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ユーミンとフランスの秘密の関係 / 松任谷由実(’17)

先日の僕の音楽キャリア全部話します /松任谷正隆(’16)と同様、3月頃図書館に予約のユーミン新刊が先月末ようやく手元に。

やはり就寝前少しずつ読んで、のつもりだったけれど、トントン拍子に進んで読了。

期待通りというか、それ以上の中身の濃さで、ユーミン曲ルーツの1つのフランス関連トピック満載、各界の7人との対談、ユーミンフランス訪問ルポ、写真も色々。

特にアートの話で、モネのことに触れている部分がちらほらあったのも興味深く、ユーミンと印象派、という密接リンクも本人の言葉で改めてしみじみ。


返却前に正隆氏本と同様、引っかかったアーティスト名、曲名、場所、映画タイトル、著名人、フレーズetcのキーワードを書き留めかけたのだけれど、

最初の数ページで結構な量になり、これは全部チェックにはかなり時間がかかりそうだし・・

長らく新刊本というのは買っていなかったけれど、意を決してamazonで、まあ中古の少し値引きのものではあるけれど、先日ゲット。

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   ((株)CCCメディアハウス)

手元に届いて、やはり就寝前少しずつ読み返してながら、浮世のうさはさておきで、悦に入ってるけれど、やや忙しなく、なかなかまとめて記録の余裕がなく、少しずつ、のつもりでとりあえずアップ。

9/21追記:第1章の「フランス女性について」で挙げてる4人の中で、改めての驚きは、ユーミンのサガン傾倒歴。

いつかラジオでもサガンに触れてたことがあった覚えだけれど、「恩人であり反面教師でもあるサガン」タイトル。

早熟な才能~世間御脚光を浴びて、というのがユーミンにも重なって影響を与えてたようだけど「セシルの週末」のセシル=「悲しみよこんにちは」のヒロインセシルから!というのは今にして。

私がサガンを読み出したのは、ユーミンにはまる前の小学生の時、その後もその瀟洒でナイーブ、エスプリの効いたテイストが好きで愛読し続けたけれど、サガン~ユーミン偏愛も必然だったのかも。

10/29追記:ちょっと多忙で続きが滞ったけれど、第2章「気になるカルチャーについて、あの人とおしゃべり」の対談も、

7人7様、知ってる人はいなかったけれど、様々なジャンルの人物とのフランス話が充実。ベストはフランス文学者の野崎歓氏とのかも。


第3章「フランスと日本、アートを感じる旅の話」も、ユーミンがマティス、コクトーらの縁の地、特にモネのジヴェルニーの庭訪問で、「面白かったのは、モネがつくったこの庭が、逆に彼の作品を真似てつくったように感じられた」

「眼前にあるのは現実の風景なのに、絵を見ているような感触」というような回顧。やはりこの庭って一度は行ってみたい、と改めて。




第4章「ユーミン世界に息づく、フランスと日本の文化」は、ユーミンへのインタビュー形式で、色々と興味深いけれど、特にインパクトだったのは、浮世絵トピック。

印象派と縁のある浮世絵の話がちらほら出て、ユーミンが好きだという葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」の、うねる大波の向こうに見える富士山、という”ありえない”構図だけれど、



描きたいもののための、事実との整合性をすっとばすデフォルメやクローズアップをうまく使うのが浮世絵で、

「海を見ていた午後」の、実はドルフィンからは見えない三浦岬、とか、「ソーダ水の中を貨物船が通る」のように、グラスの中に貨物船を見るのは、実際はかなり難しい、というアングルも、

嘘ではなく、浮世絵と同じ、デフォルメなのだと思っている、というような所。

先日始まった、国立西洋美術館の「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」展も、やはり見に行きたい、と、思ったり。

11/6追記:それと文学面では、堀口大學からの影響は”格別”ということ。

「ミラボー橋」の翻訳が挙げられているけれど、「何かをはきり言うのではなく、様々な状況を合わせ、積み上げてひとつの世界観をつくる。私の歌のつくり方に通じる部分です。」とのことで、

そう馴染みはなかったけれど、今後チェックしてみたい新たなユーミン関連著名人がまた一人。


まあその他色々、挙げたらキリがなく、引き続き少しづつ就寝前に読み返しており、期待通り充実の、今の域に達したからこそ余計しみじみと、という感もある満足なユーミンルーツ本です。

関連サイト:amazon 「ユーミンとフランスの秘密の関係」
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「エディット・ピアフ 愛の讃歌」サガンー悲しみよこんにちはー(’08)

モネ・ルノワールと印象派・新印象派展モネ、風景を見る目ー19世紀フランス風景画の革新モネとジヴェルニーの画家たちフランスの風景 樹をめぐる物語 ーコローからモネ、ピサロ、マティスまでー

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by MIEKOMISSLIM | 2017-09-18 00:29 | 本・音楽 | Trackback | Comments(0)


僕の音楽キャリア全部話します /松任谷正隆(’16)  

昨年秋出版の正隆氏本、昨日読了。

春頃に図書館に予約、先日5カ月経って順番が来てようやく手元に。返却期限は来週明けだけれど、今週末~来週は忙しないし、

やはり同時期に予約、あと一人待ち、のユーミンの「ユーミンとフランスの秘密の関係 」も近々に控えているし、

まあこれは、いずれ何らかの形で買って入手はしたい、とは思うけれど、今のうちに読んで記録しておこう、と。


6章に分けての、正隆氏が音楽遍歴をインタビュー形式で語り、サブタイトル「1972 Takuro Yoshida~2016 Yumi Matsutoya」だけど、

ユーミン話以外にも、その、たくろう初め、畑違いっぽいミュージシャンとの深い交流とかも意外だったり、正隆氏のルーツ洋楽、敬愛ミュージシャン名、とか列挙されていて、ある種”テキスト”的でもあって、

何よりも期待以上に色々、今にして、というユーミン(音楽)エピソード満載、馴染みの世界をより詳しく解説されてる感で、いつになくサクサク進み、ボリュームにしてはあっという間に最後まで。


8/17追記:引っかかった箇所に挟んだポストイットは19枚。一番印象的な所、というと、「作品からユーミンに好意を抱く」って見出し文章での、

同時期にユーミンと同じくファーストアルバムに関わった、>吉田美奈子の音楽にも魅力は感じたけれど、自分の役割はそう多くは見いだせなかった、

でもユーミンの音楽には、そこで何かをやれる自由度があった。音楽だけでなく人柄にも、そこで僕が何かをやれる自由な領域を見た。

ーそれはある種のおおらかさのようなものでしょうか。

そうかもしれない、僕から見た彼女は、・・人に任せてしまえる領域がある。それを感じたのかもしれませんね。

だからその後も彼女はずっとショーの演出を僕に任せているのかもしれない。<

の辺り。今にして正隆氏の言葉として、2人の根本的な関係性が、なるほど、という感じ。


あとユーミン関連でインパクトだったのは、「一輪のダリアはディレクターへのディレクションへの意見だった」。

ロマンス話として聞いていた「雨の街を」レコーディングの際の、正隆氏がユーミンの好きなダリアをピアノの上に置いた、というエピソードの裏話。

ヴィブラートをなくして歌うように、というディレクターに対して、正隆氏はヴィブラートがかかったままがいいと思って、

無理にヴィブラートを取ると歌はどんどん無機質になって、「雨の街を」という作品そのものにも深みがなくなっていくようにも思った、

ピッチの正確さは大切だけど、そのシンガーの持つ情緒はを取り省くのはバッドディレクションだと感じた、でも、セッション・ミュージシャンである自分の意見は受け入れられず、

