Something Impressive(KYOKOⅢ)


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ターナー展

先日27日(日)、先週予定してて見送った上野での2展、東京都美術館での「ターナー展」と国立西洋美術館での「ミケランジェロ展」に母と行ってきました。

まずターナー展、今回英国のテート美術館から、油彩画30点以上、水彩画、スケッチなど計約110点を10章に分けての展示。


ターナーは、私は今年年頭のメトロポリタン美術館展で、「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」を見てて、これは目に留まってカードを買ってた作品の一つ。

個人展としては、その時挙げてたように、’97年横浜美術館での以来。その時も、テート美術館からの出展で、ここは世界最大のターナーコレクション所だったのだったと。

どうも今回、見覚えある画風のはちらほらあっても、明らかにこれは見たことがある、という作品はなかったけれど、手元のカードを見てみたら、今回出展のと重複するのを2枚発見、その時の図録を見たらもっとあるのかも。


a0116217_012585.jpg今回一番インパクトだったのは、4章「イタリア」にあった、「ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のため絵を準備するラファエロ」(カード→)。

ラファエロが、恋人を傍らに自分の作品に囲まれて、ヴァチカンの、サン・ピエトロ広場を見下ろす見晴らしいい回廊で絵の構想を考えてる、

a0116217_093590.jpgこれは丁度ラファエロ没後300年の年に発表されたそうだけれど、

何だかターナーの風景画に、入れられることのある歴史的シーン、の代わりにターナーが敬愛してたらしいラファエロを登場させ、時空を超えたような、ちょっと不思議な印象(←チラシより)。

これは横浜美術館の時の図録にもあって、その時も見てたはずだけれど、どうも覚えなく。


その他目に留まったのは、見覚えあるような、好みのターナー作品タイプの、奥行きある構図+その奥からセピア色調の風景に広がる光、の「レグルス」だったけれど、

ちょっとこの解説を見て、引き気味、カード入手もも見送り。この主題は古代ローマ将軍レグルスが捕えられ、瞼を切り取られ、その後牢獄から引きずり出されて陽光に当たり失明、という伝説で、

その失明の寸前、レグルスの目が陽光に晒される瞬間を描いたもの、とかで、その時レグルスの目が一瞬捕えた光景、のようで、何だか聞くだけで痛々しく、

a0116217_1348653.jpgこういうエピソードを知らなければ、通常に、ターナーらしい好みの名作、と思ったのだろうけれど。

手元のカードに、よく似た構図のがあり、一瞬同作品かと思ったら、それは「カルタゴ帝国の衰退」(→カード)という別もので、「レグルス」の11年前の作品、

まあ比べてみたら、こちらの方が柔らかな光、「レグルス」の方が強い光、なのだけれど。


作品名で目に留まったのは5章「英国における新たな平和」にあった「スカボロー」、独特な形の丘?山?が海岸に切り立ってる地形と共に、これがサイモンとガーファンクルの「スカボローフェアー」の場所か、と。

どこにあるのか知らなかったけれど、今回、会場の作品関連地図で、イギリスの北東部の海岸沿いの町だったのだ、と今にして。

それと、その章にあった、サミュエル・ドジャーズの詩集のための挿絵、だという、細かい水彩の小品の「村、夕暮れ」「逆賊門、ロンドン塔」なども、今まで余り覚えなかったターナーの繊細な味。


あと、9章の「後期の海景画」にあった、「オラニエ公ヴィレム3世はオランダを発ち、荒波を超えて1688年11月4日にトーベイ上陸」というのは、丁度先日、高2の生徒の世界史で、イギリスの名誉革命の時のエピソード、

知らなければ、この長いタイトルも全く?で、何だかビジュアルでの復習、のようだったけれど、解説で確か、実際は到着は5日で、海も静かだった、とかで、絵の内容が、必ずしも厳密に史実と一致、という訳ではないようで。

まあ宗教革命とミケランジェロのシスティーナ礼拝堂との関係にしても、世界史を多少なりともかじることで、芸術作品のバックグラウンドにも絡んでくることがあるものだ、と改めて。


a0116217_1415899.jpg結局後でカードを買ったのは、上の「ヴァチカンから望むローマ・・」の他は、8章「ヴェネツイア」の「ヴェネツィア、月の出」。

これも、ターナーにしては淡い印象〈→カード)。

母が買ってたのは、やはりヴェネツィア風景の、「ヴェネツィア、嘆きの橋」(↓カード)、これもちょっと入手しようか迷った作品。

a0116217_2243819.jpg手元のカードでヴェネツィア風景のは、今回入手のも入れて、今回も来てた、舟や人波が茫洋とた「ヴェネツィアー総督と海との結婚の儀式、サン・マルコ広場」など4枚だけれど、

やはりマイベストは上記のメトロポリタンでの明るい画面の作品。


今回、そう明るい印象の、という作品は少なかったかもしれないけれど、「ポジッリポ通りから望むヴェスヴィオ山とソレント半島半島、ナポリ」という作品は、さすがに南イタリアの場所柄か、明るい画面。

