アントワープ王立美術館コレクション展

昨日、東京オペラシティアートギャラリーで今週末3日(日)までのこの展示に母と行ってきました。ここは未踏で、京王新線の初台駅から直結だったのですが、この路線も初めてで、ホームが通常の京王新宿駅からやや離れていて、思ったより乗り換えに手間取ったり、

着いたら、ここは珍しく11時開館で、少し入り口前の美術ショップを見て廻ったり。この施設自体モダンで広く、日曜でもそう人波が、という訳でなく機能具合は?という感じもしましたが、美術館自体ゆとりのスペースで、結構ゆったりと見られました。

a0116217_2219373.jpg19世紀末~20世紀中頃までのベルギー絵画70作品を、4章に分けての展示。やはり気になっていたのは、マグリットとデルヴォーで、手元の図録を見ると、それぞれ’95年三越美術館、’97年伊勢丹美術館での単独展に行ってたのですが、思えばこの新宿の百貨店美術館もなくなってしまった、と。(→普段使ってるマグリット「光の帝国」しおり)

今回ポスター、チラシに使われているのもマグリットだし、この2人が目玉かと思ったのですが、第4章「シュルレアリズム」の最後の方にそれぞれ3点、2点あったのみで、それはちょっと肩透かし。でも彼ら以前の、印象派、キュビズム絵画等、思ったより多彩な内容。

デルヴォーは、一昨年放映での「化身」で劇中、作品が飾ってあったのを見かけてたのでしたが、実物は、どうも前回の単独展以来、かと。マグリットは先日「画家と庭師とカンパーニュ」('07)で、オートゥイユの画家が妻に「マグリットの図録の編集をしてるんだって?ベルギー美術はいいね」等と言うような科白があったり、カード類等は折に見かけますが、やはり単独展以来かも。

今回のマグリットは、部屋中央のキャンバスの風景画から雲が2片飛び出ている「復讐」、木立の中に三日月、の「9月16日」(↓チラシ)、巨大な岩の下の箱に男が横たわる「嵐の岬」で、「9月・・」は何バージョンかあるようで、覚えはあって、

後で見たらやはり手元に同じ題のカードがあったのですが、構図は全く同じでも、色彩や木の下の様子がやや違ってました。デルヴォーは、バックが低いむき出しの山並み、広い石畳の庭に裸体の女性達、中にはリボンやベールをまとっている姿も、という「バラ色の蝶結び」。

それと水彩での「ウェステンデの海」ですが、前のデルヴォー図録を見直して見ると、初期に、印象派風の風景画はあったのですが、こういう単色水彩で、墨絵のようなタッチの、というのは初でした。


a0116217_14493047.jpg9/28追記:その他、第1章「アカデミスム、外光主義、印象主義」で目に留まったのは、バルビゾン派の影響、というフランツ・クルステン「陽光の降り注ぐ小道」、スーラの影響で点描のアルフレッド・ウイリアム・フィンチ「西フランドルの風景」、森の中をベールを手に歩くニンフのような裸の女性の、ヤン・ストーブの「バラのシャワー」。

そして、緑茂る庭、羊をバックに、少女が花束を持って佇むジャン・バチィスト・デ・グレーフ「公園にいるストラーブ嬢」(↑カード)は、白いレースの広がるドレスとはややアンバランスな気がする、怯えて、という訳ではないかもしれませんが、醒めたような少女。この表情がもう少し穏和、また愛らしかったら、おそらく今回一番気に入りだったかと。

a0116217_14584493.jpg第2章「印象主義とプリミティヴィウム」では、家並みや行進の様子を精密に描いているジェームズ・アンソールの「フランドル通りの軍楽隊」、空のスペースが広いヴェレリウス・デ・サデレールの「フランドルの雪景色」、

