8月31日~最後の夏休み~<1>

昨日、ついに帝劇での「8月31日・・」チケット入手していた当日、公演に行ってきました。

やはり時間は結構忙しなく、6時仕事を終えた後すぐ出て、地下鉄駅までや、赤坂見附~永田町駅の乗り換えも足早に急いだつもりでも、劇場の席に辿り着いたのは開演7時の5分前、で、何とか間に合った、とホッと一息。

2階席からの舞台自体は、斜め上方から見下ろす感じで、見易かったけれど、やはり実際さすがにやや後方。でも、チケット入手の時にはわずかに残ってた最後方辺りの席まで満席状態。

私の右隣の通路脇席は、同年代位の女性、左隣もやや若いか同じ位の女性2人連れ。ちょっと見渡した感じ、また休憩時のロビーの感じだと、観客層は8割位は女性、中~高齢層が多めな印象。


a0116217_014450.jpgで、いよいよ開幕。ユーミン+演劇コラボ、全く未知のステージ体験、だったけれど、(→チラシ)

まあ後味的には、ファンタジー純愛劇付の、ちょっと趣向の変わったユーミンコンサートを味わった、というか。

途中休憩25分を挟んで、終わったのが10時半頃。

やはり通常コンサートよりは長め、密度的にも、通常コンサートよりやや高めだったチケット代の価値はあって、満足、とは思う。


バイクで事故に遭って危篤状態、病院のベッドに横たわる青年一彦(吉沢悠)の意識の中に、1年前判れた元カノ千佳(貫地谷しほり)が入り込んで、展開する時空を超えた恋模様、+ユーミンが折々登場で、物語を彩る曲を披露。

各ユーミン曲のシーン自体は、めくるめく光、映像の演出、バックにバレエシーンやダンサー、ステージ一部が回ったりせり上がったり、の、舞台装置の駆使、とか、なんらコンサートと変わりない華やかさ、のものも多く、

ただやはり、今回、劇そのものからしたら、舞台回し、というか、黒子役、的にか、ユーミンの衣装は大方が黒のボディフィットのタイツ+黒のラメつきのベスト、唯一「ANNIVERSARY」の時だけ、やや華やかなその白バージョン。

でも折にユーミンMCも入って、歌の後には大概拍手も起こったり、劇のヒロインは貫地谷しほりだけれど、やはりメイン的には歌担当のユーミン、という感じ。


10/25追記:ユーミンが歌ったのは、冒頭の「夢の中で~We are not alone,forever~」からアンコールの貫地谷しほり、陽月華と3人での「卒業写真」含めて16曲。

一番インパクトは、雨模様の光の演出鮮やかだった「パジャマにレインコート」。この曲や「ジャコビニ彗星の夜」「Good-bye friend」辺りの珠玉曲は、どうもコンサートで聞いた覚えもなく、今回聞けて幸い。

「Good-bye・・」って、サビが「Hello my friend」と同じで、そのアレンジ曲、と思ってたら、アイルトン・セナ事故死に際して、ユーミンがこちらを先に作って、ドラマ主題歌用にアレンジしたのが「Hello・・」だった、とか今にして。


劇の展開の中で、うーん、ここでこの曲、という意外性もあったけれど、一つのストーリーの中で、まさにドンピシャの曲、というのは、正隆氏の脚本+多くのユーミン曲、を持ってしても、なかなか難しそうで、

劇の流れだけを辿れば、正直、ここでこの曲、の必要性?、とか、逆にこのユーミン曲ステージに、こういう背景って必要?と感じた折もあったけれど、

一番自然に、劇内容とハマった印象だったのは、終盤の「ANNIVERSARY」。次がその前の2人のすれ違い模様の時の「最後の嘘」や、

冒頭のファンタジー世界への導入の「夢の中で~We are not alone,forever~」、ホテルのレストランのシーンで、ユーミンがピアノ弾き語りの「So long long ago」など。

このホテルのシーンなどは、ユーミンがそのレストランのバックミュージック演奏者、のような立場、のような感じもあって、自然な印象、

そういうケースは、最初の方、「ユーミンのSUPER WOMAN」の記者会見で正隆氏が言ってた通り、実際ユーミンが看護婦姿で、他の看護婦、医師達と歌い踊る「リアリティ」、もそうだったけれど、