それにしてもターナーは、生まれは理髪店の息子、特に裕福な環境、ではない中、絵の才覚を延ばして頭角を現して、

パトロンの実力者の招きもあって、英国国内のみならず、ヨーロッパ各地を旅しながらの制作生活もしてたようだけれど、

5章「英国における新たな平和」の「トラファルガーの海戦のための第二スケッチ」は、手前の船の人々の混乱ぶりが描かれてて、その解説で、

王室から声がかかっての制作だったけれど、戦勝を謳歌、というより、人々の蒙る危機、混乱、犠牲を描き、王室画家にはなれなかった、のような覚えで、そういうフラットな一面のあった画家だったのだったと。


そういう所で、ダイナミックな海、牧歌的風景、歴史的なシーンや街並みや建造物、ヴェネツィアの独特の佇まい、挿絵の小品にしても、やはり全般的に風格漂うターナー作品群を味わえました。

関連サイト:ターナー展 公式サイト
関連記事:メトロポリタン美術館展 大地、海、空ー4000年の美への旅リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝ラファエロ展と花見 in 上野公園

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                    <ポスター>

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by MIEKOMISSLIM | 2013-10-30 00:13 | 芸術 | Trackback | Comments(4)


中間テスト対策終了・新入会

先週月曜で、今回の中間テスト対策が終了してました。

今回平常に+分は、美術系付属高1女子の数学(英語)60分×4回分、それと中間対策、という訳ではないけれど、

普段英・数の私立高2女子がさっぱり?不明、という化学の休み明けテスト用に、9月前半に2時間×2回、終盤に化学・生物小テスト用に60分1時間×1回急きょ集中授業。

前半のは、夏休みに持ってきてやや苦労して一部解答を作ってあげてた課題プリントからで、テスト結果は初めて化学で平均点を超えた、と喜んでて、

終盤のは化学が「金属の結晶」、生物は「酸素解離曲線」の、主に計算問題。プリント2枚ずつを一旦預かって、4時間位で何とか準備して、説明しながら解いて、本人は一応、やっと何をやってるのか判った、とのことで、

通常の守備範囲外でやや気忙しかったけれど、やはり9月2週目からスタートの、都立校2女子の世界史の準備も、これまでなかった作業。


学校の先生が相変わらず色々飛びまくり端折りながら進めてて、一応間テストまでの範囲、近代ヨーロッパの成立、ヨーロッパ主権国家体制の展開、の教科書の各章の項目、地域ごとのまとめプリントを作っておいて、それに沿って説明、

テスト前までには、準拠のまとめテキストもやっておきたかった所が、本人はクラブで多忙すぎ、台風接近で、そういう低気圧で結構体調に影響する体質らしく、凄くだるい、などで結局ほとんどノータッチ、

テスト前に、地図、地名関係のチェックを少しした位で、果たしてこの生徒の昨年の数学のように、そこそこ成果が出るか?結構微妙。


まあこの予習のお蔭で、宗教改革の所など通ってて、自分の知識的には、今日見てきた「ミケランジェロ展」でも、その素描や映像で結構目玉的に紹介されてた、システィーナ礼拝堂の天井画や壁画と、同時代の宗教改革の関係が、

以前の旅で実物は見ていたのだけれど、今にして改めて、カトリック側の対抗宗教改革の流れの一環だった、とか、そうだったのか、と繋がった、いうことも。

まあ余り美術には興味なさそうな生徒だけれど、折あれば一応そういう+アルファも話してみようかと。


その他対策はまあいつものように気忙しかったり、それなりに、だけれど、10月から、7月に数学で入会の私立中1女子の姉の同じ付属の私立高1女子も、体験授業の後、数学90分×週1回でスタート。

お母さんの意向で、2人の英語の体験授業もしてみて、今はどちらもやや遠方の別の塾でやってるらしく、今後もしかしてうちでやるかもしれないけれど、当面は数学で。

その他まあいつもながら、そう重大、深刻な問題、という訳ではないけれど、やや感覚的に意味不明?なこと、気を揉むこともあるけれど、まあやはりそれなりに出来る範囲で前向きに、という所です。

関連サイト:個人学習会 高円寺教室
関連記事:ある少年(’07)一息(〃)夏期講習(〃)再会(〃)合格・ブログサービス終了(’09)受験シーズン終了と新入会(〃)春期講習終了・新年度と新入会(〃)中間テスト対策終了(〃、1学期)期末テスト対策終了・夏期講習(〃)夏期講習(〃)夏期講習前半終了夏期講習終了中間テスト対策終了・新型インフル(〃、2学期)期末テスト対策終了・冬期直前講習(〃)センター試験終了・インフル余波(’10)冬期直前講習と期末テスト対策終了(〃)春期講習終了(〃)中間テスト対策終了(〃、1学期)期末テスト対策終了(〃)夏期講習前半終了(〃)夏期講習終了(〃)中間テスト対策終了(〃、2学期)期末テスト対策終了(〃)冬期直前講習(〃)冬期直前講習終了(’11)学年末考査対策終了(〃)入試ネット投稿(〃)塾HP再作成(〃)中間テスト対策終了・新入会(〃、1学期)期末テスト対策・夏期講習(〃)突然の別れ(〃)塾広告ポスター(〃)夏期講習終了中間テスト対策終了・新入会(〃、2学期)期末テスト対策終了(〃)冬期講習終了(’12)学年末考査対策終了(〃)春期講習(〃)春期講習終了(〃)中間テスト対策終了・新入会(〃、1学期)期末テスト対策終了・新入会(〃)夏期講習(〃)夏期講習終了(〃)中間テスト対策終了・新入会(〃)期末テスト対策終了(〃)冬期・直前講習、新入会(’13)直前講習終了・学年末考査対策終了(〃)中間テスト対策終了(〃、1学期)期末テスト対策終了・新入会(〃)夏期講習終了(〃)

