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超高速!参勤交代 リターンズ(’16)

先日3日(水)、丸の内ピカデリーで来月公開の「超高速!参勤交代 リターンズ」試写会、招待状が来ていて都合も合ったので、見てきました。


a0116217_2347299.jpgこれは、未見だけれど’14年作品の続編、

江戸時代、磐城国の弱小藩、湯長谷藩が、腹黒い老中の陰謀で、超短期間での「参勤」を命じられたものの見事達成、というのが前作で、

その後日、今度は、国元での一揆で城を乗っ取られる一大事に、再び超高速での「交代」~城での攻防、というこの作品。<↑チラシ>


参勤交代って、高校の日本史教科書を見てみても、そういう説明はないけれど、国元→江戸の行きが「参勤」、江戸→国元の帰りが「交代」だったのだった、と今にして。

舞台挨拶で、深キョンが、どういう映画かというと、参勤と交代の物語、という単純な説明ですむ、のようなことを言っていて、今回の交代編を見ても、その通りなのだけれど、

バラエティに富む藩の一行の面々、邪魔されながらも先を急ぐためのコミカルな駆け引き、カリスマ感はないけれど、藩主内藤政斡醇(佐々木蔵之介)の人情味VS悪玉老中松平信祝(陣内智則)のコントラスト、

ダイナミックな殺陣、戦闘シーン、花を添える、内藤の妻になったお咲(深田恭子)の風情、市井の民衆達の奮闘ぶりとか、なかなかのエンタメ時代劇、という後味。


会場に着いたのが、開演20分前で、やや急いで9Fの劇場入口に行ったら、1Fで座席券との交換が必要、とのことで、また下へ行って、窓口で手続きしようとしたら、

残り座席は、舞台挨拶は立ち見+作品鑑賞は一番前の席、か、舞台挨拶も作品も座って見られる2F後ろの席しかない、とのことで、やや迷って2Fの方に。

その番号の席は、何と2Fの一番後ろで、まあ中央寄りだし、舞台まで凄く遠い、というわけではないけれど、

私の視力では、舞台挨拶の俳優、監督の顔はぼんやりとしか見えないだろう、という距離で、ちょっと後悔。


登場したのは、本木監督と総勢12名の俳優陣、司会者が、前作を見た人は?と客席に呼びかけたら、やはりほとんど前作を見た人が多いようで。

まあ陣内智則、西村雅彦、「花子とアン」の父親役だったのが記憶に新しい伊藤剛志、柄本時生、リメイク「時かけ」の中尾明慶、あでやかな着物姿の深キョン、などメジャー俳優も色々だけれど、

私は一番感慨、といえば、「紙屋悦子の青春」の原田知世の舞台挨拶の時のような感覚で、歳はとってるといえぞ、ナマ富田靖子、だったかも。

富田靖子はこの続編で初参加だったようで、一番端にいて、コメントでもそう目立っていた訳ではないけれど、

「アイコ16歳」「さびしんぼう」「BU・SU」「南京の基督」とかの珠玉作の名残で、その佇まい、表情とか、もう少し近くで確かめたかった、とちょっと残念。


男性陣は、作品柄、2作目ということもあってか、結構和気藹々、終始ラフで賑やかなムードで、いじられキャラっぽいのは、多分最年少らしい知念侑季で、

私は初耳だったけれど、Hey! Say! JUMPというグループメンバーのようで、彼の紹介、話す時だけは、客席から女性のキャーッという歓声で、劇中、弓の名手役で、アップにもたえる、草食系のなかなかのイケメン。


a0116217_23475361.jpgあと、異色出演者は、前作からの柄本時生演じる増田の相棒の小猿役、菊千代。

世話役の女性に見守られながら、ひょうきんな存在感で笑いを誘っていて、劇中ではそう目立って笑いを誘う、という訳でもなかったけれど、何か人慣れした猿として、自然に溶け込んでいた、という感じ。

終演後、ロビーで、菊千代の撮影会、みたいなイベントがあって人盛り、皆携帯で撮影してて、近くで見る菊千代は、小柄だけれど、その無邪気な仕草に可愛い~!という声もあがってて、

私はデジカメを持っていかなくて残念だったけれど、傍らのスタッフが配ってた名刺?<↑>をもらったり。


a0116217_21501495.jpg8/14追記:劇中、インパクトシーンといえば、彼らの「交代」を阻止しようとする宿場での検閲の目を逃れるため、

シンプルなからくりで大行列に見せかけたり、”死ぬしかない”の言葉通りの奇策のコミカルさ。<↑チラシ内部>

また7人と1匹VS1000人、規模的には絶体絶命の城での攻防、藩の面々の刀、弓さばきもさることながら、女性陣や農民の奮闘、目くらまし作戦のダイナミックさ、

内藤のしみじみ人間味にじむ信祝への語りかけ、それによる信祝のバックにつく叔父の松平輝貞(石橋蓮司)や尾張柳生の武士達への心理的効果、とか、まあ勧善懲悪ベースの後味良さ、など。

a0116217_2151148.jpg俳優では、見る前は余り気にしていなかった、主演の佐々木蔵之介。<←チラシと共に配られた新聞>

この人って正直、これという際立った押し的な特徴のない、堅実な脇役スタンス、というイメージだったけれど、

こういう弱小藩の、豪快さというよりナイーブ感、でも筋を通そうとする誠実さ+さりげなく人情味の殿様役、というのにハマってて、なかなかの渋さ、と再認識、という感じ。


そういう所で、ほどよく人情味織り交ぜての、コミカル時代劇を楽しんだ、という今回でした。

関連サイト:超高速!参勤交代 リターンズ 公式サイトAmazon 「超高速!参勤交代」象のロケット「超高速!参勤交代 リターンズ」
関連記事:犬と私の10の約束(’05)サマータイムマシン・ブルース(’05)県庁の星(’06)間宮兄弟(’06)UDON(’06)アジアンタムブルー(’06)虹の女神(’06)愛の流刑地(’07)憑神(’07)ぼくたちと駐在さんの700日戦争(’08)あしたの私のつくり方(’07)テニスの王子様(’06)時をかける少女(’10)ノルウェイの森(’10)東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~(’07)犬神家の一族(’06)(「市川崑物語」スレッドの9)、天使(’06)スローなブギにしてくれ(’81)どら平太(’00)理由(’04)苺の破片(’05)四日間の奇蹟(’05)春の雪(’05)ゲルマニウムの夜(’05)さくらん(’07)HERO(’07)明日への遺言(’08)私は貝になりたい(’08)RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(’11)BU・SU(’87)kitchen~キッチン~(’97)ロード88出会い路、四国へ(’04)

 

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by MIEKOMISSLIM | 2016-08-11 23:50 | 邦画 | Trackback(5) | Comments(0)


ノルウェイの森(’10)

気になっていながら未見だった作品のDVD鑑賞期間、一応今回締めは「ノルウェイの森」を見ました。


a0116217_0154933.jpgやはり今まで読んだ村上春樹の中で、脳裏に残る一冊を挙げるとしたら、この原作<(C)(株)講談社→>だし、

その映像化、というのは公開当時も気にはなったのだけれど、

ナイーブな内容がどう映像化?と、ちょっと見るのも怖い、という感じもあったり、結局未見のままだったので、この折に、とチョイス。

どうも原作自体もやや記憶薄れてたし、どうせならこの機会に復習・予習がてらに、と思って久方に例の赤・緑の単行本を取り出して、最初と最後の方だけでもざっと、と思って読み始めたら、

随分久方、村上春樹ってこんなだったっけ?という読み易い文体にも引き入れられて、やや前後はしたけれど、ほとんど一通り読了。

そう、こういう空気感、流れだった、というのは蘇ったのだけれど、ここまで突っ込んだエピソードもあったのだった、という再認識部分も。


a0116217_0183077.jpgで、いざ本作を見始めたら、やはりこれは、原作を読んでいる観客対象作品、かつ創り手側の原作へのオマージュ、という色濃い感じ、

もし原作未体験でこれを見たらどう受け取るのか? 原作に忠実な各登場人物の科白も、原作の下敷きなしに聞くと、どう聞こえるのか?

ちょっと想像つかない、というのが正直な所。<←(C)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント>

大幅な独自展開、という部分もなく、やはり細部割愛エピソードも色々あって、まあ長編「ノルウェイの森」村上ワールドのダイジェスト映像化版、と思えばこういう所なのかも、という、トータル的に可もなく不可もなく、という後味。


ただ、一番インパクト残ったのは、唯一原作にはなかった、ワタナベ(松山ケンイチ)と直子(菊池凛子)の緊迫シーン。

施設に2度目に会いに行ったワタナベに、直子が、何故自分のような者にかまうのか、放っておいてほしい、あなたの存在が私を苦しめるのが、どうして判らないの!?と、思いを吐き出して号泣、

必死に彼女を抱きとめるワタナベ、という、最後になってしまったこの2人の逢瀬の1シーン、原作ではずっと穏やかなままのやり取りだったけれど、

直子の内部に積もっていた行き場のない感情が噴出、という展開にしたのは、やはり映像化ならでは、で、ある意味、ここが、原作から踏み込んだプラスα的な描写2か所の一つで、

取り方は様々かもしれないけれど、それなりに意義を感じた、というか、この部分がなかったら、もしかして、この作品への後味はもっと低評価感、だったかも。


6/13追記:配役的には、ワタナベ=松山ケンイチというのは、まあ見てみたら、松ケンの草食青年っぽさがワタナベのサラッとしたマイペース感に、それなりにフィット、

直子=菊地凛子、というのは、原作での儚げな直子よりもやや線太感、だったけれど、この人なりの直子像を見せた、という感じ。

緑=水原希子は、モデル畑のスタイルの良さで長身、科白は原作通りの天衣無縫さ、の割に、話し方があえてそういう演出だったのか?何だか直子モードで、もう少し弾けたタイプでも良かった気も。