そういう、科白はなくても、ユーミンが何らかの第3者的な登場人物役で、歌い出す、ような演出パターンがもっとあったら、ユーミン曲&劇の融合の味がもっと出てたのでは・・図書館のシーンだったら貸し出し係、とか。

でも、割と登場人物同士の携帯での会話だけのやり取りもあって、そういう心情的な交錯を表すシーンでは、やはり難しそうで、ああいう風に、ちょっと劇とは切り離した空間で、歌、にならざるを得ないかもしれないけれど。


劇自体は、ただストレートな純愛物語、というには、思ったより色々なエキス。まず吉沢悠演じる一彦が、千佳の知ってる本人、とは違う容貌、というスタートからして、自分の思ってる自分と他人の見る自分とのギャップ、

思い出す度に、脳内で少しずつ書き換えられてる、という”記憶”というものの不確かさ、直に向き合えば良かった所が、思い込みや躊躇で、第3者の介入もあって、離れてしまう関係、

主演の2人+冴子(陽月華)がメインだけど、看護婦達と医師、元患者とのやや縺れ気味な恋模様、とか、しがない警官のややほろ苦そうな家庭事情、とか、現実的な人間模様、もさり気なく垣間見える一方、

SFではないけれど、現実と夢の狭間、別れたまま、その後を知らずに過ごして終わったかもしれない元恋人同士の純愛ファンタジー、として切ない味も。


ふと帰りの電車の中で、昔のことが脳裏に。私が大学生の頃付き合った相手、最初の恋人は、卒業後8,9年後位だったか、母校通信の欄で、その頃亡くなってた、と知って、

一応学生課に問い合わせても詳細は不明、もう連絡もとっくに途絶えてたし、その経緯も知る由もなく。特にショック、というより、ああ死んでたんだ、と、思うと一時一緒に時を過ごした人が、と、何だか虚しさを感じた、という所。

時間も経ってたし、この物語のような互いへの心残り、は私にはなく、多分相手にもなかったと思うのだけれど。

でもすれ違いの経路、とか、うやむやなまま別れた2人が、どちらかが瀕死になって、その意識の中再会して心情的に和解、というようなファンタジーがあり得たとしたら、実際やり直しは叶わなくても、それはやはり幸せな経験、になり得るだろう、と。

そういう純愛ファンタジー、として大筋的には、さすが正隆氏、とは思ったのだけれど。


ちょっと引っ掛かったのは、一彦が、千佳という現恋人がいながら、父の病気の治療を、3年前別れてた元カノ冴子に頼った、という所。

冴子の父はリッチな権力者、彼女と付き合ってた頃も、就職先の世話をしてくれようとしたり、当時はそういう絡みも負担で、冴子から心が離れた経緯、

そして千佳と付き合いだして、彼女の留学費用のために密かに宅配のバイトまでしてる男気、からしたら、いくら父が心配、冴子にそういう富裕な背景や、その恩恵を受けそうな過去があったからといって、これはデリカシー皆無なNG、としか思えず。

一彦は、これはこれ、それはそれ、と、元カノのよしみ、友情での支援を仰ぐ、というつもりだったのかもしれないけれど、

彼に未練がある冴子、またそのかなりエキセントリックな性格的には、それでは済まず、結局、このことをきっかけに、2人の間に割って入ることになったのもさもありなん、という感で、何だか、と、興ざめ、の行動。

千佳の、いつも揺れてるけれど頑固、という一彦評、もあったけれど、どちらかと言えば、千佳の恋人として真の男気、的には、

元カノに頼る、というような事態を避けるため、千佳の留学費、でなくまず父の治療費のためにエネルギーを注ぐべきだったのでは、とか。

千佳は、一彦が自分のためにバイトして多忙なのを知らず、心の隙間が出来て、そういう反動もあってか、親族にもちかけられた、ホテルでの、形だけだけれど見合いを承諾、

そういう不安的な2人に、冴子を絡ませるための設定、とは思うのだけれど、どうも、私はやや興ざめ的に引っ掛かってしまった。


それと、これは一彦の事故の夜の一夜の物語、のようだけれど、その翌日、千佳が、予定通り空港から新たな仕事を始めるため、フランスへ飛び立っていこうとしていたラスト。

流れ的には、自分のTEL番号だけしか持っなてかった元彼が、事故で息を引き取った直後。空港で、今の彼と携帯で話しながら、一彦の思い出に、動揺は見せてはいたけれど、

その一夜の不思議な体験が、まだ生々しかったら、また、それが一彦のベッドでうたた寝した時に見たただの夢、だったとしても、うーん、切ない純愛モード、的には、そうあっさり、予定通りに旅立てるものかなあ、と。