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          <先日親御さんから頂いた千葉土産ピーナッツ最中>

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by MIEKOMISSLIM | 2013-10-27 22:26 | 仕事 | Trackback | Comments(0)


アメリカン・ポップ・アート展

先日20日(日)、国立新美術館で、前記事の「印象派を超えて 点描の画家たち」展に続いて、21日まで開催だったこちらも母と見てきました。

a0116217_16134361.jpgアメリカン・ポップ・アートの個人コレクションとしては世界最大級のジョン・アンド・キミコ・パワーズ・コレクションから、

ウォーホル、リキテンスタインらポップ・アーティストの巨匠達の1960年代の代表作を含め、絵画、彫刻、素描、版画、マルティプル等、7章に分けて約200点の展示。(チラシ裏→)


馴染みあったのは、ウォーホルとリキテンスタイン位、ウォーホルの最高傑作、らしい、チラシやポスターにも使われてた日本初公開の「200個のキャンベル・スープ缶」(↓一番下)、というのもどんなものか?などちょっと興味あったけれど、

実物は、見事に縦10個×横20個の、味の表示だけが違うキャンベル・スープ缶が並んだ”大作”、これがウォーホルの最初の絵画、だと。

その展示の隣に、各缶を大きく描いた10点組の「キャンベル・スープⅠ」「〃Ⅱ」もあって、大量生産、消費時代の表現、皮肉、風刺ニュアンスらしいけれど、まあこういう固有食品をこだわって題材にした絵、というのも思えば覚えなく。



この「キャンベル・・」は、ちょっと規格外、かもしれないけれど、その他で今回、一番インパクトだったのは、トム・ウェッセルマンの「グレート・アメリカン・ヌード#50」(左↓カード)という作品。

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この春「クラーク・コレクション」での目玉作品だったルノワールの「劇場の座敷席(音楽会にて)」(右↑カード)、セザンヌの静物画、ルドンの花瓶+カラフルなラジオやジュース、リンゴ+横たわる女性の写真コラージュ。

この作品の目録の画材の所には、ミクスト・メディア、とあって、それは、1つの作品あるいは制作にあって、複数のメディア:媒体を用いた技法で、

(稼働する、らしい)ラジオ、ジュース、リンゴなどの部分はアッサンブラージュ=立体的なコラージュらしく、

まあ既成の有名芸術作品、日用品、華やかなアメリカ女性ごったまぜ、の一品で、遊び心+アイデア、と言えばそれまでだけれど、何でもあり的な面白さ、というか。


その他目に留まったのは、ウォーホルの見覚えあるモンローや毛沢東のシルクスクリーンの組作。モンローのの解説に、けばけばしい色彩の下で、常にうつろな表情、孤独な一面、などとあって、

今回そう言われれば、「モンロー7日間の恋」でもあった一面のような、スターダムの裏の空虚さ、というか、そういう風に感じられなくもないかも、と。


それと、リキテンスタインの、”吹き出し”のあるモロ漫画風、とか、この人の特徴の独特の赤いドットのポップさ、というのも久しぶり、唯一手元にあったこの人のカード「キス Ⅴ」も赤、黒のドット。

今回この作品群を見ている時、ふと草間彌生の水玉、が浮かんだけれど、改めてリキテンスタインのは、感情移入のない確信的模様、の感じ。

その中に、モネの「ルーアン大聖堂」を題材にした、様々な色彩のドットでの6枚組、というのも、原作の時間ごとの色彩の移り変わりをリキテンスタイン風表現?のようなというユニークさ。最初の紺色~黒のはほとんど輪郭?見えずだったけれど。

紹介映像で、キミコ・パワーズが、リキテンスタインの画廊に、彼がそういう画風で描くアメリカっぽい金髪女性に似た女性がいて、そっくりね、と言ってたら、その女性が奥さんだったか、後に奥さんになった、のようなエピソードもあったり。


作品群の中で、「印象派を超えて・・」のリュスの作品のように、ジャスパー・ジョーンズの「地図」という作品で、木炭・油彩で黒っぽく描かれた何の変哲もないような地味なアメリカの地図が、

右下のジョージア州の所だけ、確か濃い油彩だったのが、そこが画家の出身地で人種差別が根深く残る地域である、とか、やはり社会性を匂わすようなものもあったけれど、

まあとにかく、自由なアイデア、走り書きメモや日常品等含んだ、多種多様な画材、これで作品?な抽象的表現、など、

その直前に見た、細かい作業で時間をかけてコツコツ風景なり、人物なりを表現しようとする点描の画家達、とは対照的、というか。


a0116217_2340279.jpg売店では、あと1日で展示終了、またその日の展示終了時の夕刻だったせいもあってか、

比較的若い層の客が多かったと思うけれど、即買えた「印象派を超えて・・」とは違って、かなり長蛇の列、

今回唯一入手のカード「グレート・アメリカン・・」を買うために、30分位は並んだかと。母は、ウォーホルの「花」(→カード)を買ってて、私よりは早い時間帯に並んで、それでも15~20分位かかった、とか。