ダリアの花は、正隆氏の、ピッチも大切だけど、エモーションの方を優先すべき、という意志表示だった、というくだり。

まあ勿論ユーミンに対する気持ち、励ましの意もこめて、だとは思うけれど、今にして聞く、マイベストユーミン曲の正隆氏側からのエピソード。



あと「MISSLIM」関連で、「『生まれた街で』でアレンジに開眼」で、この曲のデモテープを初めて聴いた時に、生ぬるい風が吹いているような感じを覚えて、

それをどうやって音で表現しようかと考えて、あのリズムにたどり着いた。・・それまで見たことのない音の風景に出会えた。<のだった、と。「爽やか」でなく「生ぬるい」風か・・。



このアルバムからコーラス・アレンジを山下達郎に任せてシュガーベイブ、矢野顕子のそうそうたるメンバーが集まった、という馴染みのくだりや、

下世話だけれど「MISSLIM」の頃まだ正隆氏の月給は8万円、アレンジ料が1曲1万6千円、確かにブレイク前だったけど、まだ暗黒時代だったと。。


その他、その吉田美奈子、大貫妙子、ユーミンの3人について、>これはあくまで僕の感覚ですけど、3人は、人間的には同じカテゴライズ。でも、音楽は違う。

・・美奈子とター坊は南と北、由実さんとター坊は東と西、というイメージがする<というような、方向イメージ分析。

これは、「荒涼」で大貫妙子をデュエット相手に選んだのは、曲調から寒さを感じた。北のイメージで、そういうイメージの声で、思いついたのが彼女だった、というエピソードからだったけど、ほほう、というか。




>あと、ご自身のことでは、最初の方で、幼少時にピアノレッスンで、先生に言われた通りに決まった演奏をするのが苦手で、

1人になると思う存分、でたらめに好き放題に鍵盤を叩いて、自分の中から生まれてくるルールのない音を楽しんだ、

ミュージシャンになって、さらに自由な演奏を楽しんで、仲間たちはおもしろがってくれて、「お前はスゴイ!」という態度で接してくれて、

そんな体験が高じて、楽曲のアレンジ、プロデュースもてがけるようになた。でたらめピアノのおかげで、20代で音楽と生きる道と出会った。<

というくだりは、反射的に「コバルトアワー」や石川セリの「朝焼けが消える前に」の間奏やイントロが浮かんだけど、まあやはり一言で言って、才能って、そういうこと、というか。


あと挙げていた数々の外人ミュージシャンの内、「一緒にやりたかった三人。掛け替えのない三人」の見出し文章にあった、

故人である「一緒にやりたかった三人」の中の、ハーモニカ奏者ツース・シールマンス。

大卒後私の最初の職場だった大阪有線放送社で、同僚の音楽好きのモニター(レコードをかける係)の女性が勧めてくれたアルバム「QUIET EVENING」の録音が手元に。

その中のマイベストは、かつて正隆氏も好きな曲として挙げていた「いそしぎ」。久方にちょっとYou tubeで聞いても、染み入るような音色。



それと「影響を受けた5本の映画」で、心の中でいつも大切にしている映画、として挙げていたのが「男と女」「未知との遭遇」「グッバイガール」「マディソン郡の橋」「アイガー北壁」、

「グッバイガール」「アイガー北壁」は未見だけど、他の3本は、納得というか、そうなのか・・と感慨、というか。


その他色々、シャングリラ話、周辺のミュージシャン話etc挙げればキリがないけれど、特に頭に残る、というとそういう所。

正隆氏自身の音楽キャリアで今にしてそうだったのか、ということもあったし、いわゆるユーミン本としても、さすがに分身的な正隆氏目線での、期待以上の濃密な1冊でした。

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<(C)(株)新潮社>

関連サイト:Amazon 「僕の音楽キャリア全部話します」
関連記事:マンタの天ぷら(’97)・僕の散財日記(’05)/松任谷正隆ミュージックポートレイト~人生が1枚のレコードだったら

松任谷由実EXPOドームライブあの歌がきこえる「魔法の鏡」「海を見ていた午後」「卒業写真」松任谷由実コンサート THE LAST WEDNESDAY天国の本屋~恋火(’04)さよならみどりちゃん(’04)時をかける少女(’97)瞳を閉じてプレミアム10 松任谷・寺岡・ゆず等シャングリラⅢYuming Films(’07)「いちご白書」をもう一度(’75)ユーミンと映画・市川準監督そしてもう一度夢見るだろう/松任谷由実(’09)・No Reason~オトコゴコロ~/高橋真梨子(’09)TRANSIT2009チケットMusic Lovers・SONGS 松任谷由実<1><2>探検ロマン世界遺産 ユーミン×世界遺産TRANSIT2009コンサートShout at YUMING ROCKS('09)VIVA!6×7/松任谷由実(’04)時をかける少女(’10)RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の話(’10)東日本大地震<2>Music Lovers 松任谷由実松任谷由実のオールナイトニッポンTV4僕らの音楽 松任谷由実・薬師丸ひろ子・おすぎMUSIC FAIR 松任谷由実NHK 東日本大震災チャリティー企画 ユーミン×SONGS 「春よ、来い」プロジェクトSONGS 松任谷由実RoadShow/松任谷由実(’11)手のひらの東京タワー/松任谷由実(’81)押入れの整理<1> <2><3><4>RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(’11)春よ、来い in 紅白歌合戦SONGS 山本潤子SONGS 松任谷由実~2012スペシャル~鈴子の恋(’12)「春よ、来い」カバー 男性シンガー編「春よ、来い」カバー 女性シンガー編虹色ほたる 永遠の夏休み(’12)才輝礼賛 38のyumiyoriな話 / 松任谷由実(’11)<1><2><3>ユーミンのSUPER WOMAN スペシャルプロローグ~「森本千絵と歩く霊峰」<1><2>ユーミンのSUPER WOMAN 「鶴岡真弓と訪ねる女神」<1><2>ユーミンのSUPER WOMAN 「長谷川祐子と現代美術をめぐる」<1><2>「8月31日~最後の夏休み~」チケットユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く東京ファッション最前線」ユーミンのSUPER WOMAN 「軍地彩弓と歩く沖縄」<1><2>ユーミンのSUPER WOMAN 「中村うさぎとめぐる東京の夜」<1><2>ユーミンのSUPER WOMAN 「草間彌生の世界を訪ねて」ユーミンのSUPER WOMAN 最終回スペシャル 直感の旅、そして未来へ8月31日~最後の夏休み~<1><2>時をかける少女(’83)<1><2>松任谷由実 デビュー40周年 はてない夢の旅YUMING FOREVER by LESLIE KEE<1><2>ひこうき雲 / 荒井由実(’73)風立ちぬ(’13)<1><2>MASTER TAPE~荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る~<1><2>ひこうき雲/荒井由実(’73) ミュージッククリップ放映Dialogue / 今井美樹(’13)SONGSスペシャル 松任谷由実~生きるよろこび歌にこめて~POP CLASSICO / 松任谷由実(’13)「音楽の達人 Vol.72」~ユーミン特集~僕らの音楽 「僕らのユーミン」ユーミンの罪 / 酒井順子(’13)<1><2>あなたがいたから私がいた ユーミン×帝劇Vol.2YUMI MATSUTOYA LIVE - GYAO! MUSIC LIVE 北陸新幹線開業記念特別番組「金沢花紀行」by ユーミンユーミン曲 in 北国のストリートライブ八王子 スパとユーミン聖地巡り<1>荒井呉服店西立川 ユーミン聖地巡り<2>西立川駅、「雨のステイション」歌碑と昭和記念公園荒井由実「ひこうき雲」(’16)~”青の時代”名曲ドラマシリーズ~ YUMING×LOFT 缶バッジSONGS 松任谷由実 / MUSIC FAIR 松任谷由実・JUJUYUMINGと伊勢丹新宿店と130の出来事宇宙図書館 / 松任谷由実(’16)なりきりユーミン