一番原作人物と違和感なかったのは、というと、クールな変人永沢=玉山鉄二かも。そして次に、そう出番が多かった訳ではないけれど、その永沢の恋人ハツミ=初音映莉子。

この初音映莉子は、見てた中では「マナに抱かれて」に出てたのだったけれど、名前も初耳、原作中ワタナベが、永沢があえて恋人にしている女性として納得の魅力、というのが、

登場した時から漂うような、華、受けのソフト、純粋さミックスで、映像化としたら、こういう女優化も、と思えたり。

その他、主な人物ではレイコ=霧島れいか、というのは、原作での一見普通の中年女性、でも深みあるイメージ、よりはオーソドックスな美人型、だったけれど、まあ特に浮いて、という訳でもなく、

やはり原作より結構出番は端折られてた、ワタナベの量の同室の”突撃隊”=柄本時生、というのも、イメージ的には合ってた印象。

あと、ワタナベのバイト先の店主にさり気なく細野晴臣!とか、直子の施設、阿美寮の門番に高橋幸宏とか、彼らは特にこの作品の音楽に関わったという訳ではないようだけれど、豪華なカメオ出演陣。


6/14追記:背景で印象的だったのは、やはり阿美寮周辺、原作だと京都奥地の高原地、ロケ地は兵庫県の峰山高原と砥峰高原らしいけれど、一見ヨーロッパの何処か?かとも思う緑の広がり。

ここは直子の心象風景的な場所、としても、原作イメージを損ねることもなく、良かったと思うスポット。

     

最初のワタナベの訪問時、直子が、以前ワタナベから問われた、何故キズキ(高良健吾)と関係を持たなかったのか?という疑問に答えようとする場面、

原作ではレイコもいる部屋の中で、のことで、その苦悩を告白した直後不安定状態に陥ってしまって、しばらくワタナベは席を外す、という流れだったけれど、

劇中では、2人が早朝の高原を歩きながらその問答、という風にアレンジされてて、心情を吐き出しながら足早で歩く直子を追いかけるワタナベ、

最後に感情が高ぶって、キズキに先立たれた苦悩の叫びをあげる直子、なすすべもなくそれを鎮めようとするワタナベ、という所も、

前途の私の一番のインパクトシーン、2度目の訪問時の2人の緊迫シーンと共に、ここら辺も映像化ならではの、直子の内面の、より露わな描写、だったかと思うのだけれど。

     
まあ序盤から、ワタナベの大学生活の描写の中に、原作にもあるように、60年代後半らしい学園闘争シーンが折々あって、原作では物語のトーン自体のせいもあってかそれ程過激な印象はなかったけれど、

やはり忠実な映像化だと、そういう”動的”背景も露わになって、その中で、直子の心情表現も、原作のような抑えたトーン、というのから踏み込んで、より普遍的に、判り易くしてたような、というか。


これを手掛けたトラン・アン・ユン監督作では、前に放映のあった「青いパパイヤの香り」を見ていて、映像が綺麗だった感触はあるのだけれど、やや記憶薄れてて、

自分の感想を見直したら、まったりとした芸術っぽい作品、という後味だったようだけれど、このベストセラー小説映像化にあたって、映像美も意識しつつ、

テーマ的には、余り原作の中傷的なエキスに重点をおいて芸術作品、にするのでなく、登場人物の言動、割と明け透けに語られ展開する性の問題、なども割と忠実に追って、

一般的に判り易くしようとした、ある意味冒険は侵さず、オーソドックスに映像化を試みた、という感じ。


あと、改めてこのタイトルの、ビートルズ「ノルウェイの森」、今にして、だけれど、歌詞を追ってみたら、馴染みの牧歌的なメロディに乗せて、寓話風だけれど、物語絡みとしてやや意味深な、という内容だったおだった、と。

    

    


今こうして、映像化での「ノルウェイの森」再体験して、原作を読んだ当時は、ワタナベは直子を失ったけれど、半ばすがるように、にしても緑と生きる、という「生」(せい)を選んだ、という決着、という落ち着き所、だったのだけれど、

原作冒頭の37才時からの回顧シーンからしても、ワタナベは、直子やキズキが引き入れられた「死」には踏み込まず、「生」ワールドに健在、というのは確かで、

でも思えばそこに、回想の締めでもあるラストでは紆余曲折の末ハッピーエンドに思えた恋、緑の存在は描かれておらず、彼女がその後の彼の健在の支えになってきたのか、それともその後、離れてしまったのか?不明、

一旦「死は正の対象としてではなく、その一部として存在している」という”空気のかたまり”のようなものを10代にして実感してしまったワタナベと、

ナイーブさもありながら基本的に「生」を前提とするエネルギーを持つ緑との顛末は、果たして如何に?というようなことも改めて思ってたり、

どちらにしても、時折そういう切ない回顧に襲われながら、まあ日常生活は飄々と行っている、というのが妥当かも、とは思うのだけれど。


そういう所で、久方に、本置き場に埋もれていた原作含めて、映像化「ノルウェイの森」での復習、トータル後味的には前述のように可もなく不可もなく、ではあるけれど、それなりにこの映像化意義、を感じられた部分もあったり、

ある種読み易くサラサラした手触り感の奥の、コリッとした苦みある”切なさの塊”的赤・緑本、村上春樹ワールド再体験、というこの鑑賞でした。

関連サイト:ノルウェイの森 公式サイトAmazon 「ノルウェイの森」象のロケット 「ノルウェイの森」
関連記事:トニー滝谷(’04)青いパパイヤの香り(’93)

NANA(’05)男たちの大和 YAMATO(’05)ユメ十夜(’07)(「市川崑物語」スレッドの10)、蒼き狼 地果て海尽きるまで(’07)神童(’07)ドルフィンブルーフジ、もういちど宙へ((’07)僕たち急行 A列車で行こう(’12)春を背負って(’14)理由(’04)バベル(’06)恋に唄えば♪(’02)地下鉄に乗って(’06)犬神家の一族(’06)(「市川崑物語」スレッドの9)、サッド ヴァケイション(’07)BANDAGE(’10)ソラニン(’10)まはろ駅前多田便利軒(’11)運命じゃない人(’05)マナに抱かれて(’03)テニスの王子様(’06)あしたの私のつくり方(’07)ホームレス中学生(’08)時をかける少女(’10)プレミアム10 YMOからHASへ音楽のチカラ「青春の言葉 風街の歌 作詞家 松本隆の40年」 松本隆に捧ぐー風街DNA-(’10)追悼・大瀧詠一~朝 / はっぴいえんど(’70)ETV特集 細野晴臣 音楽の軌跡~ミュージシャンが向き合った「3.11」~MASTER TAPE~荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る~<1><2>クリスマスの約束(’14)名盤ドキュメント はっぴいえんど「風街ろまん」('71)~“日本語ロックの金字塔”はどう生まれたのか?~うみ・そら・さんごのいいつたえ(’91)あおげば尊し(’08)ー追悼・市川準監督ー


  
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by MIEKOMISSLIM | 2015-06-11 00:23 | 本・邦画 | Trackback(1) | Comments(0)


サヨナライツカ(’10)

気になっていて未見だった作品DVD鑑賞4作目で、「サヨナライツカ」を見ました。


先日見た先日見た「新しい靴を買わなくちゃ」ヒロイン役だった中山美穂の、その2年前公開だった主演作で、

当時はまだ波風もなかったか?中山美穂の元夫辻仁成の小説原作、辻作品原作映画というと江国香織との共著「冷静と情熱のあいだ」は、割と好感だったし、

「新しい靴・・」での、年輪重ねた上での中山ヒロインぶりに、こちらもどんなものだったのか?と、改めてちょっと興味も湧いて、という所。


a0116217_4372532.jpg婚約者光子(石田ゆり子)がいながら、赴任先のバンコクで出会った謎の美女沓子(とうこ:中山)との関係に溺れる豊(西島秀俊)、そこから25年後に渡る物語。<(C)アスミック・エース→>

こちらもラブストーリーではあるけれど、「新しい・・」とは裏腹に、ハードなベッドシーン含むラブシーン満載、思えば”人妻”中山美穂12年ぶり主演作、だったのだけれど、

「新しい・・」では年下格向井理相手の”受け”だったのが、こちらでは西島秀俊に明らかに率直な”攻め”スタンス、

踏み込んだ色香散りばめられた、ここまでハードシーンのある中山出演作は初見で、ある種衝撃作、というか。


一番インパクト、というとやはり序盤、沓子が先日酒場で出会ったばかりの豊の部屋に、豊が野球の試合で打ったホームランのボールを持ってやって来て、誘惑、のシーンでの、

中山大人の女的な腰の据わり方、というか、脱ぎながら正面から相手を見据える表情。

それに対して無抵抗に吸い寄せられる豊、結局このシーンが、この物語のトーンを決めた、という感じ。

その後劇中での2人の蜜月期間、無邪気にふざけ合うシーンの中山美穂も、やはり「新しい・・」とはやや違ったタイプの素の大人のチャーミングさ、というか。


それにしても、原作は未読だけれど、このヒロイン沓子は「新しい・・」のパリ在住のアオイに輪をかけて、の謎のバックグラウンド。

一流の「オリエンタルホテル」の、有名作家達が滞在した、という歴史があるのか?オーサーズスイートの一つ「サマセット・モーム・スイート」に在住、

豊に、見かけた年季入りの高級車を、買ってあげましょうか?とあっさり言ったり、アオイ同様、親族の影もなく、天涯孤独?なのか、

何らかの仕事をしてるとか、誰かの囲われ者であるとか、リッチマンと離婚経験、などという描写も劇中なかったけれど、一体何ゆえに、ああいうリッチ生活水準??と。

そして終盤では、そういうハイソなバックグラウンドも尽きて、昔の馴染みで雇ってもらえたのか?そのホテルでVIP案内要員、という展開も今一?。

ちょっと「ラッフルズホテル」の藤谷美和子、とか思い出して、まあ映画ヒロインとしてはそういうミステリアスさも魅力だけれど、現実感的には不可思議。


でもそういう謎はあっても、ちょっと引っ掛かったのは、日本から何か不穏さを察してバンコクにやってきた光子の、沓子への要求。

感情的に罵ったりはしないけれど、淡々と豊との関係で自分の優位さを語り、最後に「一つだけお願いがあります、来週の日曜日午後1時までにいなくなって下さい」というとどめ。

