Something Impressive(KYOKOⅢ)


ベルリン展スペシャル フェルメール光の傑作

「マウリッツハイス美術館展」記事で触れてたように、先日15日(日)、上野でマウリッツハイスに続いて後半、「ベルリン国立美術館展」を母と見てきましたけれど、

この前日、この展示会の特番放映があるのに気付き、夜にその録画を見てちょっと予習。母も後日録画を見て、割と判り易かった、と。ベルリン展記事の前に少し触れておこうかと思ったのですけれど、やや長くなって、別枠にすることにしました。


番組では、向井理が西洋美術館で最初と最後にナビゲート。また途中、今回の展示会の音声解説担当が小雪、テーマ音楽を作曲したのは、先日読んだ「才輝礼賛 38のyumiyoriな話」でユーミンの対談相手の1人だった辻井伸行さん、とか。

a0116217_17395536.jpg冒頭、ベルリン美術館、というのは単体でなく、15の美術館・博物館を指して、ベルリン国立美術館”群”だ、とか、

終盤、この街はナポレオンの進軍、第1・2次大戦、ナチス、冷戦、ベルリンの壁など、色々歴史の波乱があったけれど、その中でも、芸術を守ってきた、というような紹介。

街のアーティストの未亡人が、壁が出来た当時、9才の娘と引き離されて、連れ戻せたのは3年後だった、などという回顧。今ではベルリンの壁も、色々絵が描かれてて、イーストサイドギャラリー、というアートの場、になってる、とか。


阿川佐和子が、国立美術館群の中の絵画舘に行って、今回来日した作品、館長から「真珠の首飾りの耳少女」や、レンブラントの「ミネルヴァ」やレンブラント派の「黄金の兜の男」の説明を受けたり、

素描センターで、ミケランジェロの「聖家族」(↑カード)、ボッティチェッリの「ダンテの神曲」などの説明を受けて、間近で鑑賞したり。


出掛ける前に、銀座のフェルメール・センターで、生物学者&フェルメール博士、という友人福岡伸一氏に会って、同氏から「真珠の首飾り・・」について伝授を受けて、

これは、フェルメールが小さな風俗画にシフト、自分のスタイルを確立していった、最もいい時に描かれたもので、ベスト3には入ってくる作品、だと。

a0116217_17404118.jpgこの作品については私は割と最近知って、タイトルは似てるけれど「真珠の耳飾り・・」程華はなく地味な、という印象だったのだけれど、こうしてベルリン展の目玉にもなってて、人気作の1つだったのだった、と改めて。

実際の絵について、元々壁には地図が掛かってたのが、白く塗り込めてしまい、多分少女をより浮かび上がらせるため余計なモチーフを削ったんじゃないか、とか。

そう言えば私の部屋の壁に飾ってるポスターの「レースを編む女」、カードで見たら「ヴァージナルの前に座る若い女」の背景も、同様に白い壁、「真珠の耳飾の少女」の背景も、あっさり黒一色。

そして窓の桟に載っている小さな卵のようなもの?や、暗い机の下に何か機械のようなもの?などの謎、これが何なのか見てきてほしい、というようなやり取り。


ベルリンで、館長にその謎を聞いたら、機械については、おそらく家具で、当時の暖房器具では、窓の卵のようなものは、窓枠の一部では、などという答え。

ベルリン展で実物を見た時も、ちょっと注目してみたけれど、確かに机の下に薄っすら機材のようもの。チラシ、カード印刷では、窓枠の卵のようなもの、はあるけれど、その機材の辺りは黒くて全く見えず。


そして、阿川佐和子が、隣のフェルメール作品「紳士とワインを飲む女」を指して、これは今回日本には来ないんですか?と聞いたら、これはとても繊細な絵なので、今回送れなかった、と。

搬送の難しい繊細さ、というのも?だけれど、右手に赤いドレスの座った女性+その前にテーブル+傍らに立つ男性+左手のステンドグラス、など、前回のフェルメール展にきてた「ワイングラスを持つ娘」とちょっと似た構図。

「真珠の首飾り・・」の6年前の作品、「ワインを持つ・・」もその頃で、やはり女性題材の小風俗画前の作風作品だったようで。


そして阿川佐和子が、西洋の絵画を理解するのに、日本人にはキリスト教の歴史や宗教画、とか判らない部分があるけれど、フェルメールの絵は生活に密着してるので、共感を得やすいんじゃないか、と思うんですけれど、などと話しかけて、

