Something Impressive(KYOKOⅢ)


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借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展

一昨日、東京都現代美術館で開催中のこの展示会に母と行ってきました。「借りぐらし・・」舞台を現実拡大セット化、小人目線になれる、等との事で、是非見てみたいと思っていて、10月3日までですが、行ける時に、というのと、最寄の地下鉄清澄白河駅でもこの展示会記念展、というポスターを見かけて、

それは今月末までで、それもどういうものだろうか、と少し気になったので。駅のは、アリエッティ関連、というより、歴代ジブリ作品ポスター展で、「おもひでぼろぼろ」「魔女の宅急便」が隣り合っていたり、ちょっと郷愁、

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この作品はこういうポスターだったのだった、というのもちらほら。「・・アリエッティ」隣は「・・ポニョ」でした。


この美術館は、一昨年「スタジオジブリレイアウト展」以来、その前も「男鹿和雄展」でジブリ関連だったのでした。展示会場への待ち時間はなく、即入れて、3Fからスタート。

9/1追記:入り口の、レンガ質の薄い直方体を幾つかくりぬいたような所をくぐって入ったのですが、後でパンフレットで、劇中翔が角砂糖を置いたりした、通気孔イメージだったのだった、と。中は薄暗く、久方の、遊園地の「~ハウス」のような感触。

a0116217_13314369.jpgまず小さな半開きの緑のドアがあって、アリエッティの部屋で、通路の窓から、こじんまりした室内が見えて、

やはりベッドカバーのキルト模様もそのままで、小さな本や小間物、植物ジャングルのような内装の、現実立体化、という、この展示ワールドへの導入部でした。

一家の居間は割とゆったりスペースで、観客が食卓のテーブルや長椅子に座ったりしていて、私達もしばらく長椅子に座り、私はホミリー用のロッキングチェアーにもちょっと座ってみましたが、

窓の貼り絵はやはり海の眺めで、入り口横に、2度目鑑賞の時気付いた鉛筆キャップでの一輪挿しもあったり、結構忠実な再現、という感じ、部屋を出た通路脇に、原作にもあった、チェスの駒オブジェも。

その他、細々した作業道具、巨大サイズのセメダイン等もあったポッドの仕事部屋、水屋、ポッドとアリエッティが上の家へ上がっていく吹き抜けで、リフトに使っていた仕掛け、まであったり。

通路に、切手を絵代わりに飾っていたり、というのも再現してましたが、日本の地名消印のある日本の切手、というのは、多分劇中でもなかったかと思うのですが、今回もない方が良かった気が。些細な事で、この展示のスタッフ手作り過程の微笑ましさ、という感じも漂ったり、ですが、

「借りぐらし・・」は、原作の英国舞台を日本に移して、ではあっても、無国籍ファンタジー、のような趣が、ちょっとそがれた気がしたり。

その他、ちょっと気になったのは、最後にまた通気孔を通って、庭セットに出るのですが、そこの草花が、基本的に小人目線感覚で大きくしてある中、折に普通の小さいものも混じっていたり?という事位。

最後の方に翔の部屋、もあって、小人目線での巨大な靴下+靴と椅子。机や本等は手描きで、さすがに人間サイズの生活空間の拡大模型部屋、ではなく、一部を覗くだけの作り。小人の部屋の規模からすると、という拡大サイズですが、

改めて、小人サイズ、というのが切実に感じられたのは、1Fの、展示設計図や、「借りぐらし・・」イメージボードの展示コーナーの傍らにあった、原寸大、というアリエッティの部屋、居間、仕事部屋のドールハウス。

立つと10センチ位のような、アリエッティ人形も自分の部屋にいたのですが、一連の展示を見た後でもあってか、設定は実際正味こういうサイズ、小さい世界で、部屋を飾ったり工夫して、暮らしている、という健気さ、というか、じんわりきて、一番印象的展示、というと、この最後のドールハウス、だったかもしれません。


また、これを創った種田陽平が美術を手掛けてきた他の作品紹介も、なかなか懐かしかったり興味引かれました。セットの写真や、イラスト、図面等展示あった作品中私が見ていたのは、「スワロウテイル」('96)「冷静と情熱のあいだ」('01)「いま、会いにゆきます」('04)「THE 有頂天ホテル」('05)「フラガール」('06)「西の魔女が死んだ」('08)「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ」('09)で、
                                      (C)(株)集英社
a0116217_14354686.jpgパンフにあったその他のものでは「雪の断章ー情熱ー」('85)「稲村ジェーン」('90)「花とアリス」('04)「69 sixty nine」('04)「日本沈没」('06)等で、そう名を意識した事はなかったのですが、CM、舞台美術、PV、アートブック等色々手掛けてるようで、’04年度マイベスト「花とアリス」の美術監督だった人、というのが、一番印象的。

パンフの岩井監督談で、「花と・・」では、「イミテーションのような町の中に何かほんとうの美しさがある、という世界観について、ロケハンや撮影中に、美術監督と語り合いながらつくっていくのは、とても楽しいものでした」とあって、あの作品の何とも”宝石箱”的映像を仄かに思い出したり。

「スワロウ・・」は、好み的には微妙だったのですが、あの無国籍世界仕掛け人の1人だった、という事も。ぎっしり建物が描き込まれたイメージボードがあったり、一連の紹介映像コーナーでの、少し映った「円都(イェンタウン)」もノスタルジー。

同監督談で、ロケ地を求めてアジア中探し回り、結局東京でオープンセットを組んだのだった、というのも改めて、でしたが、種田氏が、色んな仕事をしていて、独特なやり方への理解もあって、この作品でも、現場で作品の「世界観」について話し合えたのがよかった、との事で、

種田氏が映像で、映画監督とのうまいコラボレーションが大切、のように語っていて、「スワロウ・・」での岩井作品での布石が「花とアリス」にも繋がっていたのかも、と。

そういう面では、種田氏は李相日監督の初のメジャー作「69・・」で美術サポート、その信頼関係で「フラガール」も同監督から依頼、炭鉱町はリアルに、ハワイアンセンターはファンタジーのように、という映像の創り手だったのだった、と。新作「悪人」も担当のようで、一見本物のような白い灯台セットの写真等も。

(C)(株)角川書店
a0116217_14374612.jpgまた「冷静と・・」での順正(竹野内豊)の部屋、等アーティスティックなものや、「いま、会い・・」の現実と幻想混じった楚々としたファンタジー空間、「THE 有頂天・・」の「ホテルアバンティ」の巨大セット等、

覚えあるだけでも様々なテイストの背景の仕掛け人だったようで、改めて、「借りぐらし・・」展もですが、建築家並みの知識や技術等も要りそうで、そういう裏方側からの展示、というのも余り覚えない切り口でした。

9/2追記:最近の担当作品で見ていたのは、「西の魔女・・」「ヴィヨンの妻・・」で、「ヴィヨン・・」では佐知が働く居酒屋や、夫婦が歩いていた街頭のある夜道等の写真がありましたが、
                                         (C)(株)新潮社          
a0116217_15293728.jpg種田氏のコメント欄に、「松たか子さん演じるヒロイン佐知が、どうしたら映画の中で輝いて見えるか、それを念頭に構想した」ような談があって、浅野・松が演じる太宰の時代、という何だかお芝居っぽさを、見る側にリアリティを持たしていた背景美術、という繋ぎ役的な、とも。

「西の魔女・・」の清里の家は、元々あった所でなくセットだった、というのも改めて、でしたが、種田氏コメントが「イギリス人のライフスタイルを日本の材料と小物でつくりこんだ、「借りぐらし・・」にも通ずる世界」等とあって、