まあ婚約者として、黙っていられないのは当然だけれど、いくら謎のリッチ身分の沓子ではあるけれど、婚約者の浮気相手に、面と向かって「彼と別れて下さい」ならまだしも、生活拠点からいなくなれ、とまで言うのは?無理ありそうで、

豊の身内的に、ある種の慰謝料、手切れ金などとして、その措置のための必要な費用はこちらで出すから、などとというなら、一応筋的にはまだしも、だけれど。


その要求を受け入れた、というか、豊の光子への忠誠、航空会社の上司桜田(加藤雅也)からの戒めもあって、自分と別れようとする意向も汲んで、だろうけれど、1人NYへ旅立とうとする沓子。

豊は、沓子の奔放な魅力にあっさり落ちて、どうもいつしか彼女に本気で愛着を持ち始めてしまったようだけれど、その思いを断ち切るように、空港でぶっきらぼうな別れ。

そこにやって来た光子に、やっと「愛している」と言うのだけれど、それはやはり半ば義務的な言葉だった、ということが、25年後に形として露呈してしまう、といういびつさが、まあある種真実で、ある意味残酷な恋物語。


残酷、といえば、このタイトルでもある「サヨナライツカ」、劇中の切なさを象徴するような内容の詩を書いたのは、冒頭シーンからあったのだけど、沓子でなく光子だった、という所。

この詩は、何だかこの物語自体のメイン筋とはやや離れた所で、ちょっと印象的。

>サヨナライツカ

いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ

サヨナライツカ

永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトにわかれる

私はきっと愛したことを思い出す<

流れ的には豊を勝ち取って家庭を築いた光子が、婚約時代にその行く末を予見するような詩を書いていた、

単身沓子の所に乗り込んで手を打った、芯の強さ、というか意外な図太さを見せた彼女が、そういう感性を持っていた、というのが、

25年の歳月の中で豊の真の気持ちを汲みとり、豊を大雑把に家庭に留めておくことも諦め、ああいう送り出し方をした、というのも妙な切なさ。


そういう展開、というのも、やはりこの物語は男目線、というのか、豊という人物の優柔不断な不器用さ、というのは漂うものがあるけれど、

ふと出会った美女が、婚約者がいると知っていながら自分に赤裸々にモーションをかけてきて、三角関係の修羅場になる前に浮気相手は自らNYに発って、しかも後年、逢瀬を重ねたホテルで再開、自分を忘れずずっと待ってた、とか、

妻となった婚約者は、会社の社長になった自分の人生の惑いに、何ら口出しをせず、当初から別れを覚悟していたかの風情の、完成した「サヨナライツカ」を手渡してくれる、とか。

いわば自分の都合のいいように、満足いくように女達が動いてくれる、という願望、ロマンの物語、と取れなくもない感じ。

唯一豊の想定外は沓子の急激な体調変化、その身の施し方、その悲しみに、やや自暴自棄的にバンコクの水辺で車を飛ばすシーンもあったけれど、そこで現地語で「大丈夫!」と叫んだり、

社長の座は捨てて、沓子のためだけにバンコクへきたのでは?と思ったけれど、その後オフィスでそれらしき席に座って沓子の面影と語り合ってたり、あれ、また元の鞘?とふと思ったり。

まあ余り突っ込んでも、という、テーマ的にはピュアな”一生に一度の運命の愛”なのだけれど。


あと、豊と光子夫妻の、1人は勉強の出来もよく問題なさそうな剛(西島隆弘)だけれど、もう一人が、どうも問題ありありのような、家を出て鄙びたアパートで女の子と同棲してるロッカー(の卵)の健(日高光啓)。

彼が、訪ねてきた豊に、彼の生き方そのものを侮蔑するような言葉を投げつけ、自分には夢がある、と、言い放ち、光子達が見つめるステージでも反骨的な歌を歌って、というのも、

豊の人生の惑いに拍車をかけて、沓子とのことを含め、リセット方向に作用したのかもしれないけれど、どうも余り共感出来る露骨さじゃなかった。


映像的には、舞台がエキゾチック風物のバンコクで、「私の頭の中の消しゴム」の韓国のイ・ジュハン監督作、日本人監督タッチよりも枠がなく、ナマっぽい風味があった気が。


そういう所で、まあここまで大胆シーンもあったのか、という、前述のように「新しい・・」とは趣違う大人中山美穂映画、遅ればせながら2作ペアとして、違う形のラブストーリーを味わった、という後味でした。

関連サイト:サヨナライツカ 公式サイトAmazon 「サヨナライツカ」象のロケット 「サヨナライツカ」
関連記事:中山美穂新しい靴を買わなくちゃ(’12)マナに抱かれて(’03)トニー滝谷(’04)カナリア(’04)さよならみどりちゃん(’04)メゾン・ド・ヒミコ(’05)好きだ、(’05)神童(’06)春、バーニーズで(’06)風立ちぬ(’13)<1><2>夜のとばりの物語(’10)四日間の奇蹟(’05)ALWAYS 三丁目の夕日(’05)タイヨウのうた(’06)ALWAYS 続・三丁目の夕日(’07)クライマーズ・ハイ(’08)私は貝になりたい(’08)蟲師(’07)歌謡曲だよ、人生は(’07)まほろ駅前多田便利軒(’11)ゲド戦記(’06)


   
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by MIEKOMISSLIM | 2015-06-01 04:12 | 邦画 | Trackback(1) | Comments(0)


新しい靴を買わなくちゃ(’12)

久方のDVD鑑賞2作目、先日の「アナ雪」に続き、やはり未見だった「新しい靴を買わなくちゃ」を見ました。


これは「ハルフウェイ」と同じ監督北川悦吏子&プロデュース岩井俊二のタッグ作、ということと、「Love Letter」以来の岩井監督&ヒロイン中山美穂コラボ作、舞台がパリのラブストーリー、とのことで、気にはなっていた作品。

また、この音楽担当はが坂本龍一だった、というのは今にして知った次第。


a0116217_20315732.jpgパリで一人暮らしのヒロイン勅使河原アオイ(中山)と、偶然出会った日本から来たカメラマン八神千(向井理)が過ごした3日間の出来事、という物語。<(C)キングレコード→>

映画での中山美穂の姿も私は久方、冒頭登場した時には正直、巷で折に言われるような”劣化”というのは失礼だけど、やっぱり歳はとったかも、という印象ではあったけれど、

さすがに10年程になるのか、私生活で結婚後のパリ在住歴で、流暢なフランス語、一回り近い年下になる向井理演じる青年をナビゲートして迷子状態から救う、現地の年上女性らしいリード面も見せつつ、

泥酔状態になってしまって、送られ、家に招き入れる成り行きになった彼に、愛着を持ちようになって、辛い過去も打ち明けたり、自然に接近しつつも、

相手はすぐに日本に帰る身、引き留められはしない、という切なさのある役柄を、今のこの人なりにキュートにこなしてたのでは、という感じ。

近年離婚報道もあったけれど、やはり「Love Letter」の頃からは、私生活でも色々経て、パリ在住歴も含めて、今のこの人での大人版岩井色作品、と思えばちょっと感慨も。

      
5/25追記:まあ不自然さといえば、出会ったばかりの旅人青年に、異国のラフ感覚+同じ日本人愛着、というのもあるかもしれないけれど「勅使河原だと呼びにくいから、アオイで」などというのとか、思えばちょっとあざとい?感じもしたり。

元々日本で美大を出て、単身パリに来て画廊で働いていて、フランス人画家と結婚・離婚、仕事はあるけれど、1人暮らし、という境遇にしては、

パリの割と中心地らしき所で、結構な広さの家に住んでて、というのもやや?で、別れた時に子供が出来ていてその子を産んでシングルマザーに、という経過で、

その画家からそれなりの仕送りなりがあったのか?そこら辺は触れられてなかったけれど、仕事にしても、大手の会社でバリバリキャリアウーマン、というより、

ローカルっぽいフリーぺーパーの編集をボチボチ、という感じで、パリの実際の住宅相場って詳細不明だけれど、どうもあの住居の生活水準が謎?だったり。


そこら辺、突っ込み所はご愛嬌、だけれど、相手の青年、千については、向井理演じるソフト路線、そもそも人当りいいキャラ?にしても、アオイへの接近の仕方が妙にナチュラルすぎ、

パリに来た理由も、妹スズメ(桐谷美玲)の恋愛沙汰でお伴として連れられて、だし、一見優柔不断、でもありながら、一応現実味があったのは、不平不満だらけの日本でのカメラマンの仕事、だけれど、

