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ベルリン国立美術館展~学べるヨーロッパ美術の400年~

前記事の番組「ベルリン展 フェルメール光の傑作」で多少予習、そして15日(日)上野後半、「マウリッツハイス美術館展」に続いて、国立西洋美術館でのベルリン展を母と見てきました。

こちらは絵画33点、彫刻45点、素描29点を6章に分けての展示。やはりここでの一番インパクト作品は、こちらの目玉フェルメール作品、「真珠の首飾りの少女」(カード↓)。

a0116217_8253286.jpg「マウリッツハイス・・」記事で触れてたように、幸いこちらの展示会は、待ち時間もなくそう込み合ってなかったけれど、この作品前だけは、割と人波。

実際そう大判の作品ではなかったけれど、その真前に立ったら、やはりそこはかとなく漂ってくる品格、のようなもの。

そして、ドレスとカーテンの黄色。幾つかこういう少女、女性を描いた小フェルメール作品の、ポイントカラーの1つ、で、そういう一連の珠玉作の1つ、という親しみ感、という感じ。



前記事で触れたように、番組でのチェック事項、窓枠の卵のようなものや机の下の機械、の細部にも気をつけて見たのだけれど、その時は気付かず、後で、美術館入り口付近にあったチラシを見てふと気付いたのは、少女の視線。

それまで、少女は漠然と窓の方を見てる、印象だったけれど、窓の手前に小さな四角い木枠があって、この小さな鏡を見てるのだろう、と、その時悟った次第。

母に言ったら、母も窓を向いてる、と思ってたようで。後日、母が録画を見た折に、番組を一部見直してたら、ナレーションで、「・・窓際の鏡を見つめる少女の姿が描かれています。」と言ってて、やはりそうだったのだった、と。


この「真珠の首飾り・・」以外で印象的だったのは、全般に彫刻作品が多かった、ということ。(ティルマン・リーメンシュナイダーと工房「奏楽天使」レクチャー・コンサートチラシより↓)
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番組で、この美術館群の中心となるボーデ美術館は、彫刻コレクションで有名、と紹介あったけれど、菩提樹、ツゲ、なし等木材、テラコッタ、砂岩、鉛、大理石など様々な素材。

生粋の立体的な彫刻作品だけでなく、2章の「15-16世紀:魅惑の肖像画」にしても、10点中4点が浮彫などで、肖像画ジャンルで、これ程彫刻の割合が多い展示、というのも、余り覚えなく。木彫りのものなどで、かなり細かく精密なものも折々。


それと、番組で紹介あったように、「黄金の兜の男」は近年になって、レンブラントの作品でなくその弟子の作品、と見なされた、とのことで、作者もレンブラント派、になってるけれど、

その他にも、各作品の作者名が、個人名でなく、(場所名)~の画家、彫刻家、工房、個人名と~工房、(個人名)~に帰属、のようなものが結構多く、3分の1位がそういう表示。

ベルリン美術館群の所蔵の懐の広さ、なのか、この街での激動の時代をかいくぐっての芸術作品保存、という表れなのか?別の原因なのか、こういう美術館展で、直接の作者不詳がこれ程多いパターン、というのも私はどうも覚えなく。


その他、印象に残った作品は、第3章「16世紀:マニエリスムの身体」では、ルーカス・クラーナハ(父)の「ルクレティア」。

「マニエリスム」は、誇張の多い技巧的な様式、らしく、「ルクレティア」も手足の長い、デフォルメしたような裸体の女性像、その絵自体には、特に魅かれるものはなかったけれど、

解説に、美しい人妻だった彼女が、ローマ王の子に身を卑しめられ、翌日、事情を知った夫に慰められるけれど、手にしたナイフで自害してしまい、その直前の姿、などとあるのを見て、そういう切羽詰った一瞬の女性像、と、ちょっと引っ掛かった次第。

後でサイトで、古代ローマの伝説の貞女で、彼女の死は王一族の暴政に対するローマ市民の憎悪をかきたてて、彼らは蜂起して王を追放して前509年に共和政を樹立、というのを見かけて、