意外に、こちらの方が結構人気?と、その時初めて思ったけれど、やはり母にとっては、今一こちらはちょっと?で付いていきにくく、

数段「印象派を超えて・・」の方が好ましかったようで、今回も例によって母のとりあえず持ってる障碍者手帳で私達は2展共無料で鑑賞、だったけれど、

私もやはり個人的には、正直、あえてお金を払って見るとしたら断然「印象派を超えて・・」、こちらの方が数段、芸術家達がレトロな絵具と絵筆でキャンバスに向かって打ち込んだ個々の”作品”として、見応え感残った、という後味。


a0116217_051356.jpgそれでも、2つ見終わった後、美術館内のカフェやレストランでの展覧会特別メニューの中から、

相談の末、こちらの方のウォーホルの「キャンベル・スープ クラムチャウダー」にして、多分母も私も初味見、

スープカップに半分位、最初、え、これだけ?と結構少量、と思ったけれど、飲んでみると具材は見た目より入ってて、味もそこそこ濃厚、

母も割と美味しい、と言ってて、まあ、これがあの定番大ヒットスープ、山積みの・・という余韻も味わって、帰途に。


そういう所で、間に解説会も聞けて、「印象派を超えて・・」「アメリカン・ポップ・・」まあ充実のセット鑑賞の1日でした。

関連サイト:アメリカン・ポップ・アート展 公式サイト
関連記事:クリーブランド美術館展大エルミタージュ美術館展オルセー美術館展大回顧展モネフランス印象派・新印象派展フィラデルフィア美術館展ルノワール+ルノワール 2人の天才が愛した女性ルノワール+ルノワール展ジャン・ルノワールと黒澤監督フレンチ・カンカン(’54)ジャン・ルノワール名作選草の上の昼食(’59)女優ナナ(’26)フランス展/福岡・長崎展/パリ・モンパルナスに集う画家たち展芸術都市パリの100年ルノワール+ルノワール展ルノワール~伝統と革新/味百選ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たちプレミアム8<紀行>夢の聖地へ モネの庭語りかける風景印象派はお好きですか?オルセー美術館展 「ポスト印象派」モネ・ルノワールと印象派・新印象派展ザ・コレクション・ヴィンタトゥールセーヌの流れに沿って 印象派と日本人画家たちの旅モネとジヴェルニーの画家たちエルミタージュ美術館展 世紀の顔 西洋絵画の400年ワシントン・ナショナル・ギャラリー展セザンヌ パリとプロヴァンス展メトロポリタン美術館展 大地、海、空ー4000年の美への旅奇跡のクラークコレクションールノワールとフランス絵画の傑作ーSONGS 徳永英明印象派を超えて 点描の画家たち

マリリン 7日間の恋(’11)マリリン・モンロー 7日間の恋 / コリン・クラーク(’00)

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                         <チラシ>

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by MIEKOMISSLIM | 2013-10-24 15:53 | 芸術 | Trackback(2) | Comments(2)


印象派を超えて 点描の画家たち

昨日、国立新美術館で開催中の点描の作品を中心にした展示会、そして同館で今日までの「アメリカン・ポップ・アート」展に母と行ってきました。

元々は、上野でのターナー展とミケランジェロ展、そしてこちらも寄れれば、と思ってたのが、雨だったので上野は見送り、今回は便のいいこの美術展の2つに。

まず点描特集のに行って、これはオランダのクレラー=ミュラー美術館所蔵作品が中心、国内美術館作品も含めて、スーラやシニャック、

その影響を受けたゴッホ、ゴーギャン、ヴラマンクなど初め、ベルギーとオランダの点描作品など、新・後期印象派展でも、ちょっと珍しい”点描”にフォーカスした美術展、5章に分けて93点の展示。


a0116217_2020458.jpg第1章「印象派の筆触」では、国内美術館から、モネ、シスレー、ピサロ作品が並んで、馴染みの印象派でスタート。

最初のモネの「藁ぶきの家」は、覚えある、と思ってたらやはり手元にカード(→)、所蔵がISETANとあるけれど、今は上原近代美術館に移ってるようで。


今回、一番気に入ったのは、第4章「ベルギーとオランダの分割主義」にあった、オランダのヤン・トーロップの「海」。

細かい点描で、画面上部の水平線~波打ち際を描いた作品だけれど、波の幅ごとに微妙に変化する、青や緑のグラデーションが綺麗で、

この作品横の解説に、色が喚起する感情を考慮している、などとあったけれど、スーラやシニャックとはちょっと違った柔らかなインパクト。

a0116217_21191467.jpg売店にこのカードはなく残念、代わりにトーロップ作品「秋」〈←カード)を入手。

これも、そう言われれば道の、ピンクや赤紫の使い方がそういう”感情の喚起”という感じ。

オランダは象徴主義が主流で、ベルギーほど分割主義は浸透しなかった、そうだけれど、この画家のは他にも、畑をバックに1列になって急ぐ一家らしき3人位だったか「ストライキの後」という作品や、