A LONG VACATION From Ladies(’09)SONGS 大貫妙子大貫妙子めがね(’07)SONGS 福山雅治/矢野顕子A LONG VACATION From Ladies(’09)風博士/西岡たかし(’76)・Skylightにポプラの枯葉/伊藤銀次(’83)SONGS / SUGAR BABE(’75)期末テスト対策終了大貫妙子トリビュート・アルバム Tribute to Taeko Onuki(’13)<1><2>私の暮らしかた / 大貫妙子(’13)名曲のかたわらに サハシあり~ギタリスト佐橋佳幸・30周年記念公演~ 恋するドライブ ゲスト大貫妙子「音楽の達人 Vol.77 」~岩田由記夫、鈴木結女が選ぶ ディーヴァ・歌の女神~

レインボー・シー・ライン/吉田美奈子(’75)追悼・佐藤博~レインボー・シー・ライン/吉田美奈子(’75)

天使('06)恋愛寫眞(’03)サマーウォーズ(’09)クリスマスの約束(’09)SONGS / SUGAR BABE(’75)押入れの整理<2>追悼・佐藤博~山下達郎曲

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by MIEKOMISSLIM | 2017-08-17 01:51 | 本・音楽 | Trackback | Comments(0)


ピーターラビットの世界展

今日、今月末まで新宿タカシマヤでやってるピーターラビット展に。

作者、ポターの生誕150周年記念でのイベントらしく、出版当時の本や色々資料、日本での関連本、縁の湖水地方の写真や手芸品、

150周年記念の菓子やグッズ、作品世界のディスプレイ、映像など、こじんまりながらなかなかの密度。

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ピーターラビット、といえばまず浮かぶのは大貫妙子曲「ピーターラビットと私」。

You tubeには本家のじゃなく、トリビュートアルバムのやくしまるえつこ版があって、流れてきた久方のほんわかモード。



作者ポターや縁の地英国の湖水地方は、英語の教科書にたまに出てきたりだけど、そう物語自体に馴染み、愛着ある訳じゃないけれど、

何かこういうメルヘンチックもので息抜きもいいか、とも思って、丁度午後まで用事で西新宿に行くし、ついでに、と、決行。

雨だったら地下鉄で新宿三丁目まで移動、のつもりだったけれど、降ってなかったし、ブラブラと新宿南口まで歩いて、2~30分位だったかで到着。


ちょっと移動後の足休めもしたいし、喉も乾いていたので、先に会場隣接の「ピーターラビットカフェ新宿」で休憩がてら「3姉妹のベリーミルク」に。

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ピーターラビットのコーヒーアート入りの「ピーターラビットのアイスカプチーノ]と迷ったのだけれど、色の鮮やかさにこちらにして、

ミルクとクリーム半々のソフト風味にベリーの甘酸っぱさミックス、喉は潤ったけれど、何だか細かい氷が多く、値段の割にはそうボリュームなかったのが残念だけど、

持ち帰り用に袋もついた、オリジナルコースターつきだったし、それで補えた感じ。

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商品券を使った関係で、半端分+ここで使えるポンタポイントで補って、レジの近くにあった「ピーターラビットケーキ」もゲット。

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忙しないけれど賞味期限が今日中!とのことで、帰ってから母と食べたけれど、身長5cm位だったかのピーターラビット姿の、メルヘンチックなミニケーキが20個位、まあ普通にふんわり美味しく。

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7/27追記:どうもここは、自由が丘の「ピーターラビットガーデンカフェ」の出張コーナーらしく、テーブルやレジの近くにそのパンフ<↓表、裏>が置いてあって、

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コーナーではソフトやドリンクのみだったけれど、本店では、ピーターラビットっぽい様々な、森の生活彷彿のメルヘンなメニューが色々あるようで、いかにも自由が丘っぽい感じだし、

まあそれなりにメニュー価格も高そうだけど、ピーターラビットファンにはたまらない!という店だろう、と。


a0116217_22353838.jpgで、一休み&喉も潤った所で、傍らの展示場へ。

サイトから印刷してきたクーポン提示で、入場料100円引きになって大人400円。

入口の所に、出迎えるように人参ををくわえたピーターラビット。

ここは撮影可で、結構女性や親子連れ客が立ち止まってスマホやカメラを向けていた。

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7/30追記:色々縁の展示物があって、日本でも’50年代の「ピーターうさぎ」紙芝居や絵本もあって、歴史を感じたり、

映像コーナーでは「プロダクションマッピング」というのらしいけれど、建物などに映像を映して色々な形に変化してるように見せる技術、を使って、

白い四角い部屋の壁にポーターラビットはじめ色々動物やポターが登場、という今時のメカ駆使での試みも。

8/3追記:最後のゾーン、ポター生誕150周年記念作品のコーナーは撮影可。「モミの木家のピーターラビットの家族たち」や、

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シュガーアーティスト、らしい松比良明奈さんの、ケーキやアイシングクッキー、

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斉藤瑤子さんのキルト作品、

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英国で販売されてるピーターラビット切手や皿などの記念グッズ、

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湖水地方を撮り続けているらしい、カメラマン辻丸純一氏の写真など、

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様々なジャンルの展示。思ったよりも、というピーターラビットの世界的メジャー具合が偲ばれ、湖水地方、というのも、プリンスエドワード島、のような実在するおとぎの国、のような感覚で、

