2011年 11月 17日
SONGS 安全地帯
2曲目の「STEP!・・」が、10年前、新大久保駅で、線路に落ちた人を助けようとして電車に轢かれ亡くなった、韓国人留学生イ・スヒョンさんに捧げた歌、との事で、その両親を妻と共にプサンに訪ねる様子交えて。
冒頭、韓国で玉置浩二が手を繋いで歩いてる女性に、「妻・典子」というテロップが出て、復活愛、とか言われてた青田典子と結婚したんだ、と判って、そういう意味ではケジメをつけたんだ、と。
でも前回見た時はそうでもなかったのですが、今どうもこの人、というと、過去の石原真理への暴力沙汰や、
今はどうなのか?今回映像で見る限り、夫に寄り添い、イ・スヒョンさんへの思いを分かち合う妻、として、そう取ってつけたような感じも受けなかったですが、交際相手だった頃、この青田典子への暴力、DVぶり、という印象が先立ってしまい、
この人の好きな過去の曲があったのは事実、でも今回の美談的な「STEP!・・」企画、最後の、少年少女合唱団をバックに従えての「清く 正しく・・」なんて曲も、正直、やや鼻白む感じ。ラップ交えて、とにかく考える前に一歩踏み出そう、という前向きコンセプト、らしい「STEP!・・」という曲自体にも、特に余り感慨持てなかった。
ただ今回思ったのは、普段忘れてた出来事、10年前の一青年が新大久保駅でとった行動自体、というのは、’07年映画化「あなたを忘れない」もあったのでしたが、やはりこうして、曲や映画の題材になるだけの価値はある、という事。
映画公開時、またDVDで見た折に、こういう作品製作自体での、日韓関係のあざとさ、みたいな事も目にした覚え、でしたが、まさに事故当時の当人には、助けようとした相手が、日本人、韓国人、何人だろうがそうしたのだろうし、
今回そのお父さんは、電車が迫った究極の時、救出を断念して、自分だけでも逃げようと思えばそう出来ただろうに、のような事を語ってて、そこら辺、電車の迫り具合への意識とか、実際詳細は不明、でも全く見知らぬ他人のため、我が身を省みなかったのは事実。
結果的には報われず、自分も亡くなってしまい、ある意味無益だった行為、かもしれないけれど、そういう性善説を真っ当に体現、の純粋、ストレートすぎなもの、行為、またそういうものへの共感、というのはかえって伝わりずらいのかも、とか、「あなたを・・」の自分の感想見返して、改めて思ったり。
でもやはり、先日の3.11の時などにも、逐一報道はされなくても、我が身大事さの行動の他に、あちこちにそういう出来事はあったはずでは、とは思うのですが、
こういうモラル錯綜の時勢の中、そういうシンプルな性善説、というものこそ、ありのままに、創作物の題材になる価値がきっとあるだろう、などと思った今回の「SONGS」でした。
関連サイト:SONGS 第197回 安全地帯、Amazon 「あなたを忘れない」
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