やはりその仕事を軸足にはしていて、アオイに魅かれる部分はありながらも、刹那的な恋に溺れるわけでなく、日本へ戻る、という意識は通していた、という点。

だからアオイとの距離もそれなりにキープ、彼女の家での2晩目も、ムード的には一線を越えて結ばれても、という流れはありながら、少なくても映像では、彼女を癒すハグどまり。

多分、映像外でそれ以上に進んだ?という印象も、その後の流れからは受けなかったのだけれど。それは、息子を亡くしたというトラウマの告白、辛い過去を持つ彼女のピュアさを感じて、という部分と、

彼女側が強く押せば、そういう関係もあったかもしれないけれど、彼女も、劇中故郷であるらしい東京への望郷の気持ちをちらつかせたりしていながらも、やはりパリの住人、

彼は所詮束の間の旅人、深入りは色んな意味で無理、という意識があったからこそ、揺れる気持ちはありながら、切ないけれど淡い交流で留まった、

所々好意の告白っぽいジョブのようなやり取りもありつつ、大人の中山美穂が演じながらも、結局ある種品のいい純愛物語だった、という点もこの物語への好感点。

坂本龍一音楽は、特にそういう終盤の微妙な揺らめき、切なさ感に寄り添っていたような感じ。


また、同時進行的だったもう一つのサブのラブストーリー、スズメとアーティスト志望のカンゴ(綾野剛)カップル、

こちらは、もしかして「ハルフウェイ」の北乃きいと岡田将生のように、設定だけは決まってて、やり取りは2人任せのアドリブ科白?と思うような節も折にあったのだけれど、後で、この2人のシーンについてはほとんどアドリブだった、と見かけてやっぱり、と納得。

ケジメをつけにパリに乗り込んできて、ストレートに思いをぶつけるスズメ、その思いを受けきれないカンゴ、というナマっぽさもあって、辛いけれどスズメの決断がきっぱりした結末で、これはこれでやはり好感。

桐谷美玲って近年、ニュース番組とかで見かけて、美人だけれど硬派っぽい印象だったけれど、こういう、女の子っぽい役もしてたのだった、と。

メインカップルについては、中山美穂インタビューで、彼女はアドリブは禁じられていた、そうでだけれど、

一つのヤマ場だった2晩目のハグシーンや、終盤、千がタクシーに乗り込む直前の別れのシーン、などは、やはりもしかして、少なくとも向井理はアドリブだったのでは?と思ったり。

またこのメインカップルは、後日談でタイトルの”靴”絡みエピソードで、パリでのアオイとの出会いで一皮むけた千、そして悲しい過去から一歩進むアオイ、というニュアンスもあって、この2人の今後?という含みも少し漂ったり、という仄かな明るい後味。


それと、この作品エキスとして、やはり私は未踏のパリ。観光地ばかりが舞台だった訳ではないけれど、凱旋門、シャンゼリゼ通り、ジャンヌ・ダルクの像、セーヌ川、その河畔のノートルダム寺院、エッフェル塔など、

やはり同じパリ舞台ではあっても洋画とは違う、迷子同様の千がアオイに携帯で案内されて歩く街並み、2人で乗ったセーヌの遊覧船など、日本人目線での、ちょっとした観光気分味わい、という趣も。

家並みが低いから何処からでも見えるエッフェル塔が、心の拠り所、というようなアオイの言葉もあって、

なるほど、ビルだらけの東京では、東京タワーやスカイツリーなんて、そういう訳にはいかないはず、と、改めて低い街並みのパリのエレガントさ、を思ったり。


あと目に残ったのは、撮影自体は岩井監督自身ではないのだろうけれど、折々の”逆光”シーン。ああ久方の岩井(関連)作品、という気がして懐かしかったり。


そういう所で、「ハルフウェイ」の北川&岩井色を思えば、こういう合う種のラフさ、というのも路線かもしれないけど、

近年の中山起用作品、としては、息子を亡くした悲しみを切々と語るアオイ、というのは、一瞬、最近離婚して一人息子の親権は元夫、という中山美穂、ということも重なったりして、やはりこの人も色々経てきての、こういう役柄、とも思ったり。

でもまあ全般として、思ったより何というか、可愛らしく頬笑ましい、パリ舞台ラブストーリーでした。

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関連記事:ハルフウェイ(’09)市川崑物語(’06)虹の女神/Rainbow Song(’06)ニューヨーク、アイラブユー(’09)中山美穂ハナミズキ(’10)BECK(’10)NANA(’05)

プレミアム10 YMOからHASへ坂本龍一×役所広司~世界が求める日本のカタチ~シルク(’07)SONGS 坂本龍一子猫物語(’86)



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by MIEKOMISSLIM | 2015-05-24 00:45 | 邦画 | Trackback(1) | Comments(0)


龍三と七人の子分たち(’15)

先日31日(火)、先週の「エイプリルフールズ」に続いて同じ神保町の一ツ橋ホールで今月25日公開の「龍三と七人の子分たち」試写会、「いい加減な・・・」ブログのいい加減人(Yamato)さんに誘っていただいて見てきました。


a0116217_0273366.jpg北野武監督新作で、北野作品といえば私は「監督・ばんざい!」以来、今回のも近年のヤクザものの一環かと思ってたら、もろハードボイルドというより、コミカル任侠もの、というか、

たけし本人は刑事役で出ていて、中心は元ヤクザの老人たちグループ、演じるのも、主演の龍三役藤竜也はじめ、平均年齢72才、というベテラン陣。おまけに音楽担当も、まあ60代だけれどベテラン鈴木慶一。<→チラシ>

彼らが、今時のオレオレ詐欺などで悪事を働くチンピラ集団「京浜連合」を征伐すべく、再び龍三を親分とする「一龍会」を結成して、一旗揚げようとするのだけれど、

何分、拳銃を持つ手もブルブル震えるご老体集団、その笑いを誘う奮闘ぶり、今時の感覚と彼らの任侠メンタルとのギャップ、折に混じるそれなりの人情っぽさ、とか、

たけし流?ブラックユーモアも交じってたけれど、正直ちょっと意味不明?だった「TAKESHIS'」「監督・ばんざい!」などより流れ的にわかりやすく、面白かった、という感じ。


a0116217_255510.jpg4/7日追記:概して京浜連合の今のチンピラ達は、昔のヤクザ老人達に敬意を払ってる風はなく、特に強気な幹部達は、はなから見下してるのだけれど、

下っ端メンバーが単独で老人達に一杯食わせようとする時、オレオレ詐欺を信じた龍三の、息子の不始末に筋を通すため指を詰めようとそうとするパフォーマンスや、老人たちの拠点で入れ墨群を目の当たりにして、<←チラシ裏>

何か理屈抜きの圧力を感じて、思わずひるんで逃げ出すシーンとか、あっさり一筋縄ではいかない微妙な力関係の空気なども、たけし目線、なのか、ちょっとリアルな気もして可笑しかったり。


一番インパクトシーン、といえば、やはり終盤の、老人達がバスジャック、京浜連合の連中の車を追って、狭い商店街の店先をなぎ倒しながらの暴走チェイス、だけれど、

滑稽さ的には、龍三がキャバクラママ(萬田久子)の部屋で京浜連合幹部達とニアミス、ママの下着をまとって脱出、ゲイバー界隈で同業者と思われてゲイ達に絡まれて、のくだりで、

藤竜也は私は「村の写真集」での父役以来だったのだけれど、まあひたすら渋イメージだった「愛のコリーダ」俳優も、こういうシーンまでやるように・・とちょっと苦笑。

その兄弟分の若頭のマサ役の近藤正臣も、昔は2枚目イメージ、随分歳もとった、とは思ったけれど、こういうコミカルさ、というのもやや意外。

そうイメージギャップなかったのは、馴染みあった中では、はばかりのモキチ役の中尾彬、だけれど、終盤彼の身に起こる急展開、扱われ方は結構ブラックユーモアな、というきわどさ。


a0116217_224137.jpg4/8追記:こういう老人躍動ものって、前に「死に花」というのがあった、とは浮かんで、そこそこ面白かった覚え、でもどうも詳細薄れてて、ちょっと検索したら、

犬童監督作品で、老人ホームのおじいちゃん集団が銀行強盗をやろうとする、みたいな話だったのだったけれど、これはまあそのやさぐれ北野版、というか。<↑チラシ中>


今回も、老人ホームからやってきたカミソリのタカ(吉澤健)というキャラクターもいたけれど、そもそもが元ヤクザ老人達、

龍三は家で、息子夫婦に一目置かれるどころか、入れ墨露出などを露骨に疎んじられ、「義理も人情もありゃしねえ」と肩身の狭い日々、

そういう鬱憤晴らしか、若頭のマサと共に飲食店で勝手な賭けをして、客に難癖つけたり、スケール小さいコミカルタッチの不良翁ぶり、

それでもまんまとオレオレ詐欺に引っ掛かりそうになり、息子を救おうとしたり、京浜連合の徳永(下條アトム)のマネをして恐喝しようとした主婦の話にほだされて、逆に金を渡したり、情に弱い一面、

また終盤、決死の京浜連合殴り込みの前、息子に電話しても、余りまともに相手にされないけれど、孫息子がおじいちゃんを恋しがる、のようなことがチラッと垣間見えたり、そこら辺、たまに散りばめられた人情スパイス、というのか。


まあ大人しく余生を過ごす、というには、くすぶる部分もある彼らが再結集したことで、チンピラ集団に宣戦布告、ひと肌挙げて、という意気の盛り上がり~ひと騒動、

折々早撃ちのマック(品川徹)が怪しい手元ながら放つ銃弾など、で、威嚇はするけれど、老いた身で、体力的にもメンタル的にもそうスマートにも行かず、ハチャメチャぶりが笑える見もの、だったけれど、