彼女の悲劇そのものは、史実とは認められないようだけれど、伝説では、その潔癖さで歴史を動かした女性、だと。


a0116217_238449.jpg第4章「17世紀:絵画の黄金時代」では、ディエゴ・ベラスケスの「3人の音楽家」。

楽しそうな内輪の演奏風景で、この3人の2人だったかが持ってた四角いギターのような楽器は、「ビウエラ」というギターの前身、だと。

それと、ヤン・ダビッドゾーン・デ・へームの「果物・花・ワイングラスのある静物」(カード→)。

中央のワイングラスの両脇薄暗がりの中に子供らしき彫像も見えたり、神秘的ムードもありけれど、何ともリアルな周りの果物、花の描写。


第6章「魅惑のイタリア・ルネサンス素描」では、やはり番組でも取り上げられてたミケランジェロの「聖家族のための習作」(カード↓)。

聖母マリアと幼いキリストの間に、キリストの養父ヨゼフの顔、それがミケランジェロの顔、という説もあって、その背後にも謎の幾つかの顔。

素描は確かに地味、これまでそうインパクト残った作品も思い出せないけれど、番組で舘員が、「聖家族・・」を阿川佐和子に見せながら、

a0116217_1563333.jpgミケランジェロは、アイデアを自由に走らせてて、きちんと構図を決めずにささっとスケッチしてアイデアを描きとめた。素描は芸術家の暴走、とも言える、

創作の真っ只中にいる芸術家を、時空を超えて目の前に感じる事が出来る、などとその面白さ、を語ってたけれど、まあ画家のアイデアを描きとめた落書き、

今回そういう解説を聞いた直後に見たからか、また、やはりミケランジェロ級の”巨匠”レベルの落書き、と思って見たから、かもしれないけれど、初めてちょっと、そういう素描の、完成品とは違うラフな趣、というのも残った感じ。


後でカードを買ったのは、上記の「真珠の首飾り・・」「果物・花・ワイングラス・・」「聖家族・・」、母は「真珠の首飾り・・」。

母は2展示会通して、やはり印象的だったのは「真珠の耳飾り・・」、あと、こういう(ルーカ・デッラ・ロッピアの「聖母子」冊子より↓)聖母と子供の白い彫刻も良かった、と。


a0116217_230405.jpgそういう所で、マウリッツハイス~ベルリン展、と、注目の「真珠の耳飾り・・」「真珠の首飾り・・」の上野フェルメール巡り、というメイン趣旨のつもりで行って、

人波の中ではありましたけれど、両作品共、間近で見られたし、

マウリッツハイスでは、もう1点フェルメールの「ディアナとニンフたち」もあったり、歴史画やオランダ風景画、

ベルリン展では、その前日に見た特番での色々プラスα、もあったり、様々な彫刻、ユニークな人物、静物画、ミケランジェロ素描、とか、思ったより色々バラエティある作品群が味わえて満足でした。

関連サイト:ベルリン国立美術館展 サイト
関連記事:フェルメールの暗号~光の芸術画家の作品と生涯の謎を解く~フェルメール展ルーブル美術館展~17世紀ヨーロッパ絵画~マイケル(’96)マウリッツハイス美術館展ベルリン展スペシャル フェルメール光の傑作

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                     <同展チラシ>


by MIEKOMISSLIM | 2012-07-22 23:38 | 芸術 | Trackback(2) | Comments(2)
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Tracked from kintyre&#039.. at 2012-07-29 23:18
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Commented by desire_san at 2012-09-04 12:31
こんにちは。
私もベルリン美術館展に行ってきましたので、興味を持って読ませていただきました。
今回は、彫刻作品の名作、力作がたくさんきていましたね。
「奏楽天使」は、私も大変すてきな作品だと感じました。
ルーカ・デッラ・ロッピアはなかなか見る機会がないので見られてよかったと思いました、この「聖母子」は魅力的でしたね。
フェルメールの「真珠の首飾りの少女」は、人気の「真珠の耳飾りの少女」とはまた違った味わいがある作品でよかったと思いました。

私もベルリン美術館展で好きになった作品について書いてみましたので、よろしかったらご一読ください。ご感想、ご意見などブログにコメントなどをいただけると感謝します。
Commented by MIEKOMISSLIM at 2012-09-04 23:23
desire_sanさん、コメント有難うございます。

上記のように、私はやはり目玉の「真珠の首飾りの少女」には目を目を引かれ、マウリッツハイス展と同じ日に行ったのですけれど、「真珠の耳飾りの少女」と共に、初鑑賞出来て良かったです。

全般的にはやはり、彫刻作品の多さ、多彩さが印象的な展示会でした。聖母子テーマの作品も色々見られ、ルーカ・デッラ・ロッビアのものは、改めて、清冽な魅力だったですね。

そちらの同展の記事も拝見しました。後程コメント欄に伺います。

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「KYOKO」は’02年に映画掲示板にスレッドを立てた村上龍監督、高岡早紀主演映画で、当ブログはそのスレッド、次のブログに続いての3代目です。マイペースで、長年ファンのユーミン関連初め音楽、美術展、仕事、グルメ(食事)、映画、本、日常、旅のことなどアップしてます。


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