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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!

by MIEKOMISSLIM

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4月初めに、「SONGS」ジュリーの回の記事を書いて、出演作の関連記事で、俳優としては、市川準作品の「大阪物語」と短編ドラマ集「東京日常劇場<哀愁編>」をリンク、少し見直した時、「東京・・」の大鶴義丹と中嶋朋子出演のパートで、2人の会話に太宰治の「トカトントン」という短編の事が出て来て、ちょっと引っ掛かったままだった、と思い出しました。

太宰作品は「走れメロス」と、その他何か読んだのだったか、そう馴染み、という訳ではなかったですが、大鶴義丹が、主人公が何か意義ある事をしようとすると、そういう金槌で打つような音が聞こえる、というような触りを話し、そのタイトルからして、どういう話だろう、と。

劇中、2人の好きな太宰短編として「ヴィヨンの妻」「きりぎりす」の題名も挙がってたのでしたが、チェックしてみたら、「トカトントン」は短編集「ヴィヨンの妻」('50)に収録。「ヴィヨン・・」は、市川監督での映画化予定だったのが、同監督が亡くなり、根岸監督作品で作られて、という流れ、そういう興味もあってこれも引っ掛かっていて、未見でしたがDVDも出たようで、この際に、と、図書館にあった短編集を春先少しずつ読んでました。

8篇収録で、最初に読んだ「トカトントン」は、時代は終戦後、青年が日常の中そういう音が不意に聞こえる様子、ジレンマを、作家に宛てた手紙形式で語る、という内容。やはり虚無感、のようなものを、ややシニカルに淡々と、という感じ。

次に「ヴィヨン・・」、そして他の短編に。本の最初の「親友交歓」は、突然訪ねてきた粗野な旧友に対する、小心な主人公の微妙な心情が、やはりシニカル、でもユーモラスさも感じたりしたのですが、

他の物は、「ヴィヨン・・」含め、家庭人には納まれない作家の放蕩と悲哀、のような空気濃く、どうも息苦しく、後味余り良くなく、忙しなさもあって、しばらく置いたままにしてましたが、先週「ヴィヨンの妻」DVDは見てみました。根岸作品は原作と共には「透光の樹」('04)以来、最新見たのはDVDでの「雪に願うこと」('05)でした。


a0116217_14535288.jpg7/1追記:印象的だったのは、松たか子演じるヒロイン佐知が、家庭人としての誠意皆無で様々に苦労させられても、そういう弱さ情けなさも含めて、どうしても夫大谷(浅野忠信)を好きなのだ、という部分。それは、原作より劇中の方が色濃く感じられました。

原作では行きずりの一夜の出来事だった、佐知と飲み屋の客の工員との関係が、作品では妻夫木君演じる岡田の、佐知に対する純愛、それでもなお夫を思いその関係に苦しむ姿に、去っていく彼、というようなエピソードで、心情的に具体的に迫ってきた、というか。

そして、やはり原作では大谷に翻弄される愛人らしき存在、として名が出るだけの、秋子(広末涼子)も、より生々しく、大谷と心中に走ったり、原作には登場しない、弁護士辻(堤真一)と、佐知の関わり等も、原作の筋からそう外れずドラマティックに味付け、という感じ。

心中未遂は、実際の太宰治の事件でもありますが、「姥捨」という作品で描かれてるようで、収録の他の短編「おさん」の成り行きにも似てたり、ラストの桜桃をかじるシーンは、サブタイトルにもなってますが、本の最後の「桜桃」から、だったり、岡田との「きりぎりす」らしき一節の話やその題名の本、また終盤佐知と街の女が交わす「グッド・バイ」等、この本の他の短編や、その他太宰作品からも、エピソード、エキスを取り入れた演出、と。

原作そのままの科白も折々あって、浅野忠信と松たか子が、一時代前の太宰の虚無や堕落を語る、というシーン等は、何だかやはり”お芝居”という感でしたが、浅野忠信は、身勝手なくせ嫉妬深い繊細さ、という雰囲気は漂ってた気が。自分をなじる「コキュ」という言葉は、原作にはなく、見聞きしたのは原田康子の「挽歌」以来。

松たか子は、日本アカデミー賞の授賞式で、室井滋が「松さんが本当に一生懸命やってて・・」等とコメントしてたのを思い出し、思えば最優秀主演女優賞だったのでしたが、切羽詰まった所で、夫が迷惑かけた飲み屋で明るく働いてみせる芯の強さ、際どく汚れ役ではない健気な女心、という所でハマっていたかと。

それは、終盤、夫に心中未遂され、呆然なままに道端で口紅を買い、あえて不義の路へと辻の元へ、という所で、このヒロインの芯の、筋的には?ですが、原作にはない能動的というか衝動的行動、でも、ここでも、夫との絡みにしても、あえて露骨なシーンは避けた、というのも一因で、今の松たか子、の味相応という感触。

対照的だったのは広末涼子で、私生活でバツ1で母にもなって、という経験も経て、というのも頭に浮かびましたが、投げやりな愛人役の蓮っ葉な女っぷりで、浅野忠信との濃厚シーンも。ドラマ「愛と死をみつめて」の清純ヒロインの残像あったりするのでしたが、こういう役もするように、という変遷を思ったり。

この2人は、留置所の廊下ですれ違い、秋子が意味あり気に笑みを浮かべ佐知を一瞥、という位で、特に対決、のシーンはなく、それぞれの大谷との関係、でしたが、何にしても、相反する印象が。


また、原作で一番印象的だったのは、夫が飲み代未納の上強盗まがいの事までして、佐知が方策もなくその尻拭いに、子供を背負って中野の店に行く電車内で、夫の論文「フランソワ・ヴィヨン」の雑誌の広告を見つけ、「・・つらい涙がわいてきて、ポスターが霞んで見えなくなりました。」とあった所。劇中でも忠実に再現、でも佐知は冷めた風にあっさり一瞥、という扱いでしたが、

