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マリリン 7日間の恋(’11)

先週7日(水)に、有楽町よみうりホールで今月24日公開の「マリリン 7日間の恋」試写会、都合も合ったので、「いい加減な・・・」ブログのいい加減人(Yamato)さんとご一緒して見てきました。試写会は久方、一昨年夏頃の「借りぐらしのアリエッティ」以来。

ローレンス・オリヴィエが監督兼主演、マリリン・モンローと共演した「王子と踊り子」の第3助監督だったコリン・クラークの、当時の回顧録が原作、彼女とコリンの、秘められてたラブストーリー。

マリリンについては、私は確かに見た覚えある出演作は、メジャーになる前の「イヴの総て」位。あと大分前に何か見たかもしれないけれどどうも曖昧で、やはり浮かぶのはスカートを押さえる有名なポーズや、アンディ・ウォーホルの絵、南佳孝も歌にしたモンローウォーク、とか。

彼女題材、という興味で、正直、余りじんわり染みる恋物語、という期待はなかったですけれど、見終わってみると、ダイナミックなロマン大作、という感じはなくとも、意外としっとりした小品、珠玉作、という後味。


当時大人気のマリリン(ミシェル・ウイリアムズ)が、英国の演劇界の大御所、ローレンス(ケネス・ブラナー)軍団に迎えられての共演。(「王子と踊り子」('57)(↓))



新婚の夫アーサー・ミラー(ダグレイ・スコット)とやって来たマリリンは、華やかな存在感を振りまいていたものの、いざ撮影が始まると、彼の期待とは裏腹に、どうも演技方法の感覚が合わず。

この作品は今回知って、伝統的な舞台俳優ローレンスと天性の演技のマリリンって、普通に考えてもミスマッチ感しますけれど、彼は彼女の魅力で自分の演技への刺激、若返りを期待してたようだけど、根本的にギャップがありすぎ、の様相。

そういうストレス、また、世界中の男性の注目浴びた大スター、女性としては自信の権化、でもいいような彼女が、作家の夫の、結婚を後悔している、という内容の原稿を目にして、激しい動揺を露に見せる、女性としての意外な繊細さ。

撮影にも遅れがち、メンタル的に不安的になっていく様は、大スターの裏側の、意外な脆さ、危うさ、という序盤。

そして、スタッフの1人、映画界に入り込んだばかりの青年コリン(エディ・レッドメイン)は、すれてない、色眼鏡でなく、彼女を、魅力的だけれど繊細さもある一女性、として捕える感覚を持っていて、そういう2人の心の接近、というのは、割と自然に描かれていた感じ。


正直、鑑賞前は、物語的にはまあ所詮は不倫話、とは思ったけれど、この序盤の流れもあって、2人の”駆け引きない恋物語”モードに入っていけたかと。

途中、ふとかつての松田聖子とジェフ・ニコラスの恋愛沙汰、が浮かんだりして、あれはもっと長期間だったけれど、やはり大スターとの恋、まして既婚者との、というのは、いくらある期間の間、ピュアに相手が一女性、として思い合ったとしても、やはり現実的にはかなり難題。

でもこれは、同行したアーサー・ミラーが、自分の執筆活動を優先、不安定な彼女を残して帰国してしまったり、今一新婚の夫、としての不誠実さ、という背景も垣間見えたり、特に立場を利用しての、マリリンからの逆セクハラ、という風でもなく、自然な接近、

2人が出掛ける伸びやかな緑の郊外、瀟洒なウィンザー城、自然の中の湖、など風景映像もロマンティックで美しく、たった7日間、という儚さもあって、そうあざとさ、嫌らしさなく味わえた感じ。


a0116217_15363978.jpg歌声は、本家の方が低くて甘い、気もするけれど、ミシェル・ウイリアムズはセクシーにステージでモンロー曲もこなし、本家の容貌や天性の色気はとまではいかずとも、熱演だったのでは。

折にローレンスを驚嘆させるナチュラルな演技、コリンに見せる、天真爛漫で繊細な女性らしさ、またある種、見事なこの恋の締(し)め方。

「皆スターとしての私に近付いてきて、それが虚像だと知ったら離れていってしまう・・」のような趣旨の科白がちょっと印象的、そういう素顔の人としての寂しさとか、

本人の実態はベールの向こう、だけれど”マリリン・モンロー”の、華やかさやエキセントリックさ、またふと内面を垣間見せたり、多面的な体現のしなやかさ。

見ていた出演作の中で「ブロークバック・マウンテン」での彼女、というのは、故ヒース・レジャーと彼女との出会いでもあったのだったけれど、にわかに思い出せず、感想記事を見直したら、彼の妻役で、ヒースとジェイク・ジレンホールの間を知っての静かな苦悩の表現が、割と印象的だったのだった、と。


それとコリン役のエディ・レッドメインも、良家の育ち、映画への情熱あって、ソバカスの風貌印象からして、そう世間・業界ずれしてない、ピュアなものの見方をする青年、マリリンの内面を感じ取り、駆け引きなく接近していく役にフィットしてた感じ。

第3助監督、と言っても、実際雑用係のような、だったけれど、このコリン・クラーク本人は、その後オリヴィエと共にロイヤル・シェイクスピア・シアターの世界ツアーにも参加したり、テレビ界に入り多くのドキュメンタリー映画の製作及び監督を手がけてて、躍進してたようだけれど、
(C)(株)新潮社
a0116217_16443014.jpg今にして彼女との秘話を公に?と思ったら、本人はすでに’02年に他界。原作の2冊「Prince、the Showgirl and Me」は’95年、「My Week with Marilyn」は死の2年前に書いていて、少なくとも売名行為、的なニュアンスは少なそうで。

