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Something Impressive(KYOKOⅢ)

モネとジヴェルニーの画家たち

「秋田県とみちのく物産展」で触れたように、一昨日、渋谷Bunkamuraで開催中のこの展示会に母と行ってきました。昨年、同館での「語りかける風景」展に行った時、予告ポスターで知って、注目だった展示の1つ。
                                      <同展チラシ>
モネとジヴェルニーの画家たち_a0116217_18482094.jpgモネが42才の時移り住んで、ずっと生涯を送った、パリから北西に約80キロの小さな美しい村ジヴェルニー。昨年6月の番組「プレミアム8<紀行>」で、華道家假屋崎省吾が「モネの庭」を訪れていたり、

先月行った「セーヌの流れに沿って 印象派と日本人画家たちの旅」展でも、第4章が「ジヴェルニーと芸術家村」で、モネ、ボナールや日本人画家作品等もあったのでしたが、

今回は、モネ作品は思ったより少なく全体の5分の1位、他はアメリカ人画家の作品が多くて、75点を4章に分けての展示。


1/5追記:中にはモネファミリー的な作品もあって、カミーユの死後再婚したアリスの連れ子達の中の次女、ブランシュ・オシュデ=モネの「ジヴェルニーの庭、バラの小道」(チラシより右↓)は、今回展示はなかったですが、モネの1902年作の「ジヴェルニーの庭」(カード左↓)と同じ場所を描いているようで、

ブランシュは、モネの長男ジャン・モネと結婚、その時点で義理の兄妹か姉弟だったはずですが、慣例的に支障なかったのだろうかと。第一次世界大戦時ジャンが死亡後、晩年のモネを献身的に世話をしたそうで、製作時はモネ没年の、1926年以降、とあって、何だかオマージュ的な感も。

モネとジヴェルニーの画家たち_a0116217_23174930.jpgモネとジヴェルニーの画家たち_a0116217_23191083.jpg











またやはりアリスの連れ子の3女スザンヌは、モネとアリス結婚の同じ頃、アメリカ人画家セオドア・アール・バトラーと結婚、年表を見るとわずか4日違い、のようですが、モネがその直前にアリスと結婚したのは、スザンヌの父として、婚礼に出たかったから、等という内輪事情も見かけたり。

モネの義理の娘とアメリカ人画家の結婚、というのは、この芸術村にとって大きな意味があった、旨解説にあったのでしたが、

この画家の作品は5点あって、血は直接繋がってないですがモネの孫達を描いた、ピンクや紫基調の「画家の子供たち、ジェイムズとリリー」や、この婚礼の行列の様子を、友人のセオドア・ロビンソンが描いた「婚礼の行列」という作品等も。

1/6追記:そういう、モネ関連人物画もあったのですが、今回、ジヴェルニーで人物画は描かなかったモネに対して、アメリカ人画家達は、村の人々の暮らしの様子も多く描いて、1章「周辺の風景」はほとんど風景画ですが、2章「村の暮らし」3章「家族と友人」では、結構人物も登場、

人物画で一番気に入ったのは、チケット(↓)、チラシにも使われてたリチャード・ミラーの「水のある庭」。モネの風景画中心、とイメージしてたこの展示、やや趣向は違ったのですが、これはこれで、趣あったかと。


モネとジヴェルニーの画家たち_a0116217_0193950.jpg風景画で目に付いたのは、やはりモネへの敬意、また意識しながら、自分の画風を追求、という趣の作品で、

ジョン・レスリー・ブレックの、モネの連作の模倣でなく理解を示してる、旨解説文あった、12枚並んだ「積みだわらの習作」や、モネの積みだわらを、より淡くソフトにしたような「朝霧と日の光」(カード→)。

そして、今回展示はなかったですが、モネのジヴェルニー風景画の中で印象的なのが、大判カードが手元にある「Field of Poppies near Giverny」(↓)で、

モネとジヴェルニーの画家たち_a0116217_1121672.jpg


モネとジヴェルニーの画家たち_a0116217_133055.jpgセオドア・ウェンデルの「花咲く野原、ジヴェルニー」(←カード)は、平面と立体の対照という試み、のような解説があって、構図とかこのモネ作の影響、オマージュかと思ったら、これは1898年作、モネのは1890年作で、こちらの方が先だった、と。


そして締めにモネの睡蓮連作5作品。カードを買った「睡蓮、光の光景」(↓)は、カード自体の色合いも実物モードで気に入ったのですが、似たのは何枚かあっても、やはり手元にありませんでした。

モネとジヴェルニーの画家たち_a0116217_2103852.jpgカードはその他、上記の「水のある庭」「朝霧と・・」「花咲く野原、・・」で、母は「睡蓮」(1897-98)、ジョン・レスリーの「ジヴェルニーの庭」、「水のある庭」を買ってました。

ここはモネ聖地、というイメージだったですが、300人以上の芸術家が集まってた、と。今回の展示はその一画のようで、モネ作品は期待より少なかったですが、モネと交流したり、影響受けたり、そのお膝元で、それぞれの視点で、同じ美しい風景に、何かを感じて描いてた画家達がいて、各地の印象派ルーツになった、という場所でもあった、と改めて。

「プレミアム8<紀行>」を見た後、"どこでもドア"があったら「モネの庭」に、村散歩含めて3泊4日位で行ってみたい、等と書いてたのですが、今回で、やはり村周辺部含めて、1~2週間位あっても、と思い直しました。

関連サイト:モネとジヴェルニーの画家たち
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Tracked from はろるど・わーど at 2011-02-11 17:06
タイトル : 「モネとジヴェルニーの画家たち」 Bunkamura ザ..
Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷区道玄坂2-24-1) 「モネとジヴェルニーの画家たち」 2010/12/7〜2011/2/17 Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「モネとジヴェルニーの画家たち」へ行って来ました。 まさに印象派の聖地とも言えるパリ郊外のジヴェルニーてすが、今回の展覧会では大御所モネをはじめ、彼を慕ってやって来た数多くのアメリカ人印象派画家の系譜を辿る内容となっています。 展覧会の構成は以下の通りでした。 第1章 周辺の風景(ジヴェルニーのモネ)...... more
by MIEKOMISSLIM | 2011-01-04 00:00 | 芸術 | Trackback(1) | Comments(0)