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SONG FOR LOVE(’10)

「BANDAGE」の系統で、見てみようと思った作品、劇場公開はされずDVDのみこの夏リリースだったようで、昨日見終えました。「BANDAGR」ヒロイン、麻子は1ファンとしてバンドに入り込んでいきましたが、この作品のヒロインも女子高生、でも自らギタリストとして好きなバンドに関わっていく、という展開。

バンド界に入り込んでも、そうすれない直球型少女、というのは「BANDAGE」と同じ。何をしても中途半端な日々の中、ヒロイン瀬利奈(黒川芽以)は、たまたまライブを見たバンド「フレンティア」に触発され、以前かじったギター熱に目覚め、1度聞いただけの複雑なコード進行を覚え、野外で自主練してるのを聞いたバンドの面々に、腕を認められ、

メンバーの不慮の事故死、その影響での脱退もあって、期限付きで誘われて、というやはりシンデレラ・ストーリー的でも、打ち込める物、認め合う仲間との出会い、失敗を恐れず思い切って自分を発揮、という成長を描いた青春もの、なのですが、

特に原作はないようですが、とにかく全般の科白が、あえてコミック風にこだわって?という程に、学芸会的で、「エースをねらえ!」のお蝶夫人が彷彿、の令嬢言葉の女子高生、「ベルばら」オスカルのような男言葉の女ミュージシャン天宮等もいたり、ある種怪作、というか珍作、という感も。

映像は、夜、外のシーンでどうも登場人物の姿がぼんやり暗すぎたり、昼でも、逆光の時に、人物が手暗がりになったり、というのは気になったのですが、舞台の御前崎は、「メゾン・ド・ヒミコ」や「間宮兄弟」でもロケ地だったようで、劇中でもちらほら映り、冒頭やラストを飾った海岸沿いの景色がのどかで綺麗。


瀬利奈役黒川芽以は23才らしく、でもそう制服姿も違和感なく、ちょっと以前の長澤まさみのような感も。以前の出演作で、ギターの嗜みはあるようで。彼女と別世界人間、モデル・声優のニーコが役名そのままでボーカリスト役、こちらは声質やキャラクターが、(JUDY&MARYのYUKI+Chara+YOU)÷3、のような印象で、

You tubeにあった歌とは、ややイメージ違うのですが、このドレッドヘアのニーコの、独特の抜けたボーカルや、ざっくばらんなまとめ役的存在感が、この作品の、奇妙なアンバランスさの中の要、だったかと。

               

黒川、ニーコは私は初見でしたが、知ってた出演者は、バンマスのドラマー役加藤晴彦。「あいのり」司会で以来でしたが、堤防で、体力トレーニングしてる少年の目付け役、のような少女が、少年の頭を叩いていたのを見て、「人の頭を叩くな、叩くならドラムにしろ!」と注意して、あっさり罵言を返され苦笑い、でしたが、そのシーンが何だか印象的。

暴力が映像に当然のように溢れる今日、若者に「短絡に、人を殴っちゃいけない」主旨の警告自体、ちょっと不意打ちのような感じ。全編の科白回しには上記のように、ただ怪作・珍作感、のこの作品でしたが、折に、真っ当すぎな一言、のようなものが奇妙な新鮮さ。


それと、瀬利奈の母役、森口博子。「BANDAGE」での斉藤由貴同様、随分姿も久方、と思ったら「バブルでGO!!タイムマシンはドラム式」('07)に少し出てたようでしたが、パラドルイメージだったこの人も、若手女優の母役、という域に、と。でもこの母も、高校のクラブを色々転々とする娘に、何か本気になれるものを探しなさい、と叱咤、の反面、

夫との会話で「あの子は、本気過ぎて、半端に適当に物事を続けられるタイプじゃない」と理解している懐、はいいのですが、バンドに夢中の余り成績が学年最下位になって、担任にプレッシャーをかけられ、音楽は我慢して勉強中の娘に、ギターも勉強も一生懸命やればいいじゃない、と、ギター練習をそれとなく促したり、

サラリーマンらしき父(田中実)と共に、一人息子、でなく、一人娘、に対して、何だか妙に物分り良すぎ、な位の物腰。田中実は近年見た中では、「出口のない海」('06)にも出てたのでしたが、この父もかなり柔軟。

思えば斉藤由貴の母役もただ傍観的、でしたが、両親自身にそういう音楽経歴、という訳でもなさそうで、高校生の娘の、クラシック等、でなく今時のポップ音楽界への傾倒、に全く不安も抵抗もなく、これは、この人だから似合うのか、やはり大らか、というよりはやや不思議母タイプ、という感触が。

真っ当すぎ、と言えば、この作品は「BANDAGE」等と違って、タイトルに「LOVE」はあっても、全く恋愛沙汰、その気配すらなし。男女絡みの青春音楽ものに、思えばこういうのも珍しいかも、と。

あるのはただ仲間としての友情・同志的結束。結果的に、瀬利奈の、素人にしてはいい勘・腕を持つギター才覚、明るさや芯のある真直ぐさ、をバンドのパワー源、とメンバーが認めて、励ましつつ歩んだ成長記、で終わっていて、硬派音楽もの、という訳でもないですが、そういう意味では、体育会系爽やか感、というか。

12/2追記:また、バンマスの事故の悲劇、それによるギターの天宮の離脱で、残された「フレンティア」のニーコとベースマンは、それぞれ東京で、ソロへの道、スタジオからアレンジャーとしての誘いもあって、自分の事だけを考えれば、その時点でバンド解散、でも良かったのに、

やはり、物事には順序がある、このままだとバンドとしてのケジメがつかない、という思い。素人の瀬利奈と、腕はあってもくすぶっていたドラマーを引き入れて、再度、夏のポップコンテスト制覇を目指した、という経緯が、マイナーな一時的バンド、ではあっても、そこはこの物語の一本筋が通っていた部分、と。


この監督の"亜蘭隅志"という人は、どうも検索してみても情報は出て来ず。御前崎はこの人の故郷か何かなのか?この作品自体、プロ俳優出演作ではありますが、その微妙に個性的面々、珍作度、といい、どういう経路で作られたのか?何とも不可思議作品、ではありましたが、見終わった後味は、意外と悪くなかった。

比べてどう、というものではないかもしれませんが、この作品を踏まえて「BANDAGE」を思い返せば、映像、脚本、音楽等、改めて色んな意味で、やはり洗練されていた、とは思えるし、こちらは見方によれば珍奇な駄作、かもしれないですが、

もし若年層に向けて、と思えば、いくら知名度あっても、ある種の作品よりは、余程斡旋GOサイン、です。そう巨額な瀬作費、にも思えず、劇場公開もされず、Amazon検索では出てこないのですが、ひっそりDVDになって、余り知られてる風でもなく、でもこういう作品が、何らかの意向あって創られていて、というのが妙に感慨、という所。

瀬利奈が中1の時から持ってたのは赤のエレキギター。私も小学校高学年位の頃、白いギターを買ってもらい、コードを覚え、当時友人達もそういうギターを持ってて、たまに持ち寄って何か弾いて歌ったり、一時期熱中して、環境的に、このヒロインのように、生のライブに刺激受けて、という機会もなかったですが、

「明星」「平凡」の付録の歌本の楽譜等のコードを見ながら、色々歌謡曲やフォーク弾き語りしてみたり。今となって具体的に思い出せるのは、確かAm、Dmとか4コード位で弾けて、一番簡単だった、という覚えの陽水の「愛は君」、位なのですが、

               

ジャンルは違っても、ちょっと郷愁でした。

関連サイト:インターフィルム Interfilm Online「ソング・フォー・ラブ」
関連記事:メゾン・ド・ヒミコ(’05)間宮兄弟(’06)出口のない海(’06)バブルへGO!!タイムマシンはドラム式(’07)BANDAGE(’10)
(スレッドリンクファイル(ここでは「メゾン・ド・ヒミコ」)は開かない場合あるようです)

  

by MIEKOMISSLIM | 2010-12-01 00:00 | 邦画 | Trackback | Comments(0)
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