館長が、そうですね、フェルメールを見るのに知識はいらない、心に直に伝わってくる芸術で、この「真珠の首飾り・・」も、悩んだ末に最後に辿り着いたのが、光輝く静寂の壁とたった1人の女性、という美しい構図だ、などと答え、

阿川側が、見てる人間に物語を作らせる余地を残しながらも、光の当て方、光り方など物凄く魅力的、と改めて知ったような気がします、のようなコメント。

そう言えば日本のフェルメール人気、というのもそういう宗教観の要らないシンプルさ+美しさ、も要素、だろうけれど、

私がフェルメールを割と好きなのも、印象派的なその時々の淡い光、その中の人物の何気ない風情の魅力、という高精度がありながら、押し付けがましくなさ、というのが大きいかも、と改めて。


a0116217_1757652.jpgまた、阿川佐和子はフェルメールのホームグラウンド、デルフトも訪問。地元の人の案内を受けながら、フェルメールのアトリエの跡地や、「フェルメール展」できてた「小路」(カード→)のモデル候補地を巡ったり。

ここは、「フェルメール展」前の特番でも少し映像があったのだったけれど、何ともこじんまり清楚な街並み。私が確か小~中学生の頃、ノート表紙などに何気なく描いてた異国のメルヘン街並み、のイメージに似てるのもあって愛着。

映画「真珠の耳飾りの少女」の街並みの覚えとはちょっと印象違う、と思ってたら、ロケ地はここでなかったようで。


アトリエは、今は教会になってる、フェルメールの妻の実家にあって、その窓は北向き。南側よりも太陽の動きが少なく、北からの光は安定してるので画家には理想的、そのお陰でフェルメールの絵は繊細でソフトな雰囲気を醸しだしてる、と。


また「小路」モデル地については、今回番組でも街に21ヶ所候補がある、と言ってて、「フェルメール展」前の新聞の特集記事では、空想説や、その建物は'80年代に取り壊された、という説を推してたのだったけれど、

今回は、最初の案内人は、元アトリエの近くの家をそのモデル、と紹介してたり、また、かつてフェルメールの実家が経営する自宅件宿があった場所の、裏手にある家が、そのモデル、という説も。

それらしき、絵との類似点を主張する人もいたり、新聞記事でも、観光ガイドにもそういう説初め、色々紹介されてる、とあって、

今ではこの街に、フェルメール作品は1枚も残ってない、そうだけれど、いまだにそういう17世紀の絵のモデル探し、が囁かれる街、というのも、何だか世知辛さなく風流、というか。

このデルフトの街、というのは、モネのジヴェルニーの庭、のように、”どこでもドア”があったら、ちょっと小旅行に行ってみたいマイ美術聖地入り、になりつつある感じ。ジヴェルニーもだけれど、実際行ってみたら、こんなものだった、と思うかもしれないけれど。


そういう所で、1時間番組ではあったけれど、ベルリンの街自体の背景とかベルリン美術館群の様相、主要作品紹介、フェルメール巡り、など網羅、

ベルリン展とは直接関係ない「小路」モデル候補地巡りとか、どちらかというと前回の「フェルメール展」予習向き、な所もありましたけれど、

そういうのも含めて、割と興味深く見られた番組(22日(日)にも、BS-TBSでPM3時~4時放送)でした。

関連サイト:ベルリン国立美術館展 TBS特別番組 阿川佐和子と向井理の フェルメール光の傑作ベルリン国立美術館展 サイト
関連記事:フェルメールの暗号~光の芸術画家の作品と生涯の謎を解く~フェルメール展ルーブル美術館展~17世紀ヨーロッパ絵画~マイケル(’96)ハナミズキ(’10)ALWAYS 三丁目の夕日(’05)ALWAYS 続・三丁目の夕日(’07)BECK(’10)
才輝礼賛 38のyumiyoriな話/松任谷由実(’11)<1>マウリッツハイス美術館展
<スレッドファイルリンク(ここでは「ALWAYS 三丁目の夕日」)は開かない場合あるようです。>

a0116217_17365573.jpg

<デルフトの町並み。奥の建物は、フェルメールが葬られてる旧教会。 (C)朝日新聞>>

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by MIEKOMISSLIM | 2012-07-20 23:44 | 芸術 | Trackback(3) | Comments(0)
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