「借りぐらし・・」パンフで、「西の・・」原作者梨木香歩さんのコメントがあって、そう言えば両作品の家の雰囲気が何処となく似てるような、と思って、感想に書いていたのでしたが、思えば英国ルーツ、という共通点があったのでした。


売店コーナーで、美術展のでは久方にパンフレットと、先日劇場での、とは違うB5アリエッティノートがあったので、それと、劇中のドールハウス、庭、草原に寝転ぶ翔、実写セットのアリエッティの部屋のカード購入。おまけに「借りぐらし・・」の掌サイズのミニ本「吉田昇美術ボード集」「デザイン集」2冊もらいました。母は庭と家、ドールハウスのを買ってました。

母は、映画の美術の素晴さを感じた、「借りぐらし・・」のは、ちょっと小人から見たのか、人間からなのか?という大きさの物もあったけれど、という所。先日「借りぐらし・・」、「THE 有頂天・・」「フラガール」等は一緒に見ていたのでした。、

a0116217_1353616.jpgその後、同時開催していた「こどものにわ」展を見て、2Fのベトナム料理カフェで、私も母も「まぜまぜご飯プレート」にして、遅め昼食に。カレー風味のひき肉や、グリーンカール、水菜、みつば、ピーナッツ等入ったまぜご飯+グリーンサラダで、味はスパイシーで、まあまあ。母は、麺類のフォーと肉団子の方にしても良かった、と。

お盆がちょっとエスニックな可愛さで、皿と一緒に、デザートなのか、おかきのようなスナックがばらっと載っていて、あっさりした海老せんべいのような味。


後でパンフを見ると、種田氏は、勿論「借りぐらし・・」製作には関わっていなくても、今回の製作は「借りぐらし・・」製作と同時期に進行していたようで、思えば、こういう風に映画公開と同時期の展示、にするには、規模的にも、その位でないと間に合わなかった感も。

                                   (C)(株)岩波書店
a0116217_144767.jpgやはりジブリ側からの企画、だったようで、同氏は鈴木敏夫氏から話を聞いて、2次元に描かれた世界を3次元に立ち上げる、というのが面白い、と思って、実写でのセットを創るつもりで創った、そうでしたが、

まず「床下の小人たち」を読んで、アリエッティの生きる世界を想像、元にしたのは完成作品、でなく、映画同様、最初の宮崎監督のイメージボードだったのだった、と。

チラシの裏に、鈴木氏談で「宮崎駿×種田陽平、実際の映画ではなかなか実現しない、この夢の饗宴。」とあったのですが、今回いつになくややハマった感じの「借りぐらし・・」を、「花とアリス」美術監督だった人が実写セット化、という、なかなか個人的にはツボだった、企画ものでした。

種田氏は、昨年春までジブリ美術館でやっていた「小さなルーヴル美術館」展にも参加していたようで、そこからの流れだったかもしれませんが、今軽井沢に場所を移して開催中、来月24日まで、との事で、

これは今回と逆にルーヴル縮小版、やはり見てみたい気持は起こったのですが、実際行くのはちょっと難しいかも。でも今回のは見ておけて、種田作品という+αもあったし、心残りなく満足でした。

関連サイト:借りぐらしのアリエッティ×種田陽平METRO GHIBLI Poster Gallery(メトロジブリポスターギャラリー)小さなルーヴル美術館展
関連記事:花とアリス(’04)69 sixty nine(’04)(34)、THE 有頂天ホテル(’05)日本沈没(’06)フラガール(’06)ジブリの絵職人 男鹿和雄展スタジオジブリレイアウト展西の魔女が死んだ(’08)ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~(’09)借りぐらしのアリエッティ(’10)借りぐらしのアリエッティ(’10)<2回目>The Borrowers(’52)/床下の小人たち(’69)野に出た小人たち(’76)ジブリ創作のヒミツ~宮崎駿と新人監督 葛藤の400日川をくだる小人たち(’76)空をとぶ小人たち(’69)小人たちの新しい家(’82)小人の冒険シリーズと「借りぐらしのアリエッティ」
(スレッドファイルリンク(ここでは「花とアリス」~「フラガール」)は開かない場合あるようです)

           (C)(株)スタジオジブリ
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                        <パンフレット>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-31 00:00 | 芸術・映画 | Trackback(4) | Comments(0)


夏時間の庭(’08)

先日オルセー美術館展で、チラシのイベント欄で、6月に「炎の人ゴッホ」7月に「夏時間の庭」の映画上映会があったと見かけ、「夏時間・・」は気になりつつ未見だった作品で、DVDで少しずつ見て昨日終わりました。

オルセー美術館20周年企画で、オルセー全面協力の下での製作作品だったのでしたが、舞台となるパリ郊外の一軒家の庭やその周辺の、豊かな緑や花、まさに印象派作品の映像化、のような風景も折々。

老母エレーヌ役エディット・スコブは、近年見た中では「薬指の標本」('04)に少し出ていたのでしたが、画家だった亡き叔父との思い出、叔父の作品、数々の美術品コレクションや家具、そういうものが詰まった家への愛着、でも自分の亡き後それを受け継ぐ状況、性質でない子供達。表面上事務的に事を運びながら、思いを秘めた物腰。

その娘アドリエンヌ役のビノシュは、私はやはりオルセー20周年記念の映画制作プロジェクト第1回作品「レッド・バルーン」('07)でのヒロイン役以来、この作品はその第2回、という事になるのか、

今回は現代美術アーティストで、母や家への思い出の愛着、美術品への傾倒はあっても、伝統、感傷やノスタルジーよりは、実質的な価値を取るドライさも持つ現代人的役柄、という感でした。

その兄フレデリック役シャルル・ベルリングは、出演作を見ると姿は「とまどい」('96)以来のようですが、「皇帝ペンギン」('05)のナレーションがこの人だったのでした。

専門は経済でも、地元に住む長男、また資質的にも一番、家や美術品に愛着を持ち、継ぎ残したい思いの強かった息子で、妹や弟ジェレミー(ジェレミー・レニエ)の合理性との狭間で揺れる、という人間味。


劇中の家の美術品は、絵画以外は全て美術館や個人蔵のを借りた本物、とのことで、アールヌーヴォーのフェリックス・ブラックモンの花器、ヨーゼフ・ホフマンの棚、マジョレルの書斎机、といった美術館級らしい品々が、生活の場にさり気なくあるラフさ。

コローやルドンの絵はさすがに本物ではなかったようですが、一番頭に残ったさり気なさは、フレデリックが幼い頃壊した!”ドガの石膏像”、という件。後にオルセーで修復された優美なその像のシーンもあり、それはどちらか不明。

また、家政婦エロイーズが、エレーヌの死後形見の品に何か、と言われて選んだのが、本人にとっては、平凡な品にした、と甥に語った花器で、それが実は2つのブラックモンの花器の1つで、その時フレデリックはそうと知らず渡したのかもしれませんが、特に後に取り返そうとしたりする訳でなく、片方はオルセーに寄贈されるのですが、

エロイーズにとっては、それが80年代の貴重なガラス器、というのは関係なく、花を生ける度、長く親しく仕えたエレーヌを思い出す、という意味があるだけの日用品、というのが、そこはかとなく印象的エピソード。


8/27追記:どれ程価値ある芸術品、と言っても、その物自体の捉え方や思いは、人それぞれ、というのが、一家の兄弟達の姿勢にも滲み出ていたようで、コローの絵に特に愛着、未練を持っていたフレデリックに対して、

