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借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展

一昨日、東京都現代美術館で開催中のこの展示会に母と行ってきました。「借りぐらし・・」舞台を現実拡大セット化、小人目線になれる、等との事で、是非見てみたいと思っていて、10月3日までですが、行ける時に、というのと、最寄の地下鉄清澄白河駅でもこの展示会記念展、というポスターを見かけて、

それは今月末までで、それもどういうものだろうか、と少し気になったので。駅のは、アリエッティ関連、というより、歴代ジブリ作品ポスター展で、「おもひでぼろぼろ」「魔女の宅急便」が隣り合っていたり、ちょっと郷愁、

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この作品はこういうポスターだったのだった、というのもちらほら。「・・アリエッティ」隣は「・・ポニョ」でした。


この美術館は、一昨年「スタジオジブリレイアウト展」以来、その前も「男鹿和雄展」でジブリ関連だったのでした。展示会場への待ち時間はなく、即入れて、3Fからスタート。

9/1追記:入り口の、レンガ質の薄い直方体を幾つかくりぬいたような所をくぐって入ったのですが、後でパンフレットで、劇中翔が角砂糖を置いたりした、通気孔イメージだったのだった、と。中は薄暗く、久方の、遊園地の「~ハウス」のような感触。

a0116217_13314369.jpgまず小さな半開きの緑のドアがあって、アリエッティの部屋で、通路の窓から、こじんまりした室内が見えて、

やはりベッドカバーのキルト模様もそのままで、小さな本や小間物、植物ジャングルのような内装の、現実立体化、という、この展示ワールドへの導入部でした。

一家の居間は割とゆったりスペースで、観客が食卓のテーブルや長椅子に座ったりしていて、私達もしばらく長椅子に座り、私はホミリー用のロッキングチェアーにもちょっと座ってみましたが、

窓の貼り絵はやはり海の眺めで、入り口横に、2度目鑑賞の時気付いた鉛筆キャップでの一輪挿しもあったり、結構忠実な再現、という感じ、部屋を出た通路脇に、原作にもあった、チェスの駒オブジェも。

その他、細々した作業道具、巨大サイズのセメダイン等もあったポッドの仕事部屋、水屋、ポッドとアリエッティが上の家へ上がっていく吹き抜けで、リフトに使っていた仕掛け、まであったり。

通路に、切手を絵代わりに飾っていたり、というのも再現してましたが、日本の地名消印のある日本の切手、というのは、多分劇中でもなかったかと思うのですが、今回もない方が良かった気が。些細な事で、この展示のスタッフ手作り過程の微笑ましさ、という感じも漂ったり、ですが、

「借りぐらし・・」は、原作の英国舞台を日本に移して、ではあっても、無国籍ファンタジー、のような趣が、ちょっとそがれた気がしたり。

その他、ちょっと気になったのは、最後にまた通気孔を通って、庭セットに出るのですが、そこの草花が、基本的に小人目線感覚で大きくしてある中、折に普通の小さいものも混じっていたり?という事位。

最後の方に翔の部屋、もあって、小人目線での巨大な靴下+靴と椅子。机や本等は手描きで、さすがに人間サイズの生活空間の拡大模型部屋、ではなく、一部を覗くだけの作り。小人の部屋の規模からすると、という拡大サイズですが、

改めて、小人サイズ、というのが切実に感じられたのは、1Fの、展示設計図や、「借りぐらし・・」イメージボードの展示コーナーの傍らにあった、原寸大、というアリエッティの部屋、居間、仕事部屋のドールハウス。

立つと10センチ位のような、アリエッティ人形も自分の部屋にいたのですが、一連の展示を見た後でもあってか、設定は実際正味こういうサイズ、小さい世界で、部屋を飾ったり工夫して、暮らしている、という健気さ、というか、じんわりきて、一番印象的展示、というと、この最後のドールハウス、だったかもしれません。