いくら夫が高尚なフランス文学を世に語っていても、その裏側の生活の破綻ぶり、家族の苦境、という、このタイトルそのものですが、何とも皮肉な悲哀。

a0116217_14554849.jpgそれと、原作でも劇中でも、大谷の家は小金井、多分電車シーンは中央線のようで、この時佐知が中野に向かう途中で、劇中ではなかったですが、途中吉祥寺で下りて、井の頭公園に寄って、池のそばのベンチで子供にいもを食べさせて、という他愛ないシーンですが、この春久方に母とここに行ってた事もあって、何気なく頭に残ったりも。(↑→)

また、中野の店の吉蔵・巳代(伊武雅刀、室井滋)夫婦が、大谷と巳代の昔の関係も仄めかされてたり、経済的に世知辛い思いもしつつ、佐知の働き、成り行きもあって、人情的にも大谷家の拠り所、のような場になって、という所は、劇中の方が、人肌感が。


7/3追記:でもやはり、後味いい作品、という部類ではないですが、1つ思うのは、とにかく殺人、病死、事故死、自殺、戦死、死刑等当たり前のように人の死が転がっている作品群の中、この作品では、原作でもそれは同じですが、様々波乱・悶着ありながらも、結局脇役人物に至るまで誰一人死んでおらず、生きている、という事。

他の収録短編「おさん」では夫と愛人が心中、太宰治自身の末路もそうで、それには狂言失敗説等もあったり、その以前に上記のように劇中と同じ未遂歴もありましたが、

この作品で、岡田が家に来た夜佐知が見せた一途な夫への思慕、と共に、印象的だったのは、山中で大谷が秋子と薬を飲み朦朧としながらも、流水の感触に、我に返って、助かろうと必死であがいた、本能的な行動。

そういうシーンは、どうも映画・ドラマで見かけた覚えなく、でもやはり、そういう死への恐怖、生への執着、絵的にはみっともなくとも、そう実際、あっさり潔く美しく、あるいは都合よく、死ねる(死んでいい)ものではない、という描写。ただ一歩間違えば、という線まで平気で行ってしまう、人の心の危うさ。そこら辺も、太宰治が自身を晒した作品ベースに、良くも悪くも生身の人間等身大の姿、の映像化、という感が。

ラスト佐知の「・・私たちは、生きていさえすればいいのよ」の科白も原作、劇中同じ。前を向いて強く生きる、というような教訓的ニュアンスはないですが、命の決して”軽くはなさ”のような、大雑把なオーラの断片感じた作品、という所でした。

関連サイト:「ヴィヨンの妻」公式サイトAmazon「ヴィヨンの妻」(文庫)http://www.paoon.com/film/gvpypucfbc.html
関連記事:透光の樹(’04)春の雪(’05)THE 有頂天ホテル(’06)フィルム空の鏡(’97)雪に願うこと(’05)恋愛寫眞(’03)涙そうそう(’05)歌謡曲だよ、人生は(’07)のど自慢(’99)どろろ(’07)バブルへGO!!タイムマシンはドラム式(’07)憑神(’07)東京タワー オカンと、ボクと、時々オトン(’07)東京日常劇場<哀愁編>('91)-追悼・市川準監督ーHERO(’07)クリスマスの約束(’08)(’09)人の砂漠(’10)

              (C)(株)新潮社
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-30 00:00 | 邦画 | Trackback(13) | Comments(4)
先週金曜、新宿に出た折に、この週末4日(日)までの、気になってた、損保ジャパン東郷青児美術館でのユトリロ展に行ってきました。ユトリロは、近年個人展では3年前三鷹市美術ギャラリーで「白の時代」中心の展示会、それと一昨年伊勢丹の画廊で見たのでした。今回、すべて日本初公開、という約90点の展示。

厚塗りの「モンマニーの時代」、「白の時代」「色彩の時代」と、若い頃から晩年までの作品群。折に身辺の解説もあって、印象的だったのは、アルコール中毒治療のため絵を描き始め、というのは覚えありましたが、母と自分よリ若い義父のユッテルに管理され、彼らの贅沢な暮らしのため、囚われの身のように製作、52才で母の勧めで、かなり年上のリュシーと結婚、と、ずっと閉じ込められたような生涯、という事。

母のヴァランドンは、ルノワールやロートレックのモデルをして、私生児ユトリロの父がルノワール説、等は聞いてましたが、結構画家としても有名だったのだった、と。ユトリロと違って人物画中心、母と息子の互いの影響はないようで。ユトリロの幼い頃の、一番のパリの思い出は、漆喰、という所からして、ですが、そういう、狭い孤独な世界で、製作を積み重ね、才能を残した画家、と、改めて。

絵の中の、腰の張った特徴ある女性の描き方は、彼の女性への嫌悪のせい、という説もある、というような説明もあって、風景の中にあっさり描かれた、下半身の座った女性達。そう言われれば、ルノワール等のふくよかな、女性讃歌、のような描写、とも思えず、嫌悪かどうなのか?少なくともよそよそしさ、女性の圧迫から距離を置くような感もしたり。

a0116217_13421395.jpg今回一番インパクト残ったのは、「色彩の時代」初期の「サン・バルテルミィ広場と教会、村」。

ユトリロは、白基調の寂寥感漂う街並み風景で、好きな方の画家ですが、これは、街並みの向こうの地平線の位置も低く、ユトリロ作品にしては、珍しく濃い目の青空が広く描かれていて、家の壁や屋根の赤やオレンジ、緑、白、木の緑等、色彩もメリハリあって、知らずに見たら、一見ユトリロっぽくないようにも、ですが、

a0116217_15343994.jpgこれはカードも買って、良く見たら、中央の道を行く女性が、やはり腰が張ってました。他にカードは、「マキ、モンマルトル」「ノルヴァン通り、モンマルトル」「17区通り」「雪の通り、モンマルトル」(←)「イル・ド・サンジュの酒場にて、ゴブラン、パリ」「エリゼ・デ・ボザール小路」。

手元のユトリロカードを見直したら、「エリゼ・・」だけがすでにあって、今回全て日本初公開のはずなのに?と、展示作品目録を見たら、やはり載っておらず、カードだけが売っていて、また目に付いて買ってしまったようで。


それと、ジュニア版ブックレットと、今回ビル1Fに特設のユトリログッズ等売り場があって、そこで、通常のB5の幅4分の3位のノート(↓)購入。表紙は,チラシやブックレット表紙にも使われてる「カルボネルの家、トゥルネル河岸」。これは、カードには特に手が出なかったのですが、ノート表紙だとスマートに収まってて、気に入りました。