アドリエンヌは、中国移住で資金のいる弟の事を思えば、(コローは)真っ先に手放すべきでは?と述べ、彼女自身は、自分の好みの食器や盆を得ただけで、結構満足な様子。

伝統や芸術を尊ぶ、というような事への、現代生活・文化の侵食、というか、この家での経緯だけでなく、終盤オルセー館内の案内ツアーの途中、客の1人の携帯に出た男性が「今家具の所で、もうすぐ終わるから映画でも探しておいて」等と答えていて、何気ない一コマですが、こういうシーンをあえて、というのも、オルセー協力作品にして、やや皮肉っぽさを感じたり。

相当な相続税の問題もあったり、劇中のように、美術品を美術館に寄贈、というのが一家にとって実質妥当な道だったのかもしれませんが、オルセーで、自分達の家具だった机や花器を目にして、複雑な心境のフレデリック夫妻。

フレデリックが、作品が閉じ込められている、素通りされている、花器は花を生けないと価値がない、等とつぶやき、2つのブラックモンの花器の、エロイーズが形見にもらい家で花を生ける方と、オルセーで美術品として展示される方と、どちらの方が創り手の意に沿っているのか、花器自体にとっての値打ちはどちらの方が?等と、思ったりしましたが、

それに対して妻が、「それでも(観客は)眺めながら、歴史を共有している」と語っていたのも、ある種美術館の意義、というか頭に残った科白。

「レッド・バルーン」では、オルセーはヴァロットンの「ボール」を子供達に解説、というシーンで舞台になっていただけの覚えで、今回それよりは長く、この館内シーンでも、芸術(品)と現実、という複雑な意味合いも投げかけてた感じでした。


8/28追記:そういう成り行きを、全て見越していたようなエレーヌの幕の引き方。彼女と叔父の定かな血縁の有無等不明でしたが、仄めかされていた絆の関係、そういうものも含め一切を、子供達に託すのでなく、自分の生涯と共に封印、整理しようとしたのか、エディット・スコブのエスプリ効いた情感抑えた渋味。

この作品は、見る前俳優陣は、やはりビノシュ出演、というのに目を引かれたのですが、やはりヒロイン、というか要(かなめ)はスコブ、だったかと。

それと、アドリエンヌの恋人役で、イーストウッドの息子カイルが少し出ていて、出演作を見てみると「マディソン郡の橋」('95)にもいたのでしたが、思い出すのは、少年時、割と好感だったイーストウッド作品の「センチメンタル・アドベンチャー」('82)でのイーストウッドの甥役で、今やこういう風貌になっていた、と。ジャズ・ミュージシャンとして活躍中、父の作品の音楽担当したりしているのでした。

監督・脚本はオリヴィエ・アサイヤスで、マギー・チャンの元夫らしく、私は多分作品未見、公式サイトスタッフ欄を見ると、細やかな心理描写、現代社会を象徴する作風が特徴的、との事ですが、この作品でも、確かに芸術モードに”今”を絡ませようとするスタンスは思われたり。

ラストにかけて、売却する家での、最後の若者達のパーティー。フレデリックの長女が主催のようで、その前に彼女が非行に走って警察から警告される、というような一コマもあったのでしたが、エレーヌの美術コレクションの館、にはミスマッチな、ラフな音楽、抑制ない自由なムード。

それでも、家の周囲の、そのまま印象派作品舞台のような緑の野原で、恋人に、祖母との思い出、売られる家への感傷を垣間見せる、今時の少女の姿。形はなくとも、受け継がれていくものはあってほしい、というような後味。

優美なだけの物語、という訳ではなかったですが、数々の美術品、それらが生活の中に自然にあるラフさ、また背景の風情ある家や穏やかな庭の緑、絵画的な田園風景等だけでも満足感な作品でした。

関連サイト:「夏時間の庭」オフィシャルサイト
関連記事:皇帝ペンギン(’05)綴り字のシーズン(’05)オルセー美術館展薬指の標本(’04)レッド・バルーン(’07)オルセー美術館展2010 「ポスト印象派」

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                <モネ「ヴェトゥイユの画家の庭」カード>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-26 00:00 | 洋画 | Trackback(4) | Comments(0)


夏の大九州展

一昨日、松岡美術館へ行った帰りに、新宿伊勢丹で昨日までの九州展に寄りました。やはり昨年この時期に、ここで九州展があって合間に来ていて、「トルコライス」や「白熊」を食べてたのでした。今回イートインは寿司、ラーメン、カレー、もつ鍋、バーガー店等。「博多一心亭」店舗で、私も母も「全部のせラーメン」で昼食に。

a0116217_22163573.jpg割とあっさり風味のとんこつスープと細麺ベースで、名前だけあってワンタン、チャーシュー、わかめ、ねぎ等の具入り、特に特徴が、という訳ではないですが、まあ美味で、母も今回の具は全て柔らかく噛み易かったようでした。

デザートに、昨年も寄った「天文館むじゃき」店舗で、母はやはりパスでしたが、私は秋からの新メニューで一足早く登場、という「紫芋の和風白熊」(→)を食べて、

紫芋の食感と、独特のミルク風味のふんわりした氷がマッチ、底にあずきが入っていたり和風テイスト、広告で見て少し楽しみで、でも実際どういう味だろうかと思ってたのですが、なかなか満足感。

a0116217_22184664.jpg会場入り口の辺りで、九州観光のパンフレット入りの袋を渡され、ラーメンや「白熊」待ち時間に見てみたら、表紙に「龍馬長崎で待つ」とあって、腕を組んだ坂本龍馬の銅像と長崎の街らしい写真,中身も最初4P龍馬の生涯についてで、後が長崎の観光地やグルメガイド。頭が大きい漫画風の、龍馬着ぐるみ人形等も見かけたり。

その後、少しブラブラして、私は鹿児島の「ビッグファイブ」店で、黒豚太鼓巻きという、味付きの焼いた薄い豚肉でやはり味の染みたおにぎりを巻いた「黒豚太鼓巻き」の、みそ味と普通味のを、母は大分の「吉野とりめし」店で、3種類のおにぎりを買って帰って、暑い中ですがリフレッシュでした。

関連サイト:Web 伊勢丹通信天文館むじゃき
関連記事:フランス展/福岡・長崎展/パリ・モンパルナスに集う画家たち展竜馬と妻とその夫と愛人(’02)ー追悼・市川準監督ータビうた 岩崎宏美・平原綾香夏の大九州展九州・沖縄の物産展福岡・長崎の物産展

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                      <全部のせラーメン>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-24 00:00 | グルメ | Trackback | Comments(0)


モネ・ルノワールと印象派・新印象派展

昨日、松岡美術館で来月26日までの印象派展に母と行ってきました。今月26日まで有効の鑑賞券が手元にあって、都合も合ったので。ここへは3年前に「フランス印象派・新印象派展」に行って以来、割と重なる展示作品も。

地下鉄南北線白金台駅から、案内の徒歩6分、というより10分近くはかかり、展示数もそう多くないですが、ほとんどの作品に画家経歴+各作品解説があったり、やはりスペース的にゆったり見られるのは好感です。

今回順路ではブーダンから始まって、モネ、シスレー、ルノワール、ピサロと印象派所が並び、新印象派へと続いて、今回一番インパクトは、アンリ・モレ「渦潮、フィニステール県」で、淡い茶と緑の岸壁に、紺碧の海、懐かしさ漂う感触、というか。