「My Week・・」はこの公開を機にか、先月日本語版が新潮文庫で出ていて、サイトで図書館在庫を見かけたので入手、読んでみることに。

今年マリリン没後50年でもあって、着目されて映画化、という流れだったようで、手掛けたのはサイモン・カーティス監督、他の監督作は見かけませんが、イギリスのTV畑の人のようで。


自身ローレンス・オリヴィエの再来、と言われてるケネス・ブラナーもハマり役、折にマリリンの演技に魅力を感じてる節もありつつ、受け入れ難く、時間のルーズさに不快を露にしたり、対照的な自分の演技の弱点をコリンに密かに嘆いたり、人間的な部分も垣間見せるオリヴィエ像、だったかと。

その他脇役陣で印象的だったのは、「王子と踊り子」出演者のベテラン女優、シビル・ソーンダイク役のジュディ・リンチ。私は「ラヴェンダーの咲く庭で」で以来、渋い物腰で健在ぶり。

劇中、聞き馴染みのマリリン曲はなかったですが、マリリンとコリンが車で出かけるシーンで哀愁の「枯葉」が流れて、これはナット・キング・コール版だった、と後で判明。


そういう所で、想像してた作風とはやや違って、大スターマリリンの一般的イメージとは裏腹な繊細な一女性、人としてのエキスで創られてて、

セクシーさの背後にそういう所も併せ持ってたからこそ、多くの人の心に訴えかけられた存在だったかも、とも今にして思えたり、前述のように、意外としっとりした珠玉作、という後味でした。

関連サイト:マリリン 7日間の恋 公式サイト象のロケット 「マリリン 7日間の恋」
関連記事:ブロークバック・マウンテン(’05)アイム・ノット・ゼア(’07)魔笛(’06)ラヴェンダーの咲く庭で(’04)私のこだわり人物伝 オードリー・ヘップバーンSONGS 南佳孝マリリン・モンロー 7日間の恋 / コリン・クラーク(’00)
<スレッドファイルリンク(ここでは「アイム・ノット・ゼア」「魔笛」)は開かない場合あるようです。>
    


by MIEKOMISSLIM | 2012-03-11 16:01 | 洋画 | Trackback(19) | Comments(6)
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Commented by いい加減人(Yamato) at 2012-03-11 20:40 x
こんにちは。
先日は、お世話になりました。
そうなんですよね。お互い駆け引き無しの恋だから、後味が悪くないんですよね。
Commented by MIEKOMISSLIM at 2012-03-11 22:22
いい加減人(Yamato)さん、コメント有難うございます。
改めて、久し振りにご一緒できて楽しかったです。そうあざとさなかった分、意外としっとりした後味で良かったですね。
Commented by desire_san at 2012-03-14 09:24
こんにちは。
時々訪問なさせて頂いています。
「マリリン 7日間の恋」という映画は興味がありましたので、味わって読ませていただきました。エリザベス女王以上に、マリリン・モンローを演じられる女優がいるのかと思っていましたが、エディ・レッドメインという女優さんはこの役でアカデミー賞、主演女優賞は立派ですね。

Commented by desire_san at 2012-03-14 09:28
・・・続きです・・・どこの世界でも本当に強いのは女性のようです。「鉄の女​」といわれたサッチャー元英国首相が、「政治の世界では​、言ってほしいことなら男性に、実行してほしいことなら​女性に頼むこと」と言った名言があるそうです。

女性を癒せる男性は少ない、そんな中で女性を癒すフェルメールが女性に人気があります。フェルメールの絵画がなぜ魅力的で、女性を癒せるのかについてまとめてみました。ぜひ一読してみてください。

ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけると感謝致します。
Commented by MIEKOMISSLIM at 2012-03-14 21:50
desire_sanさん、記事を読んでコメント、また時々ご訪問頂いているとのことで、有難うございます。

この作品は、従来のイメージとは違うマリリン・モンローの素顔が垣間見えたようで、恋物語としても、意外と味わいありました。

>エリザベス女王以上に、マリリン・モンローを演じられる女優がいるのか、と書かれてるのが、どうも意味が?掴めず、エリザベス2世とモンローは同い年のようで、同世代で、あれ程世界に向けて大変な役を演じられる女性は他にいるだろうか、という意味かとも思ったのですけれど。

またちなみに記事でのように、今回モンローを演じたのはミシェル・ウィリアムズで、エディ・レッドメインはその相手役の男優です。

ウィリアムズはアカデミー賞主演女優賞にノミネートされてましたが、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で、desire_sanさんが触れられてるサッチャー元英国首相を演じたメリル・ストリープが受賞したようです。

こちらは未見ですけれど、やはり強いイメージのサッチャー女史の「涙」という部分も、人間、女性としてどういう描かれ方だろうかと興味惹かれる部分はあります。(続く)
Commented by MIEKOMISSLIM at 2012-03-14 21:53
そちらのブログのフェルメールの記事も拝見しました。後程コメント欄に伺います。
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「KYOKO」は’02年に映画掲示板にスレッドを立てた村上龍監督、高岡早紀主演映画で、当ブログはそのスレッド、次のブログに続いての3代目です。マイペースで、長年ファンのユーミン関連初め音楽、美術展、仕事、グルメ(食事)、映画、本、日常、旅のことなどアップしてます。


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