関連サイト:モーリス・ユトリロ展 ーパリを愛した孤独な画家ー
関連記事:大エルミタージュ美術館展モーリス・ユトリロ展フィラデルフィア美術館展ルノワール+ルノワール 2人の天才が愛した女性ユトリロ版画展芸術都市パリの100年展

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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-28 00:00 | 芸術 | Trackback(1) | Comments(0)

英検1次結果

昨日、英検サイトで1次合否の閲覧が始まっていて、今回合格点77点、私は71点で、アウトでした。欄の形式が前とは変わっていて、分野ごとの得点は、通知表が来るまで判らず。先日各級の合格点が出た時、やはりやや足らなさそうな、とは思ったのでしたが。

マーク部分がチェック通りなら、英作が前回出来レベルだと、トータル数点足らず、と思ってたのですが、多少チェック違いか、英作がそう取れてなかったかもしれません。それなりに出来るだけ準備して臨んだつもりでしたが、久方の1次、読解の内容選択の2点問題が、ややあくせくして半分、

ここで、平常ペースのあと3問合ってたら丁度合格点、と思えば、そういうのは今に始まった事ではないですが、理想だった高得点突破はならずとも、歯がゆさも。やはりこれがネック、でしたが、済んだ事で仕方ないです。

形的には3歩進んで2歩下がり的で、自分の手応え的には、やはりずっとネックのリスニングが7割弱取れて、とっかかりのメドがついたのは、進歩で、好材料でした。これを安定+筆記も、再度過去問で模試想定しながら、やっていこうかと。今までこれもガイドも、皮肉というか、そう気負いなく受けた時に1次突破、でしたが、それなりに積んでおかないと、鈍るだけだし、そこら辺、バランス良く、と。

今回生徒の中3生の3級は、これも心配でしたが、リスニング中10点分書き写せず不明でも、トータルで合格点を1点超えてて、パスしたようで、こちらは一安心、来週期末テスト後に多少なりとも2次対策予定です。

引き続き、再度1次からになったおかげで、ステップアップしてかえって良かった、という日に向かって、また仕切り直していきたいと思います。

関連サイト:STEP 英検ー日本英語検定協会ー
関連記事:英検1次試験

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                   <’90年5月、キーウエストにて>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-26 00:00 | 勉強 | Trackback | Comments(0)
先日20日(日)夜、たまたま少し録画を見ようとしてTVを点けたら、この番組が始まった所で、全くノーマークでしたが、急いで録画セット、オンタイムで最後まで見てしまいました。昨年のBS番組の再放送でしたが、ジヴェルニーの”モネの庭”を、華道家假屋崎省吾が訪ね、散策したり、庭の手入れを手伝ったりして、モネの世界に思いをはせる、という紀行。語りは香川照之。
                                   (C)同朋社出版
a0116217_12413856.jpgモネの庭については、そこを描いた作品カード等も色々あって、以前「週刊グレート・アーティスト」という雑誌のモネ特集の時、庭の紹介が4ページ分載ってたのでしたが、こういう、実際庭内部の紀行、そもそも映像も覚えなく、結構貴重、と。1時間45分番組でしたが、充実感。後で改めてこのページも見直しました。

冒頭録画では欠けたのですが、モネ作品にもなってるパリのサン・ラザール駅から出発、のどかな田園地方を通って60キロ程の所で、500人位が住むというこじんまりした村。庭への入場料は6ユーロ、のようで、7~900円位でしょうか。春~秋に、庭を見に世界中から観光客がやって来る、と。

假屋崎省吾氏は初見でしたが、金髪長髪でおっとりした物腰。フランス語は挨拶程度の片言のようで、傍らに通訳つきでしたが、5日間共にした庭師のフランス人達に、丁寧に挨拶、花という共通項もあって、気さくに接して、仕事に従事、指示に実直に従ったり、という様子。幼い頃、園芸好きの両親と土に親しんでいて、というルーツで、庭仕事の嗜みもあって、今回作業に参加出来たのかもしれませんが、この庭の旅人、としては、ハマり役、と思いました。

a0116217_18544140.jpgまず「花の庭」の方の、モネの絵の手法がそのまま園芸に、という、一画に同じ色の花を集めていたり、その場のアクセントになる色の花を入れたり、白と他の色の花の組み合わせ、等、庭師が、この庭は他の庭と大きく違って、花がかなり密集してるけれど、それぞれが邪魔をし合っていない、等と語っていて、映像でもそこそこ綺麗だったのですが、これは実際歩いてみて、視覚的に体感出来るんだろうと。

43才でここに移り住んで以来、モネ自身がかなり入れ込んで、安定してきた絵での収入をつぎ込み、園芸の詳しい知識も得て、自ら世界各地の品種を取り寄せ、構成や管理に細かく携わってた情熱、というのは、今にして、でした。敷地のモネの家自体も公開されてるようで、庭の花のような黄と青の配色があったり。

「水の庭」にしても、太鼓橋等は、モネの日本好きルーツというのは有名でしたが、池を作る際に近くの川から水を引こうとしたけれど、住民の反対に遭って難航、後の首相に手紙で訴えかけてやっと実現、というエピソードも。

a0116217_1050485.jpgここは、咲き始めだった睡蓮も可憐でしたが、枝がそよぐ柳と橋や水面も風情あって、幻の夢の風景のようで、やはり西洋風の左右対称的な「花の庭」とは違う、オリエンタルな瑞々しさ。

晩年、その「水の庭」の、数々の睡蓮の花のモチーフから、老いながらも”水面”の描写に取り付かれていく様子も、今回改めて、でしたが、假屋崎省吾が感嘆していたように、この庭を、自分の生涯の総決算の場、またさらに新たな創作のための場にした、美への執念。穏やかな画風の背後の激しさ、というのも再認識、でした。