たけし自身は刑事役で、彼らを大目に見たりたしなめたり警告したり、という脇役、というのも、これの前の未見の「アウトレイジ」2作ではやはり主演だったようだけれど、

今回は役者ビートたけしとしては、中心キャスト高齢ベテラン陣に、もろに絡んだり仕切ったり、というより、彼らに主な所はまかせて、締める所は締める、という傍観的な位置を選んだのかも、とか思ったり。


そういう所で、私は久方の北野作品、やはり一応任侠もの、ではあったけれど、予想以上に笑いもあって、なかなかの怪作を楽しんだ、という後味でした。

関連サイト:龍三と七人の子分たち 公式サイト象のロケット 「龍三と七人の子分たち」
関連記事:TAKESHIS’(’05)監督・ばんざい!(’07)あなたへ(’12)村の写真館(’04)カナリア(’04)大停電の夜に(’05)ユメ十夜(’07)(「市川崑物語」スレッドの10)、愛の流刑地(’07)人の砂漠(’10)山桜(’08)、,蝉しぐれ(’05)THE 有頂天ホテル(’06)県庁の星(’06)日本沈没(’06)それでもボクはやってない(’07)犬と私の10の約束(’08)クライマーズ・ハイ(’08)HERO(’07)時をかける少女(’10)犬神家の一族(’06)(「市川崑物語」スレッドの9)


  
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by MIEKOMISSLIM | 2015-04-04 23:56 | 邦画 | Trackback(12) | Comments(2)


エイプリルフールズ(’15)

先日22日(日)、神保町の日本教育会館一ツ橋ホールで、4月1日公開の「エイプリルフールズ」試写会、「いい加減な・・・」ブログのいい加減人(Yamato)さんとご一緒して見てきました。


a0116217_1463412.jpg監督はドラマ「リーガル・ハイ」など演出の石川淳一、脚本はやはり「リーガル・ハイ」、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなどの古沢良太、

出演俳優も含めて、私はノータッチだったけれど「リーガル・ハイ」関係者が多いそうで。<→チラシ表>

主なキャストが多彩な顔ぶれの総勢27名、まさにエイプリルフールの1日の内の、とりあえずメイン筋は、

清掃婦新田あゆみ(戸田恵梨香)が、妊娠した相手の外科医牧野亘(松坂桃李)がCAの麗子(菜々緒)とデートするレストランに単身乗り込んで巻き起こす大騒動、なのだけれど、

それと同時進行で、街のあちこちで起こる嘘と真実ミックスの様々なエピソードが絡み合っての、コミカル人情ドラマ。


こういう構成って、「きょうのできごと」がこれ程多人数ではなかったけれどこういう感じだったような、という同時進行群像劇、というのか、そのコメディ版、一見無関係なエピソードが、小道具とか人間関係的に、絡み合っていく妙、

それぞれの(大)事件っぽいもの~些細なものまで、コミカルタッチベースだけれど、嘘と真(まこと)のブレンド具合とか、ちょっとホロリとするような人間模様なども織り交ぜて、

スピード感、というか、各エピソードを追う展開のテンポもよく引きつけられて、まあ久し振りになかなか面白い邦画を見た、という感じ。


a0116217_17181390.jpg3/28追記:一番インパクトエピソード、といえば、やはり戸田&松坂コンビの「イタリアンレストラン大参事」~意外な波乱のラブストーリー展開。

そもそものきっかけが、朝あゆみ(戸田)が見たフジTVの本物キャスター陣が伝える怪しげな感動ニュース、という所からで、<↑チラシ中>

戸田恵梨香って、最近他作品でも主演クラスで見たのだけれど、王道的に華やか、というより、芯はあるけれど何かに抑圧された女性、のような味も自然に出せるタイプなのかも。

そのあゆみが勇気を出して連絡したものの、誠意を見せずあしらおうとする牧野(松坂)にキレて大暴走、なのだけれど、何故清掃員の妊婦の手元に拳銃?というのも、次にインパクトエピソードの「不器用な誘拐犯」絡み。

まあギャグのノリではあるけれど、ヤクザ宇田川(寺島進)がしょっちゅう傍らの弟分(高橋努)を結構思いっきり殴りつけるシーンは何だか、だけれど、

宇田川と、誘拐した小学生理香(浜辺美並)との実は、という関係、宇田川なりに?だけれど、ふてくされ気味の理香に実地で”世間”を教える様、別れ際、彼女の母(山口紗弥加)への電話や、彼女にかけるぶっきらぼうなエール、辺りがそれなりの?人情ドラマ風。

その理香の義父のリムジン運転手(滝藤賢一)の客、宮内庁職員櫻小路夫妻(里見浩太朗&富司純子)の「ロイヤル夫妻の休日」エピソードも、

彼や、ハンバーガー店長(古田新太)らの夫妻への芝居がかったような極度なひれ伏し方、など笑いもありながら、明らかになっていく夫妻の真実、その事情、など、

ベテラン2人の醸す風情もあってちょっとしんみり、しみじみ熟年夫婦愛路線、富司純子は、クルーズ船で「アメイジンググレイス」の歌も披露してたり。


a0116217_1719165.jpgその他、可笑しかったのは、不登校中学生(浦上晟周)が、パソコンのHPで宇宙からの迎えを信じて、地球に決別決意、

学校に乗り込んで一気にうさ晴らし、屋上でひらすら続けた「ビヨ~ン」儀式、とか、

ミクロ世界話だけれど、大学生梅田(矢野聖人)の友人松田(荻田正孝)へのある告白で、思いがけぬ展開!になってしまう「ある大学生の行末」の、一室での滑稽かつシュールな成り行き、とか。<↑チラシ中>


あと味付け的に、やはり複数エピソードに絡む、久方に姿を見たりりィが演じる怪しげな占い老婆、などもいたけれど、

とにかく、レストランでのあゆみVS牧野の修羅場+本来は立てこもり事件人質的な周りの人々の、彼らの関係に対する様々な人情的?反応、

妊婦ゆえに勃発する波乱の感動劇?展開、を軸に、色んな嘘と真(まこと)のエピソードが同時進行的に行きかい、なかなか目が離せないテンポ感、

漫画的ではあるけれど、基本の笑いスパイス+人情エキス織り交ぜ、各エピソード絡ませて、まあ上手く創ってるものだなあ、というか、前述のように、何だか久方に面白い邦画を見た、という後味でした。

関連サイト:エイプリルフールズ 公式サイト象のロケット 「エイプリルフールズ」
関連記事:ユメ十夜(’07) (「市川崑物語」スレッドの10)、UDON(’06)ざわざわ下北沢(’00)東京マリーゴールド(’01)~追悼・市川準監督~雪に願うこと(’06)クライマーズ・ハイ(’08)LittleDJ~小さな恋の物語(’07)思い出のマーニー(’14)理由(’04)それでもボクはやってない(’06)TAKESHIS’(’05)THE 有頂天ホテル(’06)フラガール(’06)東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~(’07)監督ばんざい!(’07)LOVE まさお君が行く!(’12)ハナミズキ(’10)県庁の星(’06)蟲師(’07)ハルフウエイ(’09)ひみつのアッコちゃん(’12)人の砂漠(’10)RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(’11)トキワ荘の青春(’96)~追悼・市川準監督~恋に唄えば♪(’02)HERO(’07)あ・うん(’89)犬神家の一族(’06)(「市川崑物語」スレッドの9)、寝ずの番(’06)愛の流刑地(’07)明日への遺言(’08)山桜(’08)

   


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by MIEKOMISSLIM | 2015-03-27 01:53 | 邦画 | Trackback(7) | Comments(2)


ボクサー(’77)-菅原文太追悼上映ー

一昨日、近くの阿佐ヶ谷図書館の映画会で、昨年11月他界した菅原文太追悼で「ボクサー」上映、都合も合ったので見てきました。


この作品は初耳、寺山修司が監督、菅原文太演じる、かつて名ボクサー、落ちぶれ気味の中年主人公が、清水健太郎演じる無名の若いボクサーを鍛えていく、ハングリーなスポーツもの、というのもちょっと興味そそられるものが。

a0116217_052031.jpg寺山修司って、映画も撮ってたのだ、と、今にして、だけれど、「あしたのジョー」のテーマ曲の作詞がこの人、ボクシングが思い入れあるテーマらしく、

前半、東京の下町でのやや淀んだ人物描写に対して、

後半、力をつけてきた天馬〈清水)を中心に盛り上がり、怒涛のようなボクシングシーンはなかなかの迫力、臨場感あって、なかなかの見応え感。<(C)東映ビデオ→>

清水健太郎って、この頃「失恋レストラン」でブレイクの直後だったようだけれど、

そういう人気歌手にやらせる役にしては、足が悪いハンディを持ち、障害者扱いされ、殴られて顔もゆがみ、きつい練習、リングでのリアルな実戦シーン、と結構なハードさ。

後年色々問題ありすぎ、の人だけれど、ボクシング経験も多少なりともあったのか?こういう硬派出演作があった、というのも結構意外。

そして、中年にしても、それなりにハードなボクシングシーンをやってのけていた菅原文太、この2人の当時の運動能力、というものにもちょっと感嘆。


2/27追記:菅原文太出演作、というのは、今まで見た中で一番古いのが’00年の「どら平太」、若い頃~中年期のは覚えなく、これが今にしてみた、一番若い44歳時の作品で、

たまたま先日この図書館で、健さん追悼上映の「幸せの黄色いハンカチ」と同じ’77年の作品。中年期の健さんと比べて・・と思えば、やはりどちらも渋いけれど、菅原文太の方がワイルド、健さんの方が抑えた凄み、があるような。