そして、マグリットはやや別格として、その他で今回一番印象的だった、レオン・フレデリック「咲き誇るシャクナゲ」(→カード)。窓際の椅子に載ったシャクナゲの鉢、それを傍らで見つめる少女の、表情は伺えませんが、窓からの光が包む、少女体型でブロンドの髪と同じ色のシンプルなドレス+シャクナゲの白の混じった紅色が調和していて、さり気なく豊かな小世界、という感じで好感でした。

題材や構図的に、先日「語りかける風景」展でのベスト作品だった「女性とバラの木」を思い出したりしましたが、その素朴少女版、というか。

第3章「ポスト・キュビズム:フランドル表現主義と抽象芸術」では、女性の銀・白のドレスが浮き立つフリッツ・ファン・デン・ベルへの「ポール=グスターフ・ファン・ヘックとその妻ノリンの肖像」、半円の組み合わせ構成のヤン・キームイ「友情」の色バランス、あたかもそこにいる独特の丸い造詣の女性二人が、実は男性が描いている絵、というグスターヴ・ファン・デ・ウーステイネの「リキュールを飲む人たち」。

a0116217_2224418.jpgカードはそう種類ありませんでしたが、買ったのは上記の「9月16日」「公園にいる・・」「バラのシャワー」「咲き誇る・・」、

そして、展示外のマグリットカードコーナーもあって、緑の葉に囲まれたキャンバスにまた森の絵の「LA CASCADE」(←カード)を買って、やはりこれも手元にあったのでしたが、今回の方が濃い色彩。母はやはりキュビズムやシュルレアリズム等はこの絵がこの題?でしたが、「咲き誇る・・」カードを買ってました。

9/29追記:出る前に同館コレクションからの「幻想の回廊」展、ペンキで家を描いた川見俊展を見てきて、「幻想の・・」では、かたつむりの殻に一家が住んで、その周りに食べ物屋の小船がいる川原田徹「カタツムリ島・星月夜」、雨筋がつたうようなガラス窓ごしの中世風の家並みと田園風景の川村悦子「冬の旅Ⅱ」等が印象的。

敷地内の「WEGO TEXAS」というステーキ店で、私は「オペラステーキ」ランチ(↓)、

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母は「おろしハンバーグ」ランチ(↓)で昼食に。

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デジカメ記録は、やはりフラッシュ具合明るすぎでしたが、ステーキは割と柔らか、母のも、ハンバーグ自体久し振りだそうで、まあ美味しかったようでした。

気になっていた展示会の1つで、予想とは違ってましたが好感な作品もあって、このモダンなオペラシティ美術館も経験で満足でした。

関連サイト:アントワープ王立美術館コレクション展
関連記事:化身(’86)語りかける風景画家と庭師とカンパーニュ(’07)

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                       <展示会チラシ>
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by MIEKOMISSLIM | 2010-09-27 00:00 | 芸術 | Trackback(2) | Comments(2)
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Tracked from サーカスな日々 at 2010-11-23 03:36
Tracked from はろるど・わーど at 2010-12-11 01:39
タイトル : 「ベルギー近代美術の殿堂 アントワープ王立美術館コレクシ..
東京オペラシティアートギャラリー(新宿区西新宿3-20-2) 「アントワープ王立美術館コレクション展 アンソールからマグリットへ - ベルギー近代美術の殿堂」 7/28-10/3 東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「アンソールからマグリットへ - ベルギー近代美術の殿堂 - アントワープ王立美術館コレクション展」へ行ってきました。 本展の概要は以下の通りです。 (展覧会WEBサイトより転載。) アントワープ王立美術館の所蔵する14世紀から20世紀にわたる幅広く膨大なコレクション...... more
Commented by kimion20002000 at 2010-11-23 03:37 x
TBありがとう。
やっぱりポスターの「木に三日月」が一番印象的だな、と思いました。
Commented by MIEKOMISSLIM at 2010-11-23 16:15
kimion20002000さん、TB、コメント有難うございます。
ポスターの絵は、私は以前似たものの馴染みはあったのですが、実際の作品の前に立ったら、改めてインパクト感じました。
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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!


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