、という漠然とした言いにくさのようなものがあったのかもしれません。

海外旅への沢木さんのルーツは、前にも聞いた事あったと思いますが、小田実「何でもみてやろう」('68)、これはやはり私も子供心にインパクトな1冊、ではあって、以前アメリカをバス旅したのも、端的に言って「何でも・・」+「深夜特急」がルーツ、母とツアー旅でしたがトルコ等も、「深夜・・」の影響もあったりしましたが、沢木さんは冒頭、アン・タイラーという作家の2冊の旅題材小説を挙げていて、その1冊の映画化が大分前ビデオで見た「偶然の旅行者」('88)だったのでした。
                                      (C)(株)新潮社
a0116217_13174814.jpgやはりそういう風に、本や映画絡みの話もちらほらありましたが、「深夜特急」タイトルは、帰国の3年後に見たトルコ舞台の「ミッドナイト・エキスプレス」('78)からで、新聞連載時のタイトルとしてその日本語訳を使うことにして、「深夜急行」より「・・特急」の方が落ち着きはいいし、という次第だった、と。

沢木さんもその主人公と同じように、イスタンブールのヒッピーの溜まり場の店に出入りしていて、間違って異国で獄中生活、という羽目になっていたかもしれないし、劇中、脱獄する、の隠語として「ミッドナイト・エクスプレスに乗る」という言い方がされていたのが、深く心に残ったり、鮮烈な作品だった、ということですが、これは何年か前イランやトルコ舞台の作品検索していた時、引っ掛かった事があって、私は内容に特に興味持てずスルーしたのでした。     

a0116217_17433925.jpg旅自体については、「一瞬の夏」('81)でのカシアス内藤の取材で初めて韓国に海外旅行した時、飛行機から、この下からずっと西に向かっていったら、原理的にはヨーロッパへ行けるのだな、という心のときめき、また人と違う事をしたい、という意固地さ、井上靖の「アレキサンダーの道」で、シルクロードが乗合バスで繋がっていそうだ、という根拠になったり、がバス旅、というスタイルになった、という事や、<(C)(株)新潮社→>

「何でも見てやろう」の他、壇一雄、小林秀雄等の著書等が、旅での自分のスタンスや、行き先の決定に影響したりしたようで、さすがに改めて、勢いだけでなかった、文学青年らしさ、も感じられましたが、印象的だったのは、絞りに絞った、という実用的持ち物一覧や、小島一慶の「パック・イン・ミュージック」宛に送っていた、パキスタンのバスの、始終髪一髪、スピードレース的なクレージーさ、を書いた臨場感ある手紙。

(C)(株)新潮社
a0116217_17485649.jpgまた、旅の早期バンコクで日本人夫妻の現地経験談を聞いて、その夫の「わかっていることは、わからないということだけ」という言葉が、旅中常に頭の片隅にあった、というようなくだり。それはユーラシアの旅で学ぶ事の出来た最も大事な考え方の1つであり、

異国に対してだけでなく、物事全てに応用できるのでは、という気がした、とあって、”謙虚さ”と一言で片付ける類のものでもないかもしれませんが、そういう、どういう対象に対しても、思慮ある目線の伴ったタフな行動、という部分が、沢木さんの魅力の核、という気も改めてして、時間は経ってましたが、私にとってはなかなか読み応えの「深夜・・」サポート本でした。 
                                      (C)(株)集英社
a0116217_19192923.jpg8/11追記:先日取り出した単行本「オリンピア ナチスの森で」('98)を何気なく開くと、緑の背表紙に銀色ローマ字で「To Mieko K.Sawaki」とあって、八重洲ブックセンターで、出版記念のサイン会で買ったのだった、と思い出しました。

沢木さん本人とお会いした唯一の機会でしたが、その時、やはりかなり沢木ファンだった妹の誕生日か何かの折に、送ろうと思って、タイトルは忘れましたが割と新刊の文庫も持参して、買った「オリンピア・・」と共に、文庫にも妹の名宛でサインお願い出来ますか?と申し出た所、隣にいた係の人が、それはちょっと、と遮ろうとしたのですが、沢木さんが「いいよ、いいよ」という風に、笑顔で引き受けて下さったのでした。お礼と、何か一言二言話しました。握手した時、ただ広くごつい手、と思ったのでした。

関連サイト:http://www.amazon.co.jp/%E6%97%85%E3%81%99%E3%82%8B%http://www.eurus.dti.ne.jp/~hiroya/midnightexpress.htm
関連記事:世界は「使わなかった」人生であふれてる(’02)血の味(’00)「愛」という名を口にできなかった二人のために(’07)銀の街から(’07、12月)(’08、1月)(’08,2月)(’08、3月)(’08、4月)(’08,5月)(’08、6月)(’08、7月)(’08、8月)(’08、9月)(’08、10月)(’08、11月)(’08、12月)(’09、1月)(’09、2月)

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                <’96年5月、イスタンブールにて>            
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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-08 00:00 | | Trackback | Comments(0)


SONGS 矢沢永吉<1><2>

先週、昨晩と「SONGS」は矢沢永吉、6月に続いて登場、この番組では1昨年にも2回シリーズ、と良く出てますが、歌ったのは先週は新曲「コバルトの空」「チャイナタウン」「Sweet Rock’n’Roll」「いつの日か」、今週は最新アルバムから「小悪魔ハービー」、「Loser」「Take It Time」「パセオラの風が」。