ピーターラビットに対してアンシリーズ程の愛着はないけれど、まあどこでもドアがあれば、1週間位行って、ポターの足跡、動物キャラクターの世界を味わってみたい感じ、という癒しイベントでした。

関連サイト:新宿タカシマヤ ピーターラビットの世界展ピーターラビットガーデンカフェ サイト
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大貫妙子トリビュート・アルバム Tribute to Taeko Onuki(’13)<1><2>

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by MIEKOMISSLIM | 2017-07-26 23:15 | 芸術・グルメ | Trackback | Comments(0)


国境の南、太陽の西 / 村上春樹(’92)

4月後半に「何でも見てやろう」読了後、吉田ルイ子と銀色夏生本と共に少しずつ進めていた、村上春樹本読了。<(C)(株)講談社↓>
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例によって寝る前にボツボツだけど、終盤はどうなっていくのか?引き込まれて結構一気に最後まで。

後味は、はっきり言ってどんより重い、というか、まあ読んで意気が上がるものではなかったのは確か。


「ノルウェィの森」に被るテイストもあって、大雑把に言って、主人公はそのままトオル→ハジメ、直子→島本さん、緑→有紀子、

子供時代から心奪われていた女性島本さんとの、数奇で甘美な再会~現実に生活の中にいる妻有紀子の元に戻ってくる主人公、という所だけれど、

直子よりもさらにヒロイン島本さんの実体に謎が多く、後でこの作品の解釈例をいくつか見かけた後、おもむろに重なったのは怪談「牡丹灯篭」。

ただ主人公は、自分を憑り殺しに?現れた島本さん(の幻?)を全く怖れることなく魅かれていって、彼女のために自分が現実社会で得た全て、裕福な暮らし、家庭、店などを捨てる心境だったけれど、

何故かその2人のクライマックス、運命の決断の翌朝、亡霊?島本さんは跡形もなく姿を消し、彼は再び現実に舞い戻った?舞い戻された?のだけれど、

やはりそこは春樹小説、結局、周りの環境、確かに手中にあるものを大切にして人は生きていくのだ、というような前向きなニュアンスは余り感じられず。


しかも、「ノルウェイの森」の脇役女性、レイコはある種の力強さ、意志をもった女性だったけれど、

この作品の脇役女性イズミは、恋人だった主人公に、形として手痛い裏切られ方をしてしまって、その傷をずっと抱えたまま癒されず生きていて、

終盤ただその生気のない表情のままに、主人公の前に一瞬現れて消えていく、これまた一種の生霊のような、何とも救いなく暗い、としかいいようのない描写、というのも輪をかけているかも。


本質にあるのは根深く忘れがたい純愛、といえばそうなのだけれど、日常に潜む普段封じ込めている「心」、それと現実生活とを秤にかけて、そのバランスが崩れて「心」が暴走し始めると厄介な、というか。

タイトルの「国境の南、太陽の西」は、作品中にも出てきて、「国境の南」は元々ナット・キング・コールの同名映画の曲とのことで、

ちょっとどんな曲か?と思ってYou tubeで聞いてみたら、特に陰影、というのは感じられない、明るい感じの曲。

「太陽の西」は、どうも春樹氏の造語らしい「ヒステリック・シベリアナ」、

”毎日毎日畑を耕していたシベリアの農夫がある日突然、自分の中でぷつりと何かが切れたようになり、農具を放り出して太陽が沈む西に向けて死ぬまで歩いていってしまう”という病気、からの言葉で、

「国境の南」には、歌詞で単にアメリカの南=メキシコの歌だと知る前に、何かとても綺麗で、大きくて、柔らかいものがあるんじゃないかと思っていた、とか、

「太陽の西」には、何もないのかもしれない、あるいは何かがあるのかもしれない、と島本さんが主人公に語る場面があって、

それは何か江角マキコ主演だった「幻の光」の、ヒロインの自殺してしまった夫の見たもの、というのもちょっと浮かんだりするけれど。

短絡に思えば、主人公にとっては、子供時代の甘酸っぱい思い出のある少女島本さん(の面影)、自体が「国境の南、太陽の西」にある(かもしれない)もの?で、

「シベリアナ・ヒステリック」さながら、そこに彷徨って行きかけたのだけれど、行き切れず戻って来て、戻ってきた以上、元の場所でやっていくのだろうけれど、というか。


世間的には、好意を持ちあって結婚した妻との間に子供も2人、やり手の義父の恩恵もあって、都内にジャズバーを経営したりしている裕福な主人公、

作品の年代的にもバブルの香りが漂よったりもするけれど、それと対比するような、空虚感ある「心」の在り方。結構な身勝手さ、とも、ある種の現代病、とも斬れそうだけど、

やはり冒頭から、この主人公にとっての島本さんが、単なる浮気相手でなく唯一無比の神聖な存在、として導入、ラストまでそれで押し通して読ませるのが、さすが村上春樹の手腕、というか。

まあとにかく、大分前に買いはしたまま全く内容は不明のままだった作品だけど、確かにさすがに春樹もの、淡々とした文体から滲みでるある種の切ない感触、は味わえたけれど、

どうにもどんよりした後味で、今あえて読むべき類のものではなかったかも。。


a0116217_374833.jpg他に未読、また内容ほとんど忘れている春樹本はあったか?とちょっと本置き場を探ったら、文庫の「カンガルー日和」発見。

これは全く未読か?どうか覚えないけれど、短編集のようで、そう重くもなさそうだし、今度はこれをボツボツ進めることに決定。<(C)(株)講談社↑>

そういう所で、とりあえずずっと未読のまま眠っていた春樹長編、読了でした。

関連サイト:Amazon「国境の南、太陽の西」
関連記事:トニー滝谷(’04)ノルウェイの森(’10)何でも見てやろう / 小田実(’61)

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by MIEKOMISSLIM | 2017-06-19 03:35 | | Trackback | Comments(0)


何でも見てやろう / 小田実(’61)

先日、久方の小田実「何でも見てやろう」読み返し2回目終了。<(C)(株)講談社↓>

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夜寝る前のまあせいぜい10~20分位読書ルーティーンで、1年位前読了のよしもとばななの「デッドエンドの想い出」に続き、この「何でも・・」と銀色夏生「つれづれノート」シリーズを少しづつ。

「つれづれ・・」は、手元にない⑯以降を図書館から借りて進めてきたけれど、「何でも・・」と「つれづれ・・」それぞれの、舞台やメンタル的なマクロ&ミクロバランスが妙に気に入ったり。