自分の描きたい風景を、実際に作ってしまった画家は、芸術史上モネだけ、という専門家のコメントもありましたが、移り変わる光と色の瞬間を留める印象派、の受身イメージ、+結構現実的に、能動的な画家でもあった、というか。

a0116217_18384377.jpg終盤假屋崎省吾が、のどかな川縁や牧草地の方も探索していて、この村ではセーヌ川が東西に流れて、東西を遮るものがなく、朝日や夕日が差し込みやすい地形、というのも、モネがこの地を選んだ理由の1つ、というのも、印象派要素としてはなるほど、と。

假屋崎省吾は、最初の自己紹介の時、即興で、ガラスの器等に、用意した花を生けていて、ikebanaはフランス語にもなってるそうですが、実際見るのは初めて、という解説あって、フランス人達は珍しそうで。最終日にも、庭仕事の一輪車や用具+庭の花と同じ種類の花屋の花、庭の余分な小枝等を使って、モダンな生け花を披露。睡蓮の代わりにゼラニウムを浮かべた「水の庭」もあって、小さな庭に、全て入ってる、等と面白がってるようでした。

a0116217_1994330.jpg最後に、オランジュリー美術館のモネの睡蓮の間に寄って、広がる睡蓮大作に、改めて畏怖の念、という様子。この番組は、各界の人々が、それぞれの聖地を訪ねる、という主旨で、今回この人が、50才の節目に、新たな活力を、という旅だったようで、同じ芸術家、また花、という共通モチーフでの感慨もひとしおでは、と。

この庭は、私はやはり海外聖地、の1つ。さすがにここは映画・ドラマ撮影等も難しそうですが、ずっと憧れはあって、今回この番組を見て改めて、”どこでもドア”があったら、村散歩も含めて、3泊4日位で行ってきたい、と。現実的に行くとなると何かと大儀で。実際行ってみたら、こういうものだったのだ、という感かもしれないですが。たまたま気付いて見逃さずすんで良かった、モネの花紀行でした。

関連サイト:プレミアム8<紀行> 夢の聖地へ モネの庭ジヴェルニー モネの庭
関連記事:クリーブランド美術館展オルセー美術館展大回顧展モネ芸術都市パリの100年展ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち

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                 <’09年5月、ひたち海浜公園にて>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-24 00:00 | 芸術 | Trackback | Comments(0)
「SONGS」3週前の安全地帯2回シリーズの初回と、先週の高橋真梨子の分を録画で見ました。安全地帯2回目は、再放送も今回すぐにはなくチェックし損ね。玉置浩二はこの番組は、3年前ソロで出てたのでした。今回歌ったのは、「蒼いバラ」、メドレー(碧い瞳のエリス~恋の予感悲しみにさよなら)、メドレー(じれったい~Cherry~熱視線)。

’07年頃からの病気から回復、メンバーに励まされた事もあって、安全地帯として再出発したくなった、との事で、そう言えば最近”復活愛”話題の青田典子も、彼の体調も気遣って活動自粛、とか見かけて、年齢もあるかもしれませんが、何だか顔付きも少し変わった気が。

回顧映像で、安全地帯は14才の頃からの仲間のグループだった、と。北海道のNo1人気バンドになって、まず陽水のバックバンドになって、というのは聞いてましたが、星勝氏ともデビュー時からの付き合いだったのでした。

若い頃の陽水コンサートで「Happy Birthday」の演奏してたり、昨年の陽水特番でも流れた、2人での「夏の終わりのハーモニー」のシーンも。病気の時、陽水が前触れなく病室にやってきて、「歌わないで、何してるの?」等とにこやかに元気付けてくれた、等のエピソードも。

声のハリは相変わらずで、ベテランらしくアコースティックでの「恋の予感」「悲しみにさよなら」はやはりスタンダードに名曲、「碧い瞳のエリス」も何だかGS時代の哀愁曲のようだった、と。後半のダンサブルなメドレー熱唱で、「じれったい」「熱視線」等、渋いラインだったのでした。

「ワインレッドの心」は、2回目歌ったようで残念。高橋真梨子のマイベスト男性カバーは今の所、この曲だったのでした。高橋真梨子は、この番組常連的で、ここ3年毎年出てましたが、今回歌ったのは「ルビーの指環」「フレンズ」「海色の風~君住む場所へ~」「時間よ止まれ」

この人も、更年期障害で休養期、幼い頃から片親だったお母さんが亡くなったり、等の話も。その頃の、自分で作詞の「フレンズ」は、サビの部分は覚えありましたが、改めて聞いて、内容は同士愛、のようで、「for you・・」系のバラードで、「for you・・」程のインパクトはなくても、じんわりといい曲。

トークは割と苦手、というのは初耳、そう言えば、大分前に行ったコンサートでも、トークの覚え余りありませんでした。

「ルビー・・」は寺尾聡(「ルビーの指環」)の洒脱な高橋版、矢沢曲は、昨年この番組で中森明菜の「チャイナタウン」もあったですが、この「時間よ・・」も、女矢沢、というタフなイメージではなくても、そう力まずこなしてて、といういう感じ。

やはり徳永英明が女性カバー、のように、この人は、男性カバー適性、かもしれませんが、この人のユーミン曲で聞いてみたいとしたら、「あの日にかえりたい」「NIGHT WALKER」「水の影」「時はかげろう」等。中島みゆき曲だと「流浪の歌」「朝焼け」とか、中島曲は色々フィットするんじゃないかと。


昨日、18日に出ていた、来月からエキブロ記事下に広告が入る、という投稿欄脇の掲示を読んで、その記事へのユーザーからの多くのTBやコメントの一部を見たら、このブログはシンプルさが良かったのに、等反感・不快を表したものがほとんどのようですが、私も同感、諸事情あるかもしれませんが、残念です。

以前のAOLダイアリーにも途中から広告入りましたが、掲示の有無や形態は選べて、せめてそういう形だったら、と。移行した今のteacupにも入るし、更新ないとトップにも自動的に入って、視覚的には多少慣れのものかもしれないですが。今の所移転は考えず、有料のアドバンス版だと広告は入らないようですが、考慮中です。(お知らせ

関連サイト:SONGS 第138回 安全地帯 第1夜第140回 高橋真梨子
関連記事:SONGS 玉置浩二SONGS 高橋真梨子<1><2>SONGS 高橋真梨子SONGS 尾崎亜美SONGS 高橋真梨子そしてもう一度夢見るだろう/松任谷由実('09)・No Reason~オトコゴコロ~/高橋真梨子('09)SONGS 矢沢永吉<1><2>LIFE 井上陽水~40年を語る~<1>