まあ、この菅原文太映画、なのだけれど、やはりインパクト残ったのは清水健太郎で、終盤の新人戦マッチシーン、劣勢で、殴られっぱなし、

でも倒れても倒れても立ち上がり、相手に向かっていく不屈の姿、ラスト、隼(菅原文太)のぼやけた視力の中、立ち上がって勝利を得、隼に寄り掛かろうとする姿。

この若い頃、こうして菅原文太相手に体当たり演技、顔もゆがみ、腫れ、倒れても倒れても起き上がるボクサー役をしてた、というのが、

何だか、近年、クスリもキッパリ絶って再起に向かって活動してるらしい、ということと重なって、ちょっと感慨、というか。


寺山修司色、なのか、激しいボクシングシーンの最中に、登場人物の人生模様のカットが混じっていたり、というような演出もあったけれど、

最新見たボクシング関連作品っていうと「ミリオンダラー・ベイビー」、ヒロインの戦いぶりも記憶薄れつつある中、何だか久方に、ボクシングという戦闘スポーツを通して滲み出る人間の気概、というのを見たような、という作品。


脇役で、隼の別居してる妻役の春川ますみのあからさまな女っぷり、アパートの管理人役小沢昭一、町の食堂に集う天馬を応援する人々、その中の訳あり気な元女優役新高恵子など、’60~70年代頃の下町のベタな空気感、

またさり気なくレフリー役に唐十郎、天馬の新人戦が、具志堅用高の試合の前座試合、の設定で、現役時代の具志堅用高が、天馬に声をかけ激励するシーンがあったり、

カメオ出演で、試合会場に輪島功一、ファイティング原田、ガッツ石松らが姿を見せたり、そこら辺は友情出演?なのか、お金をかけたのか?だけれど、本格的ボクシングもの、というリアルな豪華さが垣間見えたり、

とにかく、趣旨は追悼のための菅原文太作品上映だったのだけれど、怪作、と呼ぶのもどうか?だけれど、想定外で、ちょっと珍しいものを見た、という今回でした。

関連サイト:Amazon 「ボクサー」阿佐谷図書館 映画会
関連記事:どら平太(’00)ビルマの竪琴(’85)(「市川崑物語」スレッドの11)、バッテリー(’07)サヨナラCOLOR(’05)


  
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by MIEKOMISSLIM | 2015-02-23 00:38 | 邦画 | Trackback | Comments(0)


幸福の黄色いハンカチ(’77)ー高倉健追悼上映ー

今日、阿佐ヶ谷図書館映画会で、健さんの追悼上映として、「幸福の黄色いハンカチ」上映、都合も合ったので見てきました。

これは私はどうもちゃんと見る機会なかったままで、昨年11月健さんが亡くなった時、追悼放映してたのを録画、その時終盤だけは初めて見た、という健さん代表作の一つ。

録画はあるものの、この機会に、と、やっと全編通しで見て、北海道ロードムービー+人情ものの、こういう作品だったのだった、と今にして。

これを下敷きにした同じ山田洋二監督、健さん&倍賞千恵子コンビの「遥かなる山の呼び声」は、数年前見ていたのだけれど、なるほどこれが”元祖”だったのだと。


これが映画デビューだった当時28才の武田鉄矢の、弾けたとぼけぶり、桃井かおりのマイペースな女っぷりなどもエキスだけれど、やはりやさぐれた主人公、島勇作役健さんの、際立つ王道的に渋い物腰、

その渋さが、果たして別れた妻光枝(倍賞美津子)に届けたメッセージが受け入れられるか、言い知れぬ緊張の末、無言の感激に変わる、黄色いハンカチはためくラストシーンが、やはり印象的。

      

それと結婚前、スーパーで見初めて半年経ってようやく言葉を交わし、徐々に接近、という頃、光枝の乗ったバスを追いかけるシーンで、

「不器用な自分は、気持ちをうまく伝えられなくて、すがるように・・」のような健さんのモノローグ、劇中まさしく”不器用(な男)”と自ら言ってる!と、ちょっと感慨だったりも。


2/2追記:この話はごく大まかにしか知らず、主人公が収監される事件がどういうものか?も知らなかったけれど、

光枝の無理して働いた末の流産、それに伴って判明した光枝の以前にも流産という過去、そこで生まれた夫婦間の摩擦が原因でヤクザっぽい通行人に絡まれ、歯止めが効かなくなって、という経緯。

いた刑務所も網走、正直、もう少し裏社会も絡んだスケールの事情?かと思ってたのだけれど、え、そういう出来事?と。

そこら辺、光枝の悲劇を止められなかった我が身への呵責や、初めて知った彼女の過去への戸惑いからのやるせなさをコントロール出来ない、

やはりある意味一途な故に不器用、メンタル的にナイーブというか、ひ弱い人間、という一面もある主人公、それがまたフィットする健さんの個性、というのも改めて。

そこら辺、山田洋二監督が、色んな候補者もいた中で、健さん起用に際して、出演してるヤクザ作品を何本か見て、

他のヤクザものスターとは違って、演技する時の目が真剣、真摯で、真面目に役に取り組んでいると思って、これなら普通の映画でも出来るかもしれないと思った、というエキスかも、とも。

     



また、この島勇作と北海道を旅して周る、どちらも本州から失恋して傷心旅行に来た、花田欣也を演じる武田鉄矢、小川朱美を演じる桃井かおり、3人の掛け合いが味わい。

同じ九州男児として、朱美に無理に迫って拒絶されたり、さえない欣也にカツを入れる勇作、というシーンもあったけれど、映画初体験だった武田鉄矢の、健さんと対照的なヌーボーとしたコミカル個性、

You tubeに武田鉄矢の撮影当時の健さん回顧談があったけれど、健さんのさり気ない励ましもあったようで。

     

また、桃井かおりは往年のような味だったけれど、健さんの”剛”をあっさり包み込むような、倍賞千恵子の正統派”柔”なとはまた違った、女っぷり”柔”の物腰、

島が黄色いハンカチに辿り着く経緯を共に見守っていく過程で、自然と寄り添っていくこの2人、という、健さんと倍賞千恵子の、脇カップルではあったけれど、

思えば武田鉄矢と桃井かおりのラブシーン、という、後年では想像できにくい、ちょっと珍しいものを見た、というか。


そして、やはり正統派”柔”の倍賞千恵子。劇中、この人の他に「男はつらいよ」組から、渥美清さんが警官約、「タコ社長」太宰久雄が旅館の親父役で出ていたけれど、

「男はつらいよ」での、フーテン寅さんを受ける演技でのさくらがハマり役だったように、派手さはないけれど、健さん相手に地に足のついた、というか落ち着いた訳あり女性の演技、

この人と健さんが醸し出す、嫌みのない中年純愛モードが、3年後の「遥かなる山の呼び声」にも繋がった、というのも納得、という感じ。

      


そういう所で、突然だった健さんの訃報、ということもきっかけで、今にして全編通して見たスタンダード作品、北海道舞台に、健さんのコアな魅力+夫婦愛+軽妙なロードムービー、なかなかの味わい。

元々普段、出演作公開時以外はメディアもなく、正直、いまだに本当に亡くなった、という実感はないですけれど、遅ればせながら、これを機に、高倉健さんのご冥福をお祈りします。

関連サイト:Amazon 「幸せの黄色いハンカチ」阿佐ヶ谷図書館 映画会象のロケット「幸福の黄色いハンカチ」
関連記事::単騎、千里を走る(’05)海へ、See You(’88)遥かなる山の呼び声(’80)あ・うん(’89)ミスター・ベースボール(’92)あなたへ(’12)冬の華(’78)冬の旅人「高倉健の肖像」(’88)

男はつらいよ 寅次郎夢枕(’72)武士の一分(’06)吉川晃司が外科医役/山田洋次監督談「日本の里100選」葛飾柴又散策

ヨーロッパ特急(’84)星になった少年(’05)私は貝になりたい(’08)東京夜曲(’97)たどんとちくわ(’98)SAYURI(’05)ゆれる(’06)22才の別れ Lycolis 葉見ず花見ず物語(’07)

 

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by MIEKOMISSLIM | 2015-01-31 21:21 | 邦画 | Trackback(1) | Comments(0)


葛飾柴又散策

1日(月)に、「男はつらいよ」ロケ地、寅さんホームの葛飾柴又散策してきました。


週末東方神起コンサートを見に上京してた関西の友人、ブログで前に、著作のプログラム関連本の紹介してた川村8号ストロングさんが、以前同じように上京して私の家に泊まった時、寝過ごしで流れてた柴又観光をやっと実現。

a0116217_0452225.jpg私は3時半~授業だったので、半日たらずだけれど、京成線の柴又駅~駅前寅さん像と対面~帝釈天参道~帝釈天~山本亭~寅さん記念館・山田洋次ミュージアム(の前まで)

~戻って帝釈天参道でお団子セット、ぶらり駄菓子屋や土産物屋の店巡りで、まあプチ観光は楽しめた、という感じ。


a0116217_0535595.jpg行き方は色々のようだけれど、JR高円寺~東京~日暮里~京成高砂~柴又で、寄り道しなかったら1時間位。

京成線というのは、私は多分初、特に高砂からの京成金町線は車両も3両位、江ノ電のようなローカルムード。

柴又駅ものどか、改札側へは小さな踏切を直に渡って、で、駅前で、鞄を下げた往年の寅さんの等身大位のブロンズ像(↓一番下)が出迎え。寅さん(=亡き渥美清さん)がこうして役柄の姿で永遠に、というか。