現実的な彼女に降りかかる後始末、とかお葬式、とか生々しいシーンはなくとも、一呼吸、あってもよかったんじゃないか、とか。

そこら辺、おおまかなニュアンス的には、所詮元々別れてた相手、と、あえて振り払って自分の決めてた道に向かって駒を進める強さ、

また、バイトとはいえ、雇ってくれるフランスの事務所の就業予定が迫ってた場合、個人的な事情はさておき、の律儀さ、とも取れるけれど。

ユーミンのアンコール曲が「青いエアメール」、だったりしたのも、一彦は危篤のままだったけれど、親族とも連絡がついて、病院を後にして予定通り旅立った千佳、

その後彼が持ち直して、フランスにエアメール?の可能性仄めかし?とか、頭を過ぎったり、したけれど、パンフに、フランスからの千佳から一彦への手紙、というのがあって、そういうことでもなさそうで。

それは時空を超えた相手への、という感じで。まあ、ファンタジー話だから、とは思うのだけれど。


10/27追記:そのアンコール「青いエアメール」の後、ユーミンがダンサー、キャスト紹介、そしてキャストが一人ずつ演奏メンバー紹介で皆登場、

最後に貫地谷しほりが、「ボーカル、松任谷由実!」と紹介で沸いて、皆退場。まだアンコール拍手は続いてたけれど、そろそろ席を離れる客も出てきた頃、3人が再登場、

貫地谷しほりが、オーディションに落ち続けていた時は、こんな舞台に立てるとは思っていませんでした、とちょっと感極まった様子でコメント。

陽月華は、11月20日発売の「日本の恋とユーミンと」に触れた後、このステージは想像力と想い出が結合して完成する作品。当たってますよね?と、ユーミンに問いかけて、ユーミンがうなずき、由実さんの曲を豊かに聴ける人生を送りたい、などとコメント。

ユーミンは、帝劇は”アウェイ”と思っていたけど、この頃は帝劇に立てる事を誇らしく思えてきました。自分の曲に再び出会えた気がします。これも足を運んで下さる皆さんのおかげです。素晴らしい機会を与えてくれて有難う、と締めて、3人で深々と礼。

そして貫地谷しほりから歌い始め、3人で「卒業写真」。貫地谷しほりはそうクセなく伸びやかに、陽月華は、この人って、宝塚畑だったのだけれど、しっとり艶っぽい歌声。

思えば今回のナンバーで、荒井由実時代曲って劇中にはなく、これだけだったのだけれど、3人でのこの曲で締め。

劇の上記のような所はちょっと何だか引っ掛かってたのだけれど、最後、ユーミンと、彼女を取り巻く面々で創り上げたイベント、という熱気が伝わってきたのもあって、

やはり核になるユーミン曲の質+何をやっても、というそれなりのスペクタクル、という感じ、途中25分の休憩、というのも、一気に駆けめぐるコンサート、とはちょっと違った、ゆったりした演目鑑賞、という感覚もあって、後味的には満足感。


(C) TOHO Co.,Ltd
a0116217_156734.jpg休憩時間に売店で、パンフ(←)の見本を手にとって、ちょっと迷ってたのだけれど、帰りにロビーでやはり購入。

決め手になったのは冊子に+の、ユーミンが劇内容、演奏曲を追って解説、という40分のCD。

これを当日夜、寝しなに復習がてら聞いてたら、終盤の2人の関係が不安的な辺りで「Midnight Scarecrow」があったのだけれど、今回劇中ではなし。

何らかの都合で、当初予定だったのがなしになったのか、公演が続く中で変更になったのか?不明、フィット感的には、あっても良かった気もするけれど、

別れの気配の切なさエキス表現的には、その後の「Good-bye friend」「最後の嘘」で十分だったかも。

8月31日~最後の夏休み~<2>に続く。

関連サイト:帝劇10月公演「8月31日~最後の夏休み~」「8月31日~最後の夏休み~」の曲目 曲順
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by MIEKOMISSLIM | 2012-10-24 23:40 | 音楽・演劇 | Trackback | Comments(0)