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                 <90年5月、キーウエストにて>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-22 00:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

北京的西瓜(’89)

昨日、最寄の図書館で大林作品「北京的西瓜」の上映会があって、これは未見だったし、都合も合ったので、見てきました。以前ここで見たのは「ひまわり」だったかと。「異人たちとの夏」('88)の次、「ふたり」('91)の前の作品だったのでしたが、千葉の船橋の、八百屋の主人と中国人留学生達との交流の実話を元にした物語。

ふらりと店にやって来て、野菜が高い、とこぼす留学生。当初は、春三・美智夫婦(ベンガル・もたいまさこ)共軽い善意で、安く売ってあげたりしていたのが、彼らの実情を知って、夫の方が、何くれとなく世話を焼き始め、次第に当然のように自分を頼る彼らへの、うっとおしさもふとこぼれますが、「お父さん」と慕われ、

建築の勉強がしたいけれど、日本の建物を見に行く余裕がない、という彼らを、店の小トラックで東京見物に連れて行ったり、という辺りまでは、微笑ましい感じでしたが、次第にエスカレート。

彼らのために店のお金を持ち出し、息子の自転車や妻のネックレスをあげてしまったり、相談もせず賃貸物件の保証人になったり、ささやかに八百屋を営む、息子・娘がいる家庭はないがしろ、明らかに常軌を逸した行動には、不快感も。

周囲に「中国病」と揶揄され、妻は止めようとはするものの、まともに衝突する気力もなく、という所。そういう人の良さ+頑固な夫、途方に暮れる妻、を、ベンガルともたいまさこが熱演。ベンガルは、折に中国人に間違えられる、という科白もあったり、その風貌や雰囲気も役柄にフィット。

店での軽妙なやり取りに、折に笑いも起こってましたが、どうも前半、木野花演じる女主人の居酒屋の常連の近所の人々と共に、ガヤガヤとした群像劇のようで、ちょっと毛色変わった大林作品、という感触でした。

後半、ついに店も税務署から差し押さえられるまでになって、春三も倒れて入院、そこから、留学生達が、店を盛り上げようと働いて、現実的にはそう簡単には、という苦境かと思いますが、いい方向へ、という明るい流れ。

結局美智も、色々ありながら、留学生への愛情を春三と分かち合い、熟年夫婦の絆の確認、という所で、先日の「RAILWAYS・・」のように、いわば夫が、日常を逸脱して打ち込み出したものを見守る妻、という立場。背景やテイストは全く違いますが、こちらのもたいまさこの方が、常に顔を付き合わし振り回される日常の中で、まるで菩薩のような、という忍耐力、懐、という印象でした。


丁度この撮影の頃、天安門事件が起こり、当時その抗議のため、劇場版では、事件が起きた1989年6月4日の数字の和の、37秒間の空白が流れた、と、後で作品紹介欄で見かけたのですが、事件のため、夫妻が元留学生達に招かれて中国で再会、というシーンのための中国ロケが出来ず、結局、機内や、ホテル、パーティ等国内収録で、

異色だったのは、劇中、ホテルでベンガルが突然、「お気づきのように、実際は中国へは行けず、この映画のための撮影は、日本でしました。・・」のような、劇中人物、でなく、出演俳優、として、タネ明かしを語っていた事。後で思えばそこだけ、ちょっと、枠の自由なイラン映画のような感じも、ですが、

「・・でも私達は、彼らと再会出来て、本当に嬉しかった。・・」のような、俳優としてか、春三役としてか?やや不明な部分もあって、どちらにしても何だか気持は伝わってきても、あえて、そういうタネ明かし説明はなくても、ドキュメンタリー、という訳ではないし、中国、という設定で、スタジオ撮影で、特に問題なさそうだし、やや込み入りすぎ、にも感じたのですが、

そこら辺は、思えば大林作品で海外シーン、というのは「ふりむけば愛」('78)のサンフランシスコ以外は覚えなく、この時、理想図として描いていた現地での撮影が、あの事件で、否応なく出来なくなってしまった、という現状を、シニカルさ込めて、観客側に、姿勢として示したかった、

また、それだけでなく、実際中国人の若者達と接し、草の根レベルでの、彼らと日本人との交流の作品を作ってきて、抗議の37秒の空白を入れた、という同監督(達)の事件自体への強い憤りもあって、製作側からしての、オンタイムな”嘘のないドキュメンタリー”にしたかったのかもしれない、等と思ったりも。


その他印象的だったのは、近所の一行と留学生達が、海辺へ出かけ、中国の楽器で、和やかな曲を、弾いたり、歌ったり、という、幻想的、にも思えるような演奏シーン。

そこで、彼らが西瓜割りもしていて、春三と留学生が、船橋と北京の西瓜のどちらが美味しいか、を自慢しあっていて、タイトルにもなってましたが、終盤、飛行機(セット)に乗り込む前、春三が、お金の入った手紙と共に渡されてた、北京の西瓜は、卵型だったのでした。

一般庶民の、自分の懐勘定や事情、戸惑いや苛立ち、そういう現実感もありながら、余り理屈ない留学生達への人情、単純に、慕われる、頼りにされる、という事への張り合いや喜び。そういう中で生まれてた絆、のようなもの。やはりこれも、ややファンタジック実話ベース、ですが、そういう世知辛さを超えた所にある心豊かさ、のようなエキスは、いい後味でした。

関連サイト:Amazon「北京的西瓜」http://www.paoon.com/film/pihxrhxk.html
関連記事:理由(’04)かもめ食堂(’05)それでもボクはやってない(’07)めがね(’07)転校生 さよならあなた(’07)22才の別れ Lycoris葉見ず花見ず物語(’07)世界はときどき美しい(’06)会社物語(’88)-追悼・市川準監督ー東京日常劇場<憂愁編>('91)ー追悼・市川準監督ー時をかける少女(’10)時をかける少女(’76)別れの曲(’34)