駅前から直の参道は、幅も浅草などより狭くこじんまり。少し行った所で右手に、「男はつらいよ」1~4作目の実家として撮影舞台だった、という食事処「とらや」(↑)、ここは今、私達目当てのお団子はないようで、結局今回中には入らず。

a0116217_055548.jpg平日の午前中、しとしと雨模様というのもあってか余り人通りもなかったけれど、店は大体営業中、食事処兼土産物屋さんが食べるラー油など試食を勧めてくれたり、

ぶらぶら行くと、結構すぐに帝釈天(↑左)前まで来て、参道の長さ自体もミニ浅草、というか。帝釈天の構内(→)もそう広いわけでもなく、こじんまり風。

正面の帝釈堂に靴を脱いで上がってお参り、外へ出て、気付けば「男はつらいよ」テーマ曲の冒頭部分のリフレインが流れっぱなしで、この地域自体のテーマミュージック、のようで。


a0116217_22395518.jpg9/6追記:帝釈天の右手奥の方にある観光スポット、「山本亭」の庭園(←)を通り抜けて、

階段を上って寅さん記念館、その向かいの近年オープンした山田洋次ミュージアムまで行ったけれど、「まあ、いいか」と、入館はせず引き返し。

再び「山本亭」通り抜けで帝釈天参道へ。ここは大正時代の木造2階建て家屋+昭和初期日本庭園、その中に塞がれた元防空壕の入口、なども。

今回初耳だったさりげないスポットだけれど、ここで初めて中年位の女性外人の団体客に遭遇、寅さんが海外でのメジャー度って?だし、柴又自体、浅草の知名度にはほど遠そうだけれど、こういう所巡りする外人客もいるものだな、と。


参道で、「高木屋」という店で、2人共お団子セット??に。

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よもぎ味+あんの草だんご、甘辛たれの焼だんご、しょうゆダレ+きざみのりのだんごの3本セットで、それぞれの風味にもちもち感で、美味しく味わって満足。草だんごのあんは、思ったより甘さ控えめ。

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「とらや」のように特に撮影現場、という訳でもなかったのだろうけれど、「男はつらいよ」陣とも長い付き合いあったようで、

店内には若い頃の山田洋次監督や、各回ごとのマドンナ役など交えた俳優陣の記念写真が壁に飾られてて、ご当地、という感じ。

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a0116217_2321361.jpgその後、ぶらぶらと土産物店や、色々懐かしいお菓子あった駄菓子屋に入ったりで、

土産物店には、ストロングさんにとっても似合いそう、と思った腹巻つきデザインの寅さんTシャツなど寅さんグッズ色々、

もう「男はつらいよ」シリーズ終了して15年位経つのに、この町はずっとその面影残してて、

新旧三部作の尾道なども、いまだそうなのかもしれないけれど、思えば単一シリーズでこういう縁深いホームエリアある邦画って、歴代これ位かも。

店内で女性店員さんが柴又ステッカー(↓)をくれたり。


a0116217_23255887.jpg商売熱心、というか一番エネルギッシュだったのは、参道入り口の角の土産屋「たま屋」のおねえさん。

帝釈天は色んな祈願がOKだとか、日蓮宗だとかというようなことから、

その店先にあった”金のうんこ”置物が開運グッズとして人気で、美川憲一が購入、と張り紙はあったけれど、スポーツ界とか色んな著名人にご利益あった、など威勢よく紹介してくれて、

これは初耳、特に寅さん関連はなさそうだけれど、どうもこの地の、というかこの店の名物グッズのようで、こういうユニーク特産品もあったのだった、と新発見。

そのおねえさんが、駅前の寅さん像の左足を触ると後利益がある、と教えてくれて、私達は帰りに触ったけれど、その左足元は、多分大勢触ってきたからか明らかに色が剥げてて、確かにそういう形跡。


そういう所で、劇中覚えある江戸川沿いの堤防や、「矢切の渡し」船とかまでは足は延ばせなかったけれど、ちょっとした下町エリア巡り。

まあ雨天の平日、というのもあったかもしれないけれど、イメージよりこじんまりした参道、お寺など、もろ観光地、という浅草より何だか居心地いい感じだったり、

思ったより渋い佇まいだった寅さん像にも会えたし、ロケ現場も垣間見たり、懐かしい「男はつらいよ」モード味わい、ご当地お団子も味わって、短い時間ではあるけれど楽しかったミニ観光でした。

関連サイト:葛飾柴又公式サイト高木屋老舗 サイト
関連記事:男はつらいよ 寅次郎夢枕(’72)武士の一分(’06)吉川晃司が外科医役/山田洋次監督談「日本の里100選」プログラムを作ろう! Java入門(’09) 遥かなる山の呼び声(’80)

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               <柴又駅前の寅さん像>

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by MIEKOMISSLIM | 2014-09-04 01:01 | 映画・散策 | Trackback | Comments(0)


「思い出のマーニー」秘密を探る イギリス秘境旅

10日(日)放映だった「思い出のマーニー」特番、一部オンタイムと録画で見ました。

桝太一アナウンサーと、ジブリ通らしいお笑いコンビオリエンタルラジオの中田敦彦がスタジオジブリを訪ね、米林監督、西村プロデューサーと「・・マーニー」について話したり、

「・・マーニー」に、どの役だったのか?声優で参加した石田蓮華が、「・・マーニー」原作の舞台、イギリスの村バーナムオーバリーを訪ね、観光したり、原作の著者ジョーン・G・ロビンソンの娘さんに会ったり、という内容。

1時間番組ではあったけれど、色々制作裏話、先日読んだ原作の舞台の実際の土地ルポ、「湿っ地屋敷」やサイロのルーツ建物外観など見られたり、なかなかの内容。


西村プロデューサーは、初めて知ったけれど36才、「かぐや姫の物語」で長編作初プロデュース、「・・マーニー」が2本目担当、という人で、41才の米林監督とほぼ同世代で、

この次世代の2人のタッグで、今までジブリになかった今回のWヒロイン、1人は等身大少女杏奈を軸にした作品創り、という路線に、という面もあったようで。


この作品のきっかけとして、米林監督が、笑いながらではあるけれど、前作「借りぐらしのアリエッティ」の時は、やはり同じフロアに陣取る宮崎駿監督の環視下での制作、というプレッシャーがあって、

大先輩の力を借りず、1から長編映画を創りたい、と鈴木プロデューサーに話した時、渡されたのが「・・マーニー」の原作、

でも当時「風立ちぬ」にアニメーターとして加わっていて、「・・マーニー」の脚本と同時進行、という忙しなさ、(宮崎監督が)なかなか抜けさせてくれないんですよ、と苦笑、笑いを誘ってたけれど、

実写の監督とは違って、プロとしてのアニメーター職人としての仕事もこなしながら、というのも大変そうではあるけれど、結局脚本完成に1年かかったそうで。


ストーリーで中田敦彦が指摘したのは、ミステリアスで伏線があって、というこれまでジブリ作品になかったタイプで、という点で、これはジブリ初の”謎解き”タイプだった、と。

そういえば「ゲド戦記」「ハウルの動く城」とか、背景はやや込み入ったものもあったけれど、謎解き、というのはこれが初だったかと。

で、その物語に合わせて、米林監督は舞台を神秘的な雰囲気のある北海道にすることを考えたけれど、それを惑わしたのが意外にも、今回は完全ノータッチ、と思ってた宮崎監督、だったそうで。

先日のNHK特番でも、宮崎監督自身もこの原作は気に入ってた、というエピソードがあったけれど、

今回も、引退したとはいえ、自分のこの作品のイラストを頻繁に米林監督の所へ持ってきて、それを危惧?した鈴木プロデューサーが開いた「宮崎監督の話を聞く会」で、宮崎監督がこの作品の舞台は瀬戸内である、などと自分の構想を披露、

それについて、米林監督は、何だか「崖の上のポニョ」のようでイメージ違うと思って、結局宮崎監督退席後、協議で舞台は北海道になった、と苦笑、というようなことがあったようで。

まあ確かに、この舞台は瀬戸内よりは北海道の方がフィット感、ではあるけれど、何だかそういう裏話からしても、まだまだ宮崎監督の意気健在、という感じ。


8/24追記:また中田敦彦が指摘のヒロイン像でも、1人はこれまでの理想少女的ジブリヒロインではなくて、人と打ち解けられない、という悩みを抱える現代的、都会的、等身大少女杏奈にしたことについて、西村プロデューサーが、自分の物語と思ってくれれば、と語り、

またもう一人のマーニーについても、これまでになかったお洒落な雰囲気の色気のある艶っぽい女性像で、宮崎アニメとは違うヒロインが生まれた、という指摘。

a0116217_2247963.jpg同じ白いネグリジェを着た外国人少女を描いた、「・・マーニー×種田陽平展」のポスター(→)のと、宮崎監督の描いたあどけない感じの少女の絵比較で、その違いありあり。

私はマーニーの絵では、髪の描き方が劇中のマーニーと違うけれど、この絵が一番気に入ってて、改めて、そういえば一見男性が描いた、とは思えないソフトな味。

鈴木プロデューサーも、(米林監督は)女性を描かせたら、宮さんより上手い、と評価してて、そのルーツは、やはり少女漫画好きで、りぼんっ子だった、と。

「りぼん」って、私も子供時代愛読、月刊だと「なかよし」などと並んで懐かしいけれど、愛好の男性、というのもいる、いたのだなあと、感心だけど、

そういう嗜好も、前の特番で思った、米林監督=岩井俊二監督や松本隆の少女感覚の持ち主、に繋がるのだろうと。

「りぼん」には金髪の女の子が出てくる話がいっぱいあった、と楽しそうに語る様子。マーニールーツはそういう所にもあったようで、やはりこれも、「・・マーニー」鑑賞後、昔の少女漫画のような、という感じがした一因かも。