それと、前回も目を引かれたのだった、アンリ・マルタンの、深い森の中の家並み風景の「ラバスティド=デュ=ヴェール、ロット県」は、やはり印象的。

a0116217_11455540.jpg同時開催していた「ペルシア陶器展」、下の常設の仏像コーナーに立ち寄って、売店でピサロの「羊飼いの女」「カルーゼル橋の午後」「丸太作りの植木鉢と花」(→)カードを買ったのですが、「羊飼い・・」「カルーゼル・・」はすでにあって、郵送用にする事に。今回ポスターにもなってる、ルノワールの「リュシアン・ドーゼの肖像」はやはり手元にありました。

「羊飼い・・」は、先日オルセー展での点描での「白い霜、焚き火をする若い農夫」と同様、農場での2人の農婦ですが、こちらの方が明るい色彩。

「丸太・・」はピサロの静物画の花、というのは珍しい、と思ったのですが、手元にあった26枚中1枚だけアイルランド国立美術館蔵「中国製の花瓶に入った菊」という作品が。母はその「丸太・・」と「カルーゼル・・」を買ってました。

エレベーターは結構広いですが、こじんまりした館内、ロビーの長椅子で大ガラスごしの日本庭園の緑に一息ついて、アットホームな感もする所、と改めてでした。

関連サイト:松岡美術館 展覧会
関連記事:フランス印象派・新印象派展クリーブランド美術館展大エルミタージュ美術館展オルセー美術館展大回顧展モネフィラデルフィア美術館展ルノワール+ルノワール 2人の天才が愛した女性ルノワール+ルノワール展美の巨人たち シスレー芸術都市パリの100年展ルノワール~伝統と革新/味百選ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たちプレミアム8<紀行>夢の聖地へ モネの庭語りかける風景マネとモダン・パリ印象派はお好きですか?オルセー美術館展 「ポスト印象派」

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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-23 00:00 | 芸術 | Trackback | Comments(0)


英検申込み

一昨日、英検サイトから次回10月17日(日)受験分をカード決済で申込みました。前回終了以来、英文は仕事で以外は引き続き日々3通のHungry For Wordsの単・熟語メールと、 「The Borrowers」を「床下の小人たち」と照合しながら通った位。詰めていくのは9月から、になりそうですが、やはり過去問復習+リスニング慣らし、で行く予定。

今の単語帳が、先日その「The Borrowers」語句整理で丁度最後まできて、近年ずっとB5ノート版を使ってきましたが、久方に、手元にあったポケットサイズのを使う事に。とにかくまた、気分新たにいきたいです。

関連サイト:STEP 英検ー日本英語検定協会ーHungry For Words
関連記事:英検一次結果The Borrowers(’52)/床下の小人たち(’69)

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                   <’10年8月、白金台にて>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-22 00:00 | 勉強 | Trackback | Comments(0)


川をくだる小人たち(’76)

先日「借りぐらしのアリエッティ」の原作「床下の小人たち」続編、「野に出た・・」に続く「川をくだる・・」を読み終えました。原書は「The Borrowers Afloat」('59)、訳は引き続き林容吉さん。「野に出た・・」ラストで、スピラーとトム少年に助けられて、トムと祖父の家に住む、親戚小人一家宅に辿りついた一家、という所からの続き。2章分程ほぼ重複。

そもそもこのホミリーの兄、ヘンドリアリの一家は、「借りぐらし・・」劇中でも、名前も出たのだったか、親戚の存在にすら触れた事があったか?どうも覚えないのですが、「床下の・・」では、野原の何処かのアナグマの巣にいるらしく、長年会っておらず、
                                      (C)(株)岩波書店
a0116217_21185575.jpg娘のエグルティナは外を散策中猫に襲われたらしい含み、アリエッティが少年に託した手紙への、叔父からの短い返事では、叔母ルーピーも行方不明、だったですが、特に経緯の説明なく、2人共健在していて、再会。

エグルチィナは猫に遭遇したショックかで、口がきけなくなっていた、というのが、唯一それを匂わすエピソードでした。

この親類宅で、住処の一角をあてがわれ、ポッドがイタチの皮で皆の靴を作ったり、アリエッティが末娘ティミスに色々物語を聞かせたり、和みはあっても、4人子供がいるヘンドリアリ夫婦に、ポッド一家の居候を歓迎、という実質的・精神的なゆとりはなく、

元々ホミリーとルーピーの相性は良くなく、そもそも「床下の・・」最後でメイがポッド一家に届けたはずの、元の家のドールハウスのや自分達の家具もこの一家の物になっている事への、ホミリーの腹立たしさや諦め、小人なりの妻(女)同士のある種”持ち物”比べ、妬みや羨望等も。

アリエッティとトムとは、「借りぐらし・・」での翔、「床下・・」での少年とのようなドラマ性は見られず、彼女がこっそり出掛け、話をするだけですが、多分それが、後に老いたトムが、アリエッティから聞いた話、としてケイトに語る「野に出た・・」の冒険談のよう。

ある晩ホミリーに、その密かな交流が発覚。でも、アリエッティは少年と祖父が数日後、この家を去る、という事を聞いていて、それは、生活物質が家から無くなる、という、小人家にとっては大打撃、な情報で、

それを機に、ポッドは、一家でこの住処を去る決心をして、それを告げ、別れまでの親戚夫婦の様子も、やはり、一度は引き止めようとする情と、彼らが立ち去る安堵感、のミックス。

でも家の周りをうろつく白イタチの脅威に、出て行くルートもなく、ポッドも一度は、子供(アリエッティ)のために、プライドはさておき、妻と共にヘンドリアリ夫妻に頭を下げてここに置いてもらおうとする様子、等も、複雑な心情、という感じ。

(C)(株)岩波書店
a0116217_21335489.jpg「床下・・」、「借りぐらし・・」では、登場小人はポッド一家のみで、人間の小サイズ的暮らしぶりであっても、メルヘン的な印象も割とありましたが、「野に出た・・」では、彼らが自然界に出ての、自由な広がりやその代償の困難、が描かれ、

この「川を・・」にかけて、親戚一家との関わり、になって、同じ小人族、親戚としてある程度の情、本音と建前、等入り混じって、何だかやはり、ファンタジー児童文学とはいえ、そのまま市井の人間ドラマ的な様相にも思われたり。

それでも、トムがアリエッティに別れのはなむけとしてくれたパン一切れ、チーズ切れはし、焼き栗、ゆで卵。そのゆで卵1つが、その後川を漂流する事になる一家にとって、結構貴重な食料になったり、ミクロサイズの小人達にとっての現実描写、が巧みな面白さ。


8/21追記:一家が足止め状態の所へスピラーが登場、出て行くにも行き先不定の一家に、「リトル・フォーダム」を提案。それは、アリエッティがティミスに話していた、ミニチュアの村で、借り暮らし族の間での伝説、でしたが、スピラーによると、実在の場所で、川を下れば二日位で行ける、と。

スピラーに導かれ、一家は下水ルートで、石鹸入れのふたに、卵、アリエッティ、ホミリーが乗って出発、ある家からの風呂の排水の洪水に合ったり、アリエッティにとっては、そういう色んな事が、新鮮そうですが、また波乱の冒険の始まり。

a0116217_18571521.jpg「借りぐらし・・」で見られたこの本からのエピソードは、ラストのスピラーのやかんでの旅立ち、川をゆくシーンで、本では後半の、川を下っていく過程ですが、劇中のようなゆったりした様子、は少なく、

「リトル・フォーダム」に出発前スピラーが用に出かけている間、一家が身をよせていたやかんごと、雨で増水した川になく流され、漂流状態に。元々やかんではなく、平たいナイフ箱での船旅、の予定が、否応なく、という経緯だったのでした。