農夫が女性を誘惑しようとしてるシーンの「<夕暮れの光>あるいは<誘惑>」のような絵もあって、後のの解説には、光と色のl効果より物語性的内容を重視、とあって、そういうよりナイーブな点描、として今回新たにちょっと引っかかった画家の一人。


そういう意味では、好み、というより、少し物珍しさで印象的だったのは、第2章「スーラとシニャックー分割主義の誕生と展開」コーナーにあった、フランスのマクシミリアン・リュスという画家。

「パリ、モンマルトルからの眺め」など、一見街並みを描いた点描画、なのだけれど、この人は労働者階級出身、結構政治に関わりあった”社会派”、

画面に描かれた工場や煙突、そこからの煙などがそういうニュアンス、だそうで、ダイレクトに労働者の現場を描いた作品「鋳鉄工場」も。

スーラやシニャックと同年代、一緒に組織を創ったり、ピサロの友人でもあったそうだけれど、単なる風景画でなく、そういう自らの思想的背景を入れた点描画、というのもあったのだったと。


a0116217_2214064.jpg今回スーラは5点、シニャック7点あって、どれも多分初見、やはり絵自体の好み的には、2人のはソツなく好感、

後でカードを買ったのは、シニャックの「コリウール 鐘楼作品164」(→カード)。母が買ってたのは、チラシにも使われてたスーラの「ポール=アン=ベッサンの日曜日」(一番下↓)。

今回特にシニャックは、後年の作品ほど点のタッチも大きい?と思ってたら、後で参加した本展担当研究員の方の解説会で、点描の画家は画面の大きさに合わせてせて点描のタッチの大きさも変える、という話も。


a0116217_22301934.jpgそれと第3章「ゴッホと分割主義」で、やはりゴッホも一旦スーラやシニャックの点描画に興味持って、自分の作品に取り入れはしたけれど、

結局忍耐のいるこの画風は性に合わず、彼らに賛同、という訳ではなかった、というのもさもありなん、というか。

カードを買ったのは、分割主義が結構出てる、という「レストランの内部」(↑カード)。テーブルクロスの白と、バックの点描の壁とのコントラストが視覚的にインパクト。


a0116217_22323424.jpg母はチラシにも使われてる「種まく人」(カード→)を買っていて、この作品って、他バージョンもあるけれど、

今回、そう言えば手前から奥にいくにつれて、大~小タッチの点描とも言える、と改めて。


その他、目に留まったのは、ベルギーとオランダの章にあったヨハン・トルン・ブリッカー「十字架の傍らで(チューリップの聖母)」のステンドグラス風、とか、

最後の第5章「モンドリアンー究極の帰結」の、モンドリアンの青、ピンク、黄土の四角形からなる抽象画「色彩のコンポジションB」。この画家は余り馴染みなかったけれど、オランダ人、

その「色彩・・」は一見、カンディンスキーのようなリズミカルな抽象画イメージ、今回の他作品を見ても、点描との関係?だけれど、解説会で、この画家もやはりスーラ達の影響を受けた時期があったそうで、

この画家なりの点描傾倒を経てこういう作風になった、という趣旨で最後のコーナー、というような紹介。


鑑賞後、前述の丁度2時から45分程の3Fでの解説会に参加出来て、改めて、「分割主義」は光を表現するための方法、点描の画家達が意識、ゴッホも毛糸玉で研究してた、という基礎の補色関係、とか、

ピサロが印象派展の兄貴分的役割で、最後の第8回にスーラとシニャックを誘ったのもピサロだった、とか、彼らの出展に反発して出展しなかった画家もいた、とか、

a0116217_2328301.jpgその時出展された、最初の点描の衝撃大作、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」〈←Wikipediaより)の波紋のエピソード。

この作品って、いまだ何かの折に見る度に、仄かに蘇るノスタルジー、初めて美術の教科書で見た時の何ともメルヘンチックなロマン感覚。

これはシカゴ美術館所蔵とのことで、オランジェリー美術館のモネの睡蓮連作のように、来日は不可能そうな大作、

今まで唯一実物を見る機会があったとしたら、大分前のアメリカ旅でシカゴに少し行った時に、美術館にも足を延ばしておいたら、だったけれど、

そう言えば今回、スーラの5点中2点が黒のコンテ・クレヨン画で、一つは「若い女(「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のための習作」)、腰から大きく膨らんだスカートの女性のシルエットで、

もう一つの「マフをはめた婦人」も、「グランド・・」の人物習作だったのか?ちょっと定かじゃないけれど、どちらもシンプルだけれど柔らかなライン、思えば多分初めて見た点描以外のスーラ作品。

その他解説では、スーラの「ポール=アン・・」の部分的拡大図での解説、今回の出展作や画家について、など色々と聞けて、

母も、折にメモを取ってたけれど、割とこの解説は判りやすい方だった、そうで、このイベントも鑑賞プラスアルファで良かった。

当初予定の上野の2展+こちらへ、だったら、この解説会参加は無理だったろうし、後の「アメリカン・・」と合わせて夕刻までいて、時間的にも今回この2展でやはり正解だった、と改めて。


そういう所で、馴染みの印象派モネ、シスレー、ピサロ作品+目玉のスーラ、シニャック、ゴッホらに加えて、思ったより色々なタイプの点描作品も味わえて、なかなか充実感のこの展示会でした。