「何でも・・」は大分前子供の頃に読んだ時の細かい記憶は残ってなくて、漠然とした感じよりも結構ワイルド、

かつ当時のアメリカ~ヨーロッパ~アジアを体感する若き小田氏の眼光、洞察、ラフなフットワークに満ちてて、半世紀の時を越えてなかなか面白く、2度読み返し。

これが沢木さんの「深夜特急」旅ルーツ、辿れば私の20代後半での初のアメリカフリー旅ルーツの一つでもあり、

まあ同じエコノミー旅でも、沢木旅の方が洗練、落ち着いた語り口、こちら元祖の方が率直、粗野なパワー、という感じ。

フルブライト留学生の試験に受かって、ではあるけれど、どうもそのキャラクターで試験管をケムに巻いたような、で、かなり怪しげな英会話力、序盤大丈夫か?と思わせつつ、

ヨーロッパ圏突入以降も、各国語の語学力?さておきながら、'50~60年代の世界の実態を、かなり乏しい旅費用なりに、まさに何でも体験してやろう的図太いエネルギッシュさ、

当時のアメリカでのあからさまな黒人差別、イスラム圏やインドでのあからさまな貧困~市井の人々や様々な作家、知識人との交流など、盛り沢山。


広い視野のためというような程のつもりもないけれど、こういう世界旅ルポが気分転換、リフレッシュにもいい感じ、と思って、

確かやはり結構前の女性ライターのアメリカルポ本もあった、と、本置き場を探ったら出てきて「吉田ルイ子のアメリカ」だったのだった、と。

当面これと「つれづれ・・」シリーズ、それと、探してる途中でふと見かけた村上春樹本一群の中の「国境の南、太陽の西」、<(C)サイマル出版会、(株)講談社、(株)角川書店↓>

a0116217_23381726.jpgこれは買ってずっと未読のままだった、と思い出し、内容も全く知らず、検索して概要を少しだけチェック、

「吉田ルイ子・・」とも「つれづれ・・」とも被る気配ない春樹ワールドもいいかも、で、先日また春樹本新刊も出てたけれど、これも加えることに。

そういう訳で当分、この3冊が就寝前の友アイテムです。

関連サイト:amazon 「何でも見てやろう」
関連記事:旅する力 深夜特急ノート/沢木耕太郎(’08)アメリカ旅<1><2><3><4><5><6><7><8><9><10><11><12>

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by MIEKOMISSLIM | 2017-04-20 23:43 | | Trackback | Comments(0)


デッドエンドの思い出/よしもとばなな(’03)

近年寝る前に少しづつ、手元の本を読み返す習慣、アンシリーズ、その他のモンゴメリ、サガンときて、サガンのが割と近年のになって、一旦おいて、

ふと傍らにあったよしもとばななの「キッチン」文庫、それに収録の短編「ムーンライト・シャドウ」の甘酸っぱさが何だか懐かしくて、

大分前ブックオフで買ったまま手を付けず未読だったばなな単行本「デッドエンドの思い出」を読みました。


長編かと思っていたら、5編からなる短編集。相変わらずさらさらと読み易い文体で、1日で1篇ずつ進んで、割とあっさり読破。

タイトルでもあり、最後の短編題でもある「デッドエンド・・」のデッドエンド=行き止まり、袋小路、で、

まあどれも、手痛い失恋したり、毒物事件に遭ったり、おさなじみが家庭の問題で急死したり、父の浮気で家庭崩壊したり、婚約者に裏切られたり、という状況の、幸薄いヒロイン達。

でも、彼女らの傍らに、さりげなく、やはり訳ありの過去を持ってたりの男性達が現れて、彼らが醸すほんわりとした癒しのオーラ、

必ずしも恋仲になる訳でなくても、「デッドエンド・・」では、その男、西川君が、「(不誠実な)相手が自分の人生からはじき出されたと思えばいい。」と淡々と、ヒロインの立場にとっての正論を語ったり、

そういう特別な癒しの存在は現れずとも、色んな状況の中での、それぞれの姿勢を肯定的に捉える、何が人にとって「幸せ」か、鷹揚な懐深さの心地よさ、の、久方のばなな節、

まあ初期の作品よりは、あけすけな性(欲)描写がやや鼻についたり、という所もあるけれど、やはりさすが、という感じ。

ばなな本一式を本置き場から取り出して、エッセイ「パイナップリン」「夢について」などパラパラ見たり、「うたかた/サンクチュアリ」なんて特に久方に読み返してみたくなって、

単行本だったか文庫だったか?どこかにはあるはずとは思うけれど、これだけどうも見つからず、楽天ポイントで、文庫を注文。


という所で、買ってから10年でなくとも、少なくとも6,7年以上は経ったか?何だか入手したことで満足して未読だったパターン、久方ばなな本の味わいでした。

関連サイト:amazon 「デッドエンドの思い出」
関連記事:アルゼンチンババア(’07)アルゼンチンババア(’02)よしもとばななキッチン('89)キッチン(’97)

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    <(C)(株)文藝春秋>

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by MIEKOMISSLIM | 2016-05-28 22:28 | | Trackback | Comments(0)


Bed & Breakfast / 大貫妙子(’99)

先月頃読了の、図書館からの大貫さんの旅エッセイ。

書いておきたいことがない訳ではないけれど、この所どうもブログを触る気分的な余裕がなくて、この本も何度か借り直してまだ手元に。

まあ、何だかまともにやってても無力感、な折、息抜きに、少し書いておこうかと思います。


’01年の9.11テロを機会に海外へ余り行かなくなった、らしい大貫さんが、まだ精力的に旅してた頃の色々。

イタリア、インド、イースター島、アフリカ、南極、ブラジル、サンフランシスコ、タヒチ、柳川、タスマニア、NY、ロングアイランド、パリなど、

坂本龍一との仕事や、「東京日和」サントラの話、各地の写真、そして最後に「「旅」をめぐって」タイトルでの、坂本龍一との対談。

やはり自分が行った所で重なるフィレンツェやベニス、サンフランシスコ、その郊外のモンタレー、NYなどの所は懐かしさがよぎったり。

何かふとまた、ふとアメリカにでも行きたい気分になるような1冊でした。

関連サイト:ロッキングオン サイト「Bed & Breakfast / 大貫妙子」
関連記事:SONGS 大貫妙子大貫妙子めがね(’07)SONGS 福山雅治/矢野顕子A LONG VACATION From Ladies(’09)風博士/西岡たかし(’76)・Skylightにポプラの枯葉/伊藤銀次(’83)SONGS / SUGAR BABE(’75)期末テスト対策終了大貫妙子トリビュート・アルバム Tribute to Taeko Onuki(’13)<1><2>私の暮らしかた / 大貫妙子(’13)名曲のかたわらに サハシあり~ギタリスト佐橋佳幸・30周年記念公演~ 恋するドライブ ゲスト大貫妙子

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         <(C)(株)ロッキング・オン>

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by MIEKOMISSLIM | 2015-08-23 23:06 | 本・音楽 | Trackback | Comments(0)


赤毛のアンシリーズ再読・読破

一昨年の年頭から、ふと思いついて読み直しを始めた「赤毛のアン」シリーズ、先日で一通り12冊の文庫読了しました。


手元にあった「赤毛のアン」「アンの青春」に始まって(<(C)(株)新潮社↓>)、

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その後は「アンの愛情」「アンの友達」「アンの幸福」「アンの夢の家」「炉辺荘のアン」「アンをめぐる人々」「虹の谷のアン」は図書館ので、「アンの娘リラ」は手元にあったもの、