川の真中の浮島のような所に引っ掛かり、密漁に来ていた「野に出た・・」のジプシー男マイルド・アイに、再び捕まえられそうになったり、危険な目にも。

このシリーズの挿絵はダイアナ・スタンレーという人で、ペン画での迫り来て手を伸ばすマイルド・アイ、も不気味ですが、小人目線での圧迫感、大丈夫だ、と励ますポッド、ホミリーの、窮地での決まり文句、ポッドに「あなたはずっと優しくしてくれたわね」等という呟き、間一髪、またスピラーの救い、という辺りもちょっとした冒険のヤマ。

表紙(↓)では,割と一家がくつろいで、平和そうにも見えたのでしたが、それは、流され始めて水浸しになったやかんから、とりあえず淵に上って、ポッドは非難用具作り、ホミリーは不安気に柄に腕を廻し、アリエッティは寝そべって、魚を眺めて一時楽しんでいる、というシーンだったのでした。


今、この続きの「空をとぶ小人たち」('69)の3分の1位読み進んだ所で、一家が辿りついた「リトル・フォーダム」での様子。そもそもここは、アナグマを救おうとして片足を失くしてしまった元鉄道員が、趣味で丹念に作ったミニチュア村で、

(C)(株)岩波書店
a0116217_916415.jpg「川を・・」での伝説で広さ20a(2000㎡)、というと結構広そうですが、鉄道も通り、店の家並み、教会、学校等もあり、未踏ですが「東武ワールドスクエア」の小さい普通の村版、のようなイメージでしょうか。借り暮らし族と同じ位の背丈の石膏細工の人々がいて、「借りぐらし・・」「床下の・・」のドールハウス的ミクロな世界の趣あって、なかなかファンタジック。

アリエッティとスピラーが、石膏細工の乗客に混じって、列車に乗ってみたり、この本でもまたその内波乱が起こるようですが、今の所一家の暮らしも平穏、このシリーズ中読んでて一番、絵本を開いてるような楽しみあります。

関連サイト:「借りぐらしのアリエッティ」公式サイトamazon「川をくだる小人たち」amazon「床下の小人たち」amazon「野に出た小人たち」
関連記事:借りぐらしのアリエッティ(’10)借りぐらしのアリエッティ(’10)<2回目>The Borrowers(’52)/床下の小人たち(’69)野に出た小人たち(’76)ジブリ創作のヒミツ~宮崎駿と新人監督 葛藤の400日空をとぶ小人たち(’69)小人たちの新しい家(’82)小人の冒険シリーズと「借りぐらしのアリエッティ」

              (C)(株)岩波書店

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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-19 00:00 | 本・邦画 | Trackback | Comments(0)


オルセー美術館展2010 「ポスト印象派」

下記のように、一昨日国立新美術館で「マン・レイ」展を見た後、整理券の入場時刻の12時にオルセー展の方へ。さすがに久方の、人波縫いつつ鑑賞、の混み具合ですが、冒頭からの、ドガ、モリゾ、モネ、シスレー等と並ぶラインアップに、早くも充実感でした。こちらは10章に分けて115点の展示。

a0116217_13105831.jpgポスト印象派中心で、やはり1章「1886年ー最後の印象派」が生粋の印象派作品、馴染みの顔ぶれで、2章「スーラと新印象主義」以降、ポスト印象派の流れ。

2章で目に留まったのは、シニャックの明るい色調の「レ・ザンドリー(河堤)」や、珍しいピサロの点描画の「白い霜、焚き火をする若い農夫」。

また3章が「セザンヌとセザンヌ主義」で、セザンヌもまとめて見るのは久方な気がしましたが、静物画の中の「台所のテーブル(篭のある静物)」(カード↑)が、白い布に絡んだ果物、食器の形や配色バランスで、目を引かれる好感さでした。

a0116217_1313378.jpg4章「ゴッホとゴーギャン」で、ゴッホの馴染みのアルルの寝室や、夜景の「星降る夜」は、何処かで見た気もしますが、記憶が曖昧、空の星座は大熊座らしく、画面上方の星と、下方の街灯りとその水面の光が呼応してるような趣も。

第7章「ナビ派」の所では、ドニ作品も多く、ボナールの、赤い格子模様の女性が猫を抱いて食事している「格子柄のブラウス(20歳のクロード・テラス夫人)」(←)もほんのり気に入ったのですが、

一番インパクトは以前から気に入ってるヴァットロンの「ボール」(↓)。3年前の東京都美術館でのオルセー展以来。

これは一昨年見たシャオシェン作品「レッド・バルーン」('07)が、オルセー美術館20周年記念の映画制作プロジェクト第1回作品で、この「ボール」が劇中でも登場、オルセーで子供達が説明を受けてたのでした。その隣に、丹精な髪型、髭のヴァロットンの「自画像」もあり、こういう面差し、と。

a0116217_23263673.jpg第8章「内面への眼差し」コーナーにもヴァロットンの「夕食、ランプの光」という作品があって、正面に少女、その両隣に男女、前に黒いシルエットだけの男性がいて食卓を囲む光景。

やはり派手なアピール感、という訳ではないですが、暗闇のバックと、白地に赤い線が交差する模様のテーブルクロス、その上の料理、ビン、観葉植物等のコントラストが、結構気に入り、「ボール」の、として知る人でしたが、ちょっと気になる画家になりました。

8/18追記:カードを買ったのは、上記の「白い霜・・」「台所・・」「星降る夜」「格子柄・・」「ボール」、ドガ「階段を上がる踊り子」、モネ「ノルウェー型の舟で」、シスレー「モレの橋」、ゴッホ「アニエールのレストラン・ド・ラ・シレーヌ」。母は「モレの橋」「星降る夜」「アニエール・・」を買っていて、

一番気に入ったのはモネの「日傘の女性」らしく、それは今回カード類はありませんでしたが、3年前この国立新美術館でのモネ展で見た作品。母の所に似た光景の「日傘の夫人、カミーユと息子」の大パネルを置いてあって、それは見ると心が和む、と愛着あるようなので、今回もまた、この「日傘・・」が目に留まったようで。

それと、ピカソの「大きな静物」以外114点入りのA4ファイル。その売り場で老婦人がそばにいた係りの人に、「ピカソは省かれちゃったのね」と話しかけたら、「おそらく著作権の問題だと思うんですけれど・・」と答えてました。

ファイルは、先日から整理・片付けで、結構手元のを使ったし、何か気に入るのがあれば、と思っていて、これは中身が即見えないしデザインもやや作品寄せ集め的な、という気もしてちょっと迷いましたが、これにする事に。

その後、美術館地下のカフェで、私も母もオルセー特別メニュー、という「豚肩ロース肉とりんごのノルマンディー風 バターライスとジャガイモのコーフレット添え」で遅め昼食に。

a0116217_1446732.jpg今回展示あったモネ作品の「睡蓮の池、緑のハーモニー」イメージ料理らしく、コーフレットが多分橋のイメージで、細かくパセリが散らしてあって、そう特別”モネの世界”という感じでもありませんでしたけれど、肉は柔らかく味もジューシーで、まあ美味しかったです。今回オルセー味覚で締め、も出来て、満足でした。


関連サイト:オルセー美術館展2010 「ポスト印象派」
関連記事:クリーブランド美術館展大エルミタージュ美術館展オルセー美術館展大回顧展モネ美の巨人たち ベルト・モリゾベルト・モリゾ展レッド・バルーン(’07)フィラデルフィア美術館展ロートレック展美の巨人たち シスレー芸術都市パリの100年展ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たちプレミアム8<紀行>夢の聖地へ モネの庭語りかける風景マネとモダン・パリ印象派はお好きですか?マン・レイ 知られざる創作の秘密

