2011年 01月 04日
モネとジヴェルニーの画家たち
<同展チラシ>
モネが42才の時移り住んで、ずっと生涯を送った、パリから北西に約80キロの小さな美しい村ジヴェルニー。昨年6月の番組「プレミアム8<紀行>」で、華道家假屋崎省吾が「モネの庭」を訪れていたり、
先月行った「セーヌの流れに沿って 印象派と日本人画家たちの旅」展でも、第4章が「ジヴェルニーと芸術家村」で、モネ、ボナールや日本人画家作品等もあったのでしたが、
今回は、モネ作品は思ったより少なく全体の5分の1位、他はアメリカ人画家の作品が多くて、75点を4章に分けての展示。
1/5追記:中にはモネファミリー的な作品もあって、カミーユの死後再婚したアリスの連れ子達の中の次女、ブランシュ・オシュデ=モネの「ジヴェルニーの庭、バラの小道」(チラシより右↓)は、今回展示はなかったですが、モネの1902年作の「ジヴェルニーの庭」(カード左↓)と同じ場所を描いているようで、
ブランシュは、モネの長男ジャン・モネと結婚、その時点で義理の兄妹か姉弟だったはずですが、慣例的に支障なかったのだろうかと。第一次世界大戦時ジャンが死亡後、晩年のモネを献身的に世話をしたそうで、製作時はモネ没年の、1926年以降、とあって、何だかオマージュ的な感も。
またやはりアリスの連れ子の3女スザンヌは、モネとアリス結婚の同じ頃、アメリカ人画家セオドア・アール・バトラーと結婚、年表を見るとわずか4日違い、のようですが、モネがその直前にアリスと結婚したのは、スザンヌの父として、婚礼に出たかったから、等という内輪事情も見かけたり。
モネの義理の娘とアメリカ人画家の結婚、というのは、この芸術村にとって大きな意味があった、旨解説にあったのでしたが、
この画家の作品は5点あって、血は直接繋がってないですがモネの孫達を描いた、ピンクや紫基調の「画家の子供たち、ジェイムズとリリー」や、この婚礼の行列の様子を、友人のセオドア・ロビンソンが描いた「婚礼の行列」という作品等も。
1/6追記:そういう、モネ関連人物画もあったのですが、今回、ジヴェルニーで人物画は描かなかったモネに対して、アメリカ人画家達は、村の人々の暮らしの様子も多く描いて、1章「周辺の風景」はほとんど風景画ですが、2章「村の暮らし」3章「家族と友人」では、結構人物も登場、
人物画で一番気に入ったのは、チケット(↓)、チラシにも使われてたリチャード・ミラーの「水のある庭」。モネの風景画中心、とイメージしてたこの展示、やや趣向は違ったのですが、これはこれで、趣あったかと。
風景画で目に付いたのは、やはりモネへの敬意、また意識しながら、自分の画風を追求、という趣の作品で、
ジョン・レスリー・ブレックの、モネの連作の模倣でなく理解を示してる、旨解説文あった、12枚並んだ「積みだわらの習作」や、モネの積みだわらを、より淡くソフトにしたような「朝霧と日の光」(カード→)。
そして、今回展示はなかったですが、モネのジヴェルニー風景画の中で印象的なのが、大判カードが手元にある「Field of Poppies near Giverny」(↓)で、
セオドア・ウェンデルの「花咲く野原、ジヴェルニー」(←カード)は、平面と立体の対照という試み、のような解説があって、構図とかこのモネ作の影響、オマージュかと思ったら、これは1898年作、モネのは1890年作で、こちらの方が先だった、と。
そして締めにモネの睡蓮連作5作品。カードを買った「睡蓮、光の光景」(↓)は、カード自体の色合いも実物モードで気に入ったのですが、似たのは何枚かあっても、やはり手元にありませんでした。
カードはその他、上記の「水のある庭」「朝霧と・・」「花咲く野原、・・」で、母は「睡蓮」(1897-98)、ジョン・レスリーの「ジヴェルニーの庭」、「水のある庭」を買ってました。
ここはモネ聖地、というイメージだったですが、300人以上の芸術家が集まってた、と。今回の展示はその一画のようで、モネ作品は期待より少なかったですが、モネと交流したり、影響受けたり、そのお膝元で、それぞれの視点で、同じ美しい風景に、何かを感じて描いてた画家達がいて、各地の印象派ルーツになった、という場所でもあった、と改めて。
「プレミアム8<紀行>」を見た後、"どこでもドア"があったら「モネの庭」に、村散歩含めて3泊4日位で行ってみたい、等と書いてたのですが、今回で、やはり村周辺部含めて、1~2週間位あっても、と思い直しました。
関連サイト:モネとジヴェルニーの画家たち
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