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最後の「アンの想い出の日々」上下巻は村岡花子の孫村岡美枝の翻訳、その他は全て村岡花子翻訳の新潮社版で。

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偶然昨年のNHK朝ドラで、村岡花子題材の「花子とアン」も放映、その元になった、村岡花子の娘、村岡理恵著の「アンのゆりかごー村岡花子の生涯ー」なども挟んで、寝る前に少しずつボツボツ辿ってきて、ついに終わりまで。

最初の2冊はやはり馴染み感、その後のは、一度は通ったものもあったと思うのだけれど、手元の「アンの娘リラ」含めてどうも記憶が定かでなく、今回初のものもあったかも知れず、完全に初だったのは、その存在を今にして知った「アンの想い出の日々」。


やはり懐かしさ+ギルバートとの間に6人の子供を持つアンのその後の生活、最後の方では孫まで出現、少女期の夢見がちな性質も保ちつつ、それなりに日々の生活を営んでいく様子、

最初の子供を生まれてすぐ病で、また否応ない戦争で息子を亡くしてしまったり、現実に打ちひしがれる、という、「アン」イメージからは想像つきにくいややシビアな展開もあったり、

その中でもやや特異なのは「アンの娘リラ」で、第一次世界大戦にカナダも巻き込まれ、本土が攻撃を受けたり、ということはないけれど、若者達が出兵を余儀なくされ、

アン一家も2人の息子、リラの恋人などが出兵、現実にさらされ、人々の高揚や不安など揺れ動く心情が描かれている1冊。


また「アンの想い出の日々」も、構成的には、シリーズに見られるパターンの、アン一家に多少なりとも繋がりある人々題材の短編集、なのだけれど、

折々に、アンや、詩の才覚があった戦死した息子ウォルターの詩+それについてのアン一家のメンバーの短い感想や思い、会話などが挟まれている、というのが特徴。

この後書きで、モンゴメリは後年精神的に落ち込むことが多かった、また近年になって、その死因が薬の服用で、自殺の可能性があると公表された、などとあって、それは初耳。

「アンの想い出の・・」は、’42年のモンゴメリの詩の当日に持ち込まれていた、そうで、ウォルターの詩にちなんでその悲しみがしんみり語られる以外は、特に直接戦争に関わる話はなく、

戦争の影と、モンゴメリの精神状態不安定というのが、どう関連あったのかなかったのか?だけれど、シリーズ終盤後年のアンの心情の記述には、やはり生活の中で色々あった中、強い感受性ゆえに辛い部分も見受けられる、という感じ。

これはやはり、序盤のアンシリーズだけだと、溌剌とした少女~信頼し合えるギルバートと家庭を持った女性への成長の物語、止まりで、終盤まで通らなければ知ることもなかった”その後のアン”だったのだけれど、

トータル的には、モンゴメリのアン一家、その周りの人々を、その背景の豊かな自然と共に描いた短編的な物語それぞれが、日常の中の喜び、悲しみ、恋、噂、意地の張り合い、思い込み、誤解、和解、ユーモア、

誰にも顧みられることなく死にゆく老人の、豊かな思い出の数々、など人生の機微的にじんわり味わいあって、飽きが来ない、というか、読み進めていても定番的な安心感、という感じ。


そういう所で、約1年半がかりでのアンシリーズ再読・読破、プリンス・エドワード島の風物含めて懐かしさもあり、”その後の大人のアン”も改めて、

+周囲の人々のそれぞれの人生、それぞれの短い物語の趣もあって、いぶし銀的味わいの楽しみ終了ですけれど、

今後折を見て、いっそモンゴメリのアン以外のもので、エミリーシリーズ(再読)などもボチボチ辿ってみようか、とも思ってます。

関連サイト:Amazon 「赤毛のアン」 「アンの青春」 「アンの愛情」「アンの友達」「アンの幸福」「アンの夢の家」「炉辺荘のアン」「アンをめぐる人々」「虹の谷のアン」「アンの娘リラ」「アンの想い出の日々<上>」<下>
関連記事:アンを探して(’09)SONGS 絢香&「花子とアン」アンのゆりかごー村岡花子の生涯ー / 村岡恵理(’08)

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by MIEKOMISSLIM | 2015-06-17 23:31 | | Trackback | Comments(0)


ノルウェイの森(’10)

気になっていながら未見だった作品のDVD鑑賞期間、一応今回締めは「ノルウェイの森」を見ました。


a0116217_0154933.jpgやはり今まで読んだ村上春樹の中で、脳裏に残る一冊を挙げるとしたら、この原作<(C)(株)講談社→>だし、

その映像化、というのは公開当時も気にはなったのだけれど、

ナイーブな内容がどう映像化?と、ちょっと見るのも怖い、という感じもあったり、結局未見のままだったので、この折に、とチョイス。

どうも原作自体もやや記憶薄れてたし、どうせならこの機会に復習・予習がてらに、と思って久方に例の赤・緑の単行本を取り出して、最初と最後の方だけでもざっと、と思って読み始めたら、

随分久方、村上春樹ってこんなだったっけ?という読み易い文体にも引き入れられて、やや前後はしたけれど、ほとんど一通り読了。

そう、こういう空気感、流れだった、というのは蘇ったのだけれど、ここまで突っ込んだエピソードもあったのだった、という再認識部分も。


a0116217_0183077.jpgで、いざ本作を見始めたら、やはりこれは、原作を読んでいる観客対象作品、かつ創り手側の原作へのオマージュ、という色濃い感じ、

もし原作未体験でこれを見たらどう受け取るのか? 原作に忠実な各登場人物の科白も、原作の下敷きなしに聞くと、どう聞こえるのか?

ちょっと想像つかない、というのが正直な所。<←(C)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント>

大幅な独自展開、という部分もなく、やはり細部割愛エピソードも色々あって、まあ長編「ノルウェイの森」村上ワールドのダイジェスト映像化版、と思えばこういう所なのかも、という、トータル的に可もなく不可もなく、という後味。


ただ、一番インパクト残ったのは、唯一原作にはなかった、ワタナベ(松山ケンイチ)と直子(菊池凛子)の緊迫シーン。

施設に2度目に会いに行ったワタナベに、直子が、何故自分のような者にかまうのか、放っておいてほしい、あなたの存在が私を苦しめるのが、どうして判らないの!?と、思いを吐き出して号泣、

必死に彼女を抱きとめるワタナベ、という、最後になってしまったこの2人の逢瀬の1シーン、原作ではずっと穏やかなままのやり取りだったけれど、

直子の内部に積もっていた行き場のない感情が噴出、という展開にしたのは、やはり映像化ならでは、で、ある意味、ここが、原作から踏み込んだプラスα的な描写2か所の一つで、