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                        <チラシ>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-17 00:00 | 芸術・グルメ | Trackback | Comments(0)


マン・レイ展 知られざる創作の秘密

昨日、国立新美術館で今日までの「オルセー美術館展」に母と行ってきたのですが、幾分早く出たつもりでも、やはり終了間際+日曜、お盆でもあって待ち時間90分。

でも、係りの人が整理券の案内をしてくれて、普通に待つ方が早いかもしれないけれど、券に書いてある12時に来れば即入れる、とのことで、そうする事に。多分一応杖を持ってる母が一緒だったからかと思うのですが、ここでそういうシステムもあったのでした。

a0116217_18181664.jpgそれで、その間ここで同時開催の「マン・レイ」展に。マン・レイは、私は以前アメリカ旅の時、NYの確かソーホー辺りのギャラリーで、空に巨大な唇が浮かんだ作品を見て、ちょっと印象的で、名をインプット、という以来、どうも見る機会あった覚えなく、カード類も見当たらず。

後で、3年前ここであったポンピドー・センター所蔵品展で、見ていた、と記事で判ったのですが、具体的に思い出せません。

今回も、せっかく同時期にやっているけれど、と思いつつ、一緒に行くなら母にも今一合わないだろうし、これだけ単独で見に行くのも、好み的には微妙だったのですが、そうして空き時間が出来た事もあって、見てきました。こちらの方は、先月始まって来月13日までの日程のようですが、割とガラガラ。(↑チラシ)


写真、絵画、彫刻、デッサン等、マン・レイの滞在地に沿って時期別に、NY、パリ、LA、パリの4パートに分けて訳400点の展示。妻ジュリエット・ブラウナー等女性達を撮ったものも多く、新たな撮影手法を工夫、という作品等もありましたが、

ピカソ、へミングウェイやその息子、イサム・ノグチ、カトリーヌ・ドヌーヴと巨大なイヤリング、ジャン・コクトー等、各界の人物ショットも結構あって、人脈の広さが偲ばれ、エリック・サティの姿、等は、これが初見だったかも。

a0116217_16185988.jpgピカソやアンリ・ルソーの絵のモノクロの記録写真、というのもあり、ルソーの「ペール・ジュニエの馬車」は見覚えあり手元にカードもあって(←)、オランジュリー美術館展でのでした。

その他目に留まったのは、ハンガーの絵の、左側に次々小ハンガーがかかっていて、右側に、そういうしくみで無限に続く、のような解説を書いたもの(「障害物」)や、唯一覚えあった「唇」と同じ様な形の、黄金の唇オブジェや、本人がデザイン、という様々なチェスの駒等。


途中、映像コーナーで、3パートでの抽象的なモノクロ短編風、後で見た解説欄では、マン・レイのサイレント映画「理性への回帰」('23)「エマク・バキア」('26)[「ひとで」('28)「さいころ城の秘密」('29)の4本だったのでした。テーマは無意識等。

全部は見ませんでしたが、折に入る短文はあっても、「さいころ・・」が一応男女2人が旅をしている風でしたが、特にストーリーはなく。でも今回、映画までも撮っていた広い創作範囲だったのだった、と。

映像コーナーは最後の方にもう一箇所あり、老いたジュリエットが、色々サングラスを取替えながら、マン・レイとの日々を語り、アート感溢れるアトリエの様子やバックの音楽もノスタルジック。最後の文で、ここをマン・レイ美術館として残す予定が、残念ながら取り壊される事になった、と。

フランソワ・レヴィ=クエンツ制作・監督の「マン・レイ、フェルー街2番地の2」('89)、という23分の映画でしたが、正直こちらの方が、ちょっとエスプリ効いて情感もあるドキュメンタリー短編、というか、インパクト残りました。


a0116217_18195390.jpg出口の手前に、篠山紀信が撮った、というアトリエ内の様子の写真も何枚か。マン・レイ人物写真の中に唯一日本人で宮脇愛子という人がいて、交友あった彫刻家、のようですが、その夫、建築家の磯崎新を通して、コンタクト取って、許可を得たのだった、と。

売店コーナーで、今回展示はなかったですが、並んで下関連本の表紙の1つに、例の空の唇の絵がありました。これは、今にして確かめたら、「天文台の時―恋人たち」で、「唇」という題で知られている油彩のようだと。そして、どうも見逃してしまったようですが、最初のパリ時代展示の中に、その写真のゼラチン・シルバー・プリント版、があったようで、出展リストに載ってました。

でも唇は、よくマン・レイ作品の題材になってるそうで、私の見たのは、そう大きなギャラリーではなかったし、そのまさに本作だったか、またプリントやポスター類だったか等、定かではないですが、

あるサイトで、彼は、自分の元を去った恋人リー・ミラーをいつまでも自分のものにしておくため、彼女を自分の作品に表現し、彼女の唇は身体から切り離され、赤い飛行船のように空に浮かぶこととなった、旨の解説を見かけ、マグリットの絵のように、あの空+唇に、特に意味が、とは思ってませんでしたが、そういう失恋の背景があったのだった、と、この機会に判りました。

a0116217_23401899.jpgカードで買ったのは「無題(黄金の唇)」(↑)と、2人の女性が、マン・レイデザインらしいのでチェスをしている無題の写真(←)。

母は、色々女性を綺麗に撮っている、また映像で未亡人が、夫の価値を認めて欲しい、ような事を言ってたのが印象に残った、等と言ってましたが、やはりどうもシュールレアリズム?でオルセー展の方がずっと感慨あったようで無理もないかと。

「何故、唇?」と言ってたのには、そういうの特に意味ないと思う、と答えておいたのですが、上記の判ったエピソードは伝えておきました。

私は、そう馴染みなかったマン・レイ個人、というより、唇の作品や表紙絵を見て、そういう作品が、さり気なくあったNYのギャラリーの雰囲気が、おぼろげに浮かんで、ちょっと郷愁、という所でした。

関連サイト:マン・レイ展 知られざる創作の秘密
関連記事:輝ける女たち(’06)ロバと王女(’70)大エルミタージュ美術館展ポンピドー・センター所蔵作品展うず潮(’76)フィラデルフィア美術館展芸術都市パリの100年展オルフェの遺言ー私に何故と問い給うな(’60)オルフェ(’50)印象派はお好きですか?

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                     <’90年5月、NYにて>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-16 00:00 | 芸術 | Trackback(1) | Comments(0)


夏期講習前半終了

夏期日程前半が終わって、一昨日から一応休みに入りました。少しリフレッシュもしようと思いますが、色々と整理片付けメインのつもりで、少し取り掛かり、幾分でも身の回りがスッキリしました。

講習分の中3女子の5科目は、貧血系持病+夏に弱くてしかもこの猛暑で、当初少し危惧した通り、午前は元気に来ても、午後にはダウンしてしまって振り替え、等のケースも折にあり数回分溜まっていたりして、なかなかテンポ良くとはいきませんが、まあこなしてきた分には、そこそこ頑張っている、という所。

一番進んでいるのが前からやってる英語で、2学期の文法予習も徐々にしつつ、復習や読解練習で、いい方のペース。先日、学校からの予習の宿題の、教科書の「A Mother's Lullaby」という文の訳をチェックしたのですが、

広島の原爆投下から翌朝にかけての、幼い少年とその母代わりをする少女の様子を、1本の古い木が語る、という4ページの文。ずっとこのNEW HORIZON3年の「Let’s Read」コーナーに載っており、