会場に集まった、20代の若者達と語り合う様子も。男性からの、どうしたらハングリー精神を持続出来るか、という質問に、とにかく真面目に取り組む、という事で救われたりする、仕事で上京したけれど親友という存在がない、等という女性に、自分もこういう世界にいて派手に見えるかもしれないけれど、孤独でもあって、皆多かれ少なかれ似た様なものじゃないか、とか、ゴルファーやテニス選手とか、(プレッシャーで)眠れなかったりするのは、自分だけじゃないはずだ、と暗示をかける、とか、

母子家庭の境遇で7年間証券会社勤めしている、また、3年間キャバクラで働いている、という女性達が、漠然と、これでいいのか、という思いを投げかけるのに対して、自分も音楽を休止した時期もあるけれど、人間そう器用に出来ていないし、今また音楽に熱くなっている、また、自分のなれの果てを、国や周囲のせいにしてはいけないし、半分以上は自分で責任を取らないと、等と語り、

その女性達が終了後、「ずっと走り続けなきゃと思っていたけれど、休んでもいいんじゃないかと、温かいものを感じた」「色々考えなきゃいけないと思った」、等と目を潤ませていたりしていて、”今の矢沢永吉"の言葉に感応する若い世代、という事自体に、何だか日常の、空気の薄い時代、という感触も改めてしたり。

今回歌った曲では、やはり「チャイナタウン」は懐かしかったですが、一番インパクトはシングル新曲「コバルトの空」。前回も雨の中のセットで熱唱していたのでしたが、一瞬往年の曲だったかと思う程の、セクシーかつダイナミックなレベルキープ、という感触でした。

関連サイト:http://www.nhk.or.jp/songs/090729http://www.nhk.or.jp/songs/090805
関連記事:SONGS 矢沢永吉<1><2>SONGS 矢沢永吉

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                 <’90年5月、サンタモニカにて>
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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-06 00:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)


君がいた夏(’88)

先週土曜深夜放映、録画セットはしたのですが、たまたま起きていたのでオンタイムで見始め、結局最後まで見ました。「おもいでの夏」('71)音楽)系統の甘酸っぱい思春期もの、ジョディ・フォスター出演、とのことで、未見でしたが、ちょっとアメリカ青春版「千の風になって」というような後味もあって、こういう機会に見られて良かった類でした。

ジョディは劇場では3年前の「フライトプラン」('06)、昨年春放映の「アンナと王様」('99)が見た最新、若い頃では「タクシードライバー」、と思ったらその前の「アリスの恋」('74)にさかのぼりますが、こういう直球青春もので、というのは余り覚えありませんでした。

8/4追記:主人公はスランプ中の中年野球選手ビル(マーク・ハーモン)、少年期馴染みだった近所の年上の従姉ケイティ(ジョディ)の死の一報に、故郷に戻り、青春時代を懐古、彼女との思い出に力を得て再生していく、という話でしたが、原題「Home Stealing」は、試合での「ホームスチール」で、割とそのまま、というその再生の象徴でもあったのでした。

本人の遺言でその遺灰の葬り方を任されていても、当初困惑気味で、余り深い喪失感、というのではなく、友情、女の子、父の死、野球で認められた事等、思春期の色んな思い出の中の一コマ、として彼女の記憶を徐々に辿っていく様子が、そう深みはなく、都合良すぎに思える所もありましたが、青年にとっての等身大の青春の懐古、という趣で、

舞台はフィラデルフィアらしく、東海岸だったのでしたが、リゾート的ではない明るい海辺の風景、ゆったりした郊外の緑や、シックな家、スポーツカー等の背景が良かったです。マーク・ハーモンは、とっさに浮かびませんでしたが、昨年DVDで見た「ローカルボーイズ」('02)での伝説の中年サーファー役、だったのでした。

ジョディとの絡みがあったのは、ハーモンでなく、懐古シーンの十代のビル役ウィリアム・マクナマラでしたが、ケイティが6才年上、奔放なキャラクターで、普段はビルを振り回し気味でも、父を亡くした少年やその母をさり気なく思いやる心を持ち、2人の感情の高まり、結びつきの瞬間はあっても、恋のさやあて、というより、包容力を持って見守る、的なスタンスだったのが、珍しい青春ものでのジョディらしい気もしたりしました。

8/5追記:そしてやはり脳裏に残ったのは、ケイティが幼い自分に、空を飛んでみたい、風に吹かれて雲のじゅうたんを漂いたい、等と自由への憧れを語っていたのを思い出し、彼女の意思を汲み取ったビルが、その同じ桟橋で、彼女の遺灰を、続いてその銀の壺のケースもろとも、思い切り明るい海に撒くシーン。

この作品は、やはり「おもいでの夏」のように少年の夏のメモリー+避暑地のムード、的なイメージで、こういうインパクトの残り方はやや意外で、海洋自然葬(散骨)という形の、青春ものの中での極端な描写、かもしれませんが、故人の生前の気持のあり方によっては、墓だけが、故人の居場所ではない、という思いも過ぎって、やはりアメリカ青春版「千の風になって」、という感の、切なさあっても、何処かカラリと清々しい後味でした。

関連サイト:http://www.amazon.co.jp/%E5%90%9B%E3%81%8C%E3%81%84%
http://www.paoon.com/film/ehdjsezre.html
関連記事:「フライトプラン」アンナと王様(’99)ローカルボーイズ('02)

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                    <’90年5月、LAにて>
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by MIEKOMISSLIM | 2009-08-03 00:00 | 洋画 | Trackback(1) | Comments(0)

    

’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!
by MIEKOMISSLIM
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