関連サイト:「印象派を超えて 点描の画家たち」公式サイト
関連記事:クリーブランド美術館展大エルミタージュ美術館展オルセー美術館展大回顧展モネフランス印象派・新印象派展フィラデルフィア美術館展フランス展/福岡・長崎展/パリ・モンパルナスに集う画家たち展没後50年 モーリス・ド・ヴラマンク展芸術都市パリの100年展ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たちプレミアム8<紀行>夢の聖地へ モネの庭語りかける風景マネとモダン・パリ印象派はお好きですか?オルセー美術館展 「ポスト印象派」モネ・ルノワールと印象派・新印象派展ザ・コレクション・ヴィンタトゥール没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになったセーヌの流れに沿って 印象派と日本人画家たちの旅モネとジヴェルニーの画家たちワシントン・ナショナル・ギャラリーエルミタージュ美術館展 世紀の顔 西欧絵画の400年ユーミンのSUPER WOMAN 「長谷川祐子と現代美術をめぐる」<1><2>ワシントン・ナショナル・ギャラリー展ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たちエルミタージュ美術館展 世紀の顔 西洋絵画の400年メトロポリタン美術館展 大地、海、空ー4000年の美への旅奇跡のクラークコレクションールノワールとフランス絵画の傑作ーSONGS 徳永英明

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                        <チラシ表>

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by MIEKOMISSLIM | 2013-10-21 23:59 | 芸術 | Trackback | Comments(0)


SONGS 五輪真弓

先週末の「SONGS」は五輪真弓、録画で見ました。この番組では、’07年に小椋佳とジョイント出演があったのだったけれど、それはチェックし損ね、歌声、姿も久しぶり。

今回歌ったのは「恋人よ」「時の流れに~鳥になれ~」「BORN AGAIN」。亡き父の故郷、長崎の五島列島の一つ、久賀島を訪ね、そこの五輪(ごりん)地区が、この人の名字のルーツだったらしく、

地元の人との話で父を偲んだり、自分の音楽ルーツ回顧、昔キリシタンが迫害を逃れてやってきて、根付いたキリスト教、さらにそこでも起こった迫害の歴史への複雑な思いへを語ったり、「時の流れに・・」はそこでの伸びやかな海をバックに熱唱。


何枚かアルバム録音があって、馴染み曲も多いけれど、やはりマイベスト五輪曲はNHK銀河ドラマテーマ曲だった「落日のテーマ」、

就職活動期、この曲の大らかさにメンタル的に支えられた、というか励まされた、という思い出。これはYou tubeでは見当たらず。

次がデビュー曲「少女」、これは今回回顧映像でジャケットが出て、少しだけライブ映像も流れ、随分久方に耳にして、やはり何処か文学的香り漂う風格。


10/18追記:やはり音楽好きで、教会で喜んで讃美歌のオルガン伴奏をした、というお父さんが、ラジオで聞いたフォークソングに夢中だった彼女にギターを買ってくれて、音楽への道が開けた、そうで、

16才の時、初めて人前で歌を披露、それがジョーン・バエズの「Donna Donna」、それがウケて、高卒後ライブハウスで洋楽カバーを歌うようになった、というのがこの人の音楽ルーツだったのだった、と。

単にシンガー、という枠でなく、20才の頃からオリジナル曲を作り始めたそうで、日本の女性シンガーソングライター草分け、というと反射的にこの人が浮かぶのだけれど、デビューは、アルバム「少女」とシングル「少女」同時リリースの’72年、

ユーミンもこの年「返事をいらない」シングルでデビューだったのだけれど、本格的デビューのシングル「きっと言える」やアルバム「ひこうき雲」は翌年’73年、やはり五輪真弓の方が一足先だったのだった、と。

そう言えば、中学時代私がユーミンに傾倒してた頃、五輪ファンの同じクラブの友人がいた、とか思い出したり。


20代後半、恋愛の歌を歌うようになった、とのことで、どちらかといえば私はこの人の直接のラブソングじゃない、「落日のテーマ」「少女」以外でも、「ミスター・クラウディスカイ」「酒酔草」「昨日までの思い出」「風のない世界」などの方が好みで、



          

ラブソングでは「青色の雨」「うつろな愛」「冬ざれた街」とかの割と淡々とした曲調のの方が好きだけれど、



今回、この人の代名詞的でもある「恋人よ」の誕生エピソード。

いつか究極の別れの歌を書きたい、と思ってて、思いがけずアルバム「少女」の編曲担当だった木田高介氏の訃報が届き、初めてのレコーディングで戸惑う彼女を兄のように支えてくれた人で、

特に恋愛関係、という風には紹介なかったけれど、初めて経験する永遠の別れ、深い悲しみに沈み、そういう中で書き上げたのがこの曲、

木田氏の葬儀で、浮かんできたのがサビの所で、本人談で、やっぱり判れというのは本当に嫌なもので、昨日までいた人が突然いなくなってしまう、というこの現実、

「冗談だよと笑ってほしい」、というのは心底出てきたフレーズですね、というコメント。

そう言えば私も、妹との死別の後、夢であっけらかんと本人が出てきて一緒にジェットコースターに乗ってて、ああ、死んだなんてやっぱり冗談だったんね、本当、良かった良かった、と安堵、したかと思ったら目覚めて、やはり現実は・・と、虚しさに襲われた覚え。