その生徒が、誰がこれを書いたんだろう?と呟いて、そう言えば、有名作品からの引用、という訳でもなさそうだし、内容からして、英米の、というよりは日本の現地発の悲話のようだし、この機にちょっと検索したら、元は大野允子さんという人の「夜のくすのき」という文章で、それの英訳だった、と判りました。

ごく短い文ですが、先日ジブリ特番で少し映った「火垂るの墓」('88)等重なったりもする、幼い命の悲劇で、今にして、でしたが、サイトにあったその原文を読んでみて、児童向けらしい柔らかな日本語で語られている分、描かれた少女と少年の切なさも、英文からとは違ったじんわりした染み方。これは印刷して、今度その子にも渡しておく事に。

大野允子さんは、やはり広島出身の児童文学作家で、原爆落下当時高2生、その日爆心地近くで作業をしていた1年生全員が亡くなり、その日記を元にした「8月の少女たち」という本等を出版していた方だったのでした。

あと、苦手の理科計算問題、社会地理・歴史復習等もボチボチで、一番遅れてるのが数学、計算系はまあスムーズでも苦手の関数問題復習に入って、どうも進行が滞り。でも、それなりに進め続ける、の感覚で、という所です。

後半は、加えて集中日程で中1生の分等も入ってきますが、色んな意味で自分も慢性的にダレないよう、なるべくテンポよく、この8月を終えたいです。

関連サイト:Mother’s Lullaby/夜のくすのき
関連記事:期末テスト対策終了・夏期講習

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            <親御さんから頂いた下田旅行土産、お茶パイ>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-08-14 00:00 | 仕事 | Trackback | Comments(0)


ジブリ創作のヒミツ~宮崎駿と新人監督 葛藤の400日

昨夜NHKで、「借りぐらしのアリエッティ」創作の特番放映、一部録画、一部オンタイムで見ました。ジブリ特番は、一昨年の「プロフェッショナル」での「崖の上のポニョ」製作中の宮崎監督密着以来、

米林監督は写真では見かけていても、初めての映像で、人となりや、作品誕生までの紆余曲折、細かい各シーンのこだわり、宮崎監督の今回の距離の置き方等、1時間15分でしたがなかなか興味深かったです。

米林監督は、「千と千尋の神隠し」の「カオナシ」のモデル、マロさんという愛称、と聞いていて、やはり風貌的にもずっとそういうイメージ重なりましたが、アニメーターという職人の立場からの初の監督業、でもあってか、スタッフに対してもそう表立った強い主張、という場面は見られず、おっとりやんわり。でもずっとマイペースな芯の強さも、という印象でした。

美大時代にCMアニメ製作を手掛け、自分の描いた絵が動く面白さに目覚めて、この頃出会った人生を変えた映画、というのが「耳をすませば」('95)だった、と。微妙な心情を表現する技術に心奪われて、大学を中退してジブリに入社、という経緯との事で、

「借りぐらし・・」終盤高台のシーン等は、何処となく「耳を・・」に似てる気もして感想で触れてたのでしたが、改めて、この監督デビュー作に、純愛テイストとか、色んな意味でルーツとして影響、またオマージュもあったのかも、と思いました。
                                    (C)(株)徳間書店
a0116217_12182058.jpg「・・ポニョ」でポニョが海から爆走、のシーンを描いて高い評価、との事でしたが、今回、「千と千尋・・」での千尋の両親の大食いシーンや、「ハウルの動く城」のハウルと出会った直後の戸惑うソフィ、等もそうだったのだった、と。

ポニョの勢いに呼応するように、1つ1つの波が魚になって、海が生き物のようにうねった躍動感、のユニークシーンも、久方に見て、裏方だったこの人が描いたのだった、と改めて。

今回宮崎監督が、「「・・ポニョ」の時も、マロ式アニメーションが実を結んで、自分のアニメーションを作ったなって感じた」、と。そういう手応えもあったからこそ、鈴木氏と共に「借りぐらし・・」監督を任せ、しかも自分は製作に口出しをしない、という覚悟になれたのかと思いますが、

(C)二馬力・GNDHDDT
a0116217_4122679.jpgスタッフにへの説明会で、宮崎監督が(米林監督の)絵コンテは見てないし、と、そういう方針を告げて、「マロに全て託してですね、ジブリが沈むも浮くも・・」とエールを渡した所で、

傍らの米林監督が、「そんなこと託されても困りますよ」と苦笑いする様子が、アットホームな中、とはいえ内心相当プレッシャーとしても何だか漂々とした印象でした。

(←一昨年、ローソンで「ぴあ」を買ったら付いてきたのだったか、ポニョファイル。アピールシーンの1つだったのでした。)



冒頭、案内役の広末涼子のいるスタジオに、様々なアリエッティのイメージボードがあって、オカッパの幼女のような姿や、原作挿絵に似たおさげ髪だったり、かなりボーイッシュで、絶滅の危機にある小人族を救うイメージ、というものも見られ、

企画によっては、ナウシカや「もののけ姫」等のようなテイストに、という可能性もあったようで、やや意外でしたが、結局、そういう壮大な構想、というより、原作テイストにほぼ沿った物語、そのキャラクター、に落ち着いたようで、何だかそれは良かった、と。

そして、宮崎監督の演出方針の小人と人間の心の交流、から、さらに米林監督が踏み込んだのは、翔とアリエッティの恋物語、で、アリエッティの翔への気持は、部屋で姿を見られて話しかけられ、ポッドと共に無言で去って行く時、一瞬下を向いて戸惑いの表情を入れて、余韻を残したり、という部分でも醸し出そうとしたようでしたが、

印象的だったのは、今回一切口を出さず、傍観していた宮崎監督が、唯一間接的にですが異を唱えた、アリエッティが、「(ホミリーを)一緒に探そう」と言ってくれた翔の、掌に乗って肩まで運ばれるシーン。

(C)(株)岩波書店
a0116217_21111970.jpg宮崎監督にすれば、そうすることで、アリエッティが”愛玩物”になってしまう、と危惧したようで、それは、原作終盤での、危機的状態にあっても、ポッドが頑として、少年の手で避難所に運ばれる、という事を拒絶、そうする位なら野ネズミに食べられた方がまし、という、借り暮らし小人族なりの、譲れないプライド、という部分が根っ子にある感がしたのですが、

そういう意味では、アリエッティは、ホミリーが消え、人間に捕えられてしまったらしい状況で、迷いなく翔の元へ出向いて窮状を訴え、思い切り泣いて感情を爆発させて、という時点で、そもそも小人族としてのプライド、よりも、自分の一少女として素直に翔を頼る気持ち、を無意識にか選んでいるし、

そういう彼女の能動的な行動は原作にはなく、それはどちらの監督の案か?判りませんが、その流れで、翔が手を差し出すのも、アリエッティが掌に乗るのも自然、と、米林監督は、師匠の異例の異議に少し戸惑いつつも、自分の意志を貫いて、アリエッティの決意を表すため、掌に乗る前に、短くうなずきを加えた、という流れだったのだった、と。

小人族の誇り、歩み寄りはしても、人間との譲れない距離、が念頭にあった宮崎監督と、種族は違っても素直な少年と少女の純愛、を描こうとした米林監督との違い、という気もして、番組中何だか一番頭に残った裏話でした。

8/12追記:製作終盤、俳優陣が科白を入れる時にも、このシーンで、翔役神木君の「一緒に探そう」という語りかけが、「子供に言ってるみたいで、もうちょっと誠実な方がいい」、他のスタッフと共に「「男」、ですね」、等とダメ出ししていて、翔とアリエッティの恋心、を前提にした自然さ、を出そうとしたのが伺えました。


でもこのシーン以外は、宮崎監督は今回当初告げたように傍観、口を出すのは控えてたようですが、その一因は、故近藤喜文監督の思い出だった、と。

a0116217_173037.jpgジブリ作品の絵を色々手掛け、「耳をすませば」が唯一監督作、割と若くして亡くなった、という記憶でしたが、宮崎監督とはアニメーター時代からの先輩・後輩で、自分が脚本を書いて「耳を・・」の監督に抜擢、

でも宮崎監督が、何度か新人に作品を手掛けさせてはそうしてきたように、現場に乱入、口を出して、2人は衝突を繰り返し、作品は高く評価されたものの、近藤監督は,元々の病弱さに激務が祟って、作品完成の2年後他界してしまった、との経緯だった、と。

「耳を・・」は、私は挿入話の背景の井上直久の絵(↑↓)のファンタジックさ等もあって、好感度高めでしたが、その裏にはそういう葛藤、また、ある意味近藤監督の命と引き換え、とまでも取れそうな作品だった、とは今回知りました。

a0116217_173093.jpg宮崎監督には、その時の事が「(近藤監督は)あれが終わって、急に老け込んで、急に死んでしまった。終わりを渡しちゃったような気がして」と、苦い経験として胸に刺さっているようで、そう言えば、近年「ゲド戦記」にもノータッチだったのには、そういう部分もあったのかも、と。

ジブリの後継者にも頭を痛める今、ご自分も69才、期待かけて抜擢した新人が、その「耳をすませば」が運命の作品だった、という米林監督、というのは偶然にしても、そういうドラマもあったのでした。


8/13追記:そういう事も含めて、改めて長編アニメ映画監督の激務ぶり、が思われ、宮崎監督の、アニメーター達の全ての原画に目を通して修正を入れる、というスタイルを米林監督も採っていて、ジブリ以外の製作現場では必ずしもそうなのか判りませんが、とにかく自分自身が、技術者的にずば抜けたアニメーターである必要、も改めて。

深刻な製作遅れの中、「カット飛び」のミス発覚、ポッドとアリエッティが床下から上へ行く途中、ハシゴを昇る時に、瞬間移動しているような場面の飛び方、という所で、

確かにそこだけ数回ピックアップされているのを見ると、やや不自然な気はしますが、流れの中で、そうとりたてて気になるだろうか、という感じでも、やはり放置は出来ない初歩的ミス、として、米林監督自らカットを描いて挿入、ことなきを得たのでしたが、

その時同監督が、こなれた鉛筆さばきで素早く、はしごを登って行くアリエッティの動作を描いていく様子。通常のアニメーターなら動作の分析だけで3日はかかるらしい所を、6時間で仕上げ、現場の危機を救った、一職人としての腕発揮の集中力、も印象的でした。

実写の監督と違って、いざという時には、技術的には、自らの手で直接手を加えられる、という+面、でもある代わり、膨大な1枚1枚のカットがそのまま自分にのしかかるボリュームの重さ、というのも想像を絶するような、と。

実写作品とは、その性質も違って、監督の労力も比較出来ないかもしれませんが、宮崎監督も、前の特集で、実質体力的な限界について語り、長編は「・・ポニョ」で最後、と仄めかしていて、基本的に手描きスタイル、というのも原因としても、思えば高齢のアニメ監督というのは余り思い当たらなかったり。


米林監督は、年明けに手に発疹も出来ていて、痛いです、と苦笑い、その時薬指の指輪が目に入って、今回特に私生活ルポはなかったですが、既婚者だというのは判りました。鈴木氏に呼び出され、その発疹を労わられながらも、

進行的には、大事な所とそうでない所で、メリハリをつけないと(とても間に合わない)、と忠告されたり、宮崎監督はあえて傍観姿勢でも、やはり鈴木氏からは、途中の試写でも、庭の風景の微妙な出来に、「これで完成なの?」との声あったり、節々に、チェックはあるようで、社の数十億円かけたという新作で、当然と言えばそうかもしれないですが、

やはりジブリという、宮崎・鈴木という大御所のいる組織の中での創作、また、それゆえこういう密着取材を受ける、という、ある面、安心感ややり甲斐、の反面、やりにくさ、神経使う部分、プレッシャー等も偲ばれ、

それに潰れない、技量やメンタル的なタフさもいるようでしたが、米林監督は、今回そういう最初のハードルは、とにかく夢中で走ってきて気付いたらクリアしていた、という感なのかも、と。


宮崎監督は、「カット飛び」危機の時も、机に向かう米林監督の側を、うろつきつつも声はかけず、一番苦しい最終段階の時に、同じ様に近付いて行って、その、自分も馴染んできた”監督席”からの、窓からの景色の事を何気なく話しかけ、米林監督も短く答え、それが製作中は、今回映像に映った、唯一の2人の会話だったかと。
                                     (C)(株)岩波書店        
a0116217_171042100.jpg完成試写会で、一旦自分の真後ろの席に座った米林監督を、前の席に移るよう示唆、上映が始まって、じっと見入る宮崎監督の表情が、赤外線カメラかで映され、アリエッティと翔の、やかんでの旅立ち前の別れのシーンで、ナレーションの通り、頬を一筋の涙が伝っていて、

終了後、自分の前で挨拶する米林監督の手を取って上に掲げ、肩を叩きながら、本当によくやりました!と言うのが、脚本を練り上げ、様々な思いで我慢もしつつ距離を置いてきた、この作品と米林監督への、ゴールまで来た万感の思い、から滲み出た動作、というか。

その後久方に打ち解けて話して、翔とアリエッティの心情が、よく伝わってきた、と讃えていたのも、この作品の、大作ではないけれど素直なテイストと相まったような感触。

以前「プロフェッショナル」での特集の時には、同会場、だったかもしれませんが、「ゲド戦記」試写後、報道陣に「気持で映画を作っちゃいかん!」と吐き出すように呟き、その後「素直な作りで、良かった」というようにコメント、と聞いた覚えで、

実の息子監督、というスタンスもあって、比べてどう、という事ではないかも知れませんが、今回の方が率直な感慨、という感でした。


また、宮崎監督本人は、今回途中ナレーションで、自分で監督するのはあと1本、と思っている、旨のナレーションが入り、前の放映で、上記のような旨もあったし、それは長編ではないのかもしれませんが、とにかくまだ1本は宮崎作品が創られる気配、と。

それもまた、どういうものかと楽しみでもありますが、とにかく今回の特番は、タイムリーに「借りぐらし・・」の舞台裏一部の、こだわり・問題あったシーンや、新人米林監督の奮闘ぶりが具体的に見られ、なかなか充実感の後味でした。

今回放映当日の、少し前TV欄で気付いて録画セット、「借りぐらし・・」2回目に一緒に見たので、母にもこういう番組がある、と知らせておいたのですが、オンタイムで見て番組が終わった直後電話がかかってきて、シーンも記憶に新しかったし判り易かったようで、アニメ映画が1本出来るのに、本当に長い間色々大変な作業だなあ、と感嘆、という所で。

やはり宮崎・米林両監督の、それぞれの作品への思いや、直接の衝突場面こそありませんでしたが、1年3ヶ月程に渡っての、何とも言えない互いへの意識、圧迫、気遣い、等絡んだジブリ現場の様子も、ドキュメンタリー的に面白い、というか、見応えありました。


関連サイト:ジブリ創作のヒミツ 宮崎駿と新人監督 葛藤の400日「借りぐらしのアリエッティ」公式サイトamazon「床下の小人たち」amazon「野に出た小人たち」
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