また、中田敦彦が背景について、水彩画のような実写のような、という指摘で、やはり美術監督に種田氏を招いたことによって、部屋のドアと蝶番の隙間とか、椅子の高さとか、かなり細かい所まで描かれてたり、

米林監督は、凄く面倒くさい、と苦笑しながらも、今まで面倒臭意とか嫌だからやらなかったことをやることで、違うものが見えてくるんじゃないかな、と。

これまでのジブリ作品は、設定がないままスタート、設定は宮崎監督の頭の中にあって、絵コンテからそれを皆で読み取っていく、という作業だったのが、今回は共有できる細かい作業があった、という違い、

米林監督が、本来のアニメ業界では、美術設定があるのは普通だけれど、種田氏の場合はより凄くて、建物が建てられるだけの設計図があった、と、やはり例の「湿っ地屋敷」設計図に言及。

種田氏本人は、実写映画の時と同じように、何となく、じゃなく一応検証されている、模型、図面も作った、とのことで、中でも米林監督と西村プロデューサーが驚いたのは、屋敷の表面に凹凸ある”型ガラス”で、視界を遮るための曇りガラス状のもの、らしく、

杏奈がその後ろを通るシーンが流れ、やってみると凄く効果がある、屋敷自体が個性を持つ、この屋敷自体がキャラクターでなければいけないので、積極的に種田さんの意見を聞いて存在感を出した、とのこと。

種田氏も、描いて型ガラスを出す、というのは結構大変で、2種類の型ガラスがあって、透明度も模様も違う、要求した僕も悪いけれど、それを描けるというのが凄い!、とジブリスタッフの能力を認めてる姿勢。


正直、鑑賞時はそういう細かい所までチェックはしなかったけれど、これまでは、宮崎監督の頭の中にあった才覚のなせる独自の”図”が、

今回種田氏によって具体化された図→スタッフ作業、の流れだったようで、やはり新たなジブリ路線、とは思ったのだけれど。


a0116217_1420328.jpg8/26追記:で、一方石山蓮華のバーナム・オーバリー紀行。米林監督もイギリス(の原作(←(C)岩波書店)舞台地?)は未踏、湿地と空がどんな感じなのか気になる、とのことで。

ここはロンドンから電車で北方へ2時間、さらにそこから車で1時間だ、原作本の最後でも、かつて物語を愛読した日本人男性が、偶然何とか地元のバスからここを発見、感動、というエピソードがあったけれど、やはり交通便は良くなさそうな。


石山蓮華は、当地でまず「サイロ」のルーツ、原作の「風車」。200年前から立ってて、元は小麦を挽く作業場だったのが、今は民間人の休暇のためのコテージで20人ほどが生活できる住居、そう広くはない円形でこざっぱりした部屋だけれど、小ざっぱりした感じ。

劇中や原作でも、この塔からの風景、というのはなかったけれど、その屋上からの眺めが、広い田園風景、遠くに海が見えて、その手前に広がってるのが湿地で、

海岸線に沿って湿地が45キロ程続いてる、そうで、さすがに劇中よりもスケール大きな大自然。バーナムオーバリーの自体は人口311人のささやかな村らしいけれど、

やはりこの自然目当てに避暑客も来る土地ので、ジョーン・G・ロビンソン一家もそんな層だったようで。


石山蓮華はその湿地に近づき、やはり劇中と同じく、海と繋がってて満ち潮と引き潮の時で、風景が一変。自然保護区でもあって、多くの生物が暮らし、ボートで進むとアザラシの大群。

そして原作でアンナが、世話になってる奥さんに頼まれて取りに行ってた”あっけし草”は、実際この土地で夏の1か月間だけ手に入り、食用にされてて、見た目は菊名や水菜の葉の少ないもの、のようで、

石山蓮華が、水辺からそのままつまんで口にして、しょっぱい、触感がサクサクしてる、と感想。案内の地元の男性は、アスパラガスのような味がする、と。

その美味しい食べ方、というのが、近くのレストランで、焼いた魚(スズキ)のアクセントとして、ゆでたあっけし草を添えて、ガーリックソースで味付け、という料理になってて、石山蓮華は、魚の香ばしさとあっけし草の塩味と合って、美味しい!と。

これは日本では多分ない草なのだろうけれど、’67年の小説に書かれてた地元産の自然食材が、いまだにポピュラーに食べられてる、ということは、やはり自然保護区だけあって、開発、汚染は免れてるのだろうと。


9/1追記:その後、石山蓮華は今は亡きジョーン・G・ロビンソンの娘さんに会って、原作の舞台がこの地にしたことについて、

潮の満ち引きや鳥の鳥の声が特徴的で、自然豊かな湿地はアンナの内気な気持ちを表現するのにぴったりだったんだと思う、のような、というコメント。

劇中では鳥の鳴き声、というのはなかったけれど、潮の満ち引き、というのは確かに、所々でポイントになってた感じ。


また、その娘さんの船で、「湿っ地屋敷」のモデルとなった、赤いレンガ造り、青い窓枠の建物のある場所を案内、壁だけじゃなく、屋根も赤くて、前は人が住んでいたけれど、今は穀物倉庫、だそうで、

日本ではなさそうな色合い、劇中の「湿っ地屋敷」とも随分違うムード。種田氏はこの実際の屋敷の外観を知ってたのか?だけれど、やはり色合いなども、北海道の舞台に合わせてオーソドックスにアレンジした感じ。

娘さんの話では、母は湿地を横切ろうとした時に、金髪の女の子が窓際で髪をとかしてもらっているのを見て、それをきっかけに、「・・マーニー」を思いついた、とのことで、

劇中でもマーニーがばあやに髪をとかしてもらってるシーンがあったけれど、そういう原風景が、実際作者の経験にあったのだった、と。

石山蓮華は、イギリスに来て、作者と同じ景色が見られて、凄く嬉しいです、と感動。


ロンドンで、ジブリが「・・マーニー」上映、娘さんも見て、原作に似ている所とそうでない所があったけれど、キャラクターたちの感情は生き写しでした、母に見せたい、本当に素敵な作品でした、とコメント。

40年を経て、遠い日本でアニメ化された作品、やはり何というか、心ある素材が時と空間を超えて伝えられる、というのは価値あることだとしみじみ。


スタジオでは、中田敦彦と桝太一アナウンサーがが、新たな世代だから伝わること、として、「・・マーニー」では、大人たちも、杏奈の義母頼子も親としてまだ手探りだったり、北海道の夫婦も少し(気分が)若い、

そういう作品は、米林監督と西村プロデューサーの世代だけらはっきり描けたのかも、人生を達観してない、完成していない何かがあったかも、と述べて、

西村プロデューサーは、宮崎さん、高畑さんはおじいちゃんだからああいう作品を作ったけれど、ああいう人生を経てきて作れる作品で、僕らは背伸びしてもそこまで辿り着けると思ってない、

今自分達が大事だと思うものを丁寧に伝えていきたい、、という思いが強い、

米林監督は、かつて思春期だった人にも、凄く伝わってる所もある、そういう意味では、僕自身が思春期を思い出して作ったことがことが伝わったのかな、などとコメント。


ジブリ初の全編英語歌詞のテーマ曲、プリシラ・アーンが引っ込み思案だった学生時代を思い出しながら書いた歌詞が、杏奈の心情にぴったりだった、とのことで、

「So, I learned to be OK with  Just me, just me, just me・・」とソフトに歌い上げる、押しつけがましくない、この楚々とした清涼感ある曲もやはり、この作品の好感度の一つ、と改めて。




最後に、Wヒロインの声を担当した2人、高月彩良が米林監督の第一印象について、フワフワしたオーラを持ってて、森の妖精、という感じ、

有村架純が西村プロデューサーの第一印象について、目力が本当に凄くて、キッと見られると目をそらしたくなる感じ、と、述べて、それを受けてスタジオで、まとめると、妖精と目力、と笑いで締め。

そういう、このコンビでの、新たなジブリの息吹、も色々感じられて、私好みでもあった「・・マーニー」だけに、この放映後の制作部いったん解体、のニュースはとても残念、

鈴木プロデューサーの、宮崎後任は庵野英明監督、というような発言もあったようだけれど、そういう派手目路線とは別に、今回の少女漫画風ナイーブ路線を、今後何らかの形で是非繋げて欲しい、と願いたいです。

関連サイト:「思い出のマーニー」秘密を探る イギリス秘境旅 紹介サイト
思い出のマーニー 公式サイト
関連記事:男鹿和男展ゲド戦記(’06)プロフェッショナル 宮崎駿スペシャル崖の上のポニョ(’08)プロフェッショナル 宮崎駿のすべて<1><2>スタジオジブリレイアウト展借りぐらしのアリエッティ(’10)借りぐらしのアリエッティ(’10)<2回目>The Borrowers(’52)/床下の小人たち(’52)野に出た小人たち(’76)ジブリ創作のヒミツ~宮崎駿と新人監督 葛藤の400日川をくだる小人たち(’76)借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展空をとぶ小人たち(’69)小人たちの新しい家(’82)小人の冒険シリーズと「借りぐらしのアリエッティ」コクリコ坂から(’11)風立ちぬ(’13)<1><2>ひこうき雲/荒井由実(’73) ミュージッククリップ放映思い出のマーニー(’14)思い出のマーニー×種田陽平展思い出のマーニー公開記念 米林宏昌原画展思い出のマーニー / ジョーン・G・ロビンソン (’67)アニメーションは七色の夢を見る 宮崎吾朗と米林宏昌


  




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by MIEKOMISSLIM | 2014-08-24 00:05 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)

    

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