また、これを創った種田陽平が美術を手掛けてきた他の作品紹介も、なかなか懐かしかったり興味引かれました。セットの写真や、イラスト、図面等展示あった作品中私が見ていたのは、「スワロウテイル」('96)「冷静と情熱のあいだ」('01)「いま、会いにゆきます」('04)「THE 有頂天ホテル」('05)「フラガール」('06)「西の魔女が死んだ」('08)「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ」('09)で、
                                      (C)(株)集英社
a0116217_14354686.jpgパンフにあったその他のものでは「雪の断章ー情熱ー」('85)「稲村ジェーン」('90)「花とアリス」('04)「69 sixty nine」('04)「日本沈没」('06)等で、そう名を意識した事はなかったのですが、CM、舞台美術、PV、アートブック等色々手掛けてるようで、’04年度マイベスト「花とアリス」の美術監督だった人、というのが、一番印象的。

パンフの岩井監督談で、「花と・・」では、「イミテーションのような町の中に何かほんとうの美しさがある、という世界観について、ロケハンや撮影中に、美術監督と語り合いながらつくっていくのは、とても楽しいものでした」とあって、あの作品の何とも”宝石箱”的映像を仄かに思い出したり。

「スワロウ・・」は、好み的には微妙だったのですが、あの無国籍世界仕掛け人の1人だった、という事も。ぎっしり建物が描き込まれたイメージボードがあったり、一連の紹介映像コーナーでの、少し映った「円都(イェンタウン)」もノスタルジー。

同監督談で、ロケ地を求めてアジア中探し回り、結局東京でオープンセットを組んだのだった、というのも改めて、でしたが、種田氏が、色んな仕事をしていて、独特なやり方への理解もあって、この作品でも、現場で作品の「世界観」について話し合えたのがよかった、との事で、

種田氏が映像で、映画監督とのうまいコラボレーションが大切、のように語っていて、「スワロウ・・」での岩井作品での布石が「花とアリス」にも繋がっていたのかも、と。

そういう面では、種田氏は李相日監督の初のメジャー作「69・・」で美術サポート、その信頼関係で「フラガール」も同監督から依頼、炭鉱町はリアルに、ハワイアンセンターはファンタジーのように、という映像の創り手だったのだった、と。新作「悪人」も担当のようで、一見本物のような白い灯台セットの写真等も。

(C)(株)角川書店
a0116217_14374612.jpgまた「冷静と・・」での順正(竹野内豊)の部屋、等アーティスティックなものや、「いま、会い・・」の現実と幻想混じった楚々としたファンタジー空間、「THE 有頂天・・」の「ホテルアバンティ」の巨大セット等、

覚えあるだけでも様々なテイストの背景の仕掛け人だったようで、改めて、「借りぐらし・・」展もですが、建築家並みの知識や技術等も要りそうで、そういう裏方側からの展示、というのも余り覚えない切り口でした。

9/2追記:最近の担当作品で見ていたのは、「西の魔女・・」「ヴィヨンの妻・・」で、「ヴィヨン・・」では佐知が働く居酒屋や、夫婦が歩いていた街頭のある夜道等の写真がありましたが、
                                         (C)(株)新潮社          
a0116217_15293728.jpg種田氏のコメント欄に、「松たか子さん演じるヒロイン佐知が、どうしたら映画の中で輝いて見えるか、それを念頭に構想した」ような談があって、浅野・松が演じる太宰の時代、という何だかお芝居っぽさを、見る側にリアリティを持たしていた背景美術、という繋ぎ役的な、とも。

「西の魔女・・」の清里の家は、元々あった所でなくセットだった、というのも改めて、でしたが、種田氏コメントが「イギリス人のライフスタイルを日本の材料と小物でつくりこんだ、「借りぐらし・・」にも通ずる世界」等とあって、

「借りぐらし・・」パンフで、「西の・・」原作者梨木香歩さんのコメントがあって、そう言えば両作品の家の雰囲気が何処となく似てるような、と思って、感想に書いていたのでしたが、思えば英国ルーツ、という共通点があったのでした。


売店コーナーで、美術展のでは久方にパンフレットと、先日劇場での、とは違うB5アリエッティノートがあったので、それと、劇中のドールハウス、庭、草原に寝転ぶ翔、実写セットのアリエッティの部屋のカード購入。おまけに「借りぐらし・・」の掌サイズのミニ本「吉田昇美術ボード集」「デザイン集」2冊もらいました。母は庭と家、ドールハウスのを買ってました。