取り方は様々かもしれないけれど、それなりに意義を感じた、というか、この部分がなかったら、もしかして、この作品への後味はもっと低評価感、だったかも。


6/13追記:配役的には、ワタナベ=松山ケンイチというのは、まあ見てみたら、松ケンの草食青年っぽさがワタナベのサラッとしたマイペース感に、それなりにフィット、

直子=菊地凛子、というのは、原作での儚げな直子よりもやや線太感、だったけれど、この人なりの直子像を見せた、という感じ。

緑=水原希子は、モデル畑のスタイルの良さで長身、科白は原作通りの天衣無縫さ、の割に、話し方があえてそういう演出だったのか?何だか直子モードで、もう少し弾けたタイプでも良かった気も。

一番原作人物と違和感なかったのは、というと、クールな変人永沢=玉山鉄二かも。そして次に、そう出番が多かった訳ではないけれど、その永沢の恋人ハツミ=初音映莉子。

この初音映莉子は、見てた中では「マナに抱かれて」に出てたのだったけれど、名前も初耳、原作中ワタナベが、永沢があえて恋人にしている女性として納得の魅力、というのが、

登場した時から漂うような、華、受けのソフト、純粋さミックスで、映像化としたら、こういう女優化も、と思えたり。

その他、主な人物ではレイコ=霧島れいか、というのは、原作での一見普通の中年女性、でも深みあるイメージ、よりはオーソドックスな美人型、だったけれど、まあ特に浮いて、という訳でもなく、

やはり原作より結構出番は端折られてた、ワタナベの量の同室の”突撃隊”=柄本時生、というのも、イメージ的には合ってた印象。

あと、ワタナベのバイト先の店主にさり気なく細野晴臣!とか、直子の施設、阿美寮の門番に高橋幸宏とか、彼らは特にこの作品の音楽に関わったという訳ではないようだけれど、豪華なカメオ出演陣。


6/14追記:背景で印象的だったのは、やはり阿美寮周辺、原作だと京都奥地の高原地、ロケ地は兵庫県の峰山高原と砥峰高原らしいけれど、一見ヨーロッパの何処か?かとも思う緑の広がり。

ここは直子の心象風景的な場所、としても、原作イメージを損ねることもなく、良かったと思うスポット。

     

最初のワタナベの訪問時、直子が、以前ワタナベから問われた、何故キズキ(高良健吾)と関係を持たなかったのか?という疑問に答えようとする場面、

原作ではレイコもいる部屋の中で、のことで、その苦悩を告白した直後不安定状態に陥ってしまって、しばらくワタナベは席を外す、という流れだったけれど、

劇中では、2人が早朝の高原を歩きながらその問答、という風にアレンジされてて、心情を吐き出しながら足早で歩く直子を追いかけるワタナベ、

最後に感情が高ぶって、キズキに先立たれた苦悩の叫びをあげる直子、なすすべもなくそれを鎮めようとするワタナベ、という所も、

前途の私の一番のインパクトシーン、2度目の訪問時の2人の緊迫シーンと共に、ここら辺も映像化ならではの、直子の内面の、より露わな描写、だったかと思うのだけれど。

     
まあ序盤から、ワタナベの大学生活の描写の中に、原作にもあるように、60年代後半らしい学園闘争シーンが折々あって、原作では物語のトーン自体のせいもあってかそれ程過激な印象はなかったけれど、

やはり忠実な映像化だと、そういう”動的”背景も露わになって、その中で、直子の心情表現も、原作のような抑えたトーン、というのから踏み込んで、より普遍的に、判り易くしてたような、というか。


これを手掛けたトラン・アン・ユン監督作では、前に放映のあった「青いパパイヤの香り」を見ていて、映像が綺麗だった感触はあるのだけれど、やや記憶薄れてて、

自分の感想を見直したら、まったりとした芸術っぽい作品、という後味だったようだけれど、このベストセラー小説映像化にあたって、映像美も意識しつつ、

テーマ的には、余り原作の中傷的なエキスに重点をおいて芸術作品、にするのでなく、登場人物の言動、割と明け透けに語られ展開する性の問題、なども割と忠実に追って、

一般的に判り易くしようとした、ある意味冒険は侵さず、オーソドックスに映像化を試みた、という感じ。


あと、改めてこのタイトルの、ビートルズ「ノルウェイの森」、今にして、だけれど、歌詞を追ってみたら、馴染みの牧歌的なメロディに乗せて、寓話風だけれど、物語絡みとしてやや意味深な、という内容だったおだった、と。

    

    


今こうして、映像化での「ノルウェイの森」再体験して、原作を読んだ当時は、ワタナベは直子を失ったけれど、半ばすがるように、にしても緑と生きる、という「生」(せい)を選んだ、という決着、という落ち着き所、だったのだけれど、

原作冒頭の37才時からの回顧シーンからしても、ワタナベは、直子やキズキが引き入れられた「死」には踏み込まず、「生」ワールドに健在、というのは確かで、

でも思えばそこに、回想の締めでもあるラストでは紆余曲折の末ハッピーエンドに思えた恋、緑の存在は描かれておらず、彼女がその後の彼の健在の支えになってきたのか、それともその後、離れてしまったのか?不明、

一旦「死は正の対象としてではなく、その一部として存在している」という”空気のかたまり”のようなものを10代にして実感してしまったワタナベと、

ナイーブさもありながら基本的に「生」を前提とするエネルギーを持つ緑との顛末は、果たして如何に?というようなことも改めて思ってたり、

どちらにしても、時折そういう切ない回顧に襲われながら、まあ日常生活は飄々と行っている、というのが妥当かも、とは思うのだけれど。


そういう所で、久方に、本置き場に埋もれていた原作含めて、映像化「ノルウェイの森」での復習、トータル後味的には前述のように可もなく不可もなく、ではあるけれど、それなりにこの映像化意義、を感じられた部分もあったり、

ある種読み易くサラサラした手触り感の奥の、コリッとした苦みある”切なさの塊”的赤・緑本、村上春樹ワールド再体験、というこの鑑賞でした。

関連サイト:ノルウェイの森 公式サイトAmazon 「ノルウェイの森」象のロケット 「ノルウェイの森」
関連記事:トニー滝谷(’04)青いパパイヤの香り(’93)

NANA(’05)男たちの大和 YAMATO(’05)ユメ十夜(’07)(「市川崑物語」スレッドの10)、蒼き狼 地果て海尽きるまで(’07)神童(’07)ドルフィンブルーフジ、もういちど宙へ((’07)僕たち急行 A列車で行こう(’12)春を背負って(’14)理由(’04)バベル(’06)恋に唄えば♪(’02)地下鉄に乗って(’06)犬神家の一族(’06)(「市川崑物語」スレッドの9)、サッド ヴァケイション(’07)BANDAGE(’10)ソラニン(’10)まはろ駅前多田便利軒(’11)運命じゃない人(’05)マナに抱かれて(’03)テニスの王子様(’06)あしたの私のつくり方(’07)ホームレス中学生(’08)時をかける少女(’10)プレミアム10 YMOからHASへ音楽のチカラ「青春の言葉 風街の歌 作詞家 松本隆の40年」 松本隆に捧ぐー風街DNA-(’10)追悼・大瀧詠一~朝 / はっぴいえんど(’70)ETV特集 細野晴臣 音楽の軌跡~ミュージシャンが向き合った「3.11」~MASTER TAPE~荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る~<1><2>クリスマスの約束(’14)名盤ドキュメント はっぴいえんど「風街ろまん」('71)~“日本語ロックの金字塔”はどう生まれたのか?~うみ・そら・さんごのいいつたえ(’91)あおげば尊し(’08)ー追悼・市川準監督ー