「恋人よ」は、特に好みの、という訳ではないのだけれど、そういう身近な人との死別の悲しさが織り込まれた別れの曲だったのだった、と今にして。


今回訪れてたルーツ地久賀島は、ユーミンの「瞳を閉じて」が愛唱歌の学校がある奈留島の隣のようで、入り組んだ入江の海と緑のコントラスが美しい所。五輪真弓は、迫害にあった先祖のキリシタン達の墓を花を持って訪れ、

>本来ならばキリスト教ならキリストの愛に基づいた信仰に賛同するから、自分もその生き方をしたい、というような信念ですから、

別に宗教とかそういうものではない、という気がするんですけれどね。自分のそれは生き方である、自分自身の信仰の形である、

それがなぜ最終的に迫害に合わなければいけないのか、という、その悲しさは、ちょっとやっぱりやりきれなさですね。<

そして自分に受け継がれているもの、として、

>愛の精神、ですね。私自身も最近感じますし、それは遺伝子の力だなと思うんですね。自分自身は今ここにいるけれども、自分の中の遺伝子というのは、果てしない旅路を歩いてきているわけですよね、

色んな体に次から次へと受け継がれて、私の中にも同じ遺伝子がある、それはおそらくそういった愛を信仰するというような、それだと思うんですね。< のようなコメント。


そして、この人がこの島に来るのはこれで3回目らしいけれど、27年前初めて来た後に創った、という「時の流れに~鳥になれ~」を、海を見晴らす高台で熱唱。

この曲も、聞き覚えはあったけれど、特に好みの、というではなかったけれど、何だか、自由、愛を歌った内容が、自分のルーツでもあるキリシタンの歴史回顧、受け継ぐ遺伝子、のような話の流れで、

安定した歌唱力、プラスアルファで、歌うこの人の根底から、筋が通ってる、というか、今までになくある種の説得力、を持って聞こえてきた感じ。

この人のルーツ地五輪地区には、今もう2世帯!しか住んでない、そうで、そのうち1世帯の人とは遠縁、家を訪れて思い出話をしてたり、

おそらくもう1世帯の男性が、歌い終わった後挨拶に来て、初対面のようだったけれど、父から、彼女のお父さんはいい男だった、と聞いてる、のようなエピソードで談笑、エールを送ってて、

まあ著名ミュージシャン縁の地、というには寂れてしまって、だけれど、たとえ土地を離れても、目には見えずとも、遺伝子というものは脈々と、というのも、実際の土地でこの人が語ると真実味。


そういう所で、久方の五輪真弓、健在ぶり、久方の「少女」などノスタルジー+バックの五島列島の自然美、ルーツ地の歴史と自らの音楽エピソードなど絡めて、なかなか濃い目の今回でした。

関連サイト:SONGS 第275回 五輪真弓
関連記事:五輪真弓


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by MIEKOMISSLIM | 2013-10-16 00:27 | 音楽 | Trackback | Comments(0)


バグダッド・カフェ(’87)

今日、近くの阿佐ヶ谷図書館映画会でバグダッド・カフェ」上映、都合も合ったので見てきました。

結構懐かしく、割とインパクトあって好きな方だった作品、その割には詳細は薄れてて、脳裏に残ってるのは、哀愁のテーマ曲「コーリング・ユー」、

+乾いたアメリカの荒野の独特な味わいの風景、そこの質素なカフェに集うアクの強い人々の、ゆるいハートウォーミングな人情、という断片的なもの。


久方に見て、始まって程なく流れた、ジュベッタ・スティールというシンガーが歌ったのだった「コーリング・ユー」は、舞台の荒野や、

旅の途中、その荒野のただ中で夫(ハンス・シュタットルバウアー)と決別、太った身体で一人荷物を引きずって歩く女性、ジャスミン(マリアンネ・ゼーゲグレヒト)の心もとなさ、などにフィットして、やはり印象的。

   

また、ヒロインは、この流れ者の女性だった、それと、そう言えば、大分前この作品を見た後で、同じパーシー・アドロン監督とこの女優マリアンネのコンビ作「ロザリー・ゴーズ・ショッピング」というのもビデオで見たのだった、ということとかも、思い出したり。

その「ロザリー・・」については、どうも輪をかけて、記憶薄れてて、なのだけれど。


10/8追記:この「バグダッド・カフェ」で記憶にあったのは、前述のように、辺鄙な土地、ある店でのアクの強い行きずりの人々達の緩いハートウォーミングな人情もの、ということだったのだけれど、

今回見直して、ジャスミンが、その人柄だけでなく、たまたま夫の車から持ち出してた荷物の中にあったマジック道具、それを”一芸”にして、カフェの人々を盛り上げ、客集めにも貢献、という辺りや、