母は、映画の美術の素晴さを感じた、「借りぐらし・・」のは、ちょっと小人から見たのか、人間からなのか?という大きさの物もあったけれど、という所。先日「借りぐらし・・」、「THE 有頂天・・」「フラガール」等は一緒に見ていたのでした。、

a0116217_1353616.jpgその後、同時開催していた「こどものにわ」展を見て、2Fのベトナム料理カフェで、私も母も「まぜまぜご飯プレート」にして、遅め昼食に。カレー風味のひき肉や、グリーンカール、水菜、みつば、ピーナッツ等入ったまぜご飯+グリーンサラダで、味はスパイシーで、まあまあ。母は、麺類のフォーと肉団子の方にしても良かった、と。

お盆がちょっとエスニックな可愛さで、皿と一緒に、デザートなのか、おかきのようなスナックがばらっと載っていて、あっさりした海老せんべいのような味。


後でパンフを見ると、種田氏は、勿論「借りぐらし・・」製作には関わっていなくても、今回の製作は「借りぐらし・・」製作と同時期に進行していたようで、思えば、こういう風に映画公開と同時期の展示、にするには、規模的にも、その位でないと間に合わなかった感も。

                                   (C)(株)岩波書店
a0116217_144767.jpgやはりジブリ側からの企画、だったようで、同氏は鈴木敏夫氏から話を聞いて、2次元に描かれた世界を3次元に立ち上げる、というのが面白い、と思って、実写でのセットを創るつもりで創った、そうでしたが、

まず「床下の小人たち」を読んで、アリエッティの生きる世界を想像、元にしたのは完成作品、でなく、映画同様、最初の宮崎監督のイメージボードだったのだった、と。

チラシの裏に、鈴木氏談で「宮崎駿×種田陽平、実際の映画ではなかなか実現しない、この夢の饗宴。」とあったのですが、今回いつになくややハマった感じの「借りぐらし・・」を、「花とアリス」美術監督だった人が実写セット化、という、なかなか個人的にはツボだった、企画ものでした。

種田氏は、昨年春までジブリ美術館でやっていた「小さなルーヴル美術館」展にも参加していたようで、そこからの流れだったかもしれませんが、今軽井沢に場所を移して開催中、来月24日まで、との事で、

これは今回と逆にルーヴル縮小版、やはり見てみたい気持は起こったのですが、実際行くのはちょっと難しいかも。でも今回のは見ておけて、種田作品という+αもあったし、心残りなく満足でした。

関連サイト:借りぐらしのアリエッティ×種田陽平METRO GHIBLI Poster Gallery(メトロジブリポスターギャラリー)小さなルーヴル美術館展
関連記事:花とアリス(’04)69 sixty nine(’04)(34)、THE 有頂天ホテル(’05)日本沈没(’06)フラガール(’06)ジブリの絵職人 男鹿和雄展スタジオジブリレイアウト展西の魔女が死んだ(’08)ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~(’09)借りぐらしのアリエッティ(’10)借りぐらしのアリエッティ(’10)<2回目>The Borrowers(’52)/床下の小人たち(’69)野に出た小人たち(’76)ジブリ創作のヒミツ~宮崎駿と新人監督 葛藤の400日川をくだる小人たち(’76)空をとぶ小人たち(’69)小人たちの新しい家(’82)小人の冒険シリーズと「借りぐらしのアリエッティ」
(スレッドファイルリンク(ここでは「花とアリス」~「フラガール」)は開かない場合あるようです)

           (C)(株)スタジオジブリ
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                        <パンフレット>

by MIEKOMISSLIM | 2010-08-31 00:00 | 芸術・映画 | Trackback(4) | Comments(0)
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「KYOKO」は’02年に映画掲示板にスレッドを立てた村上龍監督、高岡早紀主演映画で、当ブログはそのスレッド、次のブログに続いての3代目です。マイペースで、長年ファンのユーミン関連初め音楽、美術展、仕事、グルメ(食事)、映画、本、日常、旅のことなどアップしてます。


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