  
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by MIEKOMISSLIM | 2015-06-11 00:23 | 本・邦画 | Trackback(1) | Comments(0)


波の音が消えるまで / 沢木耕太郎(’14)

昨年秋に出た沢木新刊の小説「波の音が消えるまで」を、先日読み終えました。


図書館予約してたのがやっと到着、「血の味」以来の沢木長編フィクションだけれど、今回は上下巻、のボリューム、初めて順番予約というシステムで申し込み、

確かに上巻の方が早く連絡来たのだけれど、多少時間の余裕があって下巻が来るのかと思ったら、その翌日に下巻到着の連絡、

多少下巻の取り置きの猶予はあったし、何とかGW中にどちらも読破出来れば、というつもりだったのだけれど、さすがに沢木本、1日のノルマをこなす感覚をあっさり超えて、引き入れられるように読み進み、先週の内に2冊読了。


元サーファー、カメラマンだった28才の主人公伊津航平が、ふと立ち寄ったマカオで、バカラという博打にのめり込んでしまう、という内容。

序盤、やはり主人公に沢木さん像が重なったり、また航平、という名からルックス的に時折体操の内村航平選手が意味もなく浮かんだりしながら、

題材として、カメラの世界は沢木さんの範疇、とは思うけれど、意外だった片岡義男ばりにサーフィン、また男女間の感情の絡み+肉体関係描写まで、など、

これまでの沢木ものでは覚えなかったジャンル、という目新しさもあったのだったけれど、一番引き込まれたのは、やはり臨場感あるバカラのシーンの数々。

博打についてはこれまでも著書の中で触れられてたことはあったのだけれど、1枚1枚のカードの明けられる緊張の瞬間、その数字の持つ意味、主人公や周囲の賭けた人々にもたらす運命、など、

大仰な描写、という訳ではないけれど、やはり目の前で展開するノンフィクション世界のようなじんわりくる迫力は、さすが、という感じ。

私は全く日常縁のないジャンルではあるけれど、序盤で大体のバカラの仕組み、賭け方など判って、その後、幾度となく出てくる勝負を決めるカードがめくられるシーンの旅に多少なりとも緊張感が。


それまで博打は敬遠していた主人公が、ふと手を出したバカラに魅せられ、謎の達人らしき訳ありの老人、劉から、数の勢い、賭ける際のメンタル面とかアドバイスを受けながら、その世界に入り込んでいって、

最後に彼に残された、バカラ必勝法についてのメモの言葉は「波の音が消えるまで」。その空虚、ともいえる領域までとことん行ってしまうまでの経緯。

その間に、やはり訳あり女性季蘭やアイリーン、ホテルで働く日本人村田明美との出会い、香港のマフィアボスの囲い者だったアイリーンと関係を持ったために危機一髪、

劉が恩義ある大物、林康龍の力で救われ、というちょっとしたサスペンスシーンもあったり、一旦日本へ戻って、やはり帰国していた明美との再会、

いわば異国での通りすがりだった劉と季蘭のため、見返りを求めず金を稼ごうとする姿、一旦離れてたカメラマンの仕事を通してのエピソード、雇い主から明かされた、幼い頃染んだ父とバカラとの因縁、とか、

まあ様々な要素が織り交ぜられながら、ラストへと向かっていくのだけれど、主人公が望むのはやはりバカラ世界の極限、で、自暴自棄というのか、一文無しであわや行き倒れ危機、から、

林康龍の助けで救われたり、もはやここまで、という所から奇跡的なバカラ運に救われたりしても、それを振り払ってしまう、いわば一種のカルト宗教にでも魅入られてしまったような、という収束への進行。


a0116217_2158077.jpg読み終えてから、ふと「深夜特急」序盤で沢木さんは香港に寄ってたのを思い出して、マカオにも行ってたような、と、文庫第1巻を取り出してみたら、やはり「香港・マカオ」編で、

後半のマカオ編では、「波の・・」に出てきたリスボアホテル、水中翼船、大橋、地形など、そのままの舞台でもあったのだけれど、

ざっと読み返してみて興味深かったのは、この時の沢木さんと博奕の絡み。<(C)(株)新潮社→>

沢木さんはその時「大小」という博奕にハマり、このまま続けていれば、ロンドンに行くどころか東京にも帰れず、異国で無一文になって立ち往生、と判っていながら、

>自分がそのような小さな破局に向かってまっしぐらに進んでいるらしいということには、むしろ意外なほどの快感があった。< のような箇所。

実際は沢木さんは、大きく負け越していたのをそこそこの負け越しに挽回出来たことで万足、切り上げて事なきを得て、「深夜特急」旅に向かって、

沢木さんと博奕といえば、色川武大氏との付き合いでのたしなみなど、まあ小説の元になる著者の経験、といえばそれまでだけれど、

マカオでの、博奕の種類は違っても、その時の博奕に”行くところまで行ってしまう快感”への刹那的欲望の感触が、この「波の音が・・」という小説のノンフィクション的ルーツの一部ではあるのだろうと。


沢木さん自身は、(バカラという博奕の)果ての果てまで行ったら、どんな風景が見えるのか?というのを描いた、と語っているけれど、

   

その極値まで行ってしまった主人公の終盤が、劉や季蘭と同様の罪を背負う運命か?救いの女神、のような明美の出現含め、やや夢かうつつか?という茫洋とした曖昧さ、でフェイドアウトなのは、

沢木さんがフィクションならでは可能な、ある種の純粋さへの救済、あるいは愚かさゆえの破滅、の余地を、読者に委ねたのか?

そういう”夢うつつ”にも、幻にしても現実にしても、それぞれの可能性での現実的な状況の裏付け記述などがちらほらあるのは沢木作品らしい、というのか、だけれど、

そういう折々のノンフィクション風味によって、ますます有り得ないか?有り得ることか?判断し難い、というのもやはり沢木作品の味わいなのだろうと。


そういう所で、動画にもあったように、沢木さんの初のエンタメ長編小説、でもあったのだったけれど、マカオ、東京、ハワイ、バリ島など舞台にサーフィン、カメラ、そして沢木作品にしていつになく女性絡み描写も踏み込んでいて、

何よりバカラ、という小世界での様々な心理、感情の揺れ動きなど含んだ臨場感を軸に、読み応えあった沢木さん新刊でした。

関連サイト:Amazon 「波の音が消えるまで 上巻」「波の音が消えるまで 下巻」
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by MIEKOMISSLIM | 2015-05-06 22:58 | | Trackback | Comments(0)

    

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