ジャスミンと、夫を追い出したばかりのカフェの女主人ブレンダ(CCH・バウンダー)や、その周囲の人々との間に友情が生まれた、だけでなく、

彼女をモデルに絵を描いてた画家のルーディ(ジャックバランス)との間に、いつしか愛情も芽生えてた、というのも、すっかり忘れてて、そうだったのだった、と改めて。


終盤、彼女が保安官の咎めを受けて、一旦カフェを去り、おそらドイツに帰国、また戻ってきた時、同じ状況でやってきたのなら、現実的には、また以前のようにカフェで活躍するのなら、同じように労働ビザの問題がありそうな、と一瞬頭をよぎったのだけれど、

その問題の解決方法として、ルーディのプロポーズ、という締めだった、というのも、ここまでのハッピーエンドだったっけ、と改めて。


そういう記憶に新たな、という部分もあるけれど、昔はもう少し、1軒の僻地のカフェでささやかに繰り広げられる牧歌的なおとぎ話的、という印象が強いこの作品だったけれど、

今見て新たに思うのは、このジャスミンという人間の、突如やってきた得体のしれぬ訳あり風の異国人、として、奇異の目で見られながら、発揮していった底力、のようなもの。

ブレンダのはねっ返りの娘フィリス(モニカ・カルクーン)の若い好奇心や、息子サル・Jr(ダロン・フラック)の弾くピアノの価値を認めて、理解を示し、彼らになつかれ、モーテルの部屋にいりびたりになり、

自分を差し置いて彼らを甘やかしてるように見えたようで、ブレンダに、「一体どういうつもり!?自分の子供の面倒を見たら!?」と咎められ、「・・子供はいないの」と静かに答えるジャスミンに、しばらくしてブレンダが「言い過ぎたわ」というシーンや、

ブレンダの留守中に乱雑な事務所を徹底的に掃除、戻ってきたブレンダが、全部捨てた物を元に戻して!と激怒、そうしかけたジャスミンに、やめてちょうだい、と諦め、結局、片付いた環境にまんざらでもなさそうな様子、とか、女同士、人間同士の摩擦も。


でも、彼女にとってはいつまでいるか分からない一時の休息所、のようなカフェ、モーテルでの暮らしだけれど、持ち前のラフな大らかさと良心で、なるべく楽しく、良い時を過ごそうとする姿勢、

埋もれていた天性の資質?もあったのか、多分即席に、玄人並みのマジック、という一芸を身に付けて、カフェに貢献、そこでいつのまにか、実質的に必要な人間、になっていった力。

やはりまあおとぎ話的、ではあるけれど、そういう資質、魅力を、おそらく別れた夫は彼女と積み重ねた生活の中で理解出来ず、または認めないまま、ついに決裂、

新たに出会った芸術家ルーディは、それを認め、自然に惹かれて接近、という、一応ラブストーリーでもあったのだった、と今にして。


「コーリング・ユー」のイメージからして、荒野という舞台での、もう少し切ない後味もある作品、という印象だったけれど、今回、以前の記憶よりは、そういう不意の訪問者、異国人ジャスミンを巡って、

カフェの人々の色んな感情、というものも交錯、漂ってきて、同じ作品でも、時が経ってみて見直すと、後味、残るものも違ってくるもんだ、というのも改めて。


a0116217_3201997.jpg10/9追記:そして、この作品、というと今思うのは、’90年春の2か月程のアメリカバス周遊旅の終盤。

地図で作品の舞台、モハーヴェ砂漠を確かめると、ロスの東、数百キロ辺り。

このカフェはルート66沿い、だったらしく、多分その同じ道、でなくもう少し南だったかと思うけれど、この辺りを、ニューオリンズ~最終目的地ロスへのグレイハウンドバスで、通ったはず、ということ。

その旅の回顧記事でも触れてたように、ここらの荒野を走ってる途中、バスがパンク、しばらく立ち往生、というアクシデント、

ニューオリンズの宿で知り合って同乗したスイス人女性と、荒野に降りて写真を撮り合ったりしたのだったけれど、その時や車窓を撮った写真の内、一番「バグダッド・・」ムードと重なるような、というのはやはり前にもアップしてたもの(↑)。

その時、一時味わうには俗世間離れした異次元、パックリした広大空間に爽快感、だけれど、実際もしこういう場所に一人残されたら、現実的にかなり身の危険、と肌身に感じた覚え。

この作品を見たのは、確かその旅より以降にビデオで、で、旅からやや時も経ってたせいか、当時ドラマニューヨーク恋物語」再放送のように、自分の旅とこの作品を重ねて感慨、という覚えはないのだけれど、

今見て、かつてああいう遠い土地を横切ったことがあった、という経験が、何だか貴重に思えたり、ということも。



そういうプラスアルファの部分もあったり、やはり物語としては、以前見た時の印象とは違う部分、新たに、こういう展開、ニュアンスもあったのだった、という部分も結構あったけれど、

そう変わらなかったのは、やはり「コーリング・ユー」の、この作品テーマ曲としてのしっくりフィット感、そして背景の乾いた風景をある種詩的に見せるような、全体にややグリーンがかった独特の映像、の印象。

久々に見て、なかなか色んな意味で意外と味わいあった作品でした。

関連サイト:Amazon 「バグダッド・カフェ」阿佐ヶ谷図書館 映画会象のロケット 「バグダッド・カフェ」
関連記事:アメリカの旅<11>



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by MIEKOMISSLIM | 2013-10-05 23:26 | 洋画 | Trackback(2) | Comments(0)

    

’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!
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