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                    <’98年3月、城ヶ島にて>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-20 00:00 | 邦画 | Trackback(1) | Comments(0)
一昨日、気になってたこの作品を、英検の帰りに新宿ピカデリーで見てきました。錦織作品は、DVDで「ハート・オブ・ザ・シー」('03)「白い船」('02)「ミラクルバナナ」('05)を見ていて、どれも割と好感だったし、今回テーマ曲がユーミン、やはり劇場で流れるのは聞いておきたい、という所でした。

提供曲で映画テーマ曲は、最近「時をかける少女」のいきものがかり版は聞きましたが、本人の歌、と言えば、私はDVDでの「天国の本屋~恋火」('04)の「永遠が見える日」が最新、スクリーンでは、「波の数だけ抱きしめて」('91)で何曲か挿入歌で流れましたが、

思えばテーマ曲では、「魔女の宅急便」('89)の「やさしさに包まれたなら」に遡るかと。今回の「ダンスのように抱き寄せたい」はまだ聞いてませんでしたが、どうせなら直接劇場で、と、あえてチェックしませんでした。

この作品は錦織監督の故郷舞台の島根3部作の3作目、とのことで、余り島根の素朴風味とユーミン、という連想はつかなかったですが、「白い船」を見た時、たまたま子供時代「海を見ていた午後」の「ドルフィン」絡みの海への憧憬ロマン感覚を思い出して、触れてたりしたのでした。

「白い船」は、沖を通る大きな船への子供達の憧れ、その夢を叶える周囲の大人達、という何とも究極の素朴さ、題材は実話にしても、現代の優しいお伽噺的な、と思ったのですが、今回の「RAILWAYS・・」も、実話ベースのようですが、そういう意味では大人の夢の実現、という牧歌的テイストも。

主演中井貴一は、私は主演作ではドラマ「風のガーデン」以来で、「風の・・」では、自らの死期を悟り、故郷の北海道に戻って父、娘と和解、時を過ごす、という主人公で、今回は、重病の老いた母の元へ、というきっかけもあって、故郷へ、という流れでしたが、

「風の・・」での、自分の不倫沙汰から色々波乱、家庭の破綻の過去あって、ややプレイボーイ風な医師、よりは、今回も大手会社の管理職、というエリート感は同じでも、家庭人としては、妻(高島礼子)や娘(本仮屋ユイカ)とそれなりの心の距離・自身の惑いはあっても、穏当に家庭を営んでいる、という役柄の方がフィット、という感でした。

6/16追記:序盤、故郷を離れたがらない病の母、会社の同僚の不慮の事故死、を転機に、エリート人生をリセット、に傾く、中年主人公筒井個人の心情は伝わってきたのですが、

その実行で、夫だけが職故郷に帰り、という別居状態になるし、東京~島根の距離、1からの運転手職で、経済問題とか、家庭の一大事、その重大決定に、妻由紀子は全く蚊帳の外、事後承諾のような形で、というのは、どうも不自然感が。

その決意には、妻が自分のハーブティーの店を漕ぎ出した所、娘も大学生で就職活動の時期、それぞれが自立気味、また、電車会社の面接で答えてたように、家のローンは早期の退職金で賄えそうで、というような背景もあるかもしれないですが、

それにしても、自分の意志を認められないなら、別れても、という覚悟で、という程の冷めた関係、とも思えず、そういう摩擦の過程は割愛したのかもしれませんが、別居状態でも、とりあえず新たな運転手職に生き生き取り組む夫を見守る姿は、ややクールにも、包容力にも思えたり。

娘倖は大学の後半で、そう授業もないのか?祖母(奈良岡朋子)の世話をしながら、鳥取にいつき、そういう家族分散のギャップを、補うかのような印象はしたのですが。

a0116217_19495416.jpgまあ少しそういう違和感もあったのですが、メイン舞台の、海岸沿いや田園風景の中を走る小さな車両。ルーツ的に愛着あった鉄道、という新たな居場所で、いくらローカル線でも、電車の到着時間等、折に合理的な制約との摩擦もありつつ、乗客の手助けしたりしながら、人間的に大らかに、働く姿には、好感持てました。

ちょっと印象的だったのは、幼い少年が無人の運転席に入り込み、電車を動かしてしまい、責任問題になるのですが、それが丁度、筒井が、車両間の線路に、乗客の落し物を取りに下りて、上がってきた直後だった、というシーン。

あえて間一髪のタイミング、にしたのか?たまたまか、判りませんが、どんな平和な場所にも現実的に起こり得る不慮の事故。でも、そういう悲劇にはしないのが、この作風の穏和な所、とも。

そういう筒井の芯には、病身の母の元に、という1人息子としての心情的充足感もあってこそ、とも思えて、今元気ではありますが、年取った母が近くにいる我が身にして思えば、たとえこの主人公のように、帰る故郷はなくとも、心の中に、そういう場は作れる、とか、

また丁度、英検後のやや不完全燃焼気味な脱力感の中、見ただけに、好きな事に、諦めさえしなければ、いつからでも仕切り直しは出来る、というような、希望というか癒しというか、じんわり感じられたのは良かったです。


6/17追記:俳優陣は、やはり中井貴一は今回の筒井役に似合ってた、と思うのですが、母役奈良岡朋子も、田舎にいる市井の老母、の優しく気丈な渋い物腰。「崖の上のポニョ」での施設の老人の声役、以来でした。

娘倖役は本仮屋ユイカだった、と後で知ったのですが、私は「スウィングガールズ」('04)以来。当時、少し他の同年代女優とは違うユニーク存在感、という印象でしたが、久方に姿を見て、ソツのない、結構オーソドックスな若手になっていた、という感じ。見学に行った駅で、職場の人に「テツ(鉄道マニア)か?」と聞かれ、「いいえ、倖です!」と笑顔で応じてたのが、唯一、「スウィング・・」での天然さ重なりました。

また、筒井と同期新人の、若い運転手宮田役は、三浦友和・百恵夫妻の次男三浦貫大だった、というのも後で知って、初見で、あれがあの夫婦の、という感慨も少し、でしたが、元甲子園ピッチャーでありながら肘を壊しての、不本意な就職で、不機嫌そうな様子から、徐々にですが心を開いていく青年役。演技力は未知数な?でしたが、友和+百恵遺伝子、と言われれば、という面差し・硬質な印象でした。

あと、宮崎美子は「ミラクルバナナ」にも出てたのでしたが、明るく甲斐甲斐しい介護士役、電車会社社長役の橋爪功も、ローカルで緩い、いい味。こういう脇役陣も、この作品の良心を支えてたかと。

そして、社長とペアの部長役佐野史郎の姿に、この人が出てたドラマ「誰にも言えない」のユーミン主題歌「真夏の夜の夢」が頭を過ったりしたのですが、この素朴で和やかな展開に、ユーミン曲、というのはやはりどうもイメージが湧かず、一体どう来るのだろうか?と、思ったのでした。

(C)(株)ゼスト 出版事業部
a0116217_19361266.jpgラストになってエンドロールと共に、田園の中走る小さな電車の俯瞰映像に重なって、ゆったりしたイントロからの曲。やはり最盛時の切れ味、というのではないけれど、穏やかなバラード。そう作品との調和は違和感なく、歌詞も、年月重ねたカップルの愛情を歌い、中井・高島が演じた夫婦関係にフィットするラブソング。そもそも、曲タイトルからして、この作品とのギャップを感じてたのですが、なるほど、という落とし所、と。

2番に駅の情景も入ってたり、終わった直後の印象は、曲自体、さすがに作品の味からはみ出ない、無難な感じで、帰り道でも、もし既成ユーミン曲で似合うとしたら、と考えてみたりして、故郷に戻って再出発、のテーマだと、「生まれた街で」。

でも、「MISSLIM」収録の元曲だと、人生を重ねてきての帰郷、という状況には、すっきり透明感ありすぎ、な気もして、今のユーミンの声でアコースティック版、でどうだろう、とか、実際流れてみないとフィット具合は判りませんが、おそらくそれなりに、感慨はあったかと思ったのですが、

その後改めて「ダンスのように抱き寄せたい」(歌詞)を聞き直してみたら、サビの所が、メロディ自体自然と頭でリフレインして、遅ればせながらジワジワと、いぶし銀のような染み入り方。その1番の「・・ダンスのように もう踊れない 錆びたぜんまい 止まってゆくけれども・・」のような歌詞も、

劇中の筒井の、50才手前で、田舎の小さな車両の運転手として再出発、それだって技術もいるし、人命も預かる仕事、でも生き方的には、かなり不器用で不恰好、かもしれないけれど、そういう風に、世の中でエリートとしてやっていく、という事に、価値を見出せなくなった、ある意味、上手くは泳げなくなった、という悲哀の部分、その代わり、スローでも自分なりの泳ぎ方、を得た、という幸福、ではありますが、そういう流れと絶妙にオーバーラップ。

思えば「ダンスのように踊る」、というのも、意味が重なって妙だったり、2番の「・・どんなに疲れ みじめに見えてもいい・・」なんて、およそ往年のユーミンらしくないフレーズですが、そういう所も含めて、この曲の味、というか。

年月を経たからこそ、傍目からみたらスマートには出来なくなった、または、したくはなくなってしまった事、というのも確かにある、でも、等と思ったり、そこら辺は、路線はラブソング、でも、年輪重ねたユーミンならでは掬い取った不器用な心の機微、のような感じもあって、やはり劇場で映画と共に聞いた、という効果もあるのかもしれませんが、近年のユーミン曲では、何だか一番ツボにきました。


6/18追記:そういう風に、ユーミンテーマ曲も感慨あったのですが、やはり「白い船」大人版、とも言えそうな、多少綺麗過ぎであっても、素朴な夢の実現、その充実、人情味、とか漂う作品。今更ですが、本当に、必要なんだろうか?という、当然のように、色んな類の過激さ、刺激的なシーン、設定等が散りばめられた作品が多過ぎて、

情報の氾濫で、現実社会の、人の価値観も不穏な今日で、こういう、派手さなくても、人生の機微を地道に前向きに描いて、様々な年齢層や状況の人の心に、さり気ないエールを送るような作品は、貴重、と改めて。個人的には、この時期に見て良かった、という作品でした。

関連サイト:「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」公式サイトhttp://www.paoon.com/film/jmrluznqba.html
関連記事:スウィングガールズ(’04)天国の本屋~恋火(’04)ハート・オブ・ザ・シー(’03)白い船(’02)地球街道 北イタリアの旅アジアンタム・ブルー(’06)ミラクルバナナ(’05)崖の上のポニョ(’08)竜馬の妻とその夫と愛人(’02)~追悼・市川準監督~ユーミンと映画・市川準監督風のガーデン(’08)~最終話ナツユキカズラHERO(’07)時をかける少女(’10)

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                   <’98年3月、海ほたるにて>

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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-15 00:00 | 邦画 | Trackback(15) | Comments(0)

英検1次試験

昨日、英検1次が終わりました。先週は最近2回分の過去問、’03と’01年版過去問CD発見したので、改定前と同じPart1、2部分は復習、出来るだけ書き出した語句チェック、等で、1年4ヶ月ぶりの1次本番になりました。

前回1点差2次突破ならず、を、バネにして高得点で1次突破を、というつもりではいて、週半ば模試形式でやった’09年3回分では、割といい出来だったのですが、やはり試験場での実戦離れ感も。さっき解答速報で合わせたら、選択の筆記+リスニングで7割弱の55点、前回1次突破時より4点減、例によって、合格点ラインと英作次第でボーダー辺り、という所でした。

指定教室に入ったら一番前中央の席が空いていて、なるべくリスニングで普段と同じような機械からの距離、と思えば、と、そこにしました。両隣は年配、中年の男性。

1番語句は、久方のマーク塗り自体やや気遣いつつ、終盤見知らぬ熟語群もありましたが、前回と同じ20点。でもどうも、コンタクトが浮いて、見えにくい感触で、不審行動と思われても嫌だし、とか迷いましたが、普段のように裸眼にしよう、と、1番後コンタクトをケースに取ったり、ややあたふた。

次にした英作「日本は国際問題でより大きな役割を果たすべきか?」も特に書きにくくはなく、時間ペースもそれまでそこそこだったのですが、

3番内容選択の最初「Anarizing Altruism(利他主義の分析)」トピック問題で、キー単語altruismが「利他主義」という意味は浮かんだのですが、どういう思考のメカだったのか、それを「他人の事は考えない」というニュアンスで取ったままそれなりに読んで、設問になって、逆の意味、と気付いて、文の意味を取り直したりしていて時間も食って、後の、陪審のインターネット情報使用問題、手品と精神、の問題もやや動揺のまま、余計な雑念も湧いて戦いながら、の土壇場で、

タイムアップ時には、やはり2番空所補充途中。残りは、リスニングの説明が流れてる間に何とか括弧の前後だけ読んでそれらしきのを埋めて、という所。この2,3番出来が、結局半分、だったのは痛いです。英作は無難にそれなりな出来かと思うのですが、やってしまった、単純な文法ミスが一箇所浮かんだり。

その後のリスニングは、以前だともう気力萎え、という所で、今回もPart2は練習時含めても最低でしたが、Part1は7割、ポイントの2点問題が7問中6問取れててトータル22点、これは前回より7点アップで、恩の字、という所。

振り返って、やはりリスニング練習に比重置いた分、この分野は本番での集中力も以前よりアップ、Part2さておき、ですが、なし崩しに英文が流れただけ、という空しさはなく、結果もそれなりの進歩で手応えは残りました。これに+前回程度の筆記の出来、なら、やや余裕で突破も見えた、という所でしたが、

やはり、今回もし突破ならず、なら、教訓は、一式トータル集中練習の必要、また、今更ですが、本番に向けて体力、気力温存して、余裕で持っていけてれば、という所でした。が、とにかく終わって、一息つきました。

関連サイト:STEP 英検ー日本英語検定協会ー
関連記事:英検2次結果英検対策(6/6)

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                    <’09年6月、上野にて>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-14 00:00 | 勉強 | Trackback | Comments(0)

英検対策

1次本番が1週間後になり、数日前受験票も来て、今回試験会場は成城大学、ここは初めてです。昨日までで終えたのは、’07年3回~’08年2回のリスニング過去問の復習、「7日間完成予想問題ドリル」一通り復習、CEL模試の正解率低かったものから’07年3,8,9回リスニング復習、単語帳に書き出した語句意味チェック。

予想ドリル復習は、出来はそこそこ、一度やってるせいもあってか、筆記のスピードも最後に廻した2番を終える位に上がってきたのですが、やはり語句も読解も、以前と同じ箇所を間違えたり、以前インプットした語句の意味が曖昧になっててのミスも。

改めて興味引っ掛かったのは、ドリルのリスニングPart2の中の「ダーウィン」トピック。日本語訳を読み返しても即座には?でしたが、かつて進化論が、生物が、神の創造だったという必要性を失くしたけれど、科学の進化で生物の複雑性が明るみに出てきた結果、やはり生物の起源論が、科学的には検証出来ず、再び神の創造、という粋に戻った、のような内容。

読解では、火星への有人飛行、カーターとレーガン比較、ジャズとクラシック比較、「プラスティックからバイオプラスティックへ」トピック中、「卒業」('67)で、ビジネスマンがダスティン・ホフマンに、投資するならプラスティック、と忠告したけれど、これが最近封切りだったら、バイオプラスチィックだったかも、というような所。どうも思い出せませんが、そういう科白があったのだった、と。

なかなか予定通り、という訳でもないですが、今週は、なるべく本番の時間帯近くで、’09年2、3回、春先にやった’09年1回過去問の復習+語句インプット出来るだけ、等で、調整を、という所です。

(C)(株)アルク
a0116217_12381727.jpg「カサブランカ」P147までチェック、リックの店で、リックとルノーの会話。最初に、作品冒頭スリをしていた不審な男が再度登場、その時と同様「ここは危険な場所です」と旅行者に警告していたり。また、リックと別れたイボンヌが、ドイツ人将校と店に登場。通行証について牽制するルノーに、リックが、ルノーの政治的立場をやや皮肉って糺すのを受けて、ルノーが「(It) serves me right for~」という言い方で、単刀直入の質問をした当然の報いってわけか、と苦笑。「beseech」=「懇願する」、「going-over」=「徹底的調査」だったのでした。

関連サイト:STEP 英検ー日本英語検定協会ー
関連記事:英検対策(5/17)
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-06 00:00 | 勉強 | Trackback | Comments(2)

築地の粋な味めぐり展

先日31日(月)、都合も合って、小田急新宿店で一昨日までだった築地の物産展に、母と昼食に行ってきました。いつもよりイートインが多く、丼、そば、カレー等8店舗。その中の「魚河岸三代目千秋」店で、私はまぐろ丼、母は漬けまぐろ丼に。

思えばまぐろ丼は、先日、三浦半島の旅でも食べてたのでしたが、その時の方がご飯はボリュームあって、今回の1.2~1.3倍位。でも新鮮な舌触りでなかなか美味。母のは、醤油味の漬けまぐろでやや濃い風味、私のの方があっさりしていて、普通のにすれば良かった、とちょっと後悔してました。

a0116217_8552418.jpg場所柄か、魚の漢字クイズコーナーがあって、「鯛」の読み方と、「鰹(かつお)」の書き方の2問で、抽選で商品券が当たるようだし、私も母も応募しておきました。これはまあ判ったのですが、答えもよく見ると前のボードに載っていて、これだけ魚偏の漢字群を見たのは、何処かの寿司屋の湯のみ茶碗以来。

実際の築地は未踏ですが、その築地場外市場の店舗マップも置いてました。後で、未見ですが大沢たかお主演だったコミック原作の「築地魚河岸三代目」があったのだった、と。その地図では、少ないですがソフトクリーム屋や喫茶店もあるようでしたが、今回デザート類店舗はなし。一軒あんみつを出してるイートインがあったのですが、それにはやや満腹で、見送り。少しブラブラ見て廻って、私はおかずに「味の浜藤」という店の、揚げシューマイの串刺しを買って帰りました。

関連サイト:BIGLOBEニュース 小田急新宿店築地特集
関連記事:三浦半島花めぐりの旅

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<まぐろ丼、漬けまぐろ丼>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-06-03 00:00 | グルメ | Trackback | Comments(0)