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あなたがいる場所/沢木耕太郎(’11)

昨日、気になってた3月末出版の沢木新刊を読みました。9篇からなる短編小説集、先に後記を見たら、わかりやすさ、という事を割と意識したようですが、今まで読んだ沢木作品の中でも、読み易かったのは確かで、思ったより時間かからず読了。

主人公は市井の様々な大人や子供で、

銃を撃つ(女子高生)、迷子(小5の少年)、虹の髪(バス通勤の会社員)、ピアノのある場所(小(か中)学生少女)、天使のおやつ(幼稚園児の父)、音符(老未亡人)、白い鳩(中3の少年)、自分の神様(若いOL)、クリスマス・プレゼント(息子が入所してる寡夫の父)。

3年前の沢木さんの初小説、長編だった「血の味」の少年のように、極端な行動に走る主人公はなし。あえて言えば、一人娘の悲劇の現場の滑り台を、夜、1人取り壊しに行く「天使のおやつ」の父親。でもそこに、自分もある重い傷を持つ故の、黒子のような”理解者”が登場、その行動をある種フラットなものにしてたり、

大きなうねりはないけれど、日常の中の感情の揺れの、丁寧で判りやすいドキュメンタリー風、というか。何篇か子供目線の作品は、国語の教科書に載ったり、とか、児童文学、というには、やはりやや乾いた味かもしれませんが、

全般に、初のフィクション短編群にして、さすがの沢木節かも、という後味も。各編の心情や行動が、そう突飛な流れはなく、自然に入ってきて、そういう意味ではいつになく一気に読めた、という感じ。

5/6追記:それぞれの登場人物自身にしか判らない、内面の直観的なものやある啓示としての感じ方の表現、もありますが、そういう所も、著者の閃き、目を引く構成、というより、地に足の着いた各人物の目線を辿っての展開、と感じられる所が、やはり沢木色らしい、と思いました。

関連サイト:Amazon 「あなたがいる場所」沢木耕太郎沢木耕太郎「あなたがいる場所」 新潮社
関連記事:世界は「使わなかった」人生であふれてる(’02)血の味(’00)「愛」という名を口にできなかった二人のために(’07)銀の街から(’07、12月)(’08、1月)(’08,2月)(’08、3月)(’08、4月)(’08,5月)(’08、6月)(’08、7月)(’08、8月)(’08、9月)(’08、10月)(’08、11月)(’08、12月)(’09、1月)(’09、2月)旅する力 深夜特急ノート/沢木耕太郎(’08)LIFE 井上陽水~40年を語る<1>SONGS 財津和夫<1>/井上陽水<1>~<4>人の砂漠(’77)映画化人の砂漠(’10)

               (C)(株)新潮社
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by MIEKOMISSLIM | 2011-05-05 20:40 | | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from soramove at 2011-08-17 07:36
タイトル : 書籍「あなたがいる場所」時には立ち止まって、まっすぐ前を見る
「あなたがいる場所」★★★★ 沢木 耕太郎 著 , 新潮社 、2011/04.初版 ( 253ページ, 1,365円) <リンク:【送料無料】あなたがいる場所価格:1,365円(税込、送料別)> <リンク:>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「沢木 耕太郎の本はたぶん全部持っている、 でも小説は持ってるけれど 読んだことは無かった、 そのうち読む本として順番を待ってもらっている、 『深夜特急』などの紀行文やエッセイは 手にしたらすぐに読むが な...... more
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「KYOKO」は’02年に映画掲示板にスレッドを立てた村上龍監督、高岡早紀主演映画で、当ブログはそのスレッド、次のブログに続いての3代目です。マイペースで、長年ファンのユーミン関連初め音楽、美術展、仕事、グルメ(食事)、映画、本、日常、旅